ヤベぇ女、決定戦   作:泰然

2 / 18
いずれ選択式でアンケート取ります。


2話 強気な子とデート

「やあ、鬼門君」

 

鬼門

「あっ、七海、さん……?」

 

 

 

 そこにはグリーンのカーディガンを着たルドルフが立っていた。

 

 

 

ルドルフ

「さて、何処に行こうか?」

 

鬼門

「さて、じゃねえよ!? 何でルドルフがいんの?!」

 

ルドルフ

「ネタばらしをすると、七海とは私の事だよ。ナナ、ルナ……ルドルフッ!」

 

鬼門

「無理あるだろ……。お前、マッチングアプリなんてするのか?」

 

ルドルフ

「そうではないよ、たまたま君達の会話が聞こえてきたのさ。それで君が見切り発車で選ぶアプリと言えば、サイト上にあるものを選択すると思ってね。予測をしてインストールし、いいねを送った、という訳だよ」

 

鬼門

「でも、ルドルフ未成年じゃないの? 生徒会長として、規範はどうすんのよ?」

 

ルドルフ

「はぁ……。トレーナー君、私はもう実質的に成人済みだよ? 尚且つ君が選択したアプリは、高校生からでも行える。言わば、合法的に君と繋がれるのだよ!!」

 

鬼門

「なん、だと……」

 

ルドルフ

「故に、高校生は除くという項目には当てはまらないのだよ、トレーナー君」

 

鬼門

「今からレストランキャンセルしようかなぁ……」

 

ルドルフ

「そうか、私の為に……。行こうか、トレーナー君」

 

鬼門

「ルドルフの為じゃなくて、七海さんの為に用意したんだが……。てか、あの写真は?」

 

ルドルフ

「私が加工した写真。実質私だな」

 

鬼門

「ビールの売り子も嘘だし……。ルドルフって、あんな打ち込み方すんのか? メールベンケイみたいに」

 

ルドルフ

「時にはするものさ。相手に対して、失礼は避けたい。早速行くぞ、トレーナー君」

 

鬼門

「腕引っ張らんでくれる?!」

 

 

 

 予約の時間まである為、一先ず映画館で時間を潰す事にした。

 

 

 

 


 

 

 

 

 映画館に着き、どれを見るか選ぶ。今最新のものを見るか、お互い知っているものを見るか悩む。

 考えてみれば、俺は騙されている訳で真剣に選ぶ必要があるのか。そう思って適当に映画を選択する。

 

 

 

鬼門

「キッズアニメでもいいか……」

 

ルドルフ

「トレーナー君、恋愛映画にしよう。幼くして別れ離れになった男女の恋愛、再会まで恋焦がれる二人の心情が描かれている。これが見たい!」

 

鬼門

「ルドルフ……。ただでさえ誰かに見られたら不味いんだぞ? お前が成人してても、淫行には変わんないからな?」

 

ルドルフ

「その時は、許嫁同士と答えれば解決だ。私は、それで一向に構わない///」

 

鬼門

「顔を染めながら答えるな!? 全く、こんな事が学園でバレでもしたら、理事長に懲戒処分だぞ」

 

ルドルフ

「そもそも論だがね、トレーナー君。君がマッチングアプリを使うから問題になっているんだぞ? 社会的に死にたくなければ、協力するのが手だと思うが?」

 

鬼門

「すんません……。何で俺、謝ってんだろ……」

 

 

 

 そのまま押し切られる形で恋愛映画を鑑賞する事になり、チケットを買う。

 一番上段の席を取り、始まる間に食べ物を購入する。

 

 

 

鬼門

「ルドルフはよく、映画館に来るのか?」

 

ルドルフ

「一人で映画鑑賞する場合は、歴史映画を好んで見る事が多い。人間同士の感情が読み取れて楽しいものだよ。今はトレーナー君と恋愛映画を見たい気分ではあるがね」

 

鬼門

「そうか。俺は何でも見るけど、好きな映画の続編は見に行く程度かな」

 

ルドルフ

「娯楽はその程度で十分。本来の楽しみ方は、そうできている」

 

鬼門

「一緒に並んでもらって悪いんだけど、手を繋ぐ必要は無いだろ?」

 

ルドルフ

「何を言う、お互いマッチした身なんだ。元来その様なものだろう。君とはこうして楽しむ事など、出来ないだろ?」

 

鬼門

「そうですか……。ルドルフは何か食べたいものはあるのか、ポップコーンとホットドッグとか」

 

ルドルフ

「私は好んで食べたりはしないが、せっかく来たのだからキャロットサンドを食してもいいかな?」

 

鬼門

「サンドイッチ系か……。俺も頼もうかな」

 

ルドルフ

「お揃いであれば、ますますカップルだな」

 

 

 

 茶化されながら自分達の番に回り、サンドイッチを二人分注文した。そして丁度良く上映時間となり、番号に振られた館内に入る。

 

 

 

ルドルフ

「トレーナー君、上映前というのは妙に興奮したりしないか? 照明効果もあるかもしれないが」

 

鬼門

「確かにな、何でなんだろう?」

 

 

 

 待っている間、映画の予告を見ながらルドルフと楽しむ。その合間にサンドイッチを頬張り、一口で半分無くなる。

 

 

 

 

ルドルフ

「トレーナー君、口にソースが付いてるぞ?」

 

鬼門

「どこだ?」

 

ルドルフ

「ジッとしていてくれ」

 

 

 

 ポケットからハンカチを取り出し、俺の口元を拭いてくれた。ここでも彼女の気品の良さが出ている。

 普通であれば教えるものだが、事前にハンカチを持つのは育ちの良さが垣間見える。

 彼女と()()()()()()、と考えるが学生だし、もう少し早く生まれてくれればと想像する。

 自分でも気づかず、ルドルフを凝視する。

 

 

 

ルドルフ

「トレーナー君?」

 

鬼門

「あぁ、何でもない……」

 

ルドルフ

「そうか? あっ、そろそろ始まるな」

 

 

 

 上映が開始し、画面を注視する。

 流れとしてはルドルフが説明した通り、幼くして別れ離れになった男女の恋愛、再会まで恋焦がれる二人の心情。

 逢っていない間の二人の気持ちが揺れ動く様を、主に描写として描かれている。主人公同士が共に違う異性を好きになるが、どこか相違があり、疑問になりながら一度付き合う話。

 好き嫌いせずに見るものだと思った。

 意外に面白いと思いながら、感傷に浸っていると俺の手を握ってくる。

 

 

 

鬼門

どうした?

 

ルドルフ

トレーナー君は、お試しという形で付き合うような男か?

 

鬼門

好きな人がいれば、しないかなぁ

 

ルドルフ

そうか

 

 

 

 言い終えると、彼女は少し強く俺の手を握る。

 その後はハッピーエンドを迎え、何事も無く上映は終了。お互いに感想を言い合い、恋愛談議に花を咲かせる。

 

 

 

ルドルフ

「いきなりだがね、トレーナー君。君は何故、結婚したいのか聞かせてくれないか?」

 

鬼門

「急だな……。まぁ、年齢的にもヤバいし、親にも催促されるから自然に意欲が湧いてきた感じかな」

 

ルドルフ

「そうか……。ネタバレをするとだね、君の担当達はトレーナー君の事を好意に思ってる」

 

鬼門

「えっ……。いやいやいや、そんな訳……」

 

ルドルフ

「信じないのは自由だが、私がアプリを駆使して何故、君に逢ったか、これをよく考えて欲しい」

 

鬼門

「……」

 

 

 

 その後は会話も無く、映画館を出て行く。

 学園に着き、ルドルフとは別れて寮へと入る。その最中、アプリにメッセージが来ている。

 あのルドルフの言葉を聞いてから、アプリの人間と会うのは忍びない。

 取り敢えず返信はせず、担当バ達の事をよく考える。好きであれば、真剣に向き合う必要がある。

 教師と学生が恋愛をするのは、世間一般的にはある。日の目が当たらないだけで、多くの人は秘密裏に行っている。

 それが俺にも来るとは思いもしないが。

 

 兎に角、寝よう。

 

 

 

 


 

 

 

 

 朝を迎え、今日は日曜日。

 

 もう一つの休みを謳歌しようと、早めにご飯を食べる。そしてそのまま、エースの畑の手伝いをしようと準備する。

 すると、何処からか声が微かにする。

 

 

 

エース

「トレーナーさーん! おーい!」

 

鬼門

「あれ? いつもは先に畑に行ってるはずなんだが……」

 

 

 

 寮のドアを開けると、そこには作業着を着たエースが立っていた。

 

 

 

エース

「トレーナーさん、言いたい事があるんだけどよ……」

 

鬼門

「そんなに遅かったか? すまん、今行く――」

 

エース

「そうじゃねえ! 何で返事返さねえんだよ!!」

 

鬼門

「返事? 何の話……」

 

エース

「アプリだよアプリ! 今日の予定聞いてねえのかよ?!」

 

 

 

 エースは俺が最近使っているマッチングアプリを見せてきた。

 そこには見覚えのあるエミリという名前で登録された、画面が表示されていた。

 内容は、日曜日にお出掛けしないか、という文章が書かれている。

 

 

 

鬼門

「待って、エミリってエース?」

 

エース

「そ、そうだよ。恥ずかしいアプリダウンロードして、いいねまで送ったんだよ!」

 

鬼門

「どうやって……?」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。