ヤベぇ女、決定戦   作:泰然

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いやぁ、キツイでしょ……。


5話 トレーナー写真集が欲しいウマ娘

 今日も皆の補給食を作りながら、午前中を過ごす。

 パソコンで打ち込み作業をしていると、ミラクルとパーマーがトレーナー室に入ってくる。

 

 

 

パーマー

「ねぇ、トレーナー! この写真集、何!?」

 

鬼門

「うわぁ……。黒歴史本じゃん、トレーナーの日常を写した雑誌だよ……」

 

ケイミラ

「これ、売店で売ってたんです。誰が撮ったんですか?」

 

鬼門

「理事長がカメラマンを雇って、ちゃんとした資料を作成した感じかな。売店で売られてるのかぁ……嫌だな」

 

パーマー

「何で? カッコいいじゃん! 指示出してるトレーナーとか、ご飯食べてる写真とか」

 

鬼門

「無表情で写ってる物なんて、面白くないだろ」

 

ケイミラ

「そこが良いんです、黙々と作業してる姿にギャップを覚えるんですよ」

 

パーマー

「おっ、ミラクル分かってるね。この写真とか……あっ――」

 

鬼門

「おい、何で着替えてる写真が混じってんだよ!? 完全に隠し撮りじゃねぇか!!」

 

ケイミラ

「まぁ、こういうのもアリだよね……///」

 

パーマー

「きっとこれも必要だよ……うん///」

 

鬼門

「恥ずかしいから仕舞いなさい、これじゃあ何の撮影か分からんだろ……」

 

 

 

 小休憩の為、二人は再び教室へと戻った。そして今日のお昼は、誰も訪れずに平和に過ごした。

 

 

 

 


 

 

 

 

 お昼休憩に入り、私はさっき買ったトレーナーの雑誌を屋上に集まり、担当同士で共有する。

 

 

 

パーマー

「会長さん、これ買いました? トレーナーの雑誌」

 

ルドルフ

「パーマーも買ったのか。私も観賞用と使用用に買ったよ」

 

エース

「使う用って……。何に使うんだよ、あたしも買ったけどさ……」

 

シービー

「エースって、ムッツリだよね?」

 

エース

「ムッツリじゃねぇよ!? あたしは見て楽しむだけだし……///」

 

シリウス

「しかし、こんなギリギリな写真よく撮れたな。この絵も、他の需要を満たす用途にしか見えないだろ……」

 

ケイミラ

「そうですね、この腹筋とか心臓に悪いですよね」

 

ヒシアマ

「仕事風景を写したとは言ってるが、明らかにグラビア本だね……」

 

パーマー

「ヒシアマ姐さんの言う通り、これはちょっと刺激が強いような気も……」

 

ケイミラ

「ただ、これで終わらせるのは勿体ないと言うか、もっと増刊してトレーナーさんの記事を増やして欲しい面もあるかな」

 

ルドルフ

「ならば、我々で発行部数を増やそう。人気となれば、次も購買に並ぶのは間違いないはず」

 

シリウス

「決まりだな。私達だけで売り上げを伸ばす、これで仔犬のセクシーショットを合法的に見れる」

 

エース

「燃えてきたぜ!」

 

シービー

「取り敢えず、今売られてる雑誌を買い占めよう」

 

「「「「「「「オー!!」」」」」」」

 

 

 

 


 

 

 

 

 次の日、突然理事長に呼び出され、困惑しながら部屋に入る。

 怒られるのかと思いきや、彼女はいつもより朗らかに笑っていた。

 

 

 

鬼門

「理事長、今日はどういった呼び出しで……」

 

秋川

「報告ッ! 今回呼びだした経緯は、私が考案したトレーナーの日常雑誌が好評という報せだ。そこでッ! 前回の雑誌により、鬼門トレーナーの独占取材をして欲しいというウマ娘の要望が多数見受けられた」

 

鬼門

「アレ、そんなに売れたんですか?」

 

秋川

「重畳ッ! この結果を踏まえ、君にも臨時収入が増える。そして、要望に応える為に取材の了解を頂きたいのだが、色好い返事を貰えると有難い」

 

鬼門

「まぁ、悪い話ではないのでいいですけど……」

 

秋川

「感謝ッ! であれば早速、カメラマンの指示の下、作業に取り掛かってくれ。鬼門トレーナー、益々の活躍に期待する」

 

鬼門

「はい……頑張ります」

 

 

 

 言われるがまま、カメラマンに連れ出されて様々なシチュエーションに沿って撮影がスタートする。

 前の撮影は自然な感じを演出するものが多かったが、今回は全てカメラ目線に傾いている。

 撮られるだけでも、かなりの体力を使う事が分かった。目元や口の開き具合など、かなり細かいダメ出しが多かった。

 それはいいのだが、服一枚でスケスケの状態で誰が喜ぶのか分からない。

 それに、至近距離でカメラに向かって行う撮影が多すぎる。慣れていない為、自分がナルシストになった気分で勝手に自己嫌悪に陥る。

 そして当然、学園内での撮影の為、他の生徒に見られながらはキツイ。図書室でお腹を見せながらカメラに近付く時は、一番ヤバいと思った。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 太陽が傾き、何だかんだ撮影は終わり、俺はトレーナー室で休憩しているとミラクルが入ってくる。

 

 

 

ミラクル

「お疲れ様、トレーナーさん。色んな所で撮影しているの、遠くで見てました」

 

鬼門

「いい大人がこんなことするなんて……。誰が俺なんかの写真集を見たいんだか、理解に苦しむ」

 

ミラクル

「おれは、少なくとも知らないトレーナーさんが見てみたいです。それを追体験として楽しむのが、本来の写真集ですから」

 

鬼門

「そうか……。それだったら、ミラクルの写真集も見てみたい気もするな」

 

ミラクル

「二人きりなら、いつでも見せますよ? トレーナーさんから言ってもらえれば」

 

 

 

 そう言いながら近づいて、夕陽に照らされながら応えるミラクル。俺は思わず心臓が跳ね、誤魔化すように外を眺める。

 

 

 

鬼門

「じ、冗談はそれくらいにしておけ、ミラクルはもう少し自分を大切にした方がいいぞ?」

 

ミラクル

「大切にしたいから、おれはトレーナーさんに言ってるんです。昨日も、おれ達の分の補食を作ってくれました。そんなおれ達を大事に想ってくれる人と、一緒に居たいのは当然じゃないですか?」

 

鬼門

「あ、ありがとう……」

 

ミラクル

「ふふっ、どういたしまして」

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 そんなやり取りで気まずくなりつつ、夜一人で作業をしているとパーマーがトレーナー室を尋ねてくる。

 

 

 

パーマー

「やっほー、トレーナー。撮影お疲れ様、めっちゃカッコよかったよー!」

 

鬼門

「忘れようとしてたのに、思い出させないでくれ……」

 

パーマー

「あぁ、ごめんね。普通は恥ずかしいもんね、慣れた仕事でもないし」

 

鬼門

「モデルの仕事に対して、尊敬の念を抱く事になるとは思ってもみなかったよ……」

 

パーマー

「でも、あれ良かったよ。笑顔でジャンプしながら撮ってたやつ、すごいキラキラしてたよ!」

 

鬼門

「忘れてくれ……」

 

パーマー

「あれ~? 励ましてるんだけど……」

 

鬼門

「パーマーも一緒に撮ればわかるさ、あれがどれだけの地獄か。あっ、パーマーも一緒に撮らないか? そうすれば、少しでも俺の羞恥心も和らぐかも」

 

パーマー

「えっ!? いいよ、私は!? それに、並んであんな写真撮るなんて……///」

 

鬼門

「今二人で並んで撮ってみるか?」

 

パーマー

「えっ、いいの!?」

 

鬼門

「それくらい大丈夫だろ、減るものでもないし」

 

パーマー

「じ、じゃあ、失礼して……///」

 

 

 

 二人で立ち姿のまま撮影をする。

 パーマーはいつもとぎこちない笑顔でカメラに向かい、シャッターを下ろす。

 

 

 

パーマー

「……はずい」

 

鬼門

「よく撮れてるな、パーマー。ん? パーマー?」

 

パーマー

「あぁ、ごめん。ボウっとしてた……私は部屋に戻るよ」

 

鬼門

「おう、おやすみ」

 

 

 

 


 

 

 

 

 私はトレーナ室を出て、暫く歩いてから先程撮った写真を眺める。

 顔が近い、熱い、死んじゃいそう。

 

 

 

パーマー

「こんな写真、一生撮れないかも……。壁紙に貼って、毎日朝とかに見ればすぐ起きれるかも」

 

 それに今日の撮影見てたけど、あんなの写真として出すのはあまりにハレンチ。

 しかも、これも他の人が見るんだよね。見せたくないな、私だけに向けて欲しいな、あの笑顔。

 兎に角、写真集が出るのが今からでも楽しみ。アレがあれば、いつでも解消できる。いつでもトレーナーを補給できる、簡単に。

 

 ふふっ、楽しみだな。

 

 

 

 

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