戦士咆哮シンフォギアK【加筆修正作業中】   作:名無しのごんべい

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 第一部ラストスパート。

 勢いを保つために明日の同じ時間に次を投稿します。




第十三話 「戦姫」

 ふらわーが休業状態なため、気晴らしに二課に来た雅人。

 司令室であおいに入れてもらったコーヒーを飲んでいた。

 

 やることも無いのでどうしようかと悩んでいると、弦十郎が少し遅めの出勤をしてきた。

 

「ようおっさん。今日は遅いな」

 

「ああ、ちょっとな。響君と翼に通信をつないでくれ!」

 

 弦十郎からの話では、敵……フィーネはこの東京のどこかに『カディンギル』と呼ばれる物を建造しているらしい。

 途中で話に入ってきた了子によると、『カディンギル』とは塔を意味すると言う。

 それが何で、フィーネの目的が何かはわからないが、碌なものではないだろう……と、雅人は考える。

 

 そして雅人が感じたのはノイズの気配。

 少し遅れて二課でも感知され、4体の大型ノイズがまっすぐに東京スカイタワーに向かっていることが分かった。

 通信を切り、それぞれがスカイタワーに向かっていく。

 

「待て、雅人!」

 

 雅人も向かおうと出口に向かって走り出したが、そこで弦十郎に呼び止められる。

 

「なんだよおっさん!」

 

「お前はスカイタワーに向かわなくていい」

 

「はぁ!?」

 

 すると弦十郎は雅人に近付き、周りに聞こえない声量で話し出す。

 

「お前には、ここの防衛に回ってもらう」

 

「防衛? 誰か攻めて来るのか?」

 

「おそらく、スカイタワーは陽動。その隙に本部は襲撃されるだろう」

 

「なんでそんなことがわかるんだよ?」

 

「……おそらく、フィーネの正体は、櫻井 了子」

 

「……!」

 

 弦十郎の言葉に、雅人は絶句する。

 お人好しの弦十郎が仲間を疑うとは思っていなかったからだ。

 

「……」

 

「反論しないんだな?」

 

「櫻井さんと話してると、妙に『アークル』が疼くときがあったから……何かあるとは思ってたよ」

 

「そうか……。お前はこのままリディアンに向かってくれ。

襲撃されたとき、あそこが一番に狙われるだろう」

 

「わかった」

 

 弦十郎に背を向けて、走り出す。

 目指すは直上のリディアン。

 エレベーターに乗り込み、手すりにつかまって到着を待つ。

 

 不意に、ノイズの気配。

 すぐ近く、リディアンの校舎内。

 

「変身!!」

 

 エレベーター内でクウガに変身。

 扉が開くと同時に飛び出す。

 

 窓から見えるのは阿鼻叫喚の地獄。

 生徒たちが逃げまどい、自衛隊が必死になってノイズの進行を食い止める。

 

「きゃぁ!?」

 

「なに!? だれ!?」

 

「ノイズ!?」

 

 どうやらシェルターへの通り道だったらしく、多くの生徒が雅人の目の前で列を作っていた。

 その目に映るのは、純粋な恐怖。

 

 生徒と警戒して銃を向ける自衛隊の隊員たちを尻目に、雅人はガラスを突き破って校庭に出る。

 

『オラァ!!』

 

 近くにいたノイズを殴り、炭に変える。

 生徒に向かって飛びかかるノイズに飛び蹴りを放つ。

 体をドリルのように変えて突進してくる飛行型を避け、地面に突き刺さったところを殴る。

 自衛隊を狙うノイズの集団の中央に入り、力を込めて渾身の回し蹴り。

 ノイズの集団を一瞬ですべて炭に変え、次のノイズへと走る。

 

(これだけ衆目に晒されるともう掟だなんだと言ってられる状況じゃないよな。ま、仕方ないよな!)

 

 芋虫型に向けて跳ぶ。

 空中で体を一回転させ、右足を突き出す。

 勢いのついた跳び蹴りは芋虫型の巨体の中央にくっきりとした刻印を浮かび上がらせる。

 

 爆発。

 

 足元で生まれたばかりのノイズもろとも爆散。

 

(なんたって俺は、『仮面ライダー』だからな!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……これで全部……か?』

 

 ノイズを殲滅し、呟く雅人。

 そこには変わり果てたリディアンがあった。

 校舎は崩れ、あちこちに爆発の跡がある。

 壊れた戦車や戦車の爆発に巻き込まれて死んでいった自衛隊員。

 そして、大量の炭。

 

『流石に数が多すぎた……せめて響か風鳴さんのどっちかがいてくれれば……もっと多くの人を……』

 

 どれだけ雅人が一人で奮闘しようと、シンフォギア装者のような範囲攻撃のないクウガにとって多勢に無勢というのは厄介だ。

 シンフォギア装者なら一度に10体相手にできるが、クウガが相手にできるのは多くても3体までだ。

 故に、ノイズが雅人を狙わずにリディアンを狙った場合、被害を食い止めるすべがない。

 

『もっと強かったら……せめて『金』の力があれば……。

 ……!?』

 

 破壊の爪痕が残る校庭で一人たたずんでいると、急に『アークル』が疼きだした。

 

(これ……櫻井さんと話しているときと同じ!?)

 

 まるで何かを警告するように『アークル』は疼く。

 その疼きに従って雅人はせかされるようにエレベーターを降りる。

 どうやら下の階で止まっているようなので、扉をこじ開けて『青のクウガ』になってシャフトを飛び下りる。

 やがて見えてくるシャフトの最下部。

 

 そこに一基のエレベーターが止まっているのを見つけると、落下の衝撃を緩和するために『紫のクウガ』に変身。

 

 ズドン!!

 

 という音を響かせながら着地し、エレベーターがその衝撃に耐えきれず拉げる。

 そのまま天井を突き破ってエレベーターの内部に着地。

 目の前には未来と慎次、倒れた弦十郎、そして扉の向こうに消えようとしている黄金の鎧をまとった女。

 

『未来!! 緒川さん!!』

 

「! 雅人君!」

 

 二人に駆け寄る雅人。その歩みが、倒れた弦十郎を捉えたところで止まる。

 

『……おっさん?』

 

「すぐに、手当てをしなければ! 未来さん! 雅人君! 司令を運ぶのを手伝ってください!」

 

「は、はい!」

 

 慎次が弦十郎の肩に手を回し、未来が横に回って二人を支える。

 そんな2人を、雅人は呆然と見つめる。

 

 やがて拳を握りしめた雅人は、エレベーターに向かう2人に背を向け閉ざされた扉に向かう。

 

「雅人君!?」

 

『……おっさんを頼む』

 

「……行きましょう、未来さん」

 

「……」

 

『行け』

 

 何か言いたげに未来は雅人を見つめていたが、二人が通路から消えるまで雅人は振り返ることはなかった。

 

『……』

 

 雅人は無言のまま拳を握りしめ、固く閉じられた扉の前まで歩く。

 そしてその扉に拳を叩き付ける。

 扉が『紫』の怪力によってへこみ、それでも雅人は拳を振りかぶる。

 何度も何度も殴りつけ、ついに扉が吹き飛んだ。

 

「ほう? まさか貴様がこんなところまで来るとはな……」

 

 こちらを向いた黄金の鎧の女が雅人に向かって話しかける。

 

 その瞬間、雅人の頭に『アークル』を通して圧倒的な量を持つ情報が流れ込んでくる。

 

『櫻井 了子……いや、先史文明期の巫女、フィーネ……と言った方がいいのか?』

 

 ピクリ

 

 と、フィーネの眉が跳ねる。

 少しして、その口角が吊り上がる。

 

「まさか私を知っているとは……今までそんなそぶりを見せなかったが、どういうことだ?」

 

『この『アークル』があんたのことを知ってたんだよ。聞いたことないか? 霊石『アマダム』』

 

「……! まさか、そうか。

 再びその名を聞くことになるとは思わなかったよ。なるほど、どこかで見覚えがあると思ったらあの霊石だったとはな。ノイズを倒せるのも道理というわけか……」

 

『今更、過去の亡霊が何の用だ?』

 

「決まっている……月を穿つ!! バラルの呪詛を解き、統一言語を復活させ、私がこの世界を支配する!! そして今度こそ! 私のこの胸の思いを! あの御方に……」

 

『数千年越しの愛か……。俺にはあんたが今までどんな思いで生きてきたかなんてわからないが、それでも止めなくちゃいけない。それが、『クウガ』の使命だからな』

 

「ならばここで貴様を砕く! いかな霊石と言えど、あの御方と対等の力を持っていようと! この身の完全聖遺物『ネフシュタンの鎧』とわが心を砕くことは出来ぬと知れ!!」

 

 フィーネの鞭が振るわれる。

 それを躱し、近くにあった手すりを蹴り上げて掴む。

 

『超変身…!』

 

 雅人が『青のクウガ』に変身すると同時に手すりは変形し、青いロッドに変わる。

 

「『モーフィングパワー』……『封印エネルギー』と『浄化エネルギー』と同じく『アマダム』を代表する力の一つ……。過去にその霊石を調べ上げた天才がいたな。

 それで私を攻撃するのか? その力を人に向けるのは禁忌ではなかったのか?」

 

『あんたは例外だよ。この力はあんたとノイズ、そしてまだアークルが教えてくれないもう一つの脅威に対抗するための力なんだからな!』

 

 鞭を受け流し、突き込む。

 

『どうしておっさんを攻撃した!? 仲間だっただろう!!』

 

「仲間? 私にそんなものはいない。あの男も私の計画に邪魔だったから排除しただけだ」

 

 その突きを片手で受け止められるも、止められたロッドを支点に跳び上がり、踵落とし。

 肩に直撃するも、やはり『青のクウガ』では力が足りず、弾かれる。

 

『何とも思わないのか!? おっさんも響たちも……俺だって! あんたのことを仲間だと思ってた!』

 

「そうか……私はただの研究対象程度にしか見ていなかったよ」

 

『貴様……!!』

 

 着地し、睨み合う。

 

「……その程度か? 霊石の力の恩恵はその程度では無かろう?」

 

『……超変身!!』

 

『赤のクウガ』に戻り、真っ向から突っ込む。振るわれる鞭をかがんで躱し、フィーネの腹にボディブロー。

 

「……時間の無駄だったか」

 

 だが、雅人の拳は届かなかった。

 殴りに行った拳はやすやすと掴まれており、そのまま投げ飛ばされる。

 

「とんだ出来損ないだな。力に振り回されるだけの半人前。そんなもので『アマダム』を制御できると思っていたのか?」

 

『クッ!』

 

 またしても振るわれる鞭を躱す。

 だが、決して広いとは言えない通路の中では逃げ場は限られている。

 雅人が追い詰められるのは早かった。

 

「さて、できればお前は研究材料としてとっておきたい。『アマダム』の影響が人体にどう作用されるのかは興味がある」

 

『あんたのモルモットなんか死んでもごめんだね。アークルがうるさくて夜も眠れなくなりそうだ』

 

「安心しろ。その体はじきに眠る必要もなくなる」

 

『……どういうことだ?』

 

「遥か昔にその『アマダム』の研究資料に目を通したことがあってな。曰く、アマダムは人を兵器に変質させるそうだ。お前はいずれ、食事も睡眠も必要ない『戦うための生物兵器』になるだろう」

 

『な……なんだと!?』

 

「知らなかったのか? そう言えば修行半ばで師が死亡したらしいな。教わる前に死んだと言う事か。安心しろ。お前はこれから私の研究材料として過ごしてもらう。だから、今は眠るがいい」

 

 フィーネがそう言った瞬間、雅人の腹をネフシュタンの鞭が貫く。

 意識を失う雅人が最後に見たのは、さもおかしそうに笑うフィーネだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん? しまった、殺してしまったか?」

 

 フィーネが見詰めるその先に、血だまりの中に倒れ伏す雅人の姿があった。

 ネフシュタンの鞭が腹部を貫通し、突き刺さった場所から大量の血が流れている。

 すでに変身が解け、クウガの姿から人間の姿になっている。

 フィーネが雅人の首筋に手を当て脈を図るが、そこに命の鼓動は聞こえなかった。

 

「いかんな、風鳴 弦十郎と同じようにしてしまったが、少し加減するべきだったか。

 まぁ所詮研究の寄り道程度にしかならぬし、この男程度の力ではこれからも『アマダム』の力を引き出すことも出来ぬだろう。あの御方と同格の存在である『究極の闇』に興味もあったが、今はカディンギルが優先か」

 

 そしてフィーネはコンソールを操作し、『アビス』を後にした。

 

 あとに残ったのは光り輝く『デュランダル』とかすかに指先が動いた雅人だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずっと、パパとママのことが大好きだった! あたしが、二人の夢を引き継ぐんだ! あたしの歌は……その為に!」

 

 一人の少女が、自らの夢を見つけた。

 

『あたしとあんた、両翼そろったツヴァイウィングなら……どこまでも遠くへ飛んでいける!』

 

「どんなものでも、越えてみせる!

 立花ァァァァァアアアアアアアアッ!!!!」

 

 一人の防人が、その身を賭して世界を守った。その歌は、世界に確かに届いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私立リディアン音楽院跡、現カディンギル出現地点。

 

 そこには、一本の塔がたっていた。周りは荒れ果てて瓦礫だらけ、かつてあった校舎は見る影もない。

 圧倒的な破壊の爪痕が残るこの地で、黄金に輝く女性と橙に煌めく少女が向かい合っている。いや、向かい合っていた。

 

「誰もお前を助けになど来ないさ。学院は崩壊し、風鳴 弦十郎はこの手で貫いた。ただの二課の職員が私に敵うはずもなく、雪音 クリスはカディンギルの直撃を受けて堕ち、忌々しい風鳴 翼はその身を犠牲にしてカディンギルを……私の夢を破壊した! もはや残っているのは貴様と私のみ! ここまですればお前の心も折り砕けると思っていたが、何を支えに立ち上がった?」

 

「私だけじゃ、ない! まだ、雅人君がいます! 翼さんも、クリスちゃんも、未来も、二課のみんなも学院のみんなもきっと生きている! だから、私は!」

 

 涙を流しながら叫ぶ響。

 響自身、翼とクリスの生存が絶望的なのはわかっている。

 だけど、「絶望的」であるだけでまだ「死んだ」と決まったわけではないのだ。

 それに今は姿を見せないが、雅人もまだいる。雅人と合流した後二人でフィーネを止め、すぐにみんなを探す。それが響の考えだった。

 

 雅人が姿を現していないこの状況こそ、響にとってまだ希望が残っていると言う証明だった。

 

 

 

 だが、その希望はあっけなく潰える。

 

「雅人……クウガか。あの男ならもうこの世にはおらん」

 

「…………え?

 な、なにを?」

 

「信じられないか? お前が来る前に私に挑み、すでに死んでいる。このリディアンの最深部、『アビス』にて眠っているさ」

 

「え?……あ……うそ……」

 

「嘘ではないさ。何度も貴様たちを打ち付けたこのネフシュタンで、あの男の腹部を串刺しにした。ちゃんと脈も確認したが、あっけなく死んでいたよ」

 

 その言葉と同時に、響が膝をつく。

 展開していたギアが粒子となって消え、その眼から光が消える。

 

「そ……んな……」

 

「お前は楽観視しているようだが、カディンギルの一撃は月を穿つ。その一撃を減衰したとはいえ正面から浴びたクリスが生きているとは思うか? 先ほどの爆発で、風鳴 翼が生きていると思うか?」

 

「翼さん……クリスちゃん……」

 

「お前が来る前に学院にノイズを放った。抵抗する術のない学院の生徒が、果たして生き残れると思うか? カディンギルは遥か地下からせり上がっていた。同じ地下にいた二課の人間が、巻き込まれなかったと思うか?」

 

「未来……師匠……みんな……」

 

「如何にクウガといえど、その生命活動が止まってしまえばここに現れるすべもない。お前が慕う五代 雅人は死んだのだ」

 

「雅人君…………あ……ぁあ!」

 

 

 

 その日、少女の慟哭が夜空に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ひ……びき?」

 

 特異災害対策機動部跡最深部、『アビス』。

 そこで、死んだはずの雅人は目を覚ました。

 腹部に空いていたはずの穴はふさがり、血も止まっている。だが、流した血までは戻らなかったのか、ふらふらとおぼつかない足取りで出口を目指す。

 

「……声が……聞こえた……行かないと」

 

 その腰にはむき出しの『アークル』があり、まるで心臓の鼓動に合わせるように点滅していた。

 

 雅人が『アビス』を出て行ったとき、輝きを失っていた『デュランダル』が再び眩い光を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雅人が目を覚まし、地上を目指す間にも自体は進行していく。

 

 戦意を失い、膝をつく響をいたぶるフィーネ。

 その声はボロボロになった二課の生きているスピーカー全てを通して聞こえており、その声が聞こえるたびに雅人は倒れそうになる体に喝を入れて進む。

 途中で倒れている二課のエージェントから拳銃を拝借し、壊れて動かないエレベーターを迂回して長い非常階段を上る。

 やがて見えた出口を開け、外に出る。

 

 雅人が外に出ると、そこには橙に光る粒子が舞い、おそらくリディアンの生徒達であろう彼女たちの歌声が響く変わり果てたリディアン音楽院だった。

 

 そのことに一瞬呆気にとられながら、雅人は周囲を見渡し、そして見つけた。

 

「響ィィィィィイイイイイイイイイッ!!!!!」

 

 地面にうつ伏せに倒れている響を見つけ、叫ぶ。

 

「……!」

 

「な、なんだと!? 確かにその鼓動は止まっていたはず!?」

 

 響が雅人の声に顔を上げ、フィーネが驚愕する。

 

「雅人君……そうだ、私を支えてくれるみんなはいつだって、一緒に戦ってくれるみんなはいつだって傍に……。

 みんなが歌ってるんだ。だから、まだ歌える。頑張れる! 戦えるッ!!」

 

 響が叫んだその時、響の体からあふれ出したエネルギーの奔流がフィーネを弾き飛ばした。

 大きく後ろに下がったフィーネの表情は驚愕に満ちている。

 

「まだ戦えるだとッ? 

 何を支えに立ち上がる……ッ?

 何を握って力と変えるッ!

 鳴り渡るこの不快な歌の仕業かッ?

 そうだッ!……お前が纏っているものは何だッ?

 心は確かに折り砕いたはずッ!

 なのにッ!何を纏っているッ!?

 それは私が創ったものかッ!?

 

 お前が纏うそれはいったい何だッ!?

 

 ――――――何なのだッ!?」

 

 

 

 三色の光が立ち上る。

 

 森からは赤い光が、カディンギル頂上からは青い光が、そして目の前からは太陽に似た暖かい光が。

 

 翼を広げ、ギアから伝わる音色に合わせて大空を飛び、その声を響かせる。

 

「……綺麗だ」

 

 雅人は無意識に言葉を零した。

 

 ――――――本当に、綺麗だ。

 

「シ・ン・フォ・ギ・アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」

 

 戦場に、再び歌声が響いた。

 

 

 

 

 







 というわけでちょっと駆け足気味な十三話。
 原作10話~12話を一纏めにした内容。だけど三人の初共闘の描写はない。入れると雅人君が中心の話なのに出てこないと言う事態になるし流れも原作と変わらないのでカット。

 出てきたアークルの設定。クウガ本編と変わらず装着者を人外へと変えていきます。2年間装着していたけど雅人君は基本グローイングだったので進行が遅いのです。あと、この辺は後で説明するつもりですが五代さんや他の歴代のクウガはクウガ原作のようにハイペースで戦っていないのでアークルの影響は少なめです。大体1年で20回程度です。ノイズとのエンカウント率自体「人が一生で通り魔に出会う確立」らしいですし、いくら感知能力を持っていても元の発生率が低いのでこんな感じです。

 死亡→蘇生はクウガでもやった流れ。アークルの性能を考えれば当然ですかね。近くにデュランダルという高エネルギーを発生させる聖遺物があったのもちょっとしたフラグ。回収されるのは少しあとかな?



 では次回予告。

「高レベルのフォニックゲイン……こいつは二年前の意趣返し?」

「行け! 響!」

「俺のことはどうでもいい。些細なことだ」

「この程度で終わりだと? 笑わせる! 私は悠久の時を生きる巫女、フィーネなのだッ!!」

「響ぃぃぃぃぃいいいいいいい!!!」

                『希望』
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