戦士咆哮シンフォギアK【加筆修正作業中】   作:名無しのごんべい

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 第一部最終回。




第十四話 「希望」

「みんなの歌声がくれたギアが、私に負けない力を与えてくれる。

 クリスちゃんや翼さんに、もう一度立ち上がる力を与えてくれる!

 歌は、戦うだけの力じゃない。命なんだ!」

 

 朝日に照らされながら、大空を飛ぶ響の声が聞こえる。

 響と翼とクリスが、フィーネと向かい合う。

 

「高レベルのフォニックゲイン……こいつは二年前の意趣返し?」

 

 フィーネの言葉にクリスが拳を振り上げる。

 

「念話までも……」

 

 クリスが何か言っていたようだが、雅人には聞こえない。

 

(念話? ……ダメだ、何も聞こえない)

 

 雅人が状況を把握できない間にも、話は進行していく。

 

 やがて話が終わったのか、フィーネが響たちに向かってソロモンの杖を構え、ノイズを弾丸のように放つ。

 響たちが空中で回避した瞬間、その隙をついてフィーネがソロモンの杖を天に向ける。杖の先端にエネルギーが集まり、それが一気に解放される。

 

「怖じろぉぉぉぉおおおおおッ!!」

 

 解放されたエネルギーは周囲に飛び散り、町を覆い尽くすノイズに変わる。

 それを見たクリスは一目散に町まで飛び、響と言葉を交わした翼も町へ向かう。

 そして響は一度地上を見る。

 響を見て不敵な笑みを浮かべるフィーネの後ろ、壁に手をついて息を切らせながら響を見上げる雅人がいる。

 

「……雅人君」

 

 幻ではなかった。生きていた。

 自然と、響は涙が込み上げてくる。

 

 響は雅人に声をかけようとして、雅人に制される。

 

「行け! 響!」

 

 サムズアップをしながら叫ぶ雅人。

 それを見て同じサムズアップを返して、響は町へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういう手品だ?」

 

 フィーネと二人きりなった雅人。

 ふらふらと揺れる体を支えるために壁に寄りかかっているところを、フィーネに声をかけられる。

 

「……なにが?」

 

「確かにお前は死んだはずだ。脈が止まったのをこの手で確認した。なのになぜ生きている?」

 

 そう、フィーネは確かに確認した。雅人の脈が止まり、その体が冷たくなっていく様を。

 そこでフィーネは何かを考えるように顎に手を当てる。

 

「いや待て、聞いたことがあるぞ。『アマダム』は宿主の身体構造を変質させる。宿主の危機に合わせてその生命活動にさえ影響を及ぼす……!? 宿主を私から護るために仮死状態にしたのか! 私の目を欺くために心臓を止め、私が出て行ってから体を治療したと言う事か!」

 

 フィーネは一つの答えにたどり着く。

 フィーネ自身、『アマダム』のことは当時の天才から聞いた程度の知識しかない。宿主を守るための機能があると言うことを聞いただけだ。

 

「俺のことはどうでもいい。些細なことだ」

 

「なに?」

 

「バラルの呪詛を止めるのはいい。だけど、ただ「あの御方」とやらに会いたいと言うだけでこんなことをされると迷惑なんだよ!」

 

「黙れッ!! 恋心も知らぬ子供がッ!!」

 

 激昂したフィーネが鞭を雅人に叩き付ける。

 だが、雅人はその鞭を掴んだ。

 

「確かに俺は恋心なんて知らない。だけど何度でも言ってやる! あんたは間違ってる! だから俺はあんたを止める! 使命を負ったクウガとして! そして短い時間とは言え肩を並べた仲間として!

 変身ッ!!」

 

 『アークル』がまばゆい光を放ち、その輝きの中から紅蓮の鎧をまとった戦士が現れる。

 

『たとえこの体が人じゃなくなっていくのだとしても、俺の心は人間だ! 人間のままあんたを倒して、この戦いを終わらせるッ!!』

 

「やってみるがいい……クウガァァァアアッ!!」

 

 使っていなかったもう片方の鞭が横薙ぎに振るわれる。

 雅人はとっさに掴んでいた鞭を離して、持っていた拳銃をベルトに引っ掛けながら大きくバックステップ。

 

 だがそれは悪手にしかならない。

 

 『ネフシュタンの鎧』に備わっている鞭の射程に限界はない。下がれば下がるほど、雅人が不利になっていく。

 縦横無尽に振るわれる鞭を時には避け、時には腕で防御する。

 いつもの万全な状態の雅人ならば、防御することなくすべて避けようとしただろう。だが、今の雅人は血を流しすぎて意識が朦朧としている。うまく働かない頭のまま戦闘を続ければ、悪手を選んでしまう。

 振るわれた鞭を右腕で防御した瞬間、鞭が腕に絡みつく。

 

「かかったなッ!!」

 

『なッ!?』

 

 そのまま力任せに鞭を振り上げられ、雅人は抵抗する暇もなく地面から持ち上げられる。

 

「堕ちろぉぉぉぉッ!!!」

 

 そしてそのまま地面に叩き付けられる。

 叩き付けては持ち上げられ、また叩き付けられる。

 体を丸めて衝撃を殺そうとしても、掴まっている右腕がひっぱられるので体勢が崩れる。

 

 やがて地面に叩き付けるだけでは満足できなくなったのか、カディンギルの残骸にまで叩き付け始めるフィーネ。

 

「貴様がッ! 貴様らのせいでッ! 私の夢がッ! この胸の想いがッ! 貴様がァァァァアアアアアッ!!!」

 

『ッ! いい加減に……しろッ!!』

 

 地面に叩き付けるために鞭を振り上げる時、その頂点に達して力がかかっていない時を選んで雅人は空いている左腕で右腕を掴んでいる鞭を殴りつける。

 銀色に光る鞭が殴られた衝撃によって軋み、歪む。

 歪んだ箇所を更に殴りつけ、ついに雅人を拘束していた鞭が破壊される。

 

 地面に着地し、体勢を整えてフィーネと向かい合う雅人。

 

『鬱陶しいんだよ! あんたは!』

 

 ベルトに掛けていた拳銃を取り出し、構える。

 やがて雅人の姿が『赤のクウガ』から『緑のクウガ』に変わる。持っていた拳銃も形状を変え、撃鉄の部分がレバーのようになり銃口は弓のように変わる。

 レバーを弓を引くように引き絞ると、銃口の弓の部分がしなる弓のように引かれていく。

 

「その程度の豆鉄砲で何ができるッ!」

 

 狙いを定めたまま動かない雅人に向け、両の鞭を振るう。

 

 それはフィーネの必殺の一撃。

 弦十郎と翼には躱されてしまったが、目の前の動く気配のない男に当てるのは容易い。『緑のクウガ』については射撃しかできないと聞いている。一度映像で見た時も移動は『ゴウラム』に任せきりだったので、ネフシュタンの鞭を避けることは不可能。

 そう考えて振るった必殺を、雅人はあっさりと右に体を逸らすことで躱した。

 

「なッ!?」

 

 確かに『緑のクウガ』は射撃型だ。だがそれは、『緑のクウガ』の能力をいちばん活かせるのが射撃だからである。

 

 『超感覚』。

 それが『緑のクウガ』本来の能力。五感を人間の限界以上に研ぎ澄まし、肉眼では捉え切れないほどの高速で動くものを捉え、人間では聞こえない微かな音を確実に拾う。

 五感全てが鋭敏化されるため痛覚も酷くなるが、それを補って余りあるアドバンテージを得ることができる。

 鋭敏化された聴覚で相手の体が動く音や心臓の鼓動を聞き取り、強化された視覚で相手の筋肉の動きを見て攻撃のタイミングを掴む。振るわれた鞭すらスローモーションに見えるほど強化された視覚でそれを避ける。

 故に、この結果は必然だった。

 

『ッ!!』

 

 体を逸らしたまま、引き金を引く。

 銃口から吐き出された弾丸は狙い違わずネフシュタンの装甲が薄い腹部に吸い込まれていった。

 

「……ごふッ」

 

 弾丸が貫通し、腹部に風穴を開けたフィーネが血反吐を吐く。

 腕一本分の穴が開いた腹部には刻印が浮かび上がる。

 

『……終わりだ、フィーネ。さっきまで響いていた爆音も止んでる。町を埋め尽くすノイズも全部響たちが倒したはずだ。あんたの野望は、ここで終わりだ』

 

 『緑のクウガ』から『赤のクウガ』に戻りながら言い放った言葉は、嘲笑によって返された。

 

「終わり? …………ふ、はははははは!!」

 

 雅人の言葉を聞いたフィーネが、高笑いをし始めた。

 それと同時に、雅人がつけた傷が急速に回復していく。

 浮かび上がっていた刻印も徐々に薄くなり、完全に消えた。

 

「この程度で終わりだと? 笑わせる! 私は悠久の時を生きる巫女、フィーネなのだッ!!」

 

 フィーネが絶叫し、持っていた『ソロモンの杖』を再生した腹部に刺す。

 

『なにっ!?』

 

 貫いた腹部から伸びたヒモ状の組織が杖を飲み込んでいき、さらに生き残っていたノイズがフィーネを覆っていく。

 

「ノイズに……飲み込まれて……」

 

「そうじゃねぇ……!あいつが呑み込んでんだッ!」

 

 やがて大量のノイズを飲み込んだフィーネの姿があらわになる。

 『ネフシュタンの鎧』の形状が変わり、黒く裾の長いドレス状の服に変わる。『ソロモンの杖』は見当たらないが、その手には『デュランダル』が握られている。

 

 そしてフィーネを中心に万を超える数のノイズが寄り集まってできた超大型のノイズが姿を現す。

 全長は高く、背後にある崩れたカディンギルには及ばないもののその半ばくらいまでの大きさがある。腹部にフィーネが立ち、悠然と雅人たちを見下ろしている。

 頭部は龍のアギトのようにこちらを見下ろしており、背後には触手とも羽ともつかないものが無数にうごめいていた。

 息をのむ雅人たち。

 

 その頭部から発射されたレーザーのようなものが、町を焼き払う。

 無数のミサイルがクリスから発射されるがそのすべてが堅い装甲に阻まれ、お返しとばかりにノイズから発射された弾丸がクリスを追い立てる。

 翼の剣からいつもより数倍は威力を伴った衝撃波が腹部に佇むフィーネに向かって放たれるが、フィーネはそれを装甲を閉じることっでシャットアウトする。

 響の拳が頭部を貫きその衝撃が裏まで貫通するが、おそらくネフシュタンの再生能力ですぐに何事もなかったかのように反撃してくる。

 

 その光景を、雅人は少し離れたところで見ているしかなかった。

 繰り広げられるのは神話にも似た頂上決戦。その剛腕は大地を砕き、その一振りは空間を斬り、その一射は全てを貫く。

 相対するは破壊の権化。その一息は町を焼き、その羽ばたきは周囲を薙ぎ払い、その身は全てを拒絶する。

 

 そんなことが当たり前に行われる世界に、ただその拳一つしか持たないチッポケな存在である雅人が立ち向かえるはずもなかった。

 

(……俺は)

 

 知らず知らずのうちに、拳を握りしめる。

 守るべき友も、幾度か拳を交えた戦友も、これから友になる筈だった者も、全て雅人の手が届かない領域に行ってしまった。

 強くなったはずだった。家族や友達の屍を乗り越え、師を亡くした悲しみを乗り越え、そして2年の月日を経て至ったかつての師と同じ姿。今だにその背中は遠いが、それでも叫べば声が届く距離まで来たと思っていた。

 だが、この光景を見ればわかる。

 かつての師はこれを超えた場所にいる。彼女たちを超えたその場所に辿り着いてやっと、その背に手が届く。

 

 ならば、未だにあの場所に至らない雅人に何ができるのか?

 

 戦いは終局に向かっている。

 翼とクリスの捨て身の攻撃でフィーネからデュランダルを引きはがし、響が再びデュランダルを手にする。

 飲まれそうになる意識を必死につなぎとめ、響はその負の感情を制御する。

 

「……響」

 

 意図せず声が漏れると同時に、雅人のちょうど対角線上にあったシェルターの扉が吹き飛んだ。

 そこから顔を出すのは雅人がよく知る人達と知らない人達。

 みんな響が負けないように、その想いを伝えるためにここまで来た。

 

 響を飲み込もうとするデュランダルと、抑えようとする響。

 その背を支えてくれる仲間たちと、手を取って共に戦う仲間たち。

 応援も、声援も、彼女たちに任せればいい。

 

(だから、俺は……!)

 

 響に向かって触手が殺到する。

 

『超変身!!』

 

 再び銃を取り、構える。

 『緑のクウガ』の弓は装弾数一発。外せば終わりで、当たったとしても4本ある触手のどれか一本だけ。

 だけど、遠距離攻撃だけが『緑のクウガ』の特性ではない。

 

 超感覚によって研ぎ澄まされた感覚で見極める。

 最高のタイミングを、最高の一射を。

 

 トリガーを引き絞ると同時に弓にスパークが走る。

 

『そこだッ!!』

 

 まさに響たちに触手が到達する直前、4本ある触手が一度固まった瞬間を狙った最高の一撃。

 スパークを発しながら着弾した弾丸は触手に刻印を浮かび上がらせて爆発し、その爆発が周りの触手を飲み込む。

 あとに残ったのはボロボロになって使い物にならなくなった触手だけ。

 持ち前の再生能力で修復しようとした触手に刻印が浮かび上がり、回復が阻害される。

 その瞬間、限界が訪れたのか鎧が『緑』から『白』になる。

 

「貴様……クウガァァァァァアアアアアアアアッ!!!!」

 

 フィーネの絶叫が響く。

 

『行けッ!! 響ッ!!』

 

「響ぃぃぃぃぃいいいいいいい!!!」

 

『響き合うみんなの歌声がくれた……シンフォギアでぇぇぇえええええええええッ!!!!!!』

 

 その一振りは、まさに奇跡。

 この町に住む者たちの想いを束ねた希望の剣。

 想いを束ねて力に変える響と、無限の力を生み出すデュランダル。響が呑み込まれないように共に戦い続けた仲間たちと傍で支え続けた友達、そして彼女の帰りを信じる大切な親友(ひだまり)と、支えるのではなくただ彼女の前にある障害から彼女を守るために戦った彼女の友達(いえ)

 誰が欠けても叶わないであろう究極の一刀(Synchrogazer)

 響き合う歌声がもたらした希望を、人々の絶望の象徴たるノイズにぶつける。

 

 絶望が、希望に敵うはずもない。

 

 光は収束し、やがて爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……クウガか」

 

 瓦礫の中で倒れ伏すフィーネを、雅人は見下ろす。

 すでに変身は解かれており、雅人自身もボロボロの状態だった。

 

「……はぁ」

 

 溜息を一つ吐き、雅人はフィーネの隣にあった瓦礫に腰掛ける。

 

「……何の用だ?」

 

「別に? ……ただ、あんたはクウガについて結構物知りらしいからな。教えてもらおうかと思ったんだよ。いつかのように授業してほしいもんだね、櫻井さん」

 

「……私はフィーネだ」

 

「俺にとってはどっちでもいいんだよ」

 

 フィーネが雅人を睨みつける。

 だが雅人は瓦礫に座って空をボーっと眺めたままフィーネの方を見ようともしない。

 

 やがてフィーネは諦めたように嘆息した。

 

「クウガは……『アマダム』は聖遺物と同じく古代からこの世界に存在するものだ」

 

 そこでようやく雅人はフィーネの方を向き直る。

 

「私もこの手で調べたわけではないから詳しいことはわからないが、私が生を受ける前から『ルル・アメル』……人類の希望の象徴として祭り上げられていた。

 触れた物質を原子構造から変えまったく別の物に変えてしまう『モーフィングパワー』。悪しき存在をその身の内に封印し、自らの力に変える『封印エネルギー』。悪しき存在を浄化する『浄化エネルギー』。代表的な力はこの3つだ」

 

「『モーフィングパワー』……『封印エネルギー』……『浄化エネルギー』」

 

 復唱し、その言葉を噛み締めるように覚える雅人。

 

「お前の話と実際に戦った感覚からして、どうやらお前は『浄化エネルギー』を生み出す力が常人より強いようだ。ノイズが爆発するのは強すぎる『浄化エネルギー』が対象のノイズから純粋なエネルギーとなって漏れ出すからだろう。逆に『封印エネルギー』は常人よりも遥かに低いがな。お前が2年間クウガとして戦っているのに対してこの程度の力しかないのはそれが理由だろう」

 

「悪しき存在をその身の内に封印し、自らの力に変える……ノイズを自分に封印して力に変えるのか……そうか、だから師匠は……」

 

 ブツブツと自分の思考に没頭し始める雅人。

 だが、そんな雅人にお構いなしにフィーネは言葉を続ける。

 

「精々気を付けるんだな。2年もクウガとして戦い続けたと言うことは、その分『アマダム』の浸食も進んでいると言うことだ。……お前が人として生きられる時間も、もう長くはあるまい」

 

「……」

 

 沈黙が下りる。

 雅人はすでに聞くべきことは聞いた。フィーネも本来なら雅人と会話する気など毛頭なく、ただの気まぐれで喋っていただけだった。

 

「雅人く~~ん!! 了子さ~~ん!!」

 

 やがて、雅人にとってこの数か月ですっかり聞きなれてしまった元気な声が聞こえてくる。

 見ると、響が空を飛びながら雅人たちに向かって手を振っていた。

 

「……お~~う!!」

 

 それに対して雅人は手を振り返し、それを見た響が嬉しそうに笑いながら降りてくる。

 

「大丈夫? 二人とも?」

 

「俺は……大丈夫じゃないな。血が足りない」

 

「え!?」

 

「いや、この辺で適当に寝とくから粗方終わったら起こしてくれ。それとフィーネ……櫻井さんの方は知らん」

 

「う、うん。本当に大丈夫?」

 

「自業自得だろう。私の目を逃れるために一度心臓を止め、そのあと無理やり動かしたんだからな」

 

「俺がやったことじゃないんだが……まぁいいか。じゃぁ響。あとは任せた」

 

 そう言って雅人は地面に座り、瓦礫を背もたれにして目を閉じる。

 

「……うん。あとは任せて。さ~て了子さん! みんなのところに行きましょう!」

 

「おい待て、私は……」

 

「いいからいいから!」

 

「だから待てと……ええい! 何なのだッ!」

 

 遠ざかっていく足音を聞きながら、雅人は眠りにつく。

 分かったことは多くある。

 クウガのこと、フィーネのこと、そして……自分自身の弱さ。

 今だにその背は霞むほど遠く、さらにその背を隠すように新たに立ちはだかった3人の少女。

 そして最後に見えた……『金』の力の一端。

 

(まだ、俺は強くなれる。だけど今のままじゃダメだ。

 そうだ、冒険に出よう。『ソロモンの杖』は二課が回収することになるだろうから、しばらくはノイズの被害も減るはずだ。冒険に出て、いろんな場所を回って、いろんなところで鍛えなおそう。

 そして強くなって、師匠の……代わりに……なるんだ。それが……俺の…………)

 

 そうして雅人は、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空で、一際大きな光が輝いた。

 

 

 




 というわけで第一部最終回でした。
 次回はエピローグをして、その後に設定紹介でも入れようと思います。第二部は投稿するまで少し時間がかかるかと思います。

 では補足でも。

 響たちとフィーネの念話を用いた会話。雅人君には聞こえていません。アークルと聖遺物は違うと言うことをここで明確に描写したかったんです。聖遺物同士での念話はできても聖遺物とアークルで念話なんてできないのです。つまり雅人君には延々と響たちとフィーネが睨み合っているようにしか見えません。

 雅人君VSフィーネ(二戦目)。
 一戦目はあっけなく負けてしまいましたが、今回はペガサスさんの超感覚を用いて一応勝利。マイティでは防戦一方になる。ドラゴンでは火力が足りず、タイタンでは鞭を避けれない。そこでペガサスさんによる一発回避と一閃必中の射撃を用いました。
 当初最終戦で雅人君が活躍することはないと思っていたらこの結果。さらに出すとしてもマイティで頑張ってもらおうと思ったらまさかの今まで作者も扱いに困っていたペガサスアニキが活役。自分で描いた物語なのに展開が読めなかった……。

 響・翼・クリスVS黙示録の紅き龍。
 トンでも怪獣なんて今まで書いたことなかったのでテレビの迫力を表現できたかはいまいち不安。良ければ皆さんの感想がほしいところです。ここら辺の会話はほとんど念話で行われているので、雅人君からではどんな会話をしているのかはわかりません。当然フィーネの名言「逆さ鱗に触れたのだ」云々も聞こえていません。そしてあんな戦いに踏み込めるほど雅人君は強くありませんし、近くにいたら邪魔になるとわかっているので少し遠くに退避中。せめてライジングになれたらもうちょっとマシな介入ができたんでしょうね。ここで力不足を実感するのは第二部のための布石です。

 そしてまたしても大活躍のペガサスアニキ。草葉の陰でグローイングアニキとドラゴンアニキとタイタンアニキが寂しそうな目でこちらを見ている。作者もまさかここまで大事な場面で活躍するとは思わなかったです。ライジングフラグをこっそり立てつつ戦闘終了。一度悪役に言わせてみたかった怨嗟の念がこもった叫び。「この身、砕けてなる者かァァァァアアアアアア」を初めとしてこういう叫びが似合うラスボスは今では貴重。何気にフィーネが一番書いてて楽しかったかもしれない。

 戦闘終了後の一対一の会話。
 フィーネを櫻井了子として呼ぶ→「私はフィーネだ」→雅人君は「どっちでもいい」、響は「了子さんは了子さん」。ここでちょっとした対比になってます。雅人君にとってフィーネが櫻井了子であろうとフィーネであろうとどっちでもよく、響にとってフィーネは櫻井了子という仲間であると言うスタンス。似ているようで少し違う対応になってしまったのは、フィーネと出会ったことでアークルが古代のフィーネの情報を雅人君に伝えた為。アークル開発理由は「ノイズの殲滅」「フィーネの野望の阻止」「明かされていないもう一つの理由」の三つです。多分前話で情報を結構出したから気付いている人は気付いているはず。
 あと、浄化エネルギーについてはオリジナルです。ちょっと展開的に必要だったんですよ。

 響合流、終了。
 雅人君はフィーネとの戦闘に介入しただけでルナアタックそのものには関わっていません。といううか無理です。「宇宙キターーー(゜∀゜)ーーーー!!!!!」じゃなんですから無理です。


 ここまで作ってたストックを使い切ったので更新速度がだいぶ遅くなります。少なくても二話分のストックができてから投稿するつもりです。ここがこの作品の一区切りになりますね。

 ここまで読んでくださってありがとうございました!。



 次回予告。



「で、月に突っ込んでボロボロになって帰ってきたのか」

「すごい……雅人君とクリスちゃんが師匠を倒した!」

「っていう事は……私たち死んだことになってるんですかぁ!?」

「これはお前のレントゲン写真だ。腰の部分に見えるのが、お前の言う『アークル』だろう」

「初めまして、クウガ。いや、五代 雅人君。私は一条 薫、君の師匠の親友だ」

「師匠からの……プレゼント……」

「うん! またね、雅人君!」

「また……会えるよね。響。雅人君……」

                『贈物』
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