戦士咆哮シンフォギアK【加筆修正作業中】   作:名無しのごんべい

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 日雇いのバイトって今あるんですかね?

 ところで作者はおにぎりは昆布が好きです。
 次点で梅干しです。

 *2015/12/08大幅な加筆修正。2000文字追加。




第三話 「葛藤」

 今日も今日とてコンビニでおにぎりを買って飢えをしのぐ雅人。

 

 とある事情から戸籍などがないため学校にも行けず定職にもつけず、できることと言ったら日雇いのバイトを見つけて小金を稼ぐことくらい。

 高校1年生の平均身長より少し低いため雇ってもらえるところが少ないが、それでも預けられた雄介の口座の金に手を付けるよりよっぽどいい。

 

 雄介には「俺に何かあったら自由に使っていい」と言われているが、雅人には使うつもりは一切なかった。

 

 ふと、商店街を歩いている最中に目についたのがアルバイト募集の張り紙。

 年齢問わず、無経験大歓迎のお好み焼き屋、名前は「ふらわー」。

 今どこにも当てがない雅人は、当たって砕けろの精神で突撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 響は今、悩んでいた。

 学校は楽しい。弦十郎からの出動要請がなければ、だが。

 『ノイズ』とは、一般的には自然災害と同じ扱いをされている。

 地震や台風と同列に扱われているのは、『ノイズ』の性質ゆえに何時どこで発生するのか予測できないからだ。

 授業中、ご飯中、遊んでいる最中、寝ている最中、『ノイズ』はこちらの都合などはお構いなしに出現する。『ノイズ』と戦えるのは『未確認生命体』を除けば響と翼だけのため、どんな用事があったとしてもそれをキャンセルして『ノイズ』撃退の為に出動しなければならない。

 

 そして『ノイズ』が発生するたびに、響はいつも一緒にいる未来に嘘をつかなければならない。

 

 遊ぶ約束をドタキャンしたこともあるし、一緒にご飯を食べている最中に突然席を立ったことも一度や二度ではない。

 響自身、頭では納得している。

 『ノイズ』に対抗する手段が『シンフォギア』だけで、それを扱えるのが響と翼だけだと言うのもわかっている。

 だが、未来に申し訳ないと言う気持ちやどこにでも現れて人を殺す『ノイズ』に対しての嫌悪。

 そしていまだに翼と連携が取れず足手まといにしかなっていない自分のふがいなさ。

 いろんなものがごちゃまぜになって最近の響はストレスでいっぱいになっていた。

 

 そんな響の様子を敏感に察知し、「今日の晩御飯はふらわーでいっぱい食べよう」と言ってきた未来に、響は一生頭が上がらないだろう。

 

 よく動く響は、自然とよく食べる。

 そんな響にとって、ふらわーのお好み焼きはうまい、早い、安い、多いのいいことずくめの四拍子だった。

 

 ここ最近ですっかり常連客になった響と未来が、ふらわーの引き戸を開ける。

 

「いらっしゃいませ! 何名様ですか?」

 

 だが、そこにいたのはいつも笑顔のおばちゃんではなく響と同年代くらいの少年だった。

 黒い髪に黒い目、響よりも少し大きな身長に白いシャツの上から「ふらわー」の名の通り花の刺繍がされたエプロンを着たその姿は、昨日までこのふらわーにはなかったもの。その少年を見て、響の隣にいた未来の眼が大きく見開かれた。

 

「……五代さん!?」

 

「あれ? 小日向さん? ……と…」

 

 どうやら未来はこの少年と知りあいらしい。

 だが、響にとってそれはまだ重要ではなかった。いや、響の知らない未来の交友関係というものも興味があるが、今響が気になっているのはそこではない。重要なのはこの少年の声に聞き覚えがあると言うことだ。

 

(どこかで……つい最近聞いたような?)

 

 掴めそうでつかめない記憶をたどって四苦八苦する響。そんな響をよそに、ふらわーの店長がいつもの様に挨拶をしてきた。

 

「あぁ響ちゃん! 未来ちゃん! いらっしゃい!」

 

「こ、こんにちわ、おばちゃん」

 

「ああ店長。その様子だと常連ですか?」

 

「そうだよ! 知り合い?」

 

「小日向さんとはちょっと縁があって……」

 

 少年が喋るたびに、響の中でもどかしい思いが大きくなっていく。

 未来とともにいつものカウンター席へ座ってからも、響はジーッと少年を見続けた。そんな響の様子を見ながら、未来は遠慮がちに紹介を始めた。

 

「えーっと……紹介するね、響。この人がこの前話した怪我してたから手当てした……」

 

「五代 雅人だ。えーっと……」

 

「あ、立花 響です」

 

「うん。よろしく」

 

 響と雅人は簡単な自己紹介を済ます。そのまま雅人は響たちに注文を聞こうとしたが、その前に先ほどまでお好み焼きを焼いていた店長が雅人に声をかけた。

 

「五代君。今日は初日だし、もう上がっていいよ。ついでに未来ちゃんたちと一緒にご飯食べていきな!」

 

「え!? いや、それは……」

 

「いっつもコンビニのおにぎりなんだろう? うちで働いてる間は賄いくらい出したげるからさ」

 

「……じゃあ、お言葉に甘えます」

 

 店長の言葉を受けて、雅人はエプロンをはずして一度カウンターの奥に入り、少ししてから店の入り口から入ってきて未来の隣のカウンター席に座る。そして響と未来、雅人の三人が注文を終えると未来が雅人に話しかけた。

 

「ここで働いてたんですか?」

 

「今日からだな。日雇いのバイトで食いつないでいくのも限界が来てたからさ」

 

「学校とかは?」

 

「行ってないなぁ……。勉強は師匠が教えてくれたから全然困らなかったし。それに俺にはやらなきゃいけないことがあるからさ」

 

 響から見て、雅人は不思議な雰囲気の少年だった。あまり同年代の男子と交流を持ったことはないが、それでも響のイメージする同級生男子よりも落ち着いた雰囲気を感じた。さっきの会話だけでも目の前の少年が学校に行っていないことがわかるし、雅人が「やらなきゃいけないこと」と言った時の顔は、翼や2年前に一度だけ見た『天羽 奏』のような『戦士』の顔をしていた。

 

 ――浮世離れ? していると言うか、なんというか。

 

 響の雅人に対する第一印象は「不思議な人」だった。

 そんな風に考えながら響は未来と雅人の会話を聞いていたが、その会話の矛先が急に響の方に向いた。

 

「立花さんが、小日向さんが言ってた「かわった親友」?」

 

「ちょッ! 五代さん!」

 

「未来、そんなこと言ってたの!?」

 

 驚愕である。まさか親友だと思っていた未来からそんな評価をされていたとは思わなかった響は、頬を膨らませて未来に抗議の視線を送る。その様子を見ていた未来は焦り、雅人は「余計なことを言ったかな?」といった感じでバツが悪そうにしている。

 

「あれ? 言っちゃまずかったか……」

 

「もうッ! 五代さん! ごめんって響~!」

 

「ふ~んだ! かわった私と付き合ってる未来はも~っとかわった子だもんね~!」

 

「付き合ってる?……そ、そう言うことだったのか。うん。まぁ趣味は人それぞれって言うし……」

 

「そう言う意味じゃありません!!」

 

 雅人の間違った解釈の意味をすぐに察した未来が、真っ赤な顔でそれを否定する。

 当事者の響は雅人の言った言葉の意味を理解しておらず、頭の上に疑問符を浮かべていた。

 そんな風に一通り騒いだ後、雅人が話題を変えようと口を開いた。

 

「にしてもびっくりしたなぁ~。まさかここの常連だったなんて……」

 

「それはこっちのセリフですよ」

 

 そこで雅人は少し真面目な顔をする。

 

「小日向さんと立花さんって、高校生だよな?」

 

「え?はい。1年生ですけど……」

 

「ということは15~16歳だよな?同い年だから敬語使わ無くてもいいさ。喋りにくいだろ?」

 

「え~っと…」

 

 答えづらそうにする響と未来。

 

「? なんか不都合でもあったか?」

 

「いや、そう言うわけじゃ、ないんだけど……」

 

「ただ、同い年の男の子とあんまり話したことがなかったから……」

 

「ずっと女子校だったのか?」

 

「いや、中学まで普通に共学だったんだけどね」

 

「ふ~ん……」

 

 そこで雅人は追及をやめる。答えづらそうな響たちを見て察してくれたようであり、そんな雅人の気遣いが響にはありがたかった。

 ちょうどその時、出来上がったお好み焼きが目の前に並べられた。

 

「ハイよ! おばちゃん特製のミックススペシャルだよ!」

 

「おぉぉおお~~!! おいしそう~~!!」

 

「こ、これを食ったらもうコンビニおにぎりの生活に戻れなくなりそうだ……」

 

「いや、戻ったらダメでしょ?」

 

 未来のツッコミを聞きながら響たちはお好み焼きにかぶりつく。

 

「あっちゃ~~!! あづい!!」

 

「出来立ては熱いからねぇ~。はい水」

 

「ありがとうございます店長!」

 

 火傷しそうになったのか、雅人は水を口いっぱいに含んで舌を冷やす。

 その後は響と未来に雅人を加えた3人で談笑しつつお好み焼きを食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お好み焼きを食べ終わり、響は未来と一緒にふらわーを出ようとしたところでポケットの携帯がなっているのに気付いた。

 険しい表情で携帯の画面を見る響を見て、未来は呆れたような、そして少し心配そうな顔をする。

 

「また秘密の用事?」

 

「……うん。ごめんね、未来」

 

「ここ最近いつもだね。いいけど、体壊さないようにね」

 

「うん。ホントごめんね!」

 

「玄関の鍵、開けとくからね」

 

 そう言って未来は一人寮に帰って行った。その背中は寂しそうで、そんな未来を見るたびに響の胸は締め釣れられるように痛む。いっそのことすべて打ち明けてしまいたいが、そんなことをしてしまうわけにもいかず、隠し事だけが増えていく。

 

 せめて早く帰るために、そして困っている人たちを少しでも早く助けるために。

 響は未来が帰っていった方向とは逆方向に歩きながら改めて電話に出た。

 

 一方、響が出て行った正面の入り口とは逆の裏口から外に出る雅人。

 更衣室代わりに使わせてもらっていた一室から荷物を回収した雅人は、『ノイズ』の気配がする方へ走る。しばらく走って誰もいない場所に来てから覚悟を固め、クウガになる。

 

 色は、再び『白』。

 

 いつまでたっても『赤』になる糸口を見つけられないまま、雅人はまた闘いの中に身を投げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時刻は夜。弦十郎から聞いた『ノイズ』の出現地点である倉庫街に響がたどり着いた時には、月が天高くそびえ、響を照らしてた。

 人気のない倉庫街はドラム缶や鉄骨などがあたりに散乱しており、響が一歩踏み出すたびに踏みしめた砂利がザクザクと音を立てる。響が今いる場所よりも奥から『ノイズ』の特徴的な声や何かを殴る音が聞こえてきた。そちらに歩を進めると、次第にところどころ炭の塊がころがっているのに響は気付いた。

 胸の内から溢れてくる歌詞に従って聖詠を奏で、『シンフォギア』を纏って戦闘音がする方に駆けつけてみると『一号』……『クウガ』が多数の『ノイズ』に囲まれながら戦っていた。

 

 『クウガ』はボクシングの様にワン・ツーを決めてからの左フックを『ノイズ』の横っ面に突き刺す。それによってよろめいた『ノイズ』の頭を『クウガ』は掴み、そのまま膝蹴りを叩き込んだ。炭になった『ノイズ』を『クウガ』は最後まで見ることなく、後ろから襲い掛かる『ノイズ』に右肘でカウンターを叩き込み、肘を打ち込んだ反動を活かして左に回転しながら裏拳を叩き込んだ。

 『クウガ』は裏拳を喰らって倒れた『ノイズ』を放置し、人型の『ノイズ』が振るった爪をしゃがんで躱し、ノイズの顔と腹をめがけて起き上がる反動を使って勢いよく両手で突いた。空手の技で「山突き」と呼ばれるそれは、当たったノイズを炭に変えながら吹き飛ばした。

 その後『クウガ』は大きくバックステップを取り、体制を整えてから再び『ノイズ』と対峙する。

 

「たああああああ!!!」

 

 そこへ響が雄たけびを上げながら突っ込む。

 拳を握りしめ、何の策もなしに真正面から。それは人間相手には愚策だが、動きが緩慢な『ノイズ』相手なら関係ない。その動きは誰がどう見ても素人だが、『シンフォギア』は装者に対して多大な恩恵を与える。たとえば、身体能力の強化。

 気付いた『ノイズ』が振り向いたときにはもう遅く、響に殴り飛ばされたノイズは一発で炭素の塊に変わった。

 

 ――羨ましいな、あの力は。

 

 響の倒した『ノイズ』だった者を見ながら、『クウガ』……『五代 雅人』はそんな風に思った。

 『クウガ』が連撃を叩き込んでようやく一体だと言うのに、響は大した戦闘経験がない状態でも当たれば一撃で『ノイズ』を倒すことができた。これだけでも『シンフォギア』という兵器がどれほどの性能を有しているのかがよくわかる。

 

 ――だけど、一撃後の隙が大きすぎるな。

 

 響は先程全力でパンチしたためバランスを大きく崩し、体が泳いでしまっている。そんな響を見逃すはずが無く、一体の人型『ノイズ』が響に襲い掛かった。

 『クウガ』は今相手をしている『ノイズ』を正拳突きでよろけさせ、その隙に響を庇うように響の前に移動し、迫りくる『ノイズ』と取っ組み合いになる。『ノイズ』は爪で、『クウガ』は両手でお互いの肩を掴む形になるが、『クウガ』はそのまま右足を『ノイズ』の腹部に引っ掛け、そのまま『ノイズ』を思いっきり蹴り飛ばした。

 蹴りをもろに喰らった『ノイズ』は、体に『刻印』を浮かべながら数歩後ずさる。蹴り飛ばした反動から宙に跳び上がっていた『クウガ』はそのまま着地し、左膝と左手を地面につけ、何が起こってもすぐに動けるような体制を取りながら目の前の『ノイズ』を見つめる。『クウガ』と体勢を立て直した響が見詰める中、しばらく暴れていた人型『ノイズ』は、やがて周りの『ノイズ』を巻き込んで爆発した。

 

 まだ多数のノイズが残るその戦場へ青髪の少女……『風鳴 翼』が到着する。

 群がる『ノイズ』に向けて走りながら大剣を一閃。衝撃波が奔り数十の『ノイズ』をまとめて消し飛ばした。そのまま『ノイズ』の集団の中心に突っ込んだ翼は、逆立ちになり足のブレードを展開。コマのように回りながら次々と『ノイズ』を切り裂いていく。切り裂かれたノイズは次々と炭素に変わり、炭が舞い散る戦場を彼女は駆け抜けていく。

 ギアを使いこなした彼女の参戦により、戦闘はあっさり終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘が終わり、倉庫街には再び静寂が戻ってきた。『クウガ』と響は背中合わせになっており、翼は一人少し離れた位置から『クウガ』の様子をうかがっているようだ。

 何とか今日も戦い抜けたと雅人が安堵している時に、事件が起こった。

 

「『未確認生命体一号』……一緒に来てもらおうか」

 

 そんな言葉と共に、今まで一緒に戦っていた翼が『ノイズ』に向けていた剣を『クウガ』……雅人に向けてきたのだ。

 

 ――みかくにんせいめいたいいちごう……俺のことか!?

 

 いきなり訳のわからない名前で呼ばれ、雅人は軽く混乱した。

 それもそのはず二課といっさい接点がない雅人は、二課内部で自分が何と呼ばれているのか全く知らない。以前響に名前を聞かれ、その際に名乗ったから普通に『クウガ』と呼ばれると思っていただけにその衝撃は大きかった。

 が、雅人がいくら動揺していても『クウガ』は仮面をかぶっているのだ。表情がわからない『一号』にたいし、翼は「やはり答えないか……」と諦め、響は怒らせてしまったのかとオロオロしている。

 実際はあんまりな呼び方にショックを受けているだけだが、そんなことは全く知らない翼は『一号』に向けて刀を振るった。

 警告なしの斬撃に驚きながらも雅人はギリギリしゃがんで躱し、そのまま地面を転がりながら距離を取る。

 

「『未確認生命体一号』……お前を連行する」

 

 ――この少女は人のことを何だと思ってるんだろう?

 

 確かに今まで雅人と翼は何度も共闘しており、翼の方はそのたびに雅人に対して接触を図ろうとしていた。そんな翼の呼びかけに一向に応えなかったことは雅人に非があるが、雅人にだって応えられない事情がある。

 クウガの情報を拡散してはならない。『クウガ』の掟でそれは明言されているし、歴代の『クウガ』もその掟を護り続けてきた。これまでの『クウガ』がずっと守り通してきた掟を、すでに形骸化してきているとはいえ気軽に破っていいわけがない。が、翼はそんなことはお構いなしに剣を構えた。

 

「抵抗するな。下手に動けば命の保証はしない」

 

「ちょ!? 翼さん!?」

 

 翼の行動に驚き今まで呆然としていた響も、さすがに聞き捨てならない言葉が聞こえてきたので、頭を切り替えて『クウガ』を庇うように前に出て翼に抗議する。

 

「ダメですよそんな……この人と戦うなんて! 私たちが戦うのは『ノイズ』であってこの人じゃないです!」

 

「……貴女はあれを人だと言うの? 聖遺物を使うわけでもなく、『シンフォギア』も纏わずに素手で『ノイズ』を葬るあれを……」

 

「それは……」

 

 翼の言葉に響は逡巡する。正直、翼の言うように素手で『ノイズ』を倒す『一号』を本当に人と呼んでいいのかどうか響にはわからない。だが、響は確かに『一号』の言葉を聞いたのだ。ならば、響がすることは一つだけだった。

 

「わかりません……。だけど、意思の疎通はできるんです! 話せるんですッ! 私たちには言葉があるんだから戦う必要なんて……」

 

 そんな響の言葉を、翼は真っ向から否定する。

 

「その意思の疎通ができたのは貴女一人だけよ。それに、あれが『ノイズ』と別物だという証拠もどこにもない。『ノイズ』を殺しつくした時、いずれ私たち人間にも牙を剥くかもしれないのよ?」

 

「そんなの、勝手な推測じゃないですか! 翼さんが勝手に決めつけてるだけです!」

 

「黙りなさい!! ろくな覚悟も持たず、『アームドギア』も無しに戦場にのこのこ出てくる貴女に何がわかるの!?」

 

「私にだって守りたいものがあります!! それを否定することは、たとえ翼さんが相手でも許しません!!」

 

 二人の口論は次第に激しくなり、やがて睨み合いになる。

 一触即発の空気の中、翼は一度ため息を吐き、口論の間に詰め寄る形になってしまっていた響から距離を取る。

 

「なら、貴女の『覚悟』を見せて見なさい。数日前の続きよ。構えなさい」

 

 その手に持つ刀を正眼に構え、翼は響と正面から向き合う。

 翼の威圧感に響は一瞬気圧されるも、それでも拳を握りしめて構える。

 

(本当は、翼さんと戦いたくなんてない……。ノイズを倒して、人を助けるための『シンフォギア(この力)』を人に向けたくない……。だけど、私にだって譲れないものがある。守りたいものがあるッ!)

 

「私にだって! 守りたいものがあるんです!! だからッ!!」

 

「『奏の代わりに戦う』だなんてバカなことを言うあなたが何をッ!!」

 

 叫びながら、同時に飛び出す二人の戦姫。

 響が拳を振りかぶり、翼が刀を振り下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それを、途中で止めたものがいた。

 

 響の拳を右手で受け止め、翼の刀を左手で握りしめて止めた『未確認生命体一号』……雅人である。

 刀を握りしめているため、その手からはとめどなく紅い血が流れている。

 

『――――――』

 

「え?」

 

 『一号』はギリギリ聴こえない声量で何か言った後、その場を駆け出して行った。

 その後姿を呆然と見ながら、響はかすかに聞こえた言葉を思い出す。

 

 ―――――代わりに戦って、何が悪いんだよ。

 

 翼には聞こえなかったようだが、響には確かに聞こえたような気がした。

 




 今回のテンプレに売った喧嘩。
 響と翼の仲が原作より険悪。
 貧乏オリ主。

 前回までに入れ忘れた喧嘩。
 クウガ原作の流れは入らない。

 どーも皆さん!名無しのごんべいです!
 第三話、今だにグローイングのままです!
 ビッキーとSAKIMORIもだんだん険悪な中になり、なんか書くのが楽しくなってきました!
 今回は前回言った通りシンフォギア原作の空白の1か月の一幕です。
 ビッキーはまだ弱い。

 感想!批判大募集!ただし誹謗や中傷は勘弁な!
 皆さんの感想が作者の餌になります!
 まぁ、無くても投稿し続けるんですけどね。

 因みにオリ主の雅人君の見た目とか書いときます。

 身長は165㎝。
 体重は64㎏。
 黒髪黒目の日本人らしい顔立ち。
 SAOのキリト君を童顔じゃなくした感じですかね?一番近いのがそんな感じです。
 ジーパンに黒いジャケットを着てます。

 ……こんなところかな?





 では次回予告!どぞ!





「1月たっても、噛み合わんか……」

『止めてください翼さん!! 相手は人です!! 同じ人間です!!』

「私のテッペンは、まだまだこんなもんじゃねえぞォッ!!!」

(俺の……クウガのやることは変わらない!)

「防人の生き様……覚悟を見せてあげるッ! 貴方の胸に、焼き付けなさいッ!!」

「俺のやりたいこと…………」

                  『覚悟』

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