未だ春。学校では数人の生徒が話題になっていた。1人はスポーツが万能な女子生徒。1人は図書館の虫。1人は訛りが特徴的な完璧超人。まぁその3人は人気が故に常に人集りができているため会話ができる人が限られてしまっている。
しかし彼女、須藤桜花は知っている。完璧超人と呼ばれている彼が実は家が近いと言うことを。事の経緯を説明しよう。
その日は早くに目が覚めた日だった。朝食を食べゆっくり目に見た目を整えても有り余るくらいには早かった。なので少し外を歩く事にしたのだった。
春といえども早朝は寒い日がある。そんな突発的な寒さに耐えつつもとある曲がり角を曲がろうとした時、何かとぶつかったのだ。「また妖精か何か!?」と思っていたらそこに居たのはリードがついた犬だった。と言うか散歩中に逃げてきた様にすら思える。直後、飼い主と思われる人が走ってきた。その人は学校で話題になっている完璧超人(名前は知らない)だった。
「おぉ、済まんの。犬っころが逃げ出しちょって迷惑かけたなぁ」
もはや混ざりすぎてどこの訛りかも分からない訛りだった。それに対して驚いていると
「あぁ、名乗らんかったな。我ぁ東雲美麗っちゅー者や。よろしゅうな。朝はここ走っとるから。んじゃなぁ」
と去って行った。一方的に話すだけ話して去っていくとはコミュ力はもしかしたら無いんじゃないか?とふと感じたのだった。それを確かめる為にそれから偶に朝、同じ所で待っている日があるのだ。
「ねぇ先輩、なんでそんなに頑張れるんですか?」
「んなん後で楽する為よ」
「ねぇ先輩、あんなに人が集まって苦しいなぁって思う時とかあるんですか?」
「そりゃあ思ってるけどなぁ、あ奴らのアレは純粋な好意と好奇心じゃて。なれば我ぁに否定する事ぁ出来ねぇってもんよ」
そして少しだけ時間が経ち、燕尾服の男についてや初めて逃げたあの日から少し経って、またいつもの場所で待っていた。
「おう、今日は来たんか」
「えぇ、今日は来ました!」
ふと先輩の左手を見てみると何かの宝石がハマりそうな指輪を薬指にしているのが見えた。
「あの先輩、その指輪って何ですか?」
「これかぁ、これは大事な人から貰ったもんや。この台座に乗る宝石はまだ見つかっておらんしなぁ」
「へぇ・・・」
先輩は左手を天に翳すとしみじみとした声で語る
「我ぁいつかこれをくれた奴と再開するって約束しとるんや。だから今街で暴れとるバケモンには負けてられん」
「負けてられない・・・ってどう言う事ですか?」
「あぁ、一年は知らなくて当然か。我ぁの一族はかつて悪魔祓いをしていた一族なんや。その過程で刀の扱いとかを取り入れたんやけど刀さえあれば我ぁもあのバケモンに勝てるって思っとる訳や。勿論安全マージンは取るで?死ににいくわけじゃあないからなぁ?」
もう、あんな思いをするのは私だけでいい。そうである為に、私は戦うのだ。そう決意して、2人は別れたのだった
「ほう?それで、報告と相談とはなんだ?」
ここは地獄。いつもの水晶+4人が揃っていた。
「はっ、先日の作戦の結果についての報告とその過程に於いて発生した事案についての相談で御座います」
そして空間上にスクリーンを投影し映像付きで説明を始める
「まず作戦については問題なく進みました。プリキュアといえども一般人。一つの事に集中した為奇襲は成功。あと20秒もあれば勝っていたと判断します。しかしそこで第一の事案が発生致しました。【光の力を持たない】戦士の乱入です。来ている服装から仮称【燕尾服の男】と名付けさせていただきますそれは私をたったの数撃・・・意識が飛んでいた時間もありましたので確定は致しません。しかし体への被害から数撃であると判断致しました。その数撃をもって私を撤退させる事に成功・・・私から見たら撤退せざるを得なくなってしまったと言えましょう。実際に相対してみないことには分からないでしょうが、彼の実力はプリキュアなんかよりも数十倍も上を行っています」
そして時を進めて闇の粒子が集まり【怪人】になったシーンだ。
「二つ目の事案はこちらです。一度プリキュアによって浄化されたブルースの宿主が暫く放置された場合に於ける闇の粒子の自発的吸収と進化についてですが・・・この事象についてご存知の方は居ますでしょうか?」
すると水晶から声が響く
「その現象・・・あぁ、時間制限付きの限定進化か。プリキュアの浄化とは実際の所対応療法でしかないからな。宿主と力を分けるだけ。その後宿主が別の場所に移ったら力は霧散しここに戻る。しかし宿主がその場に留まった場合はさらに深くに侵食するのだ。故に魂を喰らい、力そのものが宿主となる。こうなると宿主が保たない為にそんなに長時間は扱えぬがな。まぁその宿主をここに連れてくればその時間制限もなく進化できるがここに適応出来た宿主に限る。そう言うわけで今後はその進化も択に入れておけ」
「「「「はっ」」」」
四つの頭が下がる。そしてまた一つ、差が開いたのだったーーー