Fate/forgery   作:DUN.ネコノカンリニン

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さて、恐らく此処で途切れます。


side:Assassin&Saber/PROLOGUE

「―――来て。父さん」

 

 ―――時は遡り二十年前。

 当時、二十一歳であった男性―――衛宮士郎(エミヤ シロウ)とその一つ下の女性―――間桐桜(マトウ サクラ)が結婚する。間桐桜は姓を変え、衛宮桜(エミヤ サクラ)へと。その四年後、彼らの間に子が生まれる。その子供は―――双子であった。

 一方が紫に近しい黒髪、もう一方が赤髪であった。だが、しかし……その数日後のことであった。

 衛宮士郎、二十五歳にて死去。彼は、死の間際、桜に()()()を託した。それは、

 “俺の左腕を、この子達が迎えるその時まで、保存しておいてくれ。……多分、もう一人の俺が助けに来るから”

 というものであった。そして、その後に死去。双子の弟―――紫に近しい黒髪の方は彼女の実の姉である遠坂凛(トオサカ リン)のところに預けられた。実際、凛は独身であったため、今のところ遠坂の跡取りがいなかった。そういう意味では、良かったのかもしれないが……。彼女は、桜に対して心配していた。最愛の人を亡くし、その後はどうするのか―――、と。

 彼の左腕は、遺言通り、桜の実家である間桐家にホルマリン漬けと多大なる魔術による防腐処理が施され、保存されることとなった。

 そして、桜は実家には戻らず、衛宮の姓を名乗ったままにし、双子の兄―――赤髪の方に、名をつけた。エミヤシロウ―――と。エミヤは衛宮、シロウは亡き夫・士郎の「士」と自らの「桜」からとり―――衛宮士桜(エミヤ シロウ)

 遠坂に引き取られた弟は、凛に名付けられた。名を遠坂憐(トオサカ レン)。リンとくればレンである。

 しかし、彼らはお互いが双子であることを知らされていない。そっくりな従兄弟だなぁとは思っているが、まさか、自身の半身とは思わないだろう。

 

 ―――そして、時は戻り、現在。

 いつも通り、遠坂の家にて、憐は義母の工房を漁っていた。彼は、幼い頃から魔術へ興味があり、しかも遠坂が得意とする宝石魔術に適性を持つため、凛としても、教え甲斐があった。しかし、困ったこともあった。それはなにか。シンプルな答えである。興味がありすぎて、逆に魔術のことになると落ち着かないのである。

 いつも何かを見つけては、それを魔術的に研究している。だが、その研究が功を成すことは稀であった。この前、電気のブレーカーが落ちて、親子揃って機械音痴なため、どうすればいいか迷っていたところ、憐が電気を魔術で遡り、ブレーカーの場所を発見した、ということぐらいである。

 そんなこんなで、工房を漁っていると、何やら魔術師の家にしては珍しい近代兵器―――銃弾があった。その事を凛に相談すると、

「ああ……これはね、遠い遠い親戚の人が前に持ってきたのよ。……なんか、魔術的な物があったから拾ってきたーって。んでいらないからーって。ほんっと、あいつには困るのよ」

などと言う。だがしかし、彼にとってはとても価値があるものに思えたのだ。それはなぜだか知らないが、何と言うか、遺骨のような……。

 そして、その銃弾を見て、彼は自分の手の甲に突然現れた紋章のことを思い出していた。―――そう、令呪である。彼もまた、今回の聖杯戦争のマスターに選ばれたのである。

 

 場所は移り、衛宮邸。桜が料理をしているところに、彼―――士桜が帰ってきた。

「ただいま、母さん」

「あら、おかえり。士桜」

 彼は、広大な自宅の縁側を歩き、自分の部屋につくと、左腕にかかっている学校鞄を下ろす。だが、不可解なことに、彼の左腕は―――()()()()()()()()()。彼自身は色白で母親に似ているのだが、その左腕だけは、浅黒い―――言うなれば小麦色、と言っても良いかは分からないが、とにかく。そんな色をしていた。

 そして、彼は手の甲を見る。そこには、あの令呪が。

 その前、彼は母親から左腕を譲り受けた。時が来れば、聖杯戦争に参加すると、そういう予言を与えられて。その予言は実現した。いまや、あとは召喚するために必要な魔法陣を用意するだけになった、という段階まで来ている。両親揃って第五次聖杯戦争のマスターであり、その息子である士桜にもマスター適性は十分すぎるほどある。そして、彼にはとても大きなアドバンテージ―――聖遺物の存在がある。確実に特定のサーヴァントを呼び出せる、縁もゆかりもありすぎる品が。

 

 その夜、二人は、それぞれの家の庭に立って、召喚の準備をしていた。

 憐は見つけた弾丸、士桜は自らの左腕を、それぞれ聖遺物として召喚の触媒にしていた。……そして、召喚が始まる。

閉じよ(満たせ)閉じよ(満たせ)閉じよ(満たせ)閉じよ(満たせ)閉じよ(満たせ)。繰り返すつどに五度、ただ満たされる時を破却する。―――素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が父たる衛宮士郎! 降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ! ―――Anfang(セット)

―――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷くもの―――!

「「汝三大の言霊を纏う七天。抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」」

 

「―――来て。父さん」

 そうして呼び寄せたのは―――一人の英霊。白髪であり、赤い、としか言いようがなかった。

「……また召喚されたのか。俺も暇ではないのだが……今度は誰だ?」

「俺だ。名を、衛宮士桜という」

 英霊は、驚愕したような顔を見せた。当然といえば当然だが……。

「なんと言った? お前が、俺……?」

「違う。俺はシロウはシロウでも漢字が違う。俺は、士と桜をあわせて士桜だ。んで、恐らくあなたは……俺の父の衛宮士郎だ」

「―――成る程。納得はしないが、俺がまさか彼女と―――桜と結婚して子供も作っているとは。名乗り遅れたが、もう恐らく知っているだろう。……セイバー、真名はエミヤだ」

 

「―――……また、汚れ仕事か。まあ、いつもの事だが」

 こちらも呼び寄せたのは、白髪の英霊。しかし、打って変わってこちらは目が死んでいる。

「あなたは―――」

「僕の名前を知りたいのかい? ……僕はアサシン―――“山の翁”(ハサン・サッバーハ)。もとい、それを宿した衛宮切嗣、という人物だ」

 すると、彼―――アサシンは祭壇の上に置かれている銃弾に目をつけた。そして、それを拾い上げると、懐かしそうな目をする。

「成る程、これでか。本来、あり得ない僕が召喚されたのは、この銃弾―――僕の骨粉が入った『起源弾』が原因か」




今回は、一応桜ルートから派生した未来、という設定です。
オリ設定以外、公式からの引用です。

セイバー
真名:エミヤ
出典:?
性別:男性
身長:187(cm)
体重:78(kg)
属性:中立・中庸
特技:ガラクタいじり、家事全般
好きなもの:家事全般(本人は否定)、武器いじり
苦手なもの:正義の味方
嫌いなもの:未熟な思想
ステータス:筋力・D 耐久・C 俊敏・C 魔力・B 幸運・E 宝具・?
保有スキル:対魔力・D 騎乗・C 心眼(真)・B 千里眼・C 魔術・C- 投影魔術・C      (条件付きでA+)
宝具:「無限の剣製(アンリミテッド・ブレード・ワークス)」

アサシン
真名:“山の翁”(衛宮切嗣)
出典:山の老爺
性別:男性
身長:175(cm)
体重:67(kg)
属性:秩序・悪
特技:射撃、破壊工作
好きなもの:効率
苦手なもの:家族愛
嫌いなもの:怠惰、堕落、劣化
ステータス:筋力・D 耐久・C 俊敏・A+ 魔力:C 幸運・E 宝具・A
保有スキル:気配遮断・A+ 対魔力・B 単独行動・A 戦闘続行・EX 信仰と聖杯の寵愛・ A+++ 無冠の武芸・- 晩鐘・EX 境界にて・A スケープゴート・C
宝具:「時のある間に薔薇を摘め(クロノス・ローズ)」
   「神秘轢断(ファンタズム・パニッシュメント)」
   「死告天使(アズラーイール)」
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