「なぜだ……なぜ赤き竜がここに!?」
動揺以前に本気でわけがわからず、混乱する思考のまま叫ぶ遊星に、何者かは完全に入れ替わった声で応じる。
『我は、貴様の知る星の神ではない。この世の始まりよりも遥か古より在る、あらゆる精霊、あらゆる魔物の始原たる存在』
「魔物……モンスターの始原、だと?」
『そうだ。ゆえに、古人は我を“究極神”と呼んだ』
究極神。それが今、遊星の目の前にいる存在だというのか。
だが、なぜそれが赤き竜と同じ姿をしている?
『我は純粋なる力そのもの。姿などない。この地においてもっとも力ある存在の姿を借りたまでのことだ』
力そのものである究極神は固定された姿を持たない。そのため、この世界において上位の存在である赤き竜の姿をコピーしている、ということらしい。
「ならば究極神よ! お前の目的は何だ!」
『我の目的は一つ。再びこの世を脅かさんとする、闇を打ち払うことだ』
「闇、だと……」
何度も聞いた言葉だ。ただ一つだけわかっているのは、目の前にいるこの「究極神」は少なくとも、敵対の意志を示しているわけではない、ということだ。
『とはいえ、今の我の力のほどは知れている。だからこそ、かつてのシグナーたる貴様の力を見せてもらった』
「その闇とは何だ!? どこからやって来る!?」
『遥か過去、あるいは未来より。時を超え目覚めた古の魔術師たちが、人の歴史を消し去るため、滅び去った未来の遺産を呼び起こそうとしている』
たったそれだけの情報だが、遊星とブルーノにとっては看過しがたい内容だった。
敵の正体はまだわからない。
だが、今の話に出てきたキーワードで、思い当たるのは一つだけ。
「……まさか!?」
「そんなことは……それをさせるわけにはいかない! それがZ-ONEとの約束だ!」
『ならば、我を超えて見せろ! 我が分身、このアルティマヤ・ツィオルキンを!』
「言われなくともそのつもりだ!」
『それでこそだ、不動遊星。では、見せてもらうとしよう。この次元の貴様の、本当の力を』
究極神の言葉に賛するように、赤き竜の姿をした神―――《アルティマヤ・ツィオルキン》がひときわ高く嘶いた。
『まずは我が真形、アルティマヤ・ツィオルキンの力だ。その効果は5つ!』
《究極神 アルティマヤ・ツィオルキン》
シンクロ・効果モンスター
☆0/闇属性/ドラゴン族
ATK0/DEF0
このカードはS召喚できず、自分フィールドの表側表示のレベル5以上で同じレベルの、チューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。
このカードのレベルはルール上12として扱う。
①:1ターンに1度、自分フィールドに魔法・罠カードがセットされた時に発動できる。「パワー・ツール」Sモンスターまたはレベル7・8のドラゴン族Sモンスター1体をEXデッキから特殊召喚する。
②:フィールドのこのカードは相手の魔法・罠の効果を受けず、他の自分のSモンスターが存在する限り、攻撃対象及び、相手の効果の対象にならない。
③:このカードが攻撃表示の場合に発動できる。このターン1度だけ、このカードは戦闘・効果では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。
④:このカードがフィールドに存在する限り、お互いに1ターンに1枚しか魔法・罠カードをセットできない。
⑤:このカードが攻撃対象に選択された時、自分フィールドに他のモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードの攻撃力は戦闘する相手モンスターと同じになる。
「カードセットの制限に加えて、シンクロモンスターを直接召喚!? おまけに条件付きとはいえ、攻撃されない上に効果の対象にもならないとは……」
「クロウが聞いたら、『インチキ効果もいい加減にしろ!』とか言いかねないな。しかし、何てモンスターだ……」
『モンスターではない、神だ! と言えれば良かったがな。ともあれ、我はカードを伏せる! これによってアルティマヤ・ツィオルキンの効果発動! エクストラデッキより、ドラゴン族のシンクロモンスターを特殊召喚する!』
竜の咢の中に真紅の光球が生まれ、打ち出されたそれが中空で炸裂。
その中から、1体のドラゴンが姿を現した。
『神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を討て! 《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》!!』
透き通った美しい翼を持つ、未知のモンスターが空を舞う。
どことなくスターダストに近い気配を纏うそれの向こうに、遊星は誰かの影を見た気がした。
「水晶の翼のドラゴン……」
「こんなモンスターは見たことがない……こいつは一体?」
『別次元のカードだ、とだけ言っておく。このモンスターは、1ターンに1度、他のモンスターの効果発動を無効化して破壊し、その攻撃力を得る。さらに1ターンに1度、上級以上のモンスターと戦闘する場合、そのモンスターの攻撃力をターン終了まで己に加算する!』
つまり、戦闘においてはほぼ無敵に近いということだ。
だが、その強力な効果には抜け穴がある。
『バトルフェイズ! クリスタルウィングで《シューティング・スター・ドラゴン》を攻撃!』
「そうはさせない! トラップカード《くず鉄のかかし》を発動!」
刃のごとき翼の一撃を、ジャンクで作られたかかしが防いだ。
「そのモンスターは確かに強力だが、トラップカードを妨害することはできない!」
『なるほど、さすがの防御力だ。我はメインフェイズ2、《手札抹殺》を発動! 《シンクロ・ビリーバー》には墓地に行ってもらおう』
究極神:手札8→6
遊星:手札6→6
『これにてターンエンド!』
「オレのターン! ドロー!」
遊星:手札6→7
しかし、現状は遊星にとっても不利だった。クリスタルウィングは高レベルモンスターとの戦闘にはほぼ必ず勝利する強力なモンスター。しかも、効果を発動すればその瞬間破壊され、攻撃力を吸われてしまう。
攻撃力0の赤き竜を狙おうにも、対象耐性が阻む。
「どうする、遊星!」
「やり様はある! オレは手札から魔法カード《波動共鳴》を発動! 《シューティング・スター・ドラゴン》のレベルを、このターンのみ4に変更する!」
『そう来たか!』
だが、クリスタルウィングの効果は5レベル以上の上級モンスターにしか作用しない。レベルを下げてしまえば、それをすり抜けられる。
そして効果を使わなければ、カウンター能力も関係はない。
「バトルフェイズ! 《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を攻撃!!」
5体に分身した流星の竜が、水晶の翼を次々と打ち砕く。
―――スターダスト・ミラージュ!!
究極神:LP1600→1300
『さすがにやる! だが、この瞬間我はトラップを発動する! 《輪廻萌芽》!』
《輪廻萌芽》
通常罠カード
①:自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊された場合に発動できる。手札の魔法・罠カードを1枚選んで自分フィールドにセットする。
『この効果でカードをセット! これにより、我の効果を発動!』
「2体目か! 今度は何が……!」
砕け散る水晶の欠片の向こうに浮かぶのは、遊星もよく知るドラゴンのシルエット。
咲き誇る薔薇のような、あの姿。
『我がフィールドを飾れ! 《月華竜 ブラック・ローズ》!』
見慣れた、しかしわずかに違うそのモンスターを前に、わかっていても遊星とブルーノは驚きを禁じ得ない。
「あれは……アキの《ブラック・ローズ・ドラゴン》か!?」
「スターダスト、そしてブラック・ローズ……まさか、シグナーの竜の移し身なのか、あれは」
『移し身ではない、同一の……いや、どうでもいいことか。我はブラック・ローズの強制効果を発動! このカード、またはレベル5以上のモンスターが特殊召喚された時、相手モンスター1体を対象として手札に戻す! 対象は当然《シューティング・スター・ドラゴン》!』
―――
「まずい! 今シューティング・スターを失ったらがら空きだ!」
「そうはさせない! カウンタートラップ《ツバメ返し》を発動! 特殊召喚成功時のモンスター効果を無効にし、破壊する!」
渦巻く花吹雪の竜巻を、疾風の斬撃が切り払う。
究極神:手札6→5
『さすがに不動遊星……一筋縄ではいかんか』
「負けるわけにはいかない! オレはカードをセットし、ターンエンド!」
遊星:手札5
『我がターン、ドロー!』
究極神:手札6→7
『カードを1枚セットし、我の効果を発動! エクストラデッキよりいでよ、《琰魔竜 レッド・デーモン》!』
「! あのモンスターは!!」
そして遊星の前に現れたのは、もう一人のジャックが従えていたあのドラゴン。
その最終形態の前に敗北を喫したのは記憶に新しい。
『レッド・デーモン、効果発動! 自身以外のフィールドの攻撃表示モンスターを、全て破壊する!』
「馬鹿な!? それでは赤き竜まで巻き込まれるぞ!」
「いや、ブルーノ! 赤き竜は自身を守る効果がある! だがそうはさせない、オレは《シューティング・スター・ドラゴン》の効果発動! カードを破壊する効果を無効化し、破壊する!」
沸き上がる炎を払うべく、流星の龍が光を纏う。
だがそこに、真紅の輝きが激突した。
『そう来ると思ったぞ! 我はこの瞬間、墓地の罠カード《大いなる魂》を除外し、効果を発動! 我の場にレベル10以上の闇属性・ドラゴン族のシンクロモンスターが存在する場合、相手モンスターが発動した効果を無効化し、我のシンクロモンスターの攻撃力を次のターンの終了まで2000アップさせる! 強化対象はレッド・デーモン!』
「なっ!?」
「いつの間にそんなカードを墓地に……さっきの《手札抹殺》か!」
『その通りだ。アルティマヤ・ツィオルキンのレベルはルール上12、闇属性・ドラゴン族のシンクロモンスター。よって発動条件は満たしている。さらにここで我の効果を発動! このターン、1度だけ破壊されない!』
究極神の方が1枚上手。
手札交換で墓地に送っていたカードを利用し、遊星の手を潜り抜けて見せた。
「しまった……!」
―――
―――
さすがの《シューティング・スター・ドラゴン》も立て続けの攻撃には対処しきれず、レッド・デーモンの劫火に飲まれて砕け散った。
『これでがら空きだな。……と言いたいところだが、レッド・デーモンの効果を使ったターン、他のモンスターは攻撃できない。そして《くず鉄のかかし》がある以上、このターンは攻撃が通らないということか』
「そう簡単に突破はさせない!」
『それならばそのカードを排除するまでだ! 《スタンピング・クラッシュ》発動!』
そして、遊星のガードを本気で突破しにかかる究極神。
「除去カードがもう1枚だと!?」
『これくらいやらねば貴様の防御は抜けんのでな! 当然、そこにセットされている《くず鉄のかかし》を破壊! そして500のダメージをくらうがいい!』
遊星:LP1400→900
「くっ……!」
『これで終いだ! バトルフェイズに入り、攻撃力5000のレッド・デーモンでダイレクトアタック!』
「まだだ! 手札から《速攻のかかし》を墓地に送り、バトルを終了させる!」
遊星:手札5→4
『ならば、我はこれでターンエンド……さあ、どうする不動遊星!』
「くっ……!」
一転して追い詰められた遊星。
相手の場には攻撃力5000のレッド・デーモンと、雲隠れ状態の赤き竜。
切り札の《シューティング・スター・ドラゴン》も除去された今、勝負を決めるにはあのモンスターを呼ぶしかない。
だが、出来るのか?
(……やって見せる! このドローに、オレの命運をかける!)
「オレの……ターン!!」
デッキトップから引き抜いたカードを見た遊星は、
「よし……このターンで決める!」
気迫と共にそう宣言した。
遊星:手札4→5
『面白い! ならば来い! やって見せろ、不動遊星!』
「ああ、やって見せる! 罠カード《シンクロ・スピリッツ》発動! 墓地の《シューティング・スター・ドラゴン》を除外し、レベル合計が同じになるようにチューナーとそれ以外のモンスターを、効果を無効にして復活させる! 蘇れ、《スターダスト・ドラゴン》! 《フォーミュラ・シンクロン》!」
『だが効果が無効ならばこのカードが通るな? 特殊召喚後、罠カード《荒野の大竜巻》を発動! 我の場の《天輪鐘楼》を破壊する!』
2体のモンスターの復活に続き、究極神の場を竜巻が通り抜ける。
それが、《天輪鐘楼》のカードを巻き込み去っていった。
「自分のカードを破壊した……いや、違う!」
『その通り、これによってカードを破壊されたプレイヤーは、手札の魔法・罠カードを伏せることができる! もちろんカードをセットさせてもらう』
「!」
『これにより我の効果を発動! エクストラデッキよりいでよ、《魔王龍 ベエルゼ》!』
その後方で赤き竜が咆哮を上げ、射出された光球の中から二本の首を持つ漆黒のドラゴンが姿を現す。
本体と思しき胴体の上には人間の女性のそれを模した姿が見える。
『このモンスターは、戦闘でも効果でも破壊されぬ不死の能力を持つ。そして戦闘によって我が受けたダメージを、攻撃力として吸収する!』
「ここに来て不死の壁モンスターだと!? 遊星!」
「手はある! オレはさらに、魔法カード《シンクロ・ディセンション》を発動! 手札を1枚捨て、除外されているシンクロモンスター1体を選び、エクストラデッキに戻す。さらにその後、墓地のシンクロモンスターを2体まで特殊召喚できる! 蘇れ《ジャンク・ウォリアー》! 《ジャンク・デストロイヤー》!」
対抗して、遊星の場にも2体のジャンクモンスターが舞い戻る。
だが、その姿からは先ほどのようなパワーが失われ、身を固めるしかできない。
「ただし、この効果で蘇生したシンクロモンスターは攻撃できず、今いるオレのモンスターのレベルは場でもっとも低いモンスターと同じになる。よって《フォーミュラ・シンクロン》と同じレベル2になる!」
『再びシンクロ素材を揃えたか……だがどうやってこの陣営を突破する! 貴様のモンスターではレッド・デーモンはともかく、ベエルゼを倒せんぞ』
「まだだ! 魔法カード《アイアンコール》発動! 墓地の《アームズ・エイド》を特殊召喚、これで準備はできた!」
最後に、先ほどは効果を発揮できなかった巨腕のモンスターが蘇る。
『5体のシンクロモンスターだと……!?』
「遊星、これは!?」
「見せてやるぞ、究極神! これが、オレのたどり着いた力。限界に挑み、限界を打ち破り、そして限界を超越する境地―――オーバートップ・クリアマインド!」
魂を込めた叫びに、5体のシンクロモンスターが応じて主と視線をそろえ、赤き竜と究極神を見据える。
「レベル2となった《スターダスト・ドラゴン》、《ジャンク・ウォリアー》、《ジャンク・デストロイヤー》、レベル4の《アームズ・エイド》に、レベル2のシンクロチューナー《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング!」
二つのチューニングリングが展開され、一気に巨大化したその中を4体のモンスターが駆け抜ける。
薄れて輪郭だけになったその体から無数の星が飛び出し、リングそのものが金色に輝き始める。
「集いし星が一つになる時、新たな絆が未来を照らす!! 光差す道となれ!!」
遊星のたどり着いた真なる境地、その先に生まれた彼の化身というべき力。
「―――リミットオーバー・アクセルシンクロォォォ――――ッ!!」
「未来に続く、進化の光!! 《シューティング・クェーサー・ドラゴン》!!」
顕現したのは、スターダストの意匠を残しながらも、さらに大きく、さらに勇壮な姿となった6枚の翼を持つ竜。
宇宙で最も明るく輝く天体の名を冠されたこれこそが、遊星のデッキの最強の切り札。
「リミットオーバー……アクセル……」
「そうだ、ブルーノ。これがオレの辿り着いた、オレだけのアクセルシンクロ。仲間たちとの絆が生み出した、可能性そのものだ!」
『スターダストの最終形、か……因果なことだ』
小さく呟いた究極神のその声は、二人には届かない。
『だが、攻撃力4000でも今のレッド・デーモンには届かんぞ! そしてベエルゼがいる限り、攻撃は通らん!』
「ならばオレは装備魔法《レインボー・ヴェール》を装備! これにより、バトルする相手モンスターの効果は無効化される! さらに、墓地の《ADチェンジャー》を除外し効果発動! レッド・デーモンを守備表示にする!」
『何!? 《シンクロ・ディセンション》のコストはそれか!』
これで突破の準備は出来た。後は突き進むのみ。
決着が近いことを感じ取ったか、究極神が大音声で吼える。
『いいだろう、かかって来い、不動遊星! 我ごときを超えられぬようでは、貴様たちに未来はない!』
「ならば、全力で超えさせてもらう! 《シューティング・クェーサー・ドラゴン》は、シンクロ素材となったチューナー以外のモンスターの数だけ攻撃できる!」
「シンクロ素材はチューナーを含め5体……つまり、4回攻撃か!」
「バトルフェイズ! 行け、《シューティング・クェーサー・ドラゴン》! 《魔王龍 ベエルゼ》を攻撃!」
虹色の輝きが魔王龍を包み、不死の能力を引き剥がした。
そこに、恒星の一撃が突き刺さる。
―――
「さらにレッド・デーモンを攻撃!」
『むおおおおおっ!? このフィールは……ッ!』
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》の放ったブレスが、赤き竜を守るシンクロドラゴン達を瞬く間に消し飛ばす。
これで、究極神の場のモンスターは1体だけになってしまった。
「次の攻撃が通れば、遊星の勝ちだ!」
「ああ。シンクロモンスターが消えた今、赤き竜は対象耐性を失った! これで終わりだ、《究極神 アルティマヤ・ツィオルキン》に攻撃!!」
『だが、《レインボー・ヴェール》の無効化は我には通じぬ! さらに我の効果発動! 他のシンクロモンスターを伴わずに戦闘する場合、相手モンスターと同じ攻撃力になる!』
「いや、無駄だ! 《シューティング・クェーサー・ドラゴン》には、効果の発動を無効にする効果がある!」
「シューティング・クェーサーの効果で、その発動を無効にし、破壊する!」
赤き竜にみなぎりかけた力が、星光竜の力によってかき消される。
が、究極神もさる者。
『ならば、これはどうする!?
「!?」
『これにより、我の攻撃力は《シューティング・クェーサー・ドラゴン》と同じとなり、このターン戦闘では破壊されない! つまり、破壊されるのは貴様のしもべだけだ! 裁きの一撃をくらえ!』
再び膨れ上がった力をわが物とし、赤き竜の咆哮がブレスとなって星光のドラゴンを飲み込んだ。
―――
「だが、《シューティング・クェーサー・ドラゴン》の効果発動! 《シューティング・スター・ドラゴン》を特殊召喚する!」
『それはさせん! カウンタートラップ《見切りの極意》により、墓地で発動したその効果を無効化する! これで貴様のモンスターは消えた!』
趨勢決した、と思われた次の瞬間。
「トラップカード、オープン! 《星屑の残光》! 墓地より飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》!」
遊星の場に、再び星屑の竜が飛翔した。
『ぬう……!』
「そして、これがこのデュエルのラストカードとなる! 速攻魔法《ファイナル・クロス》を発動!」
『!?』
瞬間、究極神は絶句した。そのカードは覚えている。
かつて、他でもない「不動遊星」に敗北を喫した際のキーカード。
「これにより、スターダストはこのターン2回の攻撃を可能とする! さらに、その攻撃力は、オレの墓地のシンクロモンスター1体の数値分アップする! 《シューティング・クェーサー・ドラゴン》の攻撃力、4000を追加する!」
「攻撃力6500……!」
迫るスターダスト、迎え撃つ神の分身。
色々な違いはあれど、その光景は究極神にとって、「あの戦い」を想起させる敗北の訪れだった。
「これが、オレたちの絆の力だ! 《スターダスト・ドラゴン》で究極神に攻撃!」
―――シューティング・ソニック!!
『………そうだ。その力だ………』
究極神:LP0