その分今回は長めに描きました。
近頃、独軍との戦闘の形成は徐々に好転しつつあった。
アフリカ戦線での連敗・印度亜大陸における独軍の敗走・そしてウラル戦線ではロンメルが揮下の軍団諸共戦線を離脱し亡命…という一連の出来事が重なったこともあってか、陸における戦況は改善なら光を見た。
しかし海では……
大西洋
この日、単艦で任務に赴いていたロサンゼルス級原子力潜水艦の一隻が航行していた。
折に前方に不明音源を探知しこれに向けて魚雷を発射。しかし魚雷は命中せず直前でなんらかの方法によって破壊され、逆に今度は100ノットを超える速度で接近してくる謎の魚雷で本艦が一撃で葬り去られるのであった。
これよりしばらく、中部大西洋から南太平洋にかけて幾つか潜水艦が消息を断つ事例が相次ぎ始めるのだった……
場所は変わって……
モンゴル平原
護衛の電征とともに一機の一式陸攻が降り立つ。
ロンメル「上空から見たゴビ砂漠は、過酷なこの上なく思えましたが…」
降りて一番に口を開いたのは、欧州帝国陸軍から離反し現自由ドイツ首相のコンラッド・フォン・ロンメルであった。
大高「この辺りは緑に和んでおります。土も柔らかく壕を掘るのにも適しています」
またゴーグルと覆面を取ったもう一人の人物は大高弥三郎その人であった。
ロンメル「地盤もいい、雨も少なく戦車の運用には堪えませんな」
本郷「井戸を掘れば十分な地下水も得られます」
大高「何よりだ」
ロンメルは現在、大高らと協力して亜細亜防衛の為に各地の視察に出ている最中であった。
ロンメル「途中で見て来たゴビ砂漠中央部は、草木一本も無い本物の砂漠だった…到底、戦場とはなり得ぬ土地だ」
本郷「阿弗利加を思い出しましたか?」
ロンメル「はっははwあそこに比べれば天国だよここは」
大高「本物のゴビ砂漠に迷い込めば、敵味方双方とも戦わずして自滅するでしょう」
ロンメル「自滅…と…」
本郷「つまり、ここに防衛拠点を築くには行動の制限がいると…」
大高「そのお通りだが少佐、撤退も不憫だと考えるのは間違いだ」
本郷「は?」
大高「玉砕するような戦いはせんよ……そう……あれのように」
大高は丁度向こう側に見えるある物を指差す。
本郷「砂漠の蜃気楼で…ありますか?」
ロンメル「ミラージュ……」
大高「あのミラージュのように戦います。バイカル湖より東岸に展開する日満東シベリア連合軍は、地形の利を活かして鉄壁の陣を敷いておる。天山山脈に構える人民中国もそうだ。従って最も弱い陣所がここゴビ要塞となる」
本郷「はぁ…」
大高「モンゴルを堕とし、極東征服を狙うヒトラーをここで阻止せねばならん!それなら敵をしてこの大高を愚将と思わせることなのです」
ロンメル「おぉ…」
大高「私は蜃気楼のように形を無くしつつ、戦うつもりです」
本郷「成程…自分にも見えてきました。つまり孫子のところを…」
大高「無形の陣…その通りだ」
ロンメル「ですが、幾ら自衛隊がいるとはいえ敵はかなりの規模の軍団をよこす筈です」
大高「それに関しては、ハハッw秘策はありますとも」
ロンメル「?」
大高のいう秘策とは……?
旅順港
近く迫る蒙古平原での戦いを見据えて、現在旅順港では未来世界よりできるだけ多くの自衛隊が派遣されていきている。
おおすみ型輸送艦や日本海軍の輸送艦や潜輸による連日のピストン輸送に明け暮れていた。
「えぇと?74式300輌を日本陸軍に譲渡か……10や90だけで大丈夫なのかねぇうちは?」
クレーンで降ろされる74式を前に陸自隊員が呟く。
「まぁそういうのも分からんでもないけどよ。あれ」
同僚に言う方を向くと2隻のおおすみ型から何やら厳つく大型の車輌がゆっくりと埠頭へと降りて来る。
「だとしてもだ…よくもまぁあんなもんがあったもんだよ。何、うちは怪獣でも相手すんの?」
「日本財界のトップが極秘裏に開発し、方やもう一つは富士駐屯地で40年近くほったらかしにされてた浪漫の塊か…」
『しもきた』から降ろされて来たのは車体に8輪駆動8輪操舵のタイヤを装備し、大きな砲塔上部にパラボラ型砲身を搭載した車輌、一見すると87式のようにも見えるが砲塔両側部には機関砲ではない別な装備がつけられた車輌、そして最後には牽引車に引かれた大型車輌でこれにもパラボラはつけられているが形状が異なり花の蕾のように閉じられている(完全に閉じきるわけではない)。
そして『くにさき』からは、迷彩塗装が施され箱型の牽引車と連結された大型の輸送トレーラーのようなものが降ろされる。そのコンテナの中には全身暗緑色の塗装と、航空機パイロット用ヘルメットのような意匠の特徴を有する巨大な何かが横たわっていた。
数十日後
南太平洋
薄暗い海中を進む潜水艦群と巨大なドリルを持つ艦。紺碧艦隊と旗艦の羅号である。
羅号
前原「先任、亀天の副司令から何か連絡は?」
艦長席に座る前原は傍に立つ品川先任士官に問いかける。
品川「いえ、まだ何も」
前原「……そうか」
高野軍令部総長からの極秘で「消息を断ちつつある米潜水艦の行方を探って欲しい」との依頼を受け出撃しているが、今回の前原の胸中には嫌な予感が漂っていた。
艦隊前方
亀天
亀天はその優れた索敵能力から、艦隊前方で索敵艦としての役割を担っていた。
「……⁉︎前方一万七千に不明音源探知‼︎」
入江「敵味方識別は⁈」
「……無し、敵と認識します‼︎」
入江「通信、直ちに旗艦に通達‼︎」
そう入江が言い切ったその瞬間だった。
「不明艦より突発音、魚雷です‼︎」
「「⁉︎」」
入江「回避運動‼︎それが駄目なら電磁防壁だ‼︎」
操舵手が左へ舵を切ると同時に亀天は速力を上げて回避するが、魚雷は追尾してくる。
「魚雷尚も接近中、速度……そんな馬鹿な⁉︎」
聴音手が驚愕の声を上げる。
入江「魚雷の速度がどうかしたのか⁉︎」
「速度が……100ノット以上です‼︎」
入江「なんだと…⁉︎」
回避が不可能だと考えると入江はすぐに電磁防壁の展開を指示する。
入江「総員衝撃に備え‼︎」
次の瞬間、電磁防壁に炸裂した魚雷は大爆発を起こし付近一帯に騒音をもたらす。
入江「っ……被害報告……」
「各部に損傷無し、一部に浸水あれど復旧可能」
入江「そうか、電磁防壁は…?」
「電磁防壁は今の一撃で破られました……」
入江「なんだと…⁉︎」
零式動力炉より齎さる莫大な出力で発生させられる電磁防壁は余程の攻撃を受けない限り、破れることは無いがこの一撃はそれを葬る威力を有するでは無いか。
このまま再び敵の攻撃を受けるわけにはいかないと判断した入江は浮上を命ずる。
また同時に羅号にも伝えられ、他艦も浮上する。
海上
羅号
品川「電磁防壁が破られるだなんて…敵は一体…⁉︎」
前原「先任、こいつは褌を締め直さないといかんぞ……」
あの最新鋭艦の亀天があぁも簡単に窮地に追い込まれる程だ。敵は容易ならざる者だろうと前原も予感していた。
「前方一万に不明艦が浮上‼︎」
正面の海面が盛り上がって見せた途端に現れたのは、H級戦艦のような威容をもつ一方で四基の連装砲は半球状でUX99を彷彿とさせ、極め付けは艦首に羅号のようなドリルを装備しているという点だ。
「あれは…⁉︎」
「まるで…羅号じゃないか……‼︎」
艦橋内の乗組員らが口々に言う一方で
品川「独艦ですかね……」
内心驚きつつも、敵を冷静に分析する品川。
前原「だろうな…だがそれだけじゃないぞ。奴のマストを見ろ」
敵艦のマストを見ると黄地に黒の模様や刺繍にドラゴンをあしらわれた旗が誇らしげに掲げられていた。
品川「ドイツ皇帝旗⁉︎とするとあれには…」
前原「あぁ……奴が…ヒトラーが乗っている‼︎」
???
「日本の潜水艦と思わしき艦を前方にて確認‼︎」
ヒトラー「数は…?」
「はっ訳7隻、内1隻は本艦と似た艦であります‼︎」
ヒトラーは思ったいや、直感で感じた目の前にいる奴らは間違いない、これまで散々煮湯を飲まされ屈辱を浴びせられて来た「X艦隊」であると。本来なら
不適切な笑みを浮かべ無線機を取ると艦内放送で呼びかける
ヒトラー『諸君、たった今本艦はあのX艦隊と会敵した。これは不運が?否‼︎これは幸運である‼︎これまで我が海軍はあのX艦隊によって多くの同志を葬りさられて来た。ならば、ならば諸君‼︎今ここでこのフリードリヒ・デア・グロッセの実力を示し、あの憎きX艦隊を葬り去り栄光を手にしようぞ‼︎』
それを聞いた艦のあちこちから雄叫びと歓声が沸き立つようにして聞こえてくる。
ヒトラー(フハハハwオオタカよ…貴様の寿命は少しばかり延びたな…だが貴様の切り札であろうX艦隊はもう間も無くこの世から消滅する、この膿の手によって‼︎)
南太平洋で戦端が開かれようとしていた頃、中央亜細亜では……
テンシャン回廊
無限に広がる荒野を進む鋼鉄の軍団、彼らの目的は亜細亜の完全支配。
そんな軍団を見る人影があった。
「凄い数ですよ……」
除いていた双眼鏡を離した秋山優花里が口を開く。
優花里「戦車だけでも200輌以上…装甲車なんかを加味してもそれ以上…兵員数もざっと10万以上は居ますよ絶対……」
敵機甲師団から離れた丘の上から身を隠しながら偵察を行なっているあんこうチームの一同。付近には自衛隊の偵察部隊もいる為よもやの事態に遭遇しても対処はできる。
麻子「それにしても秋山さん、いつもと違って落ち着いてるな?」
優花里「当然ですよ冷泉殿!これが展示会とか博物館ならいつもみたいになるかもしれませんけど、今はアジアの未来が掛かっている状況ですから…」
麻子「そうだな…」
Ⅳ号
近くの物陰に隠れて待機するⅣ号の車内では各地からの情報を精査し防衛軍総司令部へと伝達していた。
沙織「みぽりん‼︎バイカル湖畔において、敵の機甲師団が進行して来たって‼︎」
華「みほさん…」
みほ「……沙織さん、大高さんに繋いでください」
第三帝国軍侵攻の報は、亜細亜防衛軍総長 大高の下へと直ちに伝えられた。
亜細亜連合軍 総司令部
大高「そうですか……遂に来ましたか…」
みほ『こっちのテンシャン回廊の方は大凡200輌以上の戦車に装甲車なんかが侵攻しています』
大高「バイカル湖畔の方は?」
みほ『そちらもほぼ同規模の敵が居るみたいです。さっきお姉ちゃん達から報告がありました』
大高「ご苦労さまです。して西住さん、貴女は今どちらに?」
みほ「大丈夫です。他のチームのみんなや自衛隊の人達共に無事に合流出来ました。今北京基地に向かってます」
大高『分かりました。くれぐれもお気をつけて』
通信を終えたみほはそのままハッチから曇天の空の彼方を見る。
みほ(前原さん…今何してるんだろ……)
大高「諸君、聞いての通りだ。だがまず我々の行動は情報収集だ。気を引き締めてかかってくれ」
「「はっ!」」
大高「既に諸君は気づいていると思うが、最初我が軍は負ける!負けて
負けて負け続ける、しかしこれには敵には戦術的撤退ではなく、あたかも本当に負けているかのように見せねばならん!後は計画通り、鋼鉄の軍団を袋の鼠にして葬る。これをカンガルー作戦として本作戦の総称を"世界の曙作戦"とする!」
陸に於ける一大決戦が迫る中……
南太平洋
二つの航跡が白く蛇行しつつも伸び続ける中、二隻の巨大戦艦は砲火を交えていた。
羅号の51cm砲が火を吹き、それから間も無くしてフリードリヒ・デア・グロッセ*1の付近で水柱が立つ。そして今度は逆にヒトラー艦の46cm砲が火を吹く。
羅号
品川「砲術長‼︎もっとよく狙って撃たんか‼︎」
「了解‼︎」
次に放たれた主砲弾の中に一発だけ命中弾が出た。
ヒトラー艦
「後部甲板に被弾‼︎」
ヒトラー「狼狽えるな‼︎たかが一発、何程のことがあるか‼︎」
羅号
「命中弾確認‼︎いけます‼︎」
前原「よし、主砲全門斉射とともに九九式及び百式魚雷左舷全門発射だ‼︎」
前原は一気にカタをつけんと全力で行くつもりだ。
各砲塔から装填完了の報告が上がり、魚雷発射管も準備を終える。
前原「全砲門・全発射管よぉーい…ってぇー‼︎」
彼の号令とともに主砲全門計12門・魚雷総数12発が敵艦へ向けて放たれる。
各弾は見事に敵ヒトラー艦に命中する。その光景を見て一同固唾を呑んで見守るが様子がおかしい、爆発は確認したが速力が落ちる様子が一切無い。
品川「!司令、敵艦の砲塔部を‼︎」
品川がモニターを指刺すと被弾していた箇所に粒子が集まるようにして空いた穴を修復していくでは無いか。
品川「あれはまるで……」
前原「ネウロイ…だとでもいうのか……⁉︎」
ヒトラー艦
ヒトラー「ハッハハハw甘かったなX艦隊よこのフリードリヒ・デア・グロッセはネウロイの自己修復能力を有するのだよ、そう簡単に沈むとでも思ったかね?」
だが、かの艦の実力はそれだけに留まらなかった。
今度は第四砲塔部から後ろの甲板が割れたかと思うと不気味な白い歯が姿を現し、次の瞬間にはなんと深海棲艦の艦載機を発進させるでは無いか。
亀天 セイル
入江「深海棲艦の能力にネウロイの能力だなんて…滅茶苦茶だ……‼︎」
離れた位置から僚艦達とともに二隻の戦いを見ていた入江大佐は絶句する。
ヒトラー「さぁ行け!我が下部共よ奴を血祭りに上げよ‼︎」
その一言を聞いて敵群は一切に羅号及び紺碧艦隊へと襲いかかる‼︎
前原が「対空戦闘用意‼︎」と叫ぼうとした直後、突如敵の前方に無数の火球が現れると同時にそれに突っ込んだ敵は一瞬にして塵と化して行くのだった。
前原「なんだ……⁈」
そして今度は敵艦に再び火球が現れ爆発を起こすのであった。
それら一連の行動の仕業の犯人は前原には自ずと分かってきた。
前原(もしや…!)
「電探に感あり、左舷後方六千に友軍の反応あり!」
直様、スクリーンに彼らは写し出された。
品川「あれは!」
スクリーンには日本武尊を筆頭に第五護衛群海上を疾走する艦娘達、上空に501JWFがこちらへと向かってくる様子が映し出されていた。
一同が呆気に取られてる中、突如画面が切り替わり大石が姿を現す
前原「長官!」
大石『遅くなってすまん。最後の補給を終えてどうにかこれたところだ。そっちの状況は?』
前原「まだ十分に戦えます‼︎」
大石『結構‼︎』
いぶき CIC
「デカい…羅号や日本武尊とも十分に渡りあえそうだぞ…」
新名「掲げられている旗は情報にあった通り、ドイツ皇帝旗即ち…」
涌井「ヒトラーがいるな…」
新名らもヒトラーを目の前にしてここが如何な意味を持った場所かというのを再認識するのであった。
秋津「ここで一気に戦況を好転させられるか否かは我々次第だ。やらなければ未来は無い…」
涌井「…全艦に[
「「はッ‼︎」」
みらい CIC
いぶきから全兵装使用自由を受けた各艦内では緊張は最骨頂にまで達しようとしてた。
梅津「オール・ウェポンズフリーか……まさかこの命令を受けることになるとはな……」
菊池「艦長、相手がヒトラー座上艦なら遠慮は無用です。トマホークもしくはハープーンの使用を具申します」
菊池の言う通りだ、ここで一気に勝負をつけられれば大戦は終わりへと一気に傾けることができるのだ。
梅津は30秒ほど思案した後こう言い放った。
梅津「良かろう、トマホークでいこう」
海中
やまと
海江田「山中」
山中「はっ」
海江田「全魚雷発射管にハープーン及びトマホークを装填しろ」
山中「⁉︎」
内海「ぜっ…全門ですか⁉︎」
普通なら魚雷を混ぜての発射もできるがここに来て全門発射、それも対艦ミサイルをである。
内海「艦長、ここはミサイル攻撃に拘らずとも新型の水素魚雷か有線酸素魚雷でもいけます!」
山中「そうです、何も全門を使わずとも…」
海江田「そんな事を流暢に言ってる場合ではない、一撃で奴を沈められないのは承知だ。ならば大打撃を奴に与え我々が以後少しでも有利に戦闘を進められるようにするんだ。分かったか?」
山中「…了解…全門対艦ミサイル装填‼︎」
海江田(ヒトラーよ、貴様は今世界最強戦力を有していると思っているだろう。だがその夢我々が打ち砕かせてもらう、力でしか分からぬのなら、力で知らしめる……それまでよ)
海上・海中双方での準備が迅速に完了する。
青梅「目標捕捉、トラックNo.250!」
菊池「トマホーク、発射用意‼︎発射弾数2発!」
青梅「データ入力完了!発射用意よし!」
みらい・あたご・ちょうかいの前部VLSに格納されたトマホーク発射管のハッチが開く。
菊池「トマホーク、攻撃始め‼︎サルヴォー‼︎」
発射管制員が発射ボタンを押し、各艦合計6発のトマホークが放たれる。また海中のやまとの艦首魚雷発射管からも4発ずつトマホーク・ハープーンが発射され合計14発の対艦ミサイルがヒトラー艦に向けて飛翔する。
一方のヒトラーはというとX艦隊のみならず、あの日本武尊まで現れたことに怒り沸騰寸前であった。
そこへ14発の対艦ミサイルの来襲、直様迎撃を命ずるも対応が遅すぎた為もれなく全弾が着弾。
ヒトラー「おのれぇ…X艦隊…アドミラル・オオイシ……‼︎艦載機共は何をしている‼︎さっさと奴らを片付けよ‼︎」
先の攻撃を生き残った敵群は再び発進してきた増援とともに再び来襲するが、それを一撃で打ち砕く者達が立ちはだかった。
まずは501JWFだ。皆が魔力で強化されたマシンガン・ライフルを敵目掛けて発砲、並の機銃弾にすらやられた安いのにも関わらずそこへ魔力がプラスされてはひとたまりも無く、直撃と同時に爆砕するものさえいた。
さらにそこへ現れたのは妖精さん達が駆る「電征」の大群だ。後世日本屈指の名艦載機である電征と熟練度の高い妖精さん達との相性は良すぎる程で、奇襲を掛けると同時に格闘戦に持ち込んだり一撃離脱を果たしたりと様々であるが確実に敵機を撃ち減らしていく。
そして頃合いを見計らうと両者は急に後退を開始する。
それを良しとしない敵群は猛禽の如く彼らを追い始める、罠だとも知らずに……
果たして、突如二手に分かれて見えた視界の先には大和以下12隻の戦艦娘達が主砲を向けていた。
大和「全艦‼︎新型三八弾・対空ロ号弾一斉射‼︎ってえぇーー‼︎」
彼女の号令と同時に一斉に放たれた必殺の燃料気化弾は近接信管で作動し気化燃料を散布と同時に点火し炸裂、強烈な熱波と爆風の津波から逃れることは出来るはずも無く一瞬にして塵と化してしまった。
ヒトラーはこれを受けて潜航を指示、彼の座上艦は修復・修理をまともに終えまま海中へと姿を没しようとしていた。がしかしそれを逃さないと大石・前原両雄が動き出す。
前原「長官、この際です。主砲弾を装填している暇はありません」
大石『奇遇だなぁ俺も同じことを考えていたよ。主砲熱線砲に切り替え‼︎』
前原「よぅし‼︎こちらは冷線砲でいくぞ‼︎回路を切り替えろ‼︎」
二艦の主砲がそれぞれ切り替えを終えると照準をヒトラー艦に合わせる。
富森「撃ち方始めぇ‼︎」
ほぼ同時に日本武尊からは赤色の熱線、羅号からは某宇宙戦艦の主砲のエフェクトを彷彿とさせる水色の冷線が発射される。
熱線は艦上構造物や後部第三砲塔に直撃し爆発する、冷線は船体を凍結・破砕させると同時にネウロイや深海棲艦の再生能力を奪っていく。
だが最後の悪足掻きとでもいうか、生き残った第四砲塔が最後の砲撃をお見舞いし日本武尊の第二砲塔に直撃し被害を与える。
「日本武尊被弾‼︎」
前原「長官‼︎」
大石『問題ない。弾薬庫に注水はした、だが第二砲塔はもう使えん第一砲塔も下手に撃てなくなった。第三砲塔は射程にすら入ってない…前原、貴様がやれ!』
前原「……了解しました…‼︎」
交信を終えると彼は指示を出す。
前原「操舵長、艦首を敵艦に向けろ」
「でっですが、それでは主砲が構造上撃てなくなります‼︎」
前原「構わん、だがプラズマ弾を装填させて待機だ。いいな砲術長」
「はっ…了解」
そのまま前原は艦内放送を始める。
前原『総員。本艦はこれより敵艦に対し艦首ドリルを使って攻撃を仕掛ける、また同時に主砲で一気にトドメを刺す。特攻まがいなことだというのは分かっている……だがこれで戦争を終えられるんだ……すまんが、皆の命を俺に預けてくれ』
それを聞いていた艦橋内の一同は彼に対して一切に敬礼し、彼も応礼して答えると同時に覚悟を決める。
前原「総員座席ベルト着用、もしくは何かにしがみ付け‼︎」
品川「機関室!出力最大‼︎」
「艦首ドリル、始動‼︎」
速力が上がると同時に艦首ドリルが勢いよく回転を始め敵ヒトラー艦に対して真っしぐらに突っ込んで行く。
一方で潜航を急ぐヒトラーであったが先の熱線・冷線による砲撃に加え海中に再度潜航した紺碧艦隊に、やまと・たつなみ・けんりゅうからの一斉雷撃の爆発により一瞬だが海面に押し戻されていた、そこへ羅号が決死の突入を敢行してきたのだ。
双方共に排水量二十万トンを超える巨艦同士だ。ぶつかった衝撃は凄まじく、両艦共に負傷者を出した。だが間髪を容れずして前原はトドメを刺しに出た。
前原「主砲発射用意‼︎」
待機していた前部一・二番砲塔が動き、ヒトラー艦にその砲口を向ける。
前原「ってぇぇーーーい‼︎」
ほぼ零距離に等しい距離から放たれた8発のプラズマ弾はものの見事に甲板を貫通し、接触したのが敵艦後部ということもあってかモロに機関部に直撃した。
刹那、閃光が一瞬走ったかと思った途端に巨大な水柱と同時に爆炎が上がり残骸と思われる部品を辺りにぶち撒けるのだった。
ヒトラーの安否は……想像もしたく無かろう。恐らく艦橋に浸水した時点で脱出は不可能となり、そのまま暗黒の海底へと艨幢と共に没したであろう。
さて爆発が収まり、一同が固唾を呑んで静かになった海面を見守る中海面が盛り上がり水塊が割れた中から
〜次回へと続く〜
まだ続きます