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太平洋での一戦が終わったのとほぼ同じ頃、遠く離れた亜細亜は満州。
蒙古平原では独軍の機甲師団が雪崩の如く進撃を開始した。
マイントイフェル「侵攻軍のウルムチへの入城は確かなのだな?」
『はい!間違いありません!』
マイントイフェル「よくやった。そのままトゥルファン、テンシャン要塞を堕とすよう全軍に通達しろ!」
『はっ‼︎』
ウルムチの攻略の報はマイントイフェルはさらなる侵攻を指示、防衛軍総司令部で同じ情報に接した大高は……
ハルピン 亜細亜防衛軍 総司令部
大高「そうか、第三帝国はウルムチに入ったか。テンシャン要塞を預かる劉邦将軍の戦いぶりが楽しみだな」
テンシャン要塞
敵の行動を知った中国前線指揮所では、
劉邦「そうか、ハルピンの総司令部に連絡、空軍の出動を要請しろ」
報告を受けた総司令部の方では、準備はすでに整っているとのことで、出撃するのは米軍、大高も電子哨戒機を出すように命ずる。
大高「いよいよ中国対第三帝国、世紀の決戦がトゥルファン盆地で行われる……か」
一方でそのトゥルファンでは、侵攻してきた敵ティーガーⅡに対し無限軌道を破壊して足止めをかける。しかし直様敵の支援機からの空爆を受け守備隊は僅かに残して壊滅。
「これより我が隊は峠を越えます」
『分かった。本日中にトゥルファンを堕としてくれ』
「軍団長殿、一つお願いがあります」
『なんだね?』
「後続部隊に峠を確保してもらいたいのです。ここを抑えられると我々の補給も途絶えてしまいますので」
『分かっておる。歩兵一個連隊に確保させる』
「お願いします。よぅし、峠を越えたら一旦体勢を整える。燃料を補給」
狭い峠を越え、麓で補給を終えた部隊はトゥルファンを目指して進撃を再開する。
装甲車・戦車合わせて数百輌以上が乾いた大地を進む。
そして防衛軍の陣所に到達し、戦車砲や搭載機関砲で辺りくまなく撃ちまくるも敵からの反撃はまるで無かった。
「敵陣は蛻の殻だと…⁉︎」
理由はともかくとしてさらに前進しようとしたところ、辺り一帯に対戦車地雷が仕掛けれられていると判明。
部隊は停止し戦闘工兵を出して処理に当たらせる。
「くそっ!動きを封じられた……」
その状況は上空で待機していた星鵬に中国軍より通報される。
『中国軍より通信、敵は袋の鼠と化した!』
『よし、袋の口を閉じろ』
果たして、峠の崖に仕掛けられた発破が爆発し崖が崩されるのだった。
一方でそんな事を微塵も知らない前衛では…
作業に当たっていた一人の工兵が不意に地面の違和感に気づく。
自分が次の一歩を踏み出そうとしていた場所をよく見ると布切れのようなものが見える。
それを捲ろうとするも布は謎に大きく、その上に土が被せられていた。
すると突然、正面一帯が盛り上がったかと思うと布の下から巨大な何かが姿を表したではないか。
「なっなんだ…⁉︎」
離れた距離から見ていた戦車隊の隊長も思わずハッチから身を乗り出す。だが次の瞬間、それは隠れて見えなかった右手に持っていた巨大な機関銃をこちらに構えた。
「敵襲‼︎」
彼がそう叫んだ直後、敵の持っていた機関銃が放った一撃が彼の乗っていた車輌の天板を貫通し彼は爆発と共にそこで意識を閉ざす。
ハルピン 防衛軍総司令部
「総長!自衛隊の待ち伏せ隊が攻撃を開始‼︎」
戦闘の詳細は防衛軍総司令部にも伝わっていた。
大高「それで、状況は?」
「我が方が圧倒的に優位とのこと」
その一言で僅かながら司令部内で歓喜が上がる。
大高「流石だ…ところで、アレの名前は何と言いましたかな幕僚長殿?
」
「はい、ARL-99 ヘルダイバーです」
ARL-99 ヘルダイバー
陸上自衛隊が正式採用した、空挺強襲レイバー。バブル期に爆発的な経済成長を背景に三菱などの大手企業が合同で開発した世界初の人型戦闘兵器。一時期は自衛隊の期待の星とされていたが次第に運用面で資金がかかり過ぎるとのことから130体で調達を終了し富士駐屯地で定期整備されつつ保管されていた。
標準装備として、90式40mm汎用機関砲*1を装備。またオプション装備として、コンバットナイフの存在が確認されている。
そのヘルダイバー達は、前線にて独機甲師団を圧倒していた。
口径は小さいながらも絶え間無く撃ち出される40mm弾はティーガーやパンターの天面装甲を易々と貫通し、次々に破壊する。
また同時に上空からのECMにより、敵後方への情報の伝達手段は絶たれていた…がしかし、僅かなチャンスで敵戦闘機の応援を呼んだのか星鵬が捉える。
その報告を受けた地上のレイバー隊は、身を潜めていた塹壕の中に隠してあった専用の携帯型レイバー用ハンドアロー 通称:ビッグアローを取り出す。
僚機に守られながら狙いを定めるとコックピット内のレーダーに[目標捕捉]と表示される、そして操縦桿の射撃ボタンを押すと同時にSAMが発射筒より白煙を引きながら天高く飛翔していく。
救援に駆けつけたドラケンであったが正面からSAMを回避する間も無く受け一撃で木っ端微塵と化した。
一連の報告を受けた烏魯木斉では、
モンゴル侵攻第一軍団司令 ハイネマン大将
「やむを得んか……トゥルファンでの損害集計は…?」
「はっ…戦車200輌、戦死・捕虜が1万7千です」
ハイネマン「オムスクの予備隊へ増援を要請しろ」
「それが……同時針なのですが、国境沿いの全ての峠が爆破され…通行不能だと…」
ハイネマン「それでは‼︎我々は敵中に取り残された袋の鼠ということか⁉︎上からの命令の関係無しに我々は撤退も出来ずただ前進するしかないのか……」
防衛軍総司令部
「総長、やりました!」
大高「うむ、これでテンシャン要塞方面の敵は補給を絶たれ、継戦能力は無くなって行くだろう」
「バイカル湖方面でも国境の峠を爆破、攻め込んできた独軍五万余りを袋の鼠にして圧迫中です!」
大高「カンガルー作戦…いよいよ我が軍による蒙古決戦か……」
彼はそのまま少し目を瞑るも直ぐに再び開きこう言い放つ。
大高「諸君、いよいよ決戦のときである。今までの苦労・忍耐はこの時のためにあった。いよいよ満蒙決戦の締めくくりである!心して励んでもらいたい……!」
「「はっ!」」
モンゴルの平原に、鉄と火の暴風が吹き荒れる‼︎
四つの国家がぶつかり合う、一大決戦が幕を開ける‼︎
蒙古平原に突入してきた独機甲師団に対し、日本陸軍・陸上自衛隊は総力を持って阻止に入る。
ティーガーやパンター等に対しては10式・90式、そして74式改め八式戦車 蒙古もその猛威を振るう。
だが独軍に対して牙を剥いたのは彼らだけではなかった………
果たして、進軍していた車輌の一つが謎の光線を受け爆散するではないか。双眼鏡で光線の飛んできた方向を覗くとそこには対空用のレーダーのようなパラボラアンテナらしきものを取り付けた装甲車のような車輌が無数に並んでいた。
次の瞬間、その内の一輌のパラボラから先の光線が放たれ左側一帯に炸裂し、その場に居た車輌は車体と砲塔の間から吹っ飛び随伴していた歩兵は何の前触れも無く一瞬にして血肉を撒き散らしながら風船のように破裂していった。
そして彼らは「一旦何を相手しているのだ…」と訳も分からないままメーサー砲の餌食となった。
92式メーサー戦車
車体に8輪駆動8輪操舵のタイヤを装備した完全自走式の装輪戦車。大きな砲塔上部にメーサー光線を照射するパラボラ型砲身を搭載している。パラボラ中央部からは主体となるビームが、パラボラの周辺部からは補助ビームが照射される。光線発生システムは、プラズマを発生・加熱して中間子(ニュートリノ)を生成し、収束照射する「プラズマ加熱ミラータイプ改」。このため、砲塔後部には高出力の超伝導発電システムとヘリウムガス冷却システムが搭載されている。
92式自走高射メーサー砲
防空任務のために局地戦防空車両として開発された自走砲。メーサー小隊を指揮する役割を持つ。速射性の高い200万ボルト高射メーサー砲2基を持つため、地上部隊の要となっている。仰角は大きいがパラボラ式ではないため、集束力に欠けるのでパワーでは92式に劣る。
95式冷凍レーザータンク
装置車と装輪式牽引車(特92式改30トン6輪牽引車)のセットで運用される。当初は装軌式の牽引車が想定されていたが、あらゆる地形での作戦を想定して、装輪式が採用された。車体は汎用トレーラーを改造している。マイナス183度の超低温レーザー(冷凍レーザー)とそのエネルギー変換率の弱点を補うべく8連装のボックス型ミサイルランチャーを砲塔の両側面に計2基装備。マイナス180度にはおよばないが、冷凍弾を装備している。
※尚、これら全ての車輌の開発には菅原コンツェルンが羅号の建造の際に得られた熱線砲や冷線砲の開発で得られたデータが使われていた。
さらに自衛隊のAHー64 アパッチや93式メーサー攻撃機も参戦し、亜細亜の守護陣の如く猛攻を加える。
激闘は続く、地に空に……だがやがて、戦車五〇〇両を主力とする独機甲軍団は、バイカル隘路・ジュンガル盆地へと引き込まれる。
引き込まれた敵には、仕上げのB30・F2・F15の夜間爆撃を浴びせる。
防衛軍総司令部
「閣下、バイカル隘路にて独戦車二個師団が壊滅、ジュンガル盆地では独一個師団が燃料切れの戦車を遺棄しつつ退却中、中国軍が追撃をかけています!」
「イーニー方面は侵攻が停止、航空隊が攻撃中!」
大高「やったか……!」
「閣下…‼︎」
「やりました!」
「我が軍の勝利です!」
大高「長かったが……これで……これで亜細亜に曙が訪れる‼︎世界にも……‼︎」
〜次回へと続く〜