激突‼︎超時空世界大戦‼︎   作:短号司令官

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第6話 それぞれの反応

 

日本より、西へ約20000㎞の位置。

フィルアデス大陸、第1文明圏中央世界、ムー大陸の3つの陸地を隔てた先にあるポツンと存在する国家がある。

 

 

その国家の名は『グラ・バルカス帝国』、通称『第八帝国』

 

 

日本がこの世界に来る以前に別の世界からやって来た転移国家である。

転移前に存在していた惑星ユグドでは、世界最強国家の地位にあったが、本土のみ転移したため、広大な属領と植民地を失ったが、偶然戦力の大半を本土に集めていたため軍事力はほとんど低下していない、日本と同じ偶然に見舞われた。

 

ここ数年で、この世界における西方地域のほぼ全てを圧倒的な技術力で形成された軍事力を使って征服し、今や日本と同様に、世界に混乱をきたす国家として認識されている。

 

 

ここ、帝都ラグナの国会会議議事堂会議室では、軍の幹部や情報部幹部などが集まり、国家戦略・安全保障会議が開かれようとしていた。

 

 

「では、今回の議題の項目である日本聯合についての中間報告が纏まりましたので、この場を借りてご報告させていただきます。」

 

 

会議を仕切っている中央情報局の職員が、説明を開始する。

 

 

「皆様もご存じの通り件の日本聯合はここ2・3年のうちに二つの国家を打ち負かしました。その打ち負かされた国家は何れも、列強国とそれに肩を並べる程の強大な国力を持っていましたが、それをこの国は僅か短期間で敗北に追い込んでいます。我が情報局はその過程で、各国に潜入している情報員が持ち帰った情報を精査した所、幾つの共通点が浮かび上がりました」

 

「共通点?一体どんなものだ?」

 

グラ・バルカス帝国海軍東方艦隊司令長官であり、帝国3大将軍の1人でもあるカイザルが質問を投げる。

 

「口頭で説明しても良いのですが、見ていただく方が早いと思われます」

 

職員が電気を消して、目の前の壁にスクリーンを降ろし、映写機を起動させる。

映写機から写し出されたのは、複数の写真だった。その写し出された写真の中身に、会議室に居た全ての者が驚く。

 

 

「これは…グレード・アトラスターではないか!?」

 

監察軍の司令官であり、帝国三大将軍の一人であるミレケネスが声をあげる。

 

「はい、確かにこれらの写真は我が海軍の誇るグレート・アトラスターに非常に酷似しております。ですが全てが同じとは限りません」

 

職員のその一言に疑問を持った参加者達は再び写し出された写真を食い入るように見つめる。

 

カイザル「うむ……確かに言われて見ると、どれも形が微妙に違うな」

 

ミケレネス「左の艦はほぼグレート・アトラスターそのものと言って良いが、高角砲が連装砲だ。真ん中の艦はよく見れば檣楼や主砲塔の形は似ているが……船腹がえらく張り出してる上に艦首の形が変わってるな?それに檣楼の後ろに煙突も無いし、何より兵装配置が違うな」

 

カイザル「……右の艦は…グレート・アトラスターの雰囲気はあるが…高角砲が単装砲ばかりで機銃すら見当たらないな……」

 

「これら戦艦は、マストに掲げられている旗から日本国の物で間違いありません。グレード・アトラスターと外観が酷似しているのは偶然でしょう。ですが問題はそこではありません。」

 

「何が問題なんだ?」

 

「実はこの三隻の性能を調べようと我が情報局では、これらの写真と情報員の報告を元に、グレード・アトラスターの性能を比較してみたところ、驚くべき事が分かりました」

 

職員は用意していた鞄から資料を纏めた物を取り出し、全員に配布する。配られた順から内容に目を通すと、全員が唖然とする。

 

 

 

「おい……これは本当なのか?」

 

「いくら何でも、大袈裟過ぎはしないか?」

 

「私らもそう思って何度も精査してもそれ以上、それ以下の結果は出ませんでした」

 

 

 

 

仮称:A艦(扶桑海軍大和型戦艦)

※グレート・アトラスターとほぼ同等

 

 

仮称:B艦(日本武尊)

 

全長:推定300m

全幅:36.3m

基準排水量:推定8万t弱

主砲:46㎝砲と同等か、それ以上

その他:未確認の対空兵装多数

 

仮称:C艦(やまと型護衛艦)

 

全長・全幅・排水量共にグレート・アトラスターと同等

主砲:恐らく46cm砲ではあるが口径が異なる

その他:こちらも未確認の対空兵装多数

 

 

 

 

 

ミレケネスは資料を食いつくように何度も読み返し、カイザルは呆れていた。

 

ミケレネス「信じられない………46㎝砲を上回る砲を積んでいる戦艦を日本が……」

 

カイザル「それも三隻だと…?こんな化け物戦艦を日本聯合が何隻も持っているとしたら、いざ向こうとやりあう事になった場合、1艦しかないグレード・アトラスターでは押し負けるぞ……」

 

カイザルの言葉に、会議に参加していた技術局のバミダルが抗議する。

 

 

バミダル「カイザル司令!グレード・アトラスターは我が国の技術の結晶ですぞ!!」

 

カイザル「分かっています。分かってますともバミダル殿。私とて我が国の技術を信じていない訳ではない。だが、もし報告書通りの性能だとするなら、この三隻に戦闘を挑むのはほぼ自殺行為も等しい。そこでだ、ラクスタル。お前ならこいつらに勝つにはどれ程の戦力がいると思う?」

 

カイザルは同席していたグレート・アトラスター艦長のラクスタルに問いかける。

 

ラクスタル「そうですな…… グレード・アトラスター級が2隻…いや最低でも4隻……それでも何隻かは沈むでしょう、確実に葬るのであればグレード・アトラスター級2隻を中核とした戦艦4隻、巡洋戦艦4隻、巡洋艦30隻の戦艦部隊、そして正規空母8隻の空母機動部隊も投入……兵員の技量や未知の対空兵装等、不安な部分はありますがこれくらいは必要かと」

 

ラクスタルの言葉に、各重工業の社長や代表取締役が苦言を言う。

 

 

「そんなの不可能だ!海軍だけに予算は使われているのではないぞ!戦車や航空機などの製造ラインを停止しないとやっていけない!!」

 

 

「たとえ採決されたとしても、短期間でそれらを揃えるための設備と資材は今の我が国にはない。やるとしたらド・デカテオン社とカルスライン社の生産ラインから戦車や、航空機の製造をラインを全て閉鎖し、民間からの受注も全て放棄して全力生産に取り掛かったとしても、絶対数年以上はどうしても掛かる。下手したら財政の破綻やインフレは免れないな。」

 

 

グラ・バルカス帝国と言えど、限度はある。

今まで征服した地域から獲得した資源を活用した工業力をフル稼働させても、今の帝国の現状では短期間で今まで以上の軍拡は不可能なのである。

国家転移から徐々に落ち着きを取り戻しつつあるとはいえ、まだ混乱の影響による経済への打撃は大きく、財政難の中で行われている兵器の生産や現有の軍事力の維持、兵士の訓練で予算は手一杯の状態なのである。

 

「取り合えず、我々としましても今後の国家戦略に大きく影響すると思われますので、全力を注いで日本国と、この戦艦に関する情報の収集と精査に努めます。」

 

「頼むぞ。一応こちらの方でも、独自のルートで情報集めに全力を注ぐ事にしよう。」

 

 

 

グラ・バルカス帝国で、日本の軍事力に関する情報収集に全力が注がれる事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本国

 

この日、後世日本を中心とした「大日本聯合演習」が初めて実施されていた。

 

演習には並行日本より派遣されないブルマー・ホワイトドルフィンの艦艇も参加していたが、両組織の艦にはある改装が施されていた。

ホワイトドルフィンの艦は一見すると何も変化はないように見えるが、兵装にSAM・ハープーン・トマホークを搭載しイージスシステムを搭載している。

 

かくいうブルマーはというと、こちらもハープーンやトマホークを搭載しているものの一部の教養艦などは改装等が行われており不参加である。

 

 

 

 

演習は対潜・対空・対艦の順で艦砲射撃やミサイルによる実演等も行われる為大勢の来場者が来たが、それ以上に目玉となるものもあった。 

 

『戦艦まほろばの主砲射撃』

 

この一言が書かれていた内容を見る為だけに来たという者もいる程だ。

 

 

かの戦艦は、その余りにも強力すぎる性能や武装から「前線に出しては余りにもオーバーキルである」「未知の技術故に何が起こるか分からない」という理由から軍令部総長直属艦にして聯合艦隊総旗艦の座を与えられたのであった。

 

 

 

まほろば 艦橋

 

某宇宙戦艦を思わせるような内装の艦橋内には紺色の海軍服を身に纏った士官達がそれぞれの座席に付き、計器版をチェックしていた。

 

そして艦橋中央部に位置する艦長席には軍令部総長 高野五十六が静かに座り、演習を見守っていた。

 

高野「我が海軍も、随分と腕を上げたな」

 

日向「はい。自衛隊より供与された対艦・対空誘導弾、最新鋭戦闘機等いずれも彼らとほぼ遜色のないレベルにまで扱えるよう仕上がっております」

 

高野「これも彼らとの出会いのおかげだな…」

 

 

「凄い……これが…」

 

そう声を上げたのは横須賀海洋女子学校にて『晴風』の艦長を任された岬 明乃であった。

 

高野「どうかね?岬君」

 

突然の呼びかけに体を一瞬ビクッとさせるも彼女はなんとか応える。

 

岬「えっと…はい、とても凄いと思います。この艦も実演も……」

 

高野「はっはっはwそう固くならんでいいよ、もう少し肩の力を抜きたまえ」

 

緊張の余り何を話せば良いか分からずでいる彼女の対して高野は優しく応ずる。

 

高野「確かに、君たちの日本は日露のあの戦いを最後に他国とドンパチやり合うようなことは無くなって余りこういうもんも見ることが無かろう」

 

岬「でも、実習とか海賊退治でも多少は……」

 

高野「だが規模感が違う。君たちは海における治安の維持が主とされているだろうが、我々は国を守る…という重大な役目を背負っている。いつ…例えば明日、何処から攻められてこんとは絶対に言えない。そういったまだ見ぬ脅威から我々は日本を…君たちのような未来ある若者を守ろうとしているのだよ……」

 

岬「なるほど……」

 

高野「だが大切なのはただ力があればいいというだけでは無い。その使い方だ」

 

岬「使い方……ですか?」

 

高野「そう、この『まほろば』のように強すぎる艦だっている。そういったものをバンバン使っていては、日本は良からぬ未来へと転がって行くことになる……」

 

岬「良くない未来……」

 

高野「……だからこそ、理解ある者が力を管理し、その意図を踏み外すさぬよう後世にその意志を明確に伝える事も……私の責務だと感じている……」

 

岬「………」

 

 

間違った知識や理解を持つ者が強大な力を手にすれば、それに酔いしれ自滅の道を進み多くの未来ある若者や犠牲者をも巻き添えにする。

高野は前世の反省をこの全て日本で生きる若者達に理解してもらいたいと日々切に願っている。

 

 

日向「総長、いよいよ本日の大詰めです」

 

高野「おぉ?そうか、もうそんな時間か」

 

時刻は確かに予定通りであった。

 

高野「うむ、よかろう。本艦の主砲一斉発射で幕引きといくか」

 

まほろばの51cm3連装ショックカノン砲15門の一斉者こそ今回の目玉であり、その放送を「いずも」「かが」「いせ」「ひゅうが」で聞いた来場客達はまほろばの方を見た。

 

日向「砲術長、何が起こるか分からんからな。主砲は出力10%で発射だ」

 

「了解!」

 

「総長、進路はこのままで宜しいでしょうか?」

 

高野「うむ、構わん」

 

「はっ!進路このまま!第一戦速!」

 

「宜候!」

 

まほろばは終始、水上航行で参加していた。やろうと思えば空中航行も可能だが、その点はまだ不慣れなもので今はこれが精一杯なのであった。

 

「主砲射撃用意!目標、左舷183 仰角2.7」

 

前部3基、後部2基の51cm砲は旋回を終え標的艦を捉える。

 

『第1・第2・第3砲塔射撃準備完了‼︎』

 

『第5・第4砲塔いつでもどうぞ‼︎』

 

高野「砲撃………開始ッ‼︎」

 

「ぅてえぇぇー‼︎」

 

号令一下、主砲から青白い光線が眩くも淡い光を放ちながら空間を突き進み標的艦に炸裂、刹那標的艦はその熱量に耐え切れずバラバラに分解されながら海の藻屑と化していった。

 

来場者達が感嘆の声を上げる一方で、護衛艦「むさし」に乗艦していたムー国の使節団のマイラスは言葉を失って唖然と立ち尽くすことしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜次回へ続く〜

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