『あかぎ』『天照』より飛び立った迎撃隊は、警戒機による誘導と索敵レーダーを駆使して、こちらに向かってくるグラ・バルカスの攻撃隊へ向け距離を縮めつつあった。
編成は、F35×10機 神鳳×8機 蒼莱改×8機 合計26機
対するグラ・バルカス帝国は総数凡そ200機
こちらは半数にも満たないが、機体性能・技量・武装どれをとっても圧倒的だった。
F35及び神鳳が正面より、蒼莱改が下方及び後方から攻撃を仕掛ける。
「こちらイーグル1、目標捕捉!」
遂に迎撃隊の射程距離に敵攻撃隊が入ってきた。
攻撃隊はアフターバーナーを点火して一気に速度を上げると、索敵レーダーの出力を最大に上げ、翼下の対空誘導弾の安全装置を解除する。
「Fox2!Fire‼︎」
発射スイッチを押し、全機が一斉に04式空対空誘導弾を放ちその場から一度離脱する。
その頃、グラ・バルカス帝国軍第1次攻撃隊183機は、カルトアルパスへ向けて高高度を飛行していた。
『全機、間もなくカルトアルパス湾へと到達する。3000まで高度を下げろ。』
攻撃隊の指揮官は全機に命令を下す。
命令通りに、攻撃隊所属の
『いいか?攻撃目標は飽くまで日本艦隊だ!他はどうでもいい!』
『了解!』
攻撃隊の本命は日本聯合である。日本の実力を図るのが目的の今作戦をもう一度確認した攻撃隊は、カルトアルパスへ向けて突き進んでいく。
「ん?」
その時、一番先頭に居たアンタレスのパイロットが、前方から黒い点のような物が真っ直ぐ飛んでくるのが見えた。
「鳥か?」
一瞬そう思ったが、その予想は一瞬で砕かれた。
飛んできたのは、後ろから煙を吐きながら高速で飛翔する飛行物体だったのである。彼は急いで無線のストークボタンを押して、全機に指示を出す。
「いかん!全機回避っ!」
編隊は急いで機体を旋回させ回避しようとするが、回避が遅れたアンタレス数機に飛翔物体が直撃し、爆散した。
「何だと!?」
回避機動を行ったが、飛翔物体はまるで意思を持っているかのように軌道を変えて追い掛けてくる。
『うわぁ!追い掛けてくる!』
『来るな!来るな!』
『逃げられない!』
飛翔物体はアンタレス隊とシリウス隊、リゲル隊に次々と命中していく。機体は黒い煙と炎を吐きながら墜落するか、爆散していく。
「何がどうなってるんだ!?」
指揮官は訳が分からなかった。
いきなり現れた飛翔物体に、指揮下の飛行隊が次々とやられていくのを見て、帝国軍パイロットとしてのプライドが傷つけられる。
「おーおー、慌てとる慌てとる」
それを見ていたのは、天照より発艦した攻撃隊であった。蒼莱改の目的は混乱する敵攻撃隊に対し一気に殲滅戦を仕掛けるというものである。
「さて、この新型の誘導弾の威力を試してみるか!」
日本海軍が自衛隊との共同開発で生み出した49式汎用誘導弾は大凡の部分は変わらないが、最大の利点は対空・対艦双方にも使えるという優れものであるという点である。
「誘導噴進弾、電探と連動開始っ!」
索敵レーダーに誘導噴進弾が接続される。
「用意……撃てっ!」
パイロットが操縦桿のスイッチを押し、蒼莱改から誘導噴進弾が放たれ、撃ち終えた攻撃隊は直ぐに旋回して回避する。
放たれた誘導弾は混乱の渦の中へと吸い込まれるようにして飛んでいき、一つ…また一つと敵機を撃墜していってみせた。
攻撃隊全滅は直ちに、グラ・バルカス帝国軍第1航空機動艦隊に伝えられる。
「通信途絶?」
「はい………」
第1航空機動艦隊司令官のカオニア少将は、自信をもって送り出した攻撃隊からの通信が繋がらなくなったと言う報告に頭を抱える。
カオニア「原因は?」
「不明です。敵の攻撃なのかあるいはこの星独特の磁気嵐なのか……」
「提督!直ちに第2次攻撃隊の発艦準備を……」
そこへ、通信員が駆け込んでくる。
カオニア「何事だ!」
「敵の無線通信を傍受しました!」
「内容は?」
「はい。余程切迫してるのか平文です。『我、敵航空機の攻撃を受け甚大な被害を受けるも、自沈に至らず。戦闘を継続す』以上です。」
この無線通信は無論、偽物である。
大石は、一計を案じ警戒機から伝えられた敵の無線周波数に合わせて、広域通信で偽の救援要請文を発していたのである。
カオニア「よし!作戦通りグレードアトラスターに、カルトアルパス突入の暗号を送れ!」
そんな事を露知らないカオニアは遥か前方のグレードアトラスターにカルトアルパス湾突入の暗号を送った。
暗号を受け取ったグレードアトラスターのラクスタルは、何の迷いもなくカルトアルパスへの突入を決意した。
ラクスタル「機関最大戦速っ!これより本艦はカルトアルパスへと突入する!」
グレードアトラスターは機関の出力を上げ、速度を上げると、真っ直ぐカルトアルパスへ向けて突入を開始した。
一連の流れは無論、E-2によって逐一艦隊へと報告されていた。
日本武尊
原「長官、敵はどうやら罠にかかったようです」
大石「うむ。だが、改めて思うが…敵は大和型一隻に対しこちらは3倍、相手にとって不足は無いだろうがどうもな…」
富森「ですが、敵の他の戦艦に動きがない以上こちらも応戦せざるを得ないかと」
大石「まぁ……そうだな。彼らのことも信じよう」
大石はそういいながら並走する『護衛艦やまと』と『戦艦大和』に目を向ける
護衛艦やまと
「さぁて、『やまと』対『大和』世紀の一戦は間も無く開始ってか」
橋浦参介一等海佐はやまとのブリッジから水平線の彼方にいるであろうまだ見ぬ敵に思いを馳せていた。
日本のミリオタなら色々と複雑な構図であろう『やまと』対『大和』。
相手が『アイオワ級』や『モンタナ級』ならまだ納得いく方の人間が多いだろうが、夢の一戦であることに変わりはない。
橋浦「相手はこちらと同等か…悔いのないよう、正々堂々と相手してやるか!」
大和(扶桑海軍)
「良い眺めだな…」
大和艦長を務める『杉田淳三郎』が呟く。
かつてはネウロイを相手していた自分が、今度は同じ人間…それも大和とほぼ同性能の戦艦と戦うという事実に複雑な思いを馳せていた。
当初は人間同士という点に困惑したが、大石や橋浦とも会い現在はカルトアルパスとそこに住む人々を守る為意を決する。
それでもほぼ同士討ちのようなこの戦闘に言い表せないような思いもあるが、今は自分らのすべきことをしようと決める。
杉田「副長、敵との接触まであとどれくらいだ?」
樽宮敬喜「はっ!もうあと十数分かと」
杉田「分かった」
十数分後、日本武尊・やまと・大和の三隻vsグレート・アトラスターによる世紀の一戦が幕を開けた。
初手、グレート・アトラスターからの砲撃が浴びせられるが『やまと』のSAMによる迎撃で飛来する敵弾を悉く空中で破壊。
そして今度はお返しと言わんばかりに46cm砲18門、51cm砲9門の一斉射撃が始まる。
グレート・アトラスターは直後辺りを水柱に囲まれ、姿が見えなくなるも次に姿を現した際には右舷機銃群・高角砲が壊滅し炎を上げていた。
再びグレート・アトラスターが撃つがまたもやSAMによる空中撃破、そして46cm砲と51cm砲の斉射。
今度は第二砲塔・全部後部甲板に被弾し被害が拡大。
そして沈黙した一瞬の隙をついて、橋浦一佐は副砲のレールガンで敵艦副砲塔弾薬庫を的確に射抜く。
大和型の弱点でもある副砲塔部を狙ったのは戦闘の早期集結を狙ってのものもあってだ。
ともあれ二基の副砲は吹き飛び火災の消火は追いつかず、各所に広がっており、戦闘開始から40分をしてグレート・アトラスターの速力は10ノットにまで低下していた。
ここでラクスタル・カイザルの両名は退艦命令を発令し、できる処置を施した乗組員らは脱出、両名も外交官のシエリアと共に退艦。
退艦終了から10分も経たずして、グレート・アトラスターは横転、海水が機関部へと入り込み水蒸気爆発と共に巨大なキノコ雲を上げて沈んだ。
グレート・アトラスター撃沈の報を受けた第1航空機動艦隊は離脱しようとする。
しかし、そこへ後世日本が新たに実装した
機動艦隊は応戦しようとするも、直掩の戦闘機隊は護衛のF-15イーグルプラスによって全て葬りさられ、残存艦艇にも対艦誘導弾が炸裂し壊滅。
この攻撃を行ったのは川崎中将座乗の空母 健御名方・あかぎ型二番艦『あまぎ』であった。
〜次回へ続く〜