また、自分でも分かる範囲で新旭日の艦隊や新紺碧の艦隊のストーリーを織り交ぜていきます。
第1話 決行 赫一号作戦
照和25年
激闘続く第二次世界大戦は未来世界をも巻き込み戦禍が拡大する。
新たな力を手にしたヒトラー率いる神聖欧州帝国は留まるところを知らない、だが世界恒久平和を願う日本の大高首相、高野五十六、そして新たな同志を得た日本軍の戦いが今再び始まろうとしていた。
照和26年 初頭 横須賀
この日、印度洋にて行われるソコトラ島攻略及び紅海の制海権確保の為
米海軍が動き支援要請を求めてきたことから"赫一号作戦"を発令し、超改修を施した日本海軍と海自が出撃する。
新第一連合航空機動艦隊 編成
旗艦 戦略空母 健御雷
潜水戦艦 超日本武尊
戦艦 長門 陸奥
金剛 比叡 榛名 霧島
伊勢 日向
扶桑 山城
航空戦艦 信玄 謙信
虎狼 海虎 海狼
空母 健御名方
瑞鶴 翔鶴 飛龍 蒼龍
隼鷹 飛鷹 雲龍 天城
葛城
装甲空母 大鳳 天鳳
信長
軽空母 尊氏 いぶき
巡洋艦 愛宕 高雄 鳥海 摩耶
妙高 羽黒 青葉 衣笠
熊野 鈴谷 北上 大井
白根 鞍馬 石狩 能代
宇治 長良 天龍 糸魚
吉野 四萬十 由良 九頭龍
鬼怒 久慈 十勝 阿賀野
庄内 雫石 那智 伊武
駆逐艦 初月 若月 迎月 夕月
朝霧 浜霧 夕霧
白雪 初雪 残雪 吹雪
新風 太刀風 響風 旋風
怒風 雷風 陣風 剣風
紫月 長月 菊月 朝月
神月 銅月 紺月 碧月
玄月
護衛艦 あたご ちょうかい みらい
ゆうぎり せとぎり
潜水艦 ア号01 02 03 04 05
けんりゅう
やまと
海自、高杉、坂本、紅玉、旭日それら全ての艦艇を集めに集めた空前絶後の大艦隊が誕生した。
またここには居ないが、紺碧島より紺碧艦隊も後に合流する予定である。
これが何を意味するか、それこそ一大総力戦を表しているのは言うまでもない。
太平洋 マーシャル諸島 紺碧島
島内の太陽湖を一望できる丘の上から、水平線から昇る朝日を眺めている一人の男が居た。
前原(紺碧島で朝日を見るのも、これが最期かもしれんな…)
男の正体は前原一征であった。
赫一号作戦発動に当たり、海軍全戦力は自衛隊及び艦娘、501JFWと共同して紅海の制圧に向かうように命を受けた為紺碧艦隊も初の全艦出撃である。
一大作戦故に帰還できぬ可能性もある。
ふと気配を感じ横目にすると、セーラー服姿で茶髪のショートカットというこの島には似つかわしくない容姿の少女が駆け寄る。
みほ「前原さん、乗組員全員集合しました。麓までお願いします」
声をかけたのは西住みほであった。
前原「ご苦労、みほ」
優しく微笑んで返し、二人で並んで丘を降りる。
島内の太陽湖には出撃に備えて紺碧艦隊の全艦が揃い踏みだ。
ベテラン艦のイ601、イ501.502.503、イ701、イ900型潜輸多数。
就役して一年経つ伊3001潜 亀天号、そして新たに加わった幻の大和型戦艦四番艦こと海底軍艦ラ號がいた。
浜辺で前原は、基地要員にも手すきの者は集まるように命じた。
入江「集合終わり。司令官お願いします。」
と促されて台の上に。
「前原司令官に敬礼ッ」
前原応える。
「休め」
全員直立不動より、両足を開き、腕は後ろに回す。
前原「諸君、今度の出撃は我が紺碧艦隊、いや日本海軍史上初の全艦出撃だ」
そこで言葉を区切り、先を続ける。
前原「既に高杉、坂本、紅玉、そして旭日艦隊を再編した第一連合航空機動艦隊は出撃し南下中だ。我々はこれに密かに合流、然るのち共に紅海へと進出する」
前原は言葉を続ける。
前原「よいな。我々は戦闘・技術集団である。しかも日本国民にはまったくその存在を知られていない……故に我々が挙げた功績の数々は全く評価されていない。無論、勲章や昇進もないこれが我が紺碧艦隊の伝統なのだ。だがこれからの戦いは単にこの世界のみならず、全亜細亜、全世界、そして全ての世界の、全人類の運命を絶望の淵から救うために行われる。敵のヒトラーの野望、世界征服計画を阻止するために行われるのだ。以上だ」
変わって入江艦長が壇上に上がる。
入江「私から付け加えることはない。敢えて言わせてもらうなら、全人類の未来が我々にかかっていることだ。それを忘れずに任務に励んでもらいたい。解散!総員乗艦せよ‼︎」
「「敬礼‼︎」」
乗組員らはそれぞれ大発やカッターでそれぞれの艦へと乗り込む。
前原は壇の横に並んでいた迷彩柄の服を着た陸自隊員達の下に寄る。
前原「皆さん、本作戦では壮絶な戦いが予想されます。どうかあの子達を頼みます」
「はい。命に変えてでも大洗女子、引いては戦車道の女子さん達は守って見せます」
この後世に脱出したのは第五護衛群だけではない。
段階的に輸送艦などを利用して陸上自衛隊や燃料のギリギリまで飛び立つけた航空自衛隊もいる。
陸自は本作戦に際してマッサワに上陸する未来後世アメリカ連合軍の支援を目的に潜輸に乗り込む為、みほ達と共に紺碧島を訪れ訓練に励んでいた。
「では」
敬礼した隊員らは輸送してきたLCACやカッターに物質や10式戦車を積み込むと次々にイ1000型各艦のハッチの中へと吸い込まれていった。
別艇にはⅣ号などの大洗を代表する戦車が積み込まれていた。
積み込みを指揮するみほが前原に気がつくと手を振ってくる。
前原も応える。
前原「それでは行くか、艦長」
入江「はっ」
短艇からラ號に乗り込む。
艦橋に入り、窓などから各艦が水中洞窟へ向け潜航していく様を見届ける。
「機関始動。動力炉圧力正常」
入江「両舷微速前進」
太陽湖の水深は浅くラ號が潜るには適さない。
ラ號は新たに作られた偽装水門を通る。
一見すると大地が割れているかのようにも見えるが地面の下には厚さ700mmを越える水門が太陽湖と外洋を隔てる。
太陽湖を出たラ號はしばらく海上を進む。
「潜航可能深度です」
入江「全バラスト注水!潜航ぉ‼︎」
球状司令所前面の水中防壁が閉じる。
甲板は海水が洗い船体が徐々に波間に消えていく。
さて紺碧艦隊についてだが、ラ號が旗艦となったことでそれに見合った随伴能力を求められた為大改装を施し、ラ號と同様に量産された零式動力炉を各艦が装備し、低速時は従来の水噴式だがそれ以外の場合は電磁推進が可能となった。
紺碧島を出発した艦隊は三日後、リンガ泊地にて合流する。
泊地にて海軍四天王と前原、涌井司令、ミーナら他の幕僚との打ち合わせを行った。
それによると連合軍は既にソコトラ島を陥落させ紅海への進撃路を確保しつつある一方、新造艦で構成された地中海艦隊を出撃させたとのことらしい。
そこから五日後、艦隊は印度洋に入る。
時系列はそこから水平に飛び……場面は一点する。
場所は紅海!米海軍と地中海艦隊との戦いは既に始まっている。
飛来する敵艦載機や戦闘機、ネウロイから艦隊を守ろうとタイコンデロガ級やアーレイバーグ級が艦対空ミサイルを、アトランタ級やウースター級が対空砲火を浴びせる。
一方でアメリカ側も敵機来襲の前に艦載機を発進させており、総旗艦双胴空母イエローストーンからは多数の攻撃機の他ニミッツ級原子力空母
カール・ヴィンソン、ニミッツ、ドワイト・D・アイゼンハワーからはF/A-18スーパーホーネットが発艦する。
双胴空母イエローストーン
「壮観だな…」
艦橋の窓から現代と未来の織り混ざった攻撃隊を見届けながらカール・J・マンフォード大将が言う。
マンフォード(日本海軍が居なくとも、我々だけで叩けそうだ)
そう考える彼の足下、海中深くでは……
日本武尊が単艦紅海を、敵艦隊へ向け水中を突進していた。
艦橋
艦橋内は照明のみが点灯しており窓の外は見えない。
水圧に耐える為に防水壁が閉じてあるのだ。
「ソナー室から艦橋へ、敵旗艦を確認しました!」
原「例の巨大艦ですな」
富森「長官。本当なんでしょうか?全長が500m級の戦艦なんて…」
大石「事実なら認めるべきだ。それに奴は分離合体が容易にできるらしい」
原「分離に…合体…⁉︎」
大石「恐らく分離してスエズを渡り、この紅海に入ってから再び合体したのだろう。だが問題は……」
大石は立ち上がってパネルに表示されてるフェルゼンの写真を見る。
大石「何故ここまで大きくする必要があったかだ」
確かに大きい。しかし理由も無く大きくするのは変だと猿でも分かることだ。
大石(だがこのまま行けば、間違いなく連合軍は被害を受ける……その前に少し…)
考えをまとめて富森艦長に命ずる。
大石「よしっ。艦長、浮上用意だ敵の眼前に浮上して砲撃戦だ」
富森「はぁ?」
原「何をするつもりなのですか…?」
大石「なぁにちょっとした威力偵察さ」
不敵に笑う大石。
日本武尊はそのまま浮上を開始する敵前方二万メートル地点。
一方、
フェルゼン
「おおっ⁉︎なんだあれは!」
もとより敵側も浮上する日本武尊を目撃する。
一瞬鯨かと思ったのは要塞戦艦フェルゼンの艦橋に立つ、グスタフ・フォン・ナトルプ元帥であった。
だが彼が見たのは鯨ではない。これまで散々煮え湯を飲まされてきたあの憎っくき日本武尊だ。
「ヤッヤマトタケル…⁉︎」
と叫んだのは艦隊副司令のハンス・フォン・ビンディング中将であった。
ナトルプは顔を強張せて叫ぶ。
ナトルプ「撃沈しろ‼︎ヤマトタケルを沈めるのだ‼︎」
だがこの時既に紅海海上北緯20度付近では南下する地中海艦隊と北上する米機動部隊との戦闘状態に入っていた。
生憎こちらの艦載機は全て出払っている為一機も残っていなかった。
タイミングとしては最悪だが……
日本武尊
富森「浮上完了!艦橋防水壁開け!」
防水壁がモーター音と共に下がると亜熱帯の太陽光線が艦橋内に差し込む。一瞬目が眩むがすぐに治る。
「電探に敵艦を捕捉!左舷距離二万五千‼︎」
レーダーと連動して前部二基、後部一基の主砲が旋回する。
砲身は3度の仰角をとる。
無人の砲塔内では自動装填装置が働き51cm防弾が砲塔内に運び込まれる。砲弾は新型の安定翼付対艦徹甲弾だ。
この砲弾は発射されると侵徹体を囲む装弾筒が外れ、タングステン合金でできた侵徹体が高速で敵艦に突っ込むものだ。
普通なら横風に弱いという弱点を持つが今の日本武尊の主砲は超電磁砲、秒速2600mで飛翔するのだ。仮に受けたとしてもその誤差は2〜3cm程度らしい。
大石「砲術長、無理に沈める必要はない。だが命中はさせろ!」
木嶋『はっ‼︎』
装填を終え砲身が15度の仰角をとる。
「電探連動よし!」
「発射準備完了!」
木嶋砲術長が電子スコープを除きカメラから写し出される敵要塞戦艦に照準をとり近くの発射ボタンに親指をかける。
木嶋「ってぇ‼︎」
叫ぶのと同時にボタンを押す。
三基九門は一斉にその咆哮を轟かせるが、それに比例して発生する硝煙はごく僅かだ。
発射された9発の徹甲弾は装弾筒が外れてフェルゼンに向けて突進する。命中すると外郭船の装甲に大穴を開け大爆発を起こす。
だが直前にフェルゼンも副砲38cm砲を放った。
だがこれを天眼Ⅴにより察知した日本武尊はダッシュで回避する。
木嶋『砲術より艦橋へ、敵艦に全弾命中するも被害は微小の模様』
艦橋内ではどよめきが起こる。
原「なんと……」
富森「本艦の主砲全弾命中を受けてもびくともせんとは……」
大石「だがこれで敵がどんな奴かは大凡分かったよ」
それと同時に敵機来襲を知らせる警報が鳴り響く。
報告によると敵は深海悽艦の艦載機らしい。
原「どうします?長官」
大石「……原参謀、あれは使えるか?」
原「そう仰ると思って既に準備万端です」
大石「ほほぉやるな。なら早速頼む」
大石の言うあれとは…?
艦載機は母艦から伝えられた巨大戦艦を確認した。
やることは簡単目の前の敵に対していつも通りの攻撃を仕掛けるだけだ。
編隊を組んで敵艦に接近する。
しかし敵は撃ってこない、ここで彼らは引き返すべきだった。
突然、甲板上のハッチが開くと銃身が二本突き出た球体状の砲塔らしきものが次々に出てくる。
銃身が自分達の方を向いて一瞬光ったかと思った次の瞬間には自身の体が真っ二つにされてる。
"何故だ、何故堕とされた⁉︎"
痛みよりも何よりもそれだけが頭の中をぐるぐる駆け巡るが、段々と意識が薄れて次第に行動を下げ海中へと没する。
砲塔からは赤色の光線が次々に放たれ、瞬く間に飛来する敵機を堕とす。
艦橋からその様子を見ていた大石。
大石「流石に凄まじいな」
富森「本艦に新たに搭載されたレーザー砲です」
これも零式動力炉を搭載したからこそできた所業であり、本艦の場合誘導放出型だ。
特殊な硝子を媒体として用いる。
ただ難として距離減衰などもあるが、飛んでくるもののは光の速度である為いくら高速の機でも回避は難しい。
レーザー砲は敵機を全て撃退すると再び艦内に収納される。
そして日本武尊は満足したのか再び海中へと姿を消していく。
日本武尊
原「長官、よろしかったのですか?」
大石「何がだ?」
原の問いかけに応ずる大石。
原「多少苦労するとは言え、撃沈はできたと思うのです。ここで沈めなくていいのですか?」
大石「まだ敵の目的がはっきりせんし、何よりあれだけの頑丈さだ。そう簡単にはいくまい」
磯貝「確かに。あれだけならば絨毯爆撃でもびくともせんでしょうな…」
富森「ですが…何故そこまでして頑丈にしたんでしょうか?敵は」
3人が頭を抱えるが大石は至って冷静であった。
大石「……その答えと思わしき仮説は立ったよ」
原「本当ですか長官⁉︎」
磯貝「ではそれは…⁉︎」
大石「まぁ待て、今はまだ言えんよ。今はな……」
大石の仮説とは何か…?
日本武尊は紅海深くをそのまま南下していった。