パルパゴス帝はかく語りき 作:リリクインの頭の花の蜜をべろべろ舐めたい
この島に流れ着いてから、もう何週間経ったのだろうか。
私は早い段階で、「パル」と呼ばれるこの土地固有の賢い生き物を隷属させることに成功し、全ての労働を彼らに任せていた。
今も保護色という概念を忘れたような鮮やかなオレンジの狐のパルが、キャンプファイヤーに向かって必死に火を吹いている。
そう、このパルたちは、人知の及ばない不思議な力を持っているのだ。
このキツネビというらしいパルとの出会いを思い出す。あれはこの島に来て二日目か三日目のことだった。全身を焼かれながら手製のバットで殴り続けたキツネビがついに抵抗をやめてパルスフィアに収まったとき、私は相棒にふさわしい強力なパルを捕まえた、という興奮でその夜は眠れなかったものだ。
彼とはそのあと数日行動を共にしたが、いまはこうして拠点で替えの聞く道具として頑張ってもらっている。いや、彼は鬱病になったから別のキツネビに替えたんだっけか。
まあ大差ない。私はキャンプファイヤーからキツネビが焼いた百個ほどのベリーを取り出し齧る。もう食べ飽きたが、生よりは栄養がありそうな味をしている。あと6000個、がんばってね。何日かかるか知らないけど…。
話を戻そう。
何週間といっても、そのほとんどの時間は拠点の真ん中に突っ立ってぼーっとしていただけだ。腹が減ったら無造作に手元の袋から好きな量焼いたベリーを取り出し、
ぼーっとしている間は小説を読んでいるような気分だった。当然私は本など持っていないから、気分だけだ。ハーメルン?何だそれは。
しかしぼーっとしている時間に何の意味もないかといえば、そんなことはない。私はこうしている間にもきしょい模様のパルの卵が孵るのを待っているし、同時に便利な発明を考えているのだ。現に今も、もう少しでキャンプファイヤーより便利な調理器具を思いつきそうな予感がある。
拠点に置くパルが増えたことから、ベリーを焼くのが追い付かないのである。パルどもはいくら言ってもベリーをキャンプファイヤーではなく餌箱に直接入れるし、実際生のベリーだけを食べさせてもただちには死なないが、軟弱なことに精神を病む者が増えるので、なるべく焼きベリーを食べさせたい。そのために効率的な調理器具の開発は急務なのだ。どうしような…。
しかし、夜の寒さに縮こまって凍えていた当初と比べれば、このパルパゴス島での暮らしも随分楽になったものだ。パルどもがいくら精神を壊そうが、多少面倒なだけで代わりはいくらでもいる。パルどもの飯に頭のリソースを割いてやるのは贅沢な悩みの部類に入るだろう。
労働の必要もないし、パルどもは虚空に挟まって餓死するようなしょうもない生き物だが、よく働いてくれている。この島こそが私の楽園だったのだろうか。
そこまで考えたところで、突然襲ってきたレイン密猟団に思考を中断させられた。彼らはこの島で他人のパルを奪って生計を立てる邪悪な集団なので、私が彼らのパルを奪っても誰も文句を言わない。これで拠点に襲撃してこなければ最高なのだが。
私は
戦闘は私が彼らの連れてきた小さなトカゲのようなパルにパルスフィアを投げ続けているうちにあっけなく終わった。
トカゲは横からキツネビが焼き殺した。捕まえたかったのに!
ふと思い出して孵化器から狼のようなパルを取り上げた瞬間、私の
普通に鍋作ればいいじゃん!!!
自分一人のワールドで、ギルド名を「パルパゴス皇国」にしてプレイしています。