パルパゴス帝はかく語りき 作:リリクインの頭の花の蜜をべろべろ舐めたい
この島は地獄だ…!!!
何から話すべきだろうか。
まず、私、いや余が前回の襲撃の際に全く戦わずパルスフィアを投げ続けていたことを覚えているだろうか。実はあれは余裕さの表れではなく、余程度がバットを構えて敵の前に躍り出たとしてもカモにしかなれないという諦めの表れだった。
余よりパルのほうが何倍も強く、彼らに任せておけば襲撃は乗り切れた。
そう、余は彼らのインフレバトルについていけなくなっていた。敵もなんかマシンガンみたいなやつ持ってるし、パルどもも普段のアホさが嘘のようにきりっとするから、余の仕事は敵が来た合図の鐘をならすことだけだと思っていたのだ。
甘かった。
ちなみにパルスフィアとはパルを捕まえるための道具で、構えると相手を捕まえられる可能性が表示される。だいたい40%以上なら投げることにしている。なんだかんだ常に足りない。
閑話休題。
余はパルに全てを任せるのではなく、余自身の武器や防具についてもっと考えるべきだったのだ。
その日もいつものように襲撃があり、いつものように鐘を鳴らした。いつものようにパルたちが殺気立つ。余は皇国五魔将からヘルゴート(火を吹く悪魔のようなパル。体が大きいので拠点に配置すると宮殿のドアに引っかかって餓死する)をその辺に出し、戦闘の準備をさせていた。古代の端末を使って密猟団の脅威度を測る。
伝説の部隊…?
なんか強そうだぞ…。おかしいな…。こんな強そうだったっけ…?
余はパルたちの強さに甘えて、敵の名前すら見ない日が続いていた。通知とか来ないから小説読んでたら気づかないしね。
そんな余の慢心を咎めたのは、高威力のロケットランチャーだ。
吹き飛ばされる余の視界で、警鐘が諦めたように崩れた。
設備壊してくるの!?!?
そりゃあロケランを撃たれたら木製とか石製の設備なんかひとたまりもないが、これまで壊されなかったから意識から抜けていた。
だってこちらは密猟団を襲っても設備を壊さないし!!向こうだけ壊すとは思わないじゃん!!なんて陰湿なやつらなんだ…!
あと着ていた寒冷地の民族服もほぼ燃え尽きた。直そうと思えば直せるが、このありさまでは防御力は0に等しいだろう。素材集め大変だったのに!!!
許せない…!復讐心を燃やす余だが、マスケット銃をリロードしている間にもう一発撃たれて意識を飛ばした。
金属アーマーに着替えることも思いつかなかった。金属アーマーが壊れたら直すのが大変だから着てなくてよかったのだろうか。
ブッ倒れた余の肉体がガクガク震えながら消失し、同時に拠点のパルボックスからあたかも再誕するように傷一つない新たな余が生まれる。
え…?
ど、どういう仕組み…!?
余はずっとオリジナルのコピーで、同じ記憶を持つクローンをリアルタイムで作れるみたいな話か…?
それとも古代の端末の超機能みたいなことか…?
いや、なんにせよ、この復活はもうアテにしないほうが良いだろう。一度きりの救命機能、ありふれた話だ。
さしあたってこいつらからは逃げて----
そこで密猟団のロケットランチャーが三度余に命中した。ほぼ全裸で復活していた余は今度は一撃で命を散らし、五秒ほどでその場に復活した。
……余は無敵じゃあ!!!
こうなればもう一番安いリソースは余自身の命だ。拳を振り上げて密猟団に突撃するも、全裸なので容易く死んだ。
こうしてパルパゴス皇国は滅亡した。
でも主人公だけじゃなくて他の人間もパルも復活してるし、古代の端末の機能じゃなくて島の異常性の気がする。