ただ一つのブルーアーカイブ   作:不透明な水滴

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諦めるも肝心

次の日の朝、静かだった教室に、たった一つの疑問の叫び声が響いた

 

机の上には、ホシノの退部届けの紙が置いてあった

 

対策委員会の皆と、俺に対しての言葉。そして、敵対した時には頭の上にあるヘイローを壊して欲しいという願いと共に、ホシノのサインが書いてあった

 

「何なの!?あれだけ偉そうに話しておいて!!切羽詰まったら何でもしちゃうって、自分で分かってたくせにっ!!」

 

「こんなの、受け入れられる訳ないじゃない!!」

 

「…助けないと、私が行く。対策委員会に迷惑がかかるし、私一人で…」

 

「落ち着いてください。今はまず足並みを揃えないと…」

 

そんないがみ合いも、突然の爆発音で止まる

 

「っ何!?」

 

「あれは…」

 

外を確認すると、例のカイザーロボットと理事

 

退却令が出ていると訳の分からないことを言い、市民を狙っている

 

ひとまず、指示を出そう

 

「対策委員会は時期に学校に攻めてくるロボットの制圧、その後に俺の所へ集合。そうそう時間はかからないはずだ」

 

「先生はどうするんですか?」

 

「俺は、街中にいるロボットを全員潰してくる」

 

そう言い、窓から街への方向へ走っていく

 

「先生…!」

 

「皆、カイザーが攻めてくる」

 

「先生に言われた通り、まずは学校を阻止しましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対策委員会が集まる頃、俺と理事は丁度出会っていた

 

「ふむ、学校まで出向こうと思ったのだが、お出迎えとは感心だ」

 

「っけ、ここまで来るとかストーカーにも程があるだろ」

 

「元気そうで良かったよ。シャーレの先生」

 

「これは何の真似ですか?きぎょうがまちを攻撃するなんて…いくら貴方達が土地の所有者だとしても、そんな権利は無いはずです!」

 

「それに、学校はまだ私達アビドスのものです!進攻は明白な不法行為!連邦生徒会に通報しますよ!」

 

「というか、今ここで全員殺す」

 

おっと口が滑った

 

「それより、ホシノ先輩を早く返して」

 

「この悪党め…ホシノ先輩を返して!」

 

そんな言葉に、理事は笑いを零す

 

「連邦生徒会に通報だと?面白い事を言うじゃないか、今すぐにでもやってみたらどうだ?」

 

「君達はこの状況について、今まで何度も連邦生徒会に嘆願してきたのだろう?それで一度でも動いてくれた事があったか?」

 

「無かったはずだ。何せ連邦生徒会は今、動けないからな」

 

「連邦生徒会出なくても良い。今までどこか他の学園が君達の事を助けてくれた事はあったか?…そろそろ分かっただろう?」

 

「誰一人、君達に手を差し伸べる者は居ない」

 

「アビドスの最後の生徒会メンバー、小鳥遊ホシノが退学した。アビドスの生徒会はもう存在しないも同然」

 

「君達はもう、何物でもない」

 

その言葉に、直ぐ俺は反論する

 

「例えホシノが居なくなったとしても、対策委員会はまだ部員がいる。生徒会だって作れるだろうが」

 

「せ、先生…」

 

その言葉に、アヤネは悲しそうに話しかける

 

「対策委員会は…公式に許可を受けてる委員会じゃないんです…」

 

「えっ!?」

 

「まじかよ」

 

「対策委員会が出来た頃には、もうアビドスに生徒会が無かったから…」

 

「そうだ。所詮非公認の生徒会、正式な書類も承諾も下りてない。つまり君達が存在を示す物はもう何もない」

 

「だが喜べ。アビドス高等学校が無くなれば、君達はあの借金じごくからは解放されるのだからな」

 

「…そんな、そんな事になったら、今までの私達の努力が…」

 

「…ほう?まさか本気だったのか」

 

そこから先の言葉は、否定と疑問

 

返済には数百年かかると言われた借金の山、もしアビドス高等学校が無くなってしまえば、今までやってきた苦労が全て水の泡になる

 

だが、そんな事無意味だと、いつしか来る終わりの時に、頑張ったからと自分に言い聞かせる言い訳を作る為と、理事は言う

 

そして、そこから投げかけられた言葉

 

「一体君達は、どうしてあんなに努力していたんだ?何の為に?」

 

「あんた、それ以上言ったら…」

 

「撃つよ」

 

セリカはその疑問に怒り、シロコは今にも引き金を引こうとしている

 

「…今ここで戦って、何かが変わるんでしょうか?」

 

「アヤネちゃん…?」

 

アヤネは、思わず本音を口にする

 

「今も、凄い数の兵力がこちらに向かって来ています。例え戦って勝てたとしても……その後はどうすれば…」

 

「学校が無くなったら、もう戦う意味がありません。学校をどうにか取り戻せたとしても、私達にはまだ、大きな借金が残ったまま…」

 

「アヤネちゃん…」

 

「取引された土地だって戻ってきません。何より、ホシノ先輩が居ない。生徒会も無い、こんな状況で…」

 

「私達みたいな非公認の委員会なんかに、これ以上、一体何が…」

 

「どうして、どうして私達だけがこんな……」

 

「…アヤネ、言いたい事は言い終えた?」

 

「先生……」

 

先生になったのなら、生徒を前向きに立たせる事も仕事の一環だろう

 

「例え何も出来ない状況でも、非公認で、誰も助けが来ない様な状況でも、君達にはまだ腕も、足も、考える為の脳みそだって健康に生きている」

 

「ホシノは皆に想いを託すため命の晒してまで向こう側に行った。それなのに託された側の俺達はそんな気持ちでホシノの想いを無駄にするのか?」

 

「そ…れは…」

 

「決して諦める事が要らない訳では無い。けど、人の想いを背負った者が、こんな所で折れてたら意味が無いだろう」

 

「おい理事」

 

「なんだね?」

 

「俺だって何もしずに対策委員会に入り浸ってた訳じゃない。お前が前に言っていた力の扱い方だって、もう慣れた」

 

「なるほど、それで?」

 

「お前が増援を呼ぶなら、こっちだって仲間を呼べる」

 

「何を言っている。こんな場所で誰が…」

 

「…いいや、居るさ」

 

次の瞬間、突然爆発音が鳴り響く

 

東方向が集中的に攻撃され、そこに注目がいく

 

「…先生、貴方の言葉、私の心に響いたわ」

 

「本当か?」

 

「ええ、勿論…目には目を、歯には歯を、無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く…」

 

「それが、貴方達覆面水着団のモットーじゃ無かったの?」

 

「あ、貴方は…!」

 

「何をすればいいか分からない。どうすればいいかも分からない。やる事なす事、全部失敗に終わる……」

 

「ここを潜り抜けた所で、この先にも逆境と苦痛しかない…」

 

「だから何なのよっっっ!!!!」

 

「えっ…?」

 

「仲間が危機に瀕しているんでしょう!?それなのに、くだらない事ばっかり考えて、このまま全部奪われて、それで納得出来る訳!?」

 

「貴方達は、そんなに情けない集団だったの?」

 

「便利屋、来てくれた事、感謝する」

 

その言葉に、ムツキが反応する

 

「勿論!先生の為ならいつでも行くよ〜!それにしても、私の可愛いメガネっ娘ちゃんを泣かした罪は重いよ?だからもうこれは…」

 

「ぶっ殺すしかないよねっ!!!」

 

「便利屋の皆、やる事は決まっている…あの理事を名乗るクソロボットをぶっ壊す。アビドスの為に、ホシノの為…アル、共に戦ってくれないか?」

 

「勿論…真のアウトローの戦い方を、見せてあげるわ!」

 

「ただラーメンを食べに来ただけなんだけど…」

 

「っふ…ハルカ」

 

「っはい!」

 

アルの呼びかけに答えだハルカはボタンを押すと、そこら辺で爆発が始まる

 

「さあ、行くわよ!先生!」

 

「ああ、形勢逆転だな!カイザー理事さんよぉ!」

 

「っく!やれお前達!」

 

「残念だが、それは叶いそうにない」

 

指パッチンをすると、周りにいたロボット達が突然倒れ始める

 

「なっ…!これは一体…」

 

「随分と無防備だったからな、ちょっと小細工をさせてもらった」

 

増援は便利屋で対処、ここら辺は既に雷電で包囲、理事だけを残した

 

「さて、どうせ死ぬんだし早くホシノを返してもらおうか」

 

「っふざけるな!先生、貴様にそんな権限が…」

 

「黙れ、お前は今理事でもなんでもないただの機械なんだよ」

 

気付けば、対策委員会も武器を構え、立ち上がっていた

 

「アルの言葉に心動かされたか」

 

すると、理事は走り出し、増援を退却させる

 

「っ覚えておけ!この代償は高くつくぞ…!」

 

そう言い、理事は走り去って言った

 

「先生、撃つ?」

 

「いや、ここでやってもホシノが帰ってくる訳じゃない事に気付いた。あいつは後回しにしておこう」

 

「便利屋も、手伝ってくれてありがとう」

 

「ええ、先生の頼みなら、いつでも駆けつけるわ」

 

…さて、想定外の事が起きたが、今度こそホシノを助けに行くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キヴォトス某所の最上階にて、ある人物が電話をしている

 

「ええ…先生はやはり来ませんでした…来る様に伝えておいたんですが…まあ、分かりきっていました」

 

「先生は来ませんでしたが、助けに来る事は確実でしょう…私が何を言ってもね」

 

「そして、貴方に一つ忠告をしておきます」

 

「明日、先生と共に対策委員会が攻めに来ます。そこで生きたければ、小鳥遊ホシノを明け渡す事をオススメします」

 

そう言い、電話を切る

 

「…先生、あの人は異質です。それこそ…このキヴォトスに来てから、全ての運命が変わり始めている」

 

「あの人は…私達にどんな刺激を与えてくれるのでしょうか…クックック」

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