ただ一つのブルーアーカイブ   作:不透明な水滴

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失ったもの、守りたかった者

さて、ホシノを対策委員会だけで助けに行くのも良いが、流石に増援やらなんやらで対処が遅れそうだ。だから俺はここに来た

 

「という事で、風紀委員長に合わせて欲しい」

 

「風紀委員長に会いたい?ゲヘナの風紀委員長に、そんなに容易く会えるとでも思っているのか?」

 

「頼む、片腕ぐらいなら差出すから」

 

「え…?い、いやそんな事は言ってない…」

 

「え?腕じゃダメか?」

 

「誰も体の一部を差し出せなんて言ってないでしょ!?頭おかしいんじゃないの!?」

 

「じゃあどうすれば…」

 

そう考え込んでいると…

 

「怒鳴り声が聞こえたけど、何かあった?」

 

「い、委員長…」

 

ヒナが居ると分かった瞬間、ヒナに近付き肩を掴んだ

 

「ヒナ、お願いがある!」

 

「え?な、なに…」

 

状況を説明して、何とか協力してもらわないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、準備完了」

 

「補給も十分、おやつもたっぷり入れておきました!」

 

「こっちも準備出来たわ!睡眠もしっかり取ったし、お腹もいっぱい!どっからでもかかって来なさい!」

 

「私の方も、アビドスの古い地図を全て最新化しておきました」

 

「先生に教えて頂いた情報ですと、ホシノ先輩はカイザーPMCの第51地区の中央辺りに居るはずです」

 

「一番安全なルートで案内します、行きましょう!」

 

「よし、全員OKだね…それじゃあ、行こうか」

 

「はい!ホシノ先輩救出作戦…!」

 

「開始です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

順調に進み、カイザー本部までやって来れた

 

「皆さん、大丈夫ですか?」

 

「ん。」

 

「全っ然大丈夫!」

 

今さっき遠くの方で銃声が聞こえたし、風紀委員も止められてるみたいだな

 

「先生に教えて頂いた座標はもう目の前なので、もう少しの辛抱です…!」

 

「まだまだ行けますよ〜!」

 

「っ!敵を発見しました!距離は2km、もうすぐ接敵します!皆さん、対応の準備を…」

 

「いや、その必要はない。一瞬止まれ!」

 

皆が止まった瞬間、目の前に巨大な衝撃が起こる

 

「っ!これは…」

 

「支援射撃?」

 

「…L118、トリニティの牽引式榴弾砲です!一体どうして…」

 

すると、突然青い光と共に、5と書いた被り物をした子が出てくる

 

「あ、と…わ、私…です」

 

「あ!ヒフ…」

 

「ち、違います!私はヒフミではなく、ファウストです!」

 

ファウスト、何かの手違いで銀行を襲った際に付けられた極悪非道の大悪党…?の名前なんだが…本人が出てきたな

 

「わあ、ファウストさん!お久しぶりです!ご自分で名前を言っちゃってましたが、そこはご愛嬌ということで☆」

 

「あれ?!あぅぅ…」

 

「じゃなくて!このL118は、トリニティの牽引式榴弾砲ですが…」

 

「と、トリニティ総合学園とは一切関係ありません!射撃を担当している皆さんにも、そう伝えておきましたので…」

 

「す、すいません、これくらいにしかお役に立てず…」

 

「ううん、すごく助かった」

 

「はい!ありがとうございますファウストちゃん!」

 

「あはは…えっと、皆さん、頑張って下さい!」

 

そう言い、ファウストさん(ヒフミ)は電源を切った

 

「火力支援の直後に突撃、定石通りだね」

 

「はい!敵は砲撃により混乱状態です、今のうちに突破しましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目標の座標地点に到着!」

 

「この辺りに、ホシノ先輩が閉じ込められているはずです!この周辺のどこかに、きっと…!」

 

「…ここ、学校?この痕跡…多分学校だよね」

 

「砂漠の真ん中に学校…もしかして」

 

シロコの疑問に、ある者が答える

 

「ああ。ここは本来のアビドス高等学校本館だ」

 

「…あんたは!」

 

「良くぞここまで来たものだ、アビドス対策委員会」

 

「でたな、カイザー理事」

 

それと同時に、大量のロボット達が迫ってくる

 

「敵の増援多数…!」

 

「この数字…おそらく敵側の動ける全兵力が…カイザーPMCはきっと、ここで総力戦に持ち込むつもりです…!」

 

なるほど、だがそっちの方がこっちにとっても都合がいい

 

「皆は、ホシノの所へ向かってくれ」

 

「え…先生?」

 

「俺が食い止める」

 

「せ、先生!先生でも流石にこの数は…」

 

「大丈夫…俺と言っても、独りじゃない」

 

次の瞬間、周りが突然爆発する

 

「っまた爆発!?こ、今度は何ですか?」

 

砂吹雪が消えると、そこから出てきたのは…

 

「じゃ〜ん!やっほ〜☆」

 

「………」

 

「お、お邪魔します!」

 

「便利屋の皆さん!」

 

「や〜っと追いついた!けどなんかこれみんな集まってるし、もしかして大事なシーンに割り込んじゃった感じ?」

 

「……ふん、こっそり助太刀しようと思ったのに、そう上手くはいかなかったわね」

 

「あ、あんた達…」

 

「このタイミングに登場、ということは…!」

 

「なるほど、そういうことだね」

 

「…ん?何、この期待に満ちた視線は?」

 

「社長、なんか嫌な予感がするから、まずは状況を整理してから…」

 

「アル、分かっているな?」

 

「…ふふっ、勿論よ先生、対策委員会、私達がここに来た理由なんて、決まっているでしょう?」

 

「ここは私達に任せて、先に行きなさい!!!」

 

「…と、言う感じだ。ここは俺と便利屋が相手にする。ささっと片付けてホシノの所へ一緒に行こう」

 

「先生…分かりました!」

 

「先生、死なないでね」

 

「勿論死ぬ気はない」

 

「それじゃあ、皆行って!」

 

そう言うと、対策委員会はホシノの所へ走って向かっていった

 

「…さて、理事よ」

 

「とても自信があるそうだが、あの力を使うのか?」

 

「…いや、今回は俺じゃない」

 

「…なに?」

 

「チェンジだ」

 

そう言った瞬間、俺は生気が無くなるようにその場に突っ立つ

 

「あれ…先生?」

 

次の瞬間、髪色が紫色に変化し、目つきも変わる

 

「…よし、ここからは儂が相手をしよう」

 

「…貴様は、誰だ?」

 

「何、言わば貴様の言っている力とやらの本人とでも言おうか」

 

「…まさかそんな事が」

 

「便利屋、と言ったな」

 

「え?は、はい…」

 

「お主らの勇姿、素晴らしいな。厳しい戦いに逃げず、我が身を削ってでも守ろうとしている」

 

「え、えぇ…そうなのかしら」

 

「だからこそ、今ここで逃げることは儂は勧めよう」

 

「…それは、どうして?」

 

「何、儂とて完全に力を制御できた訳では無い、今までにした事の無いオーラの調整、まだ一度しかやっていないからのぅ…」

 

「今からここら周辺に本来のオーラを流し込む。あのカイザーとやらはいいが便利屋、お主らは耐えれるか分からんからの」

 

「…それでも、あんな大口叩いて逃げれる訳ないでしょ…!」

 

「…なるほど、なら儂もできる限りお主らに当たらんうよ気を付けよう」

 

言い終わると、カイザー理事の方を向く

 

「話はすんだか?」

 

「ああ、待たせたな」

 

「ならば、もう終わらせようか。実力は知らないが、この数相手に一人で勝てる訳が…」

 

その言葉に、雷電はふっと笑う

 

「いやぁ、今までのあんたらと主達の会話を聞いていたが、宝物とやらに随分と本気なようだな」

 

「…それがどうした?」

 

「いやぁ…随分とくだらないと思ってな」

 

「なんだと?」

 

「ならば、儂からあんたらに挑戦状だ。儂の覚悟とあんたらのくだらない宝探し、どっちが強いか…勝負といこうか」

 

「…ふん、くだらない!やれ!」

 

カイザーロボットが銃を構えた瞬間、視界が一斉に紫色に変わる

 

「完全に制御出来ていないからな…死ぬなよ?」

 

その言葉と同時に、今まで受けた事のない風圧と共に、ロボット達は一斉に倒れ始める

 

「こ…れは…っぐぁぁ!!」

 

カイザー理事も膝をつき、立てなくなる

 

「これは…動けな…」

 

便利屋も辛うじて動けているが、その場に全員ヘタレ込む

 

「う、動けない…」

 

やがて紫色の景色が晴れると、カイザー達は全員倒れており、理事も膝をついたまま、気絶していた

 

「…ふむ、まあこんなものか」

 

ふと便利屋を見ると、紫髪の奴以外は全員意識は保っているが、立てなくなっているな

 

「すまないな、またどこかで出会えたら、また謝ろう」

 

「い、いやそんな事より立てないから手を貸して欲しいんだけど…」

 

「…ふむ、主の要望は達成した。ホシノを救出した後に手を貸してやる。その代わり、このカイザーとやらを倒したのは便利屋だと変えておこう」

 

「それは有難いのだけれど…」

 

「それじゃ、儂は行くぞ」

 

「まっ待ってよ!!」

 

『…ごめん、便利屋の皆』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっしゃ!走れ!!」

 

いた皆!

 

「ってアヤネも居る!」

 

「先生!シャーレに貸してもらったヘリで!ホシノ先輩!?」

 

「よし、ここだな!このままぶっ壊すから下がってて!」

 

「はい、お願いします!」

 

こういう時に怪力が役立つ

 

思いっきりドアを引っ張ると、見事にドアがぶっ壊れた

 

しばらく経つと、奥のドアが開き、ピンク色の髪が見える

 

「「「「ホシノ先輩!!!!」」」」

 

「あ、あれ…どうやって…」

 

「どうして…だって…」

 

「ホシノ」

 

ゆっくりと歩き、ホシノの目の前に行く

 

「だから言ったろ。絶対に助けに行くって」

 

 

そっか…皆が…先生が…

 

…お、おかえりっ!先輩!

 

ああっ、セリカちゃんに先を越されてしまいました!

恥ずかしいから言わないって言ってたのに、ズルいです!

 

うっうるさいうるさい!!順番何てどっちでもいいでしょ!!

 

…無事で良かった

 

ホシノ先輩、おかえりなさい!

 

おかえりなさい、です!!

 

おかえり、ホシノ先輩

 

…あはは、なんだか…皆、期待に満ちてる表情だけど…

 

求められてるのは、あの台詞?

 

 

ああもうっ!分かってるなら焦らさないでよ!

 

 

…うへぇ〜、全く、可愛い後輩のお願いだし、仕方ないなぁ…

 

 

 

ただいま

 

 

おかえり、ホシノ

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