其のエイリアンの復讐記 作:機械生命体
その街の路地裏の一角。
そこには壁に寄り掛かり、項垂れ気を失うボロボロの少女が、血糊を周りに飛び散らせながら人の目から逃れることの出来る其処にいた。身長163cmほどの、白銀の髪に、深く、そして美しい蒼眼を持ち、一部は肉が削げ落ち、骨の露出した状態でありながらも、その美しい顔立ちとスタイルを持っていることが分かる。
路地裏の外。
そこには人だかりが出来ていたようで、理由としては、路地裏に続く道に、血痕――血溜まりが出来ていたからだ。それは路地裏の奥にまで続いていて、その仄暗く不気味なその先からは、異様なほどの、濃い血の匂いが漂ってきており、そこに集まる人々は路地裏が恐ろしく思えて仕方なく、誰もが歩みを進めることを躊躇していたようで、通報することすらも、頭に浮かばなかったようだ。
その路地裏には、血の匂いが立ち込めており、途轍も無い冒険心を持つものか、それとも何かを失い、自暴自棄になった気狂か――それとも、愚かな
だが、それでもなおボロボロの彼女は、目を覚ますことはなく、その足音は、規則正しいリズムを奏でることはなく、ボロボロの彼女の前に倒れ伏した。その倒れ伏した彼女は愚かなほどのお人好し《・・・・》であったようで、その続く血痕を残しながらも眼の前に横たわるボロボロの少女を助けようとしている。
補足するとお人好しの少女は、相手がたとえいくら他人であったとしても、自らの身を挺してでも助けようとするといった、馬鹿げた信念を持っており、それは、眼の前にいる自分と同じくらいの年に見える少女であったとしても。
お人好しの少女は、横たわるボロボロの少女の事を見て、その傍にまで這いずってきて、なんとかして起き上がり、傷つけないように最新の注意を払いながら、そのボロボロな身体を優しく揺すり、彼女をなんとか起こそうとしている。
無論、彼女を助けるが為の行動なのだが……
ボロボロな方……まぁ、双方ともボロボロなのだが――の呼吸は、深い傷を負っているにしては、規則正しく、苦しそうな表情でもないため、お人好しの少女はそれほど深刻な溶体でもないだろうと思い、少し安心したようだ。
「ぅ…あ…だれ…ぇ」
「…っ」
首を少し傾け、お人好しの少女を見れば、お人好しの少女は怯えたように体を跳ねさせたが、それは、他の人間に虐げられたが為なのか、それでもなお、その人助けの誠心が潰えないのは流石だが……それが、トラウマにでもなっているのか――自力で克服しようとしているのか、他の人間と自ら関わりを持とうとしているのが彼女の良いところでもあり……
そして、彼女の人生のおける最大の失敗でもある。
お人好しの少女が、なんとかしてボロボロの少女を助けようとし「あなたをどうすれば助けられる」と、問うと、ボロボロの少女は、意識が朦朧としているのか、覚束ない口調で、それでも何とか、力を振り絞って、発した言葉が「あなたを
ふと、目を開ければ路地裏にいて、ふと気づいたら眼の前には自分と同じぐらいの背丈の少女がいた。
何を言っているのか、最初は分からなかったけど、意識がハッキリしてきてからは、この少女が何を言っているのかが分かってきた気がするけど……でも私には関係の無いことだ。
「あなたをどうすれば助けられる」なんて、わけが分からない。
そもそも、私とこの少女にはなんの接点もないし、ましてやこの少女が私を助ける理由なんかありやしないんだから、「あなたをどうすれば助けられる」なんていう、この言葉を突っぱねるつもりでいた。
だから、こんな感情、押し込んで、この
――なのに
―――それなのに
―――だって、
……もともと、助かる気なんか無かったから。
………でも「もし助かるなら」と、
…………そう思ってしまうのはなんでだろう。
こんな世界、もとより捨て去った気でいた……はずなのに……なんで、今になって「助かりたい」「まだこの世界をいっぱい知りたい」なんて、思ってしまうんだろうか。
たかが"ストック"の一匹に、今の一瞬で絆されてしまったのだろうか――いや、そんな脆弱な精神はしていないはずなのに……なんで?……どうして、こんな感情が溢れてくるのだろうか……
――あぁ、そうか。
――――わたしは、もうとっくに、諦めていたんだ。
――――だからか……だから、こんなに小さな"光"にさえも、絆されてしまうんだ。
―――でも、それで良いのかもしれない。
――――――だから私は「あなたを
さいあくだ。
…………やってしまった。
一時の感情の流れに身を任せ、この優しい少女を手にかけてしまった。
それがどんなに大切なことなのか、彼女は理解していなかったかも知れないのに。
彼女は虐げられていた。
それなのに――それだからこそもしれない――自らの身を犠牲にしてまで、こんな私を救おうとしてくれた。
こんな方法じゃなくて、もっと良い――彼女も助かる方法があったかもしれないのに、▓▓▓▓▓▓してしまったんだ
――――私が殺した。
――――――いやもっと正確に言えば、
――――――私が喰ったんだ。
既に頽廃空虚の叢となるべきを、お前たちは乱したんだ……其れ相応の報復が必要だろう…?
と、いうことで、お人好しの少女もボロボロの少女も、どちらとも15歳ほどの容姿――というか、お人好しな彼女は事実年15です。