バカとナンパと秀吉
バカテスト
日本史
ペリーが来航した時の船は何隻だったか?そう答えた根拠も述べなさい。
姫路瑞希の答え
4隻
理由…当時の新聞に記載がある。
教師のコメント
その通りです。ペリー来航以来急速に開港へかたむいていきました。
吉井明久の答え
4隻
理由…姫路さんがそんなことを言ってた気がする。。
教師のコメント
そんなことを聞いているわけではありません。
土屋康太の答え
1隻
理由…鉛筆を100回頃がした結果、1が32回、2が15回、3が18回、4が10回、5が8回、6が16回でたから。
教師のコメント
少し前吉井くんが同じことをしていました。その努力を勉強に使ってください。ちなみに足したら99回でした。
3年生との試験召喚戦争が終わって、一週間。
僕たちFクラスは普通の生活に戻りつつあった。
僕の姫路さんへの告白、雄二の霧島さんへの告白は、リンネ君のせいで、無効となり、そのリンネ君はといえば、「アキヒサ!また会いにくるからね」とか言い残して帰って行ってしまった。
僕らの教室も、雄二が結局は今のままでいいとか言って、E教室のままになった。
残ったのはちょっとした照れ臭さと罪悪感。しかし、それも決して心地よいとは言えないからっ風が残さずさらっていった。
そんな朝。
「あ、雄二!おはようー」
「おう、明久。まだ生きてたのか。」
「雄二こそ。バカどもと霧島さんに捕まってないなんて。明日は雨だね。」
見た限り雄二は珍しくひとり。いつもなら、霧島さんにぴったりとはられているのに。
「残念だったな、明久。明日は素晴らしい晴天だ。」そうつぶやいた雄二は、すっと背中をこっちに向ける。その背中では、手がいつも通り後ろで手錠をされ、その手首は手錠を外そうとした時のあざが生々しく残っていた。
「雄二も大変だね••••。」といいながら席に座って一息つく。授業前の大切な時間なんだ、雄二なんかに使ってやる義理はない。
「明久。落ち着いてないで、外してくれ!」そううったえる友人。
「報酬は?」
「友達だろ?(利用価値があるまでは)」
「そうだね。僕たちの友情は、固いよね。(聖典一冊で手を打とう)」
「助かる。(約束しよう)」
「お主ら。心の声が漏れまくっておるぞ。」
いつのまにか秀吉が来てたみたいで、横から声をかけてくれた。にしても僕たちの心の声を理解するなんて、さすがは演劇部と言おうか。
そして、僕は雄二の手錠を霧島さんから預かった鍵でといてやった。
「なぁ、明久。なんでお前が鍵を持ってるんだ。」
「あぁ。それはね。さっき道で拾ったんだ。」
「本当は?」
「霧島さんから預かった。」
「なんでもっと早くといてくれない!」
そんなのは、霧島さんに愛されてる雄二が妬ましかったからに決まっている。雄二が霧島さんから逃げられるわけがないと思っている、というのもあるが。
「羨ましい限りじゃのう。」
「…妬ましい。」
「あ、おはよう(じゃ)。ムッツリーニ。」こちらもいつのまにか現れたらしい。そんなムッツリーニは、雄二と霧島さんの話を聞いて、
「…異端審問会も近い。」と呟く。
それだけは僕にとってもやめてほしいところだ。姫路さんや美波の件ですでに追い回されている身である。焚き付けられるのは困る。
「じゃが、ムッツリーニには工藤がおるじゃろ。」
「••••••あれは、関係ない。」
「ムッツリーニ。お前この前工藤と…いや、お前のことも黙っててやるから隠密に頼む。」と、雄二。
「…仕方が無い。」
珍しいな、ムッツリーニが折れた。
聞いた話だと、エロの化身ムッツリーニが、あの3年のエロい先輩に、打ち勝ったのだとか。
お前より仲間を優先しない理由がどこにある。というセリフを残して。
エロいことがその比べる相手で無かったら、かっこいい言葉だと思う。
「にしても、羨ましいのう。」
「なんだ。秀吉。お前には姉貴がいるじゃねぇか。」
「雄二よ、それだけは勘弁していただけぬかのう。」と苦笑いしながら言う。
「ワシだって人並みに恋愛してみたいとは思うのじゃ!」
「秀吉に、彼氏?だめだよ!そんなの!」秀吉に彼氏ができるなんて冗談じゃない!
「•••••ありえない。」ムッツリーニも同じことを思ったらしい。当たり前だよね。
「彼氏じゃのうて、彼女じゃと思うのじゃが・・・」
「「「彼女!?」」」
「軽く死にたくなったのじゃ・・。」
「それにしても、急にどうしたのさ、秀吉?」僕のお嫁さんが嫌になったのだろうか。もしそうならそんなに辛いことはない。
「誰がなんと言おうとワシは男じゃと、、」
「ま、そこまでいうなら、秀吉にお似合いの女・・探してみるか?」
「「「え?」」」なにをいいだすのかこの豚ヅラは。こんなやつが横にいると秀吉が女神かなにかにすら見えてくる。
「でも秀吉に似合いそうな女の子って・・」そんな人種が存在するとは思えない!なんせこの世は男と女と秀吉で構成されているのだから。
「秀吉の逆のような奴を探せばいい。」
「…男みたいな女。」
「そういうことだ。」
ふむ、それならいないこともない。わがFクラスが誇るぺったん……「左ひざ裏の内転筋が切れるようにいたいぃぃ。」
「アキ?なにか失礼なこと考えなかった?」
「いいえ。これっぽっちも。」
「本当は?」
「美波がぺったんこで…左第五中指に亀裂が入るように痛いぃ。」
骨を折られすぎて、いつのまにか骨のことに詳しくなってきた気がする。次の保健体育は期待できそうだ。・・・体調さえ万全なら。
「それはそうと、秀吉。今度の土曜日遊びに行かないか?ムッツリーニも明久も連れて。」
「…?ワシも暇じゃから構わぬがどこにいくのじゃ。」
「…俺は撮りためてる仮面ライダーを見たい。」
「街には、綺麗なお姉さんがいっぱいだぞ。」
「…と思ったがそんなことはなかった。」
美波にまだまだ腕をきめられながら、ぼんやりと話を聞く。
雄二、僕も誘ってくれてるなら僕の今この時の安全を確保して欲しい。
なんて話をしたその時、
「…雄二。浮気は、許さない。」雄二の後ろから見慣れた女の子の影。
「しょ、翔子!なんでお前がここにいるんだ!!待て、違う。これはムッツリうぎゃあぁぁぁ。」
…僕も雄二も日曜日までの生存確率は極めて低そうだ。
「で、なんの話をしてたのよ。」
ようやく腕を離してくれた美波が不思議そうに言う。
「実は・・。」
「みなさん。おはようございま「「えぇ!?」」ってどうしたんですか?ほえ?」
「あ、姫路さん。おはようー」
ピンク色の髪を綺麗になびかせて、姫路さんがおはようと挨拶してくれる。みんなの驚きの声で驚かせてしまったが。
姫路さんに会うのが少しドキッとする。校則でダメと一度言われたとはいえ、一度は告白した相手だ。
「あの、おはようございます!明久くん//。みなさんなんの話をされてたんですか?」
「あ、うん!おはよ!えと、実は・・(以下省略)」
「えぇ⁉︎木下君そうだったんですか?」
「なんじゃ!みんなして。男が女を好きになるのが世のどうりじゃろうて!」
「「「「え?」」」」
「木下が、仮面ライダーの中の人って話じゃなかったの?」
「・・・違うの?」
「違うんですか?」
「明久。お主なにを話したのじゃ・・・。それと主らもなぜ信じるのじゃ!」と呆れている秀吉。
あれ?そういう話じゃなかったっけ。なんでもいい。とりあえず秀吉がかわいい。
「明久の馬鹿は放っておくとして、話してたのは秀吉が女の子が好きだ、という件だ。」馬鹿っていう奴が馬鹿なんだ、と信じている僕からしたらそんな言葉通用しないね。あれ?目から涙が。
「「「えぇ⁉︎」」」
「全く同じ反応なのが身にこたえてつらいのじゃが・・。して、それと遊びに行く話とはなんの関係があるのじゃ?」
と、秀吉が聞くと同時にチャイムが鳴る。いつのまにか霧島さんはいなくなっていて、他のみんなも自分の席についた。
すると、雄二から緊急用の連絡が送られてくる。目配せしまくる雄二の仕草がとても気持ち悪い。
「明久、秀吉、ムッツリーニ。土曜日に遊びにいこうといった件だが、俺たちだけで行かないか?俺に考えがある。」
「でも大丈夫?愛しの霧島さんにおこらえるよ?」
「心配ない。翔子は、土曜日は親戚の家に行くらしい。」
「・・・予定を知ってるなんて羨ましい。」
「毎週月曜日に、定期的に送られてくるんだ。気づけば枕元に置いてある。」
「霧島も健気じゃのう。」
「あぁ。・・・一つだけ感想を述べるとすると、とても」
「怖い。」
「「「うん」」」雄二が遠くを眺めている姿には哀愁が漂っていた。
そして土曜日の朝10時。駅前に集合ということになった。
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土曜日の朝。雲が散り散りと空にかかっているが、天気は良好だ。朝から翔子に会わなかったおかげで元気もたっぷりと残っている。
駅前も、休日らしく人がたてこみだしてきている。
ムッツリーニは俺より先に来ていたらしく、駅前で熱心に撮影会(非公式)を行っていた。
「雄二、ムッツリーニ、おはようなのじゃ。」
今回の主役になるべき秀吉がくる。
「うーっす。今日はずいぶんと、、、ボーイッシュだな。」
「正真正銘のボーイなのじゃが、、。」
そんなことは分かっている。俺だけは…。
「・・・絶好のとうさ・・散歩日和。」
「さすがエロの化身だな。」雄二がいう。
「・・・エロくなんかない。」まだばれてないと思っているのがすがすがしい。
「なら、まずその手に握られているカメラと、溢れ出してる鼻血を止めてくれ。ところで、明久は?」
学校一の、もとい世界一のバカは1人まだ来ていなかった。
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その頃明久は、
「どうしてこうなった。どうしてこうなった。どうしてこうなった!」
女装をして、街を逃げ回っていた。
一から説明すると、朝起きたら女装させられていて、二度寝に入ろうとしたら、姉さんにチュウ(魔の手)を要求されたため、自由への逃走を・・・。
って、初めから訳わからないよね。起きたら女装なのだから。これがぼくの日常なんだ。
そんなことを考えていてふと、あることに思いあたる。
「あ、みんなとの約束があったんだっけ。」
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土曜日。休日。
ワシらは雄二の誘いで駅前に集まることとなって、集まっていた。
明久を除いては。
「どうせ寝坊だろ。あの馬鹿。」
「・・・明久だから。」
「ははは。」苦笑いしか浮かばない。
「まぁ、先に行ってようぜ。いずれ連絡よこすだろ。」
「して、どこにいくのじゃ?」
「渋谷だ。」
「「え?」」
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電車を乗り継いで、渋谷にやってきた。この街は、いつでも本当に賑わっている。
こんなところまできて、果たしてなにをするというのだろうか。なにか買いたいものでもあるのかもしれない。
なんて考えていると、
「秀吉。」
「なんじゃ?雄二。」
「突然だが…秀吉には、ナンパをしてもらう。」
「ぐはっ。」横で、ムッツリーニが倒れた気がするが気のせいであろう。
それにしても、ナンパ!?渋谷なんぞまで来るからにはなにかあるだろうとは思ったがこれは予想外といえる。
「わ、わしにナンパなぞできるわけがなかろうて!」
「・・・秀吉はナンパされる側。」
「むぅ・・。」否定できない現実がつらい。
現に今月に入ってまだ前半なのに、5回は声をかけられた。ワシは立派な男で、こんなにも大和魂に溢れておるというのに。
「それが出来ないとなるとやっぱり秀吉は秀吉だ、ということになるな。」
「む・・。」
そういわれると、少し意地にもなる。
「・・秀吉はみんなの秀吉。」
「むぅ。」
みんな本当にわしを男と思っていないのであろうか。ならば、わしにも考えが…。
「やるぞい。」
「「え?」」
「じゃからナンパじゃ。そこまで言われたら男としてやらねばならぬじゃろ。」
「お、おう!」と言い出した本人である雄二がうろたえている。本当にやるとは思っていなかったのであろうか。
「にしても勝手がわからんのう。」
「そ、そうだな。俺と明久は一回やったことがあるが、まずは声をかけてきっかけを作って、あとは話に持ち込めば・・!」
雄二たちのナンパは失敗したのだから参考にもならない、と思うのだが…
ムッツリーニは、道端で全身を赤に染めて倒れている。大方、最近流行りといわれているわざとパンツを見せるファッションである女子高生の見せパンでも食らったのであろう。話を聞くまでもなく、当てにならない。
「とりあえず声を掛けるというのは絶対じゃろうな。では少し行ってくるぞい。」勇気をだして踏み出そうとしたその時、誰かに呼び止められる。
「おい!そこのねぇちゃん。俺たちとウハウハしね?」
「1人なんてつまんねーっしょ?」
「なっ!ワシは男で・・。」
「やっぱりな。」
「・・・やっぱり。」遠くの方で雄二と倒れたままのムッツリーニが呟く。
「はぁ。」思わずため息がでる。やっぱり女の子と思われたらしい。
そこからしばらく大通りを眺める。
しばらくして、
「秀吉。あそこの女の子なんかどうだ。」
「・・・いかにもナンパしてほしそうな格好。」
見ると、そこには年齢は同じくらいであろう女の子が歩いている。
「荷物をたくさん持ってるみたいだからそれを口実に・・。」
「了解じゃ!」気乗りはしないが言い出したのは自分だ。
張り切って、女の子に近づき、できるだけ大きな声で声を掛ける。
「そ、その!荷物たくさん持ってるのじゃな!」
「へ?」
「いや、重そうじゃな、と思うて。」は、恥ずかしい…!
雄二とムッツリーニがニヤニヤしているのが目に浮かぶ。
「あぁ!これ?もうほんと重くて。君も買い物?」と少女は微笑む。
「そ、そうじゃ!良かったら一緒にどうじゃ?」なんと恥ずかしいセリフだことか。などと思っていると、その女の子はくすっと笑って、
「いいわよ!行きたいとこあるんだけど一緒に行かない?にしても面白い喋り方するのね。」
こんなにもスムーズにも行くとは思わなかったが、すらすらと話は進んでいって、2人でお店に行くこととなる。
そうして、しばらくあるいていって、2人して女の子の目当てである店の中に入っていく。店の名前は・・なにであろうか、それを確認する。
えーっと、下…
「のおおおおおおおおお!!」
いかにも下着屋であった。
「そういえば名前聞いてなかったね。名前は?」
「ひとつ勘違いをしてるかも知れぬのじゃが、ワシは・・・」
「え?」
「男なのじゃ!」
「「それは嘘!」」
隠れているはずの撮影技術にすぐれたエロの化身である友人の声と女の子の声がきれいにはもる。
それに初対面の人にまで言われるとは…これは…いかに……。
「のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「・・・秀吉が壊れた・・」
「いいから行くぞ。ムッツリーニ。」
そしてその場を雄二とムッツリーニがおさめてくれるまで、ワシは壊れていた・・らしい。
「秀吉。どうにも、お前には厳しいらしいな。」
「むぅ。認めざるを得んな…。」
「・・秀吉は秀吉。」
反論する武器を持たないのはつらいことである。
「こう、もっと褒めないとダメだろ。」そういう問題とは違う次元な気もするが。
「有名人に例えるとか。」
「というと、どういうことじゃ?」
「そうだな。たとえばあそこの女の人だったら…」
「「エロ本のヌードモデル!!」」
期待したのがバカだったらしい。
「にしても、明久のやつ来ないのじゃな。」
「まぁ大方、姉貴にでも捕まってるんだろ。」
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あれからしばらく経つ。さきほどのショックからか、あれからは誰にも声をかけれていない。
「ナンパというのは難しいのう。」
「むやみやたらに声かけてもしゃあねぇ。時間も、もったいないないしな。」
「…もう3時」
「うむ。では次で最後にするのじゃ!」
「そうだな。頑張ってこい秀吉!」
「…いいショットを期待している。」
しばらくの間、相手となってくれそうな子を探す。
すると、淡いブラウン色の髪の毛を肩より上まで、綺麗に揃えた女の子が向こうからつかれたようにやってくる。
「行け。秀吉!あれでラストにしたらどうだ?」
「(こくっ)」
「そうするのじゃ。」疲れてるのをきっかけにすればいいということじゃろう。
緊張しつつも声をかけに向かう。ラストだと考えると、余計な緊張で声が跳ね上がる。
「あのっ!」
「今疲れてるんだ。ほっといて……ってひぇよし!?」
予想外の友人の姿に驚愕する。
「あ、明久!お主こんなとこで何を…というかその格好…」
「え、僕が女の子みたいな、いやそのものの格好をしているのには深い訳があって…」
雄二とムッツリーニが隠れていた場所からでてきて、2人して何か話そうとする明久の肩にてをおく。
「「やっぱりお前はそっち方面だったか。」」
「え?雄二、ムッツリーニ?違うんだ。聞いてよ。僕は「女の子そのもの」なんだ。って、のおおおおおおおおおお!!ー」
どうもムッツリーニの録音機が再び使われたらしい。もう救いようがない。
都心に断末魔が鳴り響いた。