バカとその後と恋愛模様!   作:八百六十三円の片道切符

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朝の光が眩しい。そんな爽やかな早朝。吉井明久は、






「姉さん愛してる姉さん愛してる姉さん愛してる姉さん愛してる姉さん愛してる姉さん愛してる姉さん愛してる姉さん愛してる…」

姉がいるであろう方角に向けて、礼拝をしていた。はるかとおくアメリカへ、日付変更線をも越えて。




僕と美波と凄惨な朝っ

バカテスト

現代社会

 

西から東に日付変更線を越えていった場合、日付はどうなるか?

 

霧島翔子の答え

一日戻る。

教師のコメント

正解です。さすがですね。霧島さん。日付変更線の、すぐ西がもっとも早い時刻です。

 

土屋康太の答え

日付は日付…

 

教師のコメント

そういう話をしているのではありません。

吉井明久の答え

それでも変わらず僕らを待っている。

教師のコメント

誰かの書いた詩でしょうか。

 

 

 

 

「おはよう。明久、って…なにやってるんだ?」雄二が声をかけてくる。そういえば昨日は泊りでゲームしたんだっけ。

それともう一つ大変なことがあったような…。

「朝から姉に求愛とは、さすがに引くぞ。」

「違うよ!誤解だ!」このままじゃただのシスコンにされてしまう。

「じゃあなにしてたんだよ?」

「うん。ちょっと礼拝をね。」

「礼拝!?」

「姉さんに義務付けられたんだ。姉さんが出張している間は、姉さんがいるであろう方角を向いて一日5回、150回愛の告白をしなさい、ってね。」

「明久。お前も…大変だな。」雄二が遠いところを見つめる。

きっと霧島さんに同じようなことをさせられたことがあるのだろう。

 

 

なんて話しているとムッツリーニが起きたみたいだ。

「…もう朝。」

秀吉はもう起きてたみたいで、台所から声がした。

 

「あ、明久よ。なんで…」

うろたえている秀吉。なんかあったのかな?

 

 

 

「なんで島田がここにいるのじゃ?」

 

見るとそこには美波の姿があった。

 

 

 

そういえば夜中に美波を家にあげたんだっけ。

 

 

「あ、アキ。なんで木下たちがここにいるの…よ」

 

 

なんなんだ。修羅場みたいな展開は!。

秀吉と美波が僕を巡って?だめだよ!僕のために争わないで!

 

 

 

「「…」」雄二とムッツリーニが黙り込む。あまりのことに驚いたのだろう。

 

とにかく、説明しないと…

「えっと、これには理由があって、えーと要約すると、美波をあたためてあげたくて!」

 

 

とんでもない誤解を生む発言をしてしまった。

 

「明久。そういうことは、俺たちを呼んだ時にはやらないでもらいたいんだが…」

「ぷしゃああああ!」

ムッツリーニは鼻血で僕にメッセージを伝えてきた。

 

「ち、違うの!」美波がこえをあげる。訂正してくれるみたいだ。

 

「簡単にいうと、ね。あああ、アキがウチをお風呂に…」

ぷしゃああああ!!

 

「そうか。それはまたなんというか…」秀吉の顔が引きつっている。

 

僕の家の床が大変なことになった。これはいつものことだからあとでなんとかする、として。

今はそれより、訂正しないと!

「本当のことを言うと、かくかくしかじかで…」

「そ、そうなの!だいたいあんたたちにも連絡したんだけど。。」

 

「ほ、本当だ。」

「あっ、本当じゃな。」

「…きづかなかった。」

 

美波が僕の肘を小突きながら言ってくる

(こいつら呼んでたなんて聞いてない!)

(あれれ?言ってなかったっけ?)

「悪かったな。島田。まぁそういうことなら誰にも言わないで置いといてやるよ。姫路と久保には特にな。」

姫路さんは、ともかくなんで久保くんが出てくるんだろう?

あとなぜだろう。

 

 

背筋の震えが止まらないよ。

 

 

「じゃあま、俺たちは一旦帰るか。」

「そうじゃな。朝から世話になるのも悪いしのう」

「…昼から用事がある。」

「島田はどうするのじゃ?どちらにせよ家に帰れないとなると…」

「「「「…」」」」

 

「明久。やっていいことと悪いことだけは弁えておけよ。」

「そんなこと!言われなくてもしないよ。そこまでいうなら雄二も残ってくれたら…」

「明久。俺がこのままここにいたら20分後には翔子が来るだろう。」

 

 

 

あぁ。霧島さんは雄二探知能力もあるんだ

「仕方ないね。」

「ま、というわけだ。で、島田の親はいつ帰ってくるんだ?」

「わからないけど一週間後くらいには帰ってくると思うわ。」

「「「「一週間!?」」」」

「…異端審問会を…!」

 

 

ムッツリーニ、それだけは冗談にならないんだ。

「美波がいいならこのまま一週間とまっていく?」ちょうど姉さんがいないし、困ってる美波をほっとくわけにもいかない。

「えっ、いいの?」

「うん。あ、でも姫路さんのとこの方がいいかな?」

「は、は、葉月もいるし、アキの家の方がいいかな〜」と顔を真っ赤にしている。昨日あれだけ外にいたから風邪でも引いたのかな。

「島田よ。苦しすぎるとおもうのじゃが…」

「そうだね。葉月ちゃんもよく知ってる人の家の方がいいよね。」

「これで気づかないバカも苦しいけどな。この先生きていくのが。」

「…苦しい。このまま、生かしているのがっ!」

「ねえ。僕だけものすごく罵倒されたのは気のせいかな?あとムッツリーニそれだけは洒落にならないんだ。」どうしてだろう体が震えるんだけど。

 

 

そうしてみんなが帰っていく。

 

 

かくして、僕と美波の共同生活が始まった。

 

前にも姫路さんと同じことになったけど、それとは決定的に違うことひとつ。

胸がないこと

 

 

 

とかじゃなくて、美波の気持ちを知ってしまったこと。こんなバカを好きになってくれた、そんな女の子との共同生活…

それは前とは決定的に違うことだ。

 

 

「アキ!ひとつ聞きたいんだけど…」

「なにかな?」

「木下になにもしてないわよね?」

なんてことをいいだすんだ!そういう気持ちがない、といえば嘘になるけど…

「うん。」本当のことだ。

「したかったけどしてないよ。」うん。なにも間違って「ない…ぞうが張り裂けるように痛いぃ。」

「全く!ほんとアキはしょうがないんだから。」

美波が少し怒っているのが分かる。

 

今なら怒っている理由だって分かる。

 

 

つまりは、

秀吉はみんなのもの、ってことだよね。うん。秀吉はFクラスの共有財産だもんね。

「アキ。泊めてもらう以上ウチも家事とか手伝うわよ?」

「ほんと?」美波は、さすがに家事全般慣れている。じゃあ昼ごはんは美波に作ってもらおうかな。

「ええ。朝のうちにやっとかなきゃいけないこととかってあるかしら?」

「うーん。」

洗濯は昨日したし、部屋の掃除も葉月ちゃんがまだ寝ている。

そういえば、一つだけあった。

 

「礼拝…かな?」

「え?」

 

そんなやり取りをしていると、ドスンとした衝撃がみぞおちに伝わってくる。

「バカなお兄ちゃん!!」葉月ちゃんが起きてきたみたいだ。

「なんで葉月バカなお兄ちゃんの家にいるですか?」

「昨日葉月は寝ちゃってたものね。実は…」

「一緒に住むですか?」

「そういうことになるかな。葉月ちゃん、平気かな?」

「葉月、バカなお兄ちゃんと一緒なら嬉しいですっ。将来お嫁に行ったときの練習にするです!」美波の目がしんでいるのが目に入って、僕は震えあがった。

「葉月ちゃん。昨日は寝ちゃってお風呂はいれてないみたいだし、とりあえずお風呂入らないかな?」うまく話題をそらして…

「入るです!バカなお兄ちゃんと一緒に!」

 

 

あぁ僕はとてつもなく純粋無垢な地雷を踏んでしまったんだね。

「うぎゃあああ足が!足が!あらぬ!方!向!にぃ!」

 

 

 

どうしてだろう。視界が曇って、明日が見えない。

 

「で、アキ。なにしたらいいかしら?」

「僕がやるからゆっくりしててよ!」

「申し訳ないじゃない…。」

「でも、葉月ちゃんの着替えも、姉さんや僕が小さいころ着てた服を引っ張ってきて置いておいたし、やることといったら僕の部屋の掃除くらいで…」

「今すぐやるわよ!」

あぁ。さよなら僕の制服少女たち。

 

 

 

案の定僕の制服少女は、ジャンプの間に挟まれて捨てられ、部屋の掃除は終わった。

「次はリビングかなー。」たまの休日なんだ。掃除もしっかりやろう、と思い立ち、カーペットをめくる。カーペットの下も掃除しないとね。

 

ぱさっ(姉萌系雑誌がめくれる音)

くわっ(僕の顔が尋常じゃなく引きつる音)

びりっ(雑誌を破り捨てる音)

 

度し難い変態がいる。それもごく身内に。僕が姉に発情するようにここまで仕込まれているなんて。

もう生きていけないっ!

 

「アキ?なんかあったの?」

「な、なにもないよ!えへへ、あははは。」

 

「そ。ここももう少しで掃除終わりね。」

「う、うん。そ、掃除が終わったら昼ごはんにしよ。」

「…葉月また眠たくなってきたですっ」いつの間にか風呂から上がった葉月ちゃんがそこにはいた。眠いのも仕方が無い。寒い中外にいたから予想以上に疲れているのだろう。

「おやすみ、葉月ちゃん。僕のベッド使っていいよ。」

「ありがとうです…」

眠そうな葉月ちゃんは、いつも元気な葉月ちゃんを見ているだけにちょっと物足りなかった。

 

 

だからといって、みぞおちに突進されるのを期待しているわけじゃないんだけど。

 

「じゃあ、美波。悪いんだけどお昼ご飯作ってもらっていい?」美波は料理がうまいし、それに女の子の手料理なんてこんな機会でもないと食べられない。

ここは美波に甘えさせてもらおう。

 

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