バカテスト
化学
原子間の結合で、2組の共有電子対で構成される二重結合の形をとる分子の代表例を答えなさい。
坂本雄二の答え
酸素分子
教師のコメント
さすがにここ最近は目覚ましい成績です。他には二酸化炭素分子もそうですね。
土屋康太の答え
魔法カード 融合を発動。俺はこいつとそいつを融合して、召喚!
教師のコメント
勝手に決闘(デュエル)しないでください。
吉井明久の答え
ふっ…トラップカード落とし穴。発動!
教師のコメント
あなたも答える必要はありません。
それにしても、大変なことになってしまった、とそう思う。
こうなったからには、アピールしなきゃとかそういうことよりも、
やらなきゃならないと思うことはひとつ。
気持ちの清算
校則ができたから、と言ってもあの日聞いてしまったあの言葉は、
そうなんだろう、と覚悟はしていた。分かっていた。
だけど、いざ言われると辛かった。
あれからも今までと同じように接してきた。これじゃあだめだ、と思いながらも。そんな生活がすきだったから。
でもなによりも、
せっかく結ばれた親友を切り離そうと考えてしまった自分が嫌いだった。
ずっと心に引っかかって仕方がなかった。
だから、気持ちの清算。このバカのことはこれで終わりにする。それが一番正しいと思う…から。
だからこそのこの一週間、アキと一緒に住むことを選んだ。
けじめをつけるために。
そしたら
そうすれば、新しい恋だってできるはず。そうすれば…
忘れられる。
「美波?どうしたのぼーっとして。」
「なにもないわよ。バカ」本当になにも考えてない。
「なにもないわけない!」
「なにいってるのよ⁉︎」意味がわからなくて少し困惑する。
「だから、その、、美波。焦げてる。」言われて、はっとする。
「きゃぁぁ!」
その日の昼ごはんは少し焦げ臭かった。
「そろそろテストね。アキあんた勉強してる?」
「ちょっとはやろうかな。試召戦争のためにも。」
「あら?3学期になってもやるの?」
「もう答えは出たようなものだけどさ…雄二のためにも霧島さんのためにも、やらなくちゃならないと思うんだ。」
「そうね。あんたなんだかんだいって坂本のこと本当に好きね」
「美波。そんなことをいうと、玉野さんとか玉野さんに絡まれちゃうからやめてくれないかな。」
「あんたも大変ね。」それに関しては苦笑いしかできない。
「じゃあ、勉強しよっか?一緒に。」
「そうだね。なんの教科にする?」
「日本史!」
「数学!」
「み、美波!自分の得意科目なんてずるいよ!」
「う、ウチはアキのためを思って…。というかアキだって日本史ちょっとできるからってなによ!」
はぁ。なんかこう気を張ってはみたけど、やっぱりこいつが馬鹿なことに変わりはないみたいだ。
「はぁ。じゃあ間をとって化学でもしよっか。」
「どこが間をとったのかはわからないけど…
そうね。布施先生のウチらへの下がりきった評価をあげるにもいいかもしれないわね。」
「うーん、、全然わからないわ。」
「だよねー。こんなの苦行だ!だいたい教えてくれる人がいないのに、やるっていうのが無謀なんだ!」
たしかに一理ある。
「おはよーです!バカなお兄ちゃん。」
「あ。葉月ちゃん!よく眠れた?」
「はいです!お布団からお兄ちゃんの匂いがして…」
「ごめんなさい!」バカが謝りはじめる。こう謝られると少しくらい…
いつもより強くなぐってやらなくちゃね。
「アキ?」
「すいません。すいません。すいません…ぼんは骨が折れたかのような痛みぃがぁぁぁ!!
」
「ウチの妹に手を出すなんてどういうこと?」
「してない!ほんとにしてないんだよ?」
「なにか言ったかしら?」
「すいません!なにについてかは置いといて、反省してっます!」必死に頭を床に擦り付けるバカ。
「どれくらい?」
「わりと。」バカの頭が床にのめりこんだ。
そんな風なことをしていて、夕方5時。夕日が沈みかけて、見慣れた町並みに少しの影がさしていた。
「そろそろ買い物行こうかな。美波、一緒にいかない?葉月ちゃんもつれて。」
「いいわよ。ちょうどきりもいいしね。」
結局勉強時間は合計して、30分くらいになってしまったけど、買い物は大切だ。
それに…
こいつと買い物に行くのは楽しい…から。
「今日はなにを作るの?」
「なにがいいかな?葉月ちゃん。」
「バカなお兄ちゃんが作ってくれるならなんでもいいですっ!」
「だって!アキ。」
「じゃあ美波が食べたいものにしよっか。」
「いいの?」
「うん!なにがいい?」今日は別になんでもいいんだけど…
「じゃあパエリアにしない?前食べた時美味しかったしね。」
それに
アキの好きな物だし。
「じゃあそうしよっか!それと、ポタージュにしよっかな。」そう言ってるうちに、スーパーにつく。
すると、そこには…
「あれは…瑞希?」
「ひ、姫路さん?やばいよ!美波。」
やっぱり好きな瑞希に他の女の子といるとこを見られたくないのかな。。
「殺される。」
ほんとに命の危険ばかり起こる奴だ。
「明久君!…と美波ちゃん…。」
「み、み、瑞希⁉︎お、おはよう!」
「美波ちゃん。今は、お昼ですよ?」
「2人とも違うと思うのは僕だけ⁉︎」
(美波!今、美波が僕の家にいるということだけは秘密に…)
(分かってるわよ!あんたこそ気をつけてよね。)
「葉月もいるですっ!綺麗なお姉ちゃん、こんばんわですっ。」
「こんばんわ!葉月ちゃん。3人でなにをしてるんですか?」や、やばいかも?
「お、鬼ごっこ、、かな?」ダメだ。バカだった。
「葉月は、今バカなお兄ちゃんの家…」
「いえ…すきりすと!」バカが意味不明なことを言う。
そんなことで、誰がだまされ…
「そ、そうですか。お祈りですよね。」
認めない気だ!断固認めない気だ!
すると、バカは思い出したように、
「姉さん愛してる。姉さん愛してる。姉さん愛して…」
その場は、アキが玲さんとの関係について問いただされるだけで済まされた。
それにしても、瑞希の買い物カゴには、サンポールと、炭酸水しか入ってなかったのに、「ハンバーグを作るんです」と笑顔で語っていたのが、印象深い。
「にしても、大変だったわね…」
「ほんとだよ。姫路さんも、わざとじゃないかってぐらいのタイミングで…」
「なんの話をしているですか?」
「オトナの話だよ。葉月ちゃん。」
「アキ。誤解を生むのと、変なこと覚えちゃうと困るからやめて?」
「葉月も、オトナの話したいですっ。」
「じゃあ今夜ムッツリーニでも呼んで…」
「冗談にならない気がするのはウチだけかしら。」
土屋なら来かねないから、余計にね。
そして、アキの家に着く。
「すぐ用意するから待っててくれる?」
「うん。あ、手伝うわよ?」
「ほんと?ありがと。じゃあパプリカ洗って切っといてもらえるかな?」
「了解よ。」
とんとん、と作業が進んでいく。こういうことだけは、手際がいいのが少しむかつく。
…
「あとはこれでフタをして、炊きあげれば、完成かな。」
「お疲れ様!」こうやって台所に2人立っているのはやっぱり嬉しい。これで最後なら、
そう決めたから、それなら
存分に楽しませてもらおう。それくらいは、いいわよね?