バカとその後と恋愛模様!   作:八百六十三円の片道切符

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僕と幸せと不幸っ

バカテスト

 

英語

weather permitting,we can go to the sea which we love.を訳しなさい。

坂本雄二の答え

天気がよければ、私たちは私たちの好きな海へ行くことができます。

 

先生のコメント

正解です。少し固いですが、問題ないでしょう。関係代名詞も、独立分詞構文もしっかりとれています。

 

木下秀吉の答え

許すかどうかで、私たちは私たちの愛してる海に行くことができます。

先生のコメント

惜しいですね。この文章のポイントの独立分詞構文がおさえられていません。

weatherは天気。whetherは、かどうか、です。気をつけましょう!

 

 

吉井明久の答え

 

私たち…行く…海…愛してる!!

 

先生のコメント

全くなにも伝わってきません。

 

 

 

 

 

 

 

「全く酷い目にあったよ。」帰り道、いつものメンバーに向かってそうつぶやく。

 

「なんで明久君はあんなに追われていたんですか?」

「朝たまたま美波と登校してたら…」

本当のことをいうわけにはいくまい。

「明久も災難じゃのう。」秀吉が相槌を打って誤魔化してくれる。

「…本当に災難。」

 

ほとんど君が原因だと僕はおもっているんだよ、ムッツリーニ。

「明久、お前がいらないことをすると、俺まで巻き添えを食うんだが…」そんなの、霧島さんとラブラブ(もれなく首輪つき)しているからだ!それにしても…

 

「雄二。霧島さんと帰らなくて大丈夫なの?」

「あぁ。今日は完璧に巻いたからな。」本当に苦労している。

「そうなんですか。巻かれたんですか?翔子ちゃん。」

「…雄二は恥ずかしがり屋。」

「しょ、翔子!」

「…雄二。」

「はい…」

「…手を出して。」手を出して?手でも繋ごうというのか!雄二の野郎っ!

「いやだ、と言ったら?」

「…3万ボルトは出る。」その手にはスタンガンのようなものが握られていた。

「…手を出して。」

「はい…。」その手にしっかりと手錠がかけられた。

 

 

 

「じゃあ俺たちはここで。また明日な。」雄二と霧島さんが仲良く帰って行くのを見送る。

 

 

「ワシもここで帰るかの。」

「…俺も。」

「雄二たちと行けば良かったのに。」

「邪魔するわけにも行かぬじゃろ。」遠くから雄二の叫び声が聞こえたのは気のせいだろう。

「それもそうだね。」

(それは、そうと、お主。島田とのこと姫路にはばれておらぬじゃろうな?)

秀吉が小さな声で聞いてくる。

(たぶん…。気づかれてないと思うけど…。)

(…バレたらそれまで。)ムッツリーニが参加してきた。

(なんとかごまかすよ。協力してね。)

(もちろんじゃ。)

(…異論はない。)

ムッツリーニが素直に協力してくれるなんて…。

(…バレたら殺人料理の巻き添えを食うかも。)

ごめんね。ムッツリーニ。ありがとう。

「ほら、あんたたちそんなとこで固まってないで帰るわよ?」

「そうじゃの。では、みんなまた明日じゃ!」

「…また明日。」

 

「うん!またね〜!」ここで美波とも一旦別れる。

これで姫路さんと2人になる。

 

姫路さんが気づくと少し困る。

僕は姫路さんに知られたくない。

確実に命がないから。

 

「明久くん」

「な、なにかな?」

「美波ちゃんとなにかありましたか?」これは、気づかれてる⁉︎

「なにもないような気がするよ!」

 

「やっぱりなにかあったんですね…!」こうまっすぐな目で見られるとごまかせない。

「うん…」

「一緒にすんでる…とかですか?」

「美波の両親が出張で…」

理由を説明する。言い訳がましいかもしれないけど、本当のことだ。

「そんなことがあったんですか。なら仕方な…くないですっ!」

「へ⁉︎」

「明久くんは、考えがなさすぎます。少しは、私のことだって…」

姫路さんのこと?姫路さんと前に同じように一緒に暮らしたことがあるけど、そのことかな?

「あの時は色々あったけど、楽しかったね。」

「あの時っていつですか?」

「姫路さんが僕の家にいた時…だよ。」

「はあ。そういうことを言ってるわけじゃないんですけど…」姫路さんがため息をつく。

ここまでされると僕にだって分かる。姫路さんは僕のことを好き、と言ってくれた。僕もそう返した。あやふやになってしまったとはいえ、

 

この状況は、イヤなんだろう。

「ごめんなさい!でもほんとになにもないんだ。」

「ほんとう、ですか?」

「ほんとのほんと!」嘘はついてない。

「じゃあ明久くんを信じます。」

「ほんと⁉︎ありがとう!」

(これで美波ちゃんも同じ条件ですから、これが終わったら、もう遠慮なんかしません!)

「じゃあ私はこっちなので…」

「うん!またあしたー!」

姫路さんがなにか呟いた気がした。その言葉は小さすぎて聞き取れなかった。

 

 

 

にしてもさっきの言葉。まるで不倫の言い訳みたいだったなぁ…。

 

そうして家の前まできてみると、美波が待っていた。

「遅いわよ?アキ。」

「入って待っててくれてよかったのに!でも、ごめんなさい。姫路さんに色々と知られて…」

美波と葉月ちゃんには合鍵をかしてある。

「気づかれてたの⁉︎」

「まぁね…でもこうやって生きてここにいるから、そんなに怒ってない、とは思うんだけどね。」

 

「たしかに、あんたの手に包帯の一つも巻かれてないなんて、珍しいわね。」

「僕は包帯が巻かれてるのが、通常なの⁉︎」

 

 

その原因の3分の1くらいは、目の前の女の子なんだけど。

 

「それにしても美波。」

「なによ。」

「なんで…卵?」衝撃の昼ごはんのことについて聞いてみた。

「仕方ないじゃない!時間がなかったんだもの!」

「美波も寝坊してたの?時間がないならコンビニでも寄ればよかったのに!」僕は塩と水でも最悪生きていけるからいいとして、美波に申し訳ない。

 

「か、形だけでもやっときたかったの!」なんの形だろうか?

「新婚生活の真似事か?」

この声は…

「坂本!」

「雄二!こんなとこでなにを?」

「明久が、寂しがると思ってな。」

僕は全然寂しがることなんかない!こうやって美波もいるわけだし…

「ほんとは?」

「翔子が自分の部屋に、俺のベッドを作った。」

 

「家に帰れ!妻帯者め!」

「だいたいこうなったのもお前らのせいで…」

「「へ?」」

「お前らが一緒に住んでることがばれて、翔子がじゃあ私も雄二と…とか言いだしたから、今全力で逃げてんだよ!」雄二はいつもなにかしら逃げている気がする。

「もう住んじゃえばいいじゃない。坂本だって翔子のこと好き….なんでしょ?」美波がストレートにもっともなことを言う。

「あのなぁ…。バカ言うな!俺たちはまだ高校生だし、それに…」

「それに?」

「もれなく手錠と足枷がついてくる。」まさかそこまでとは。警察に連絡したら動いてくれそうなレベルじゃないか!

 

 

僕たちが原因だと言うなら仕方が無い。一旦雄二をかくまおう。

「じゃあ雄二もとりあえず上がってよ。」

「ほんとか⁉︎助かる!」

「美波!美波も…」美波を見ると誰かと電話を始めていた。まぁあとで勝手に入ってくるだろう。

 

 

「で、雄二はどうするつもりなの?」

「ここにいても、いずれは見つかる。くそっ!」

「バカなお兄ちゃんと、お兄さん!」

「おお、ちびっこ!」

「ちびっこじゃなくてはづ…」

 

「分かった分かった!久しぶりだな、葉月!」雄二が葉月ちゃんの頭を撫でやる。

「はいですっ!」葉月ちゃんも嬉しそうだ。

「にしても、霧島さんの愛の表現の仕方にも困ったもんだね。」

「全くだ!とりあえず明久。なにか香水とか持ってないか?」香水なら姉さんのがあると思うけど…

「なんでそんなものがいるの?」

 

「匂いをごまかせる。」

霧島さんは警察犬かなにかなのかな。

「なんの話をしてるですか?」

「葉月、お前はこうはなってくれるなよ。」

「葉月はお姉ちゃんみたいになりたいです!でも綺麗なお姉ちゃんみたいにおっぱいも欲しいですっ…」

「葉月ちゃん、ちょっとそれはやめてくれるかな。」

「お前の姉貴はあぁ見えて危険だからな。」

君のお姉ちゃんは、もう危険そのものなんだ。

それに、後者の願いは残念ながらどれだけサンタさんにお願いしても叶わないだろう。

「とにかく香水とってくるね。」

「あぁ、すまない。」

「じゃあお兄さん、葉月と遊ぶですっ!」

「おう!どんとこいちびっこ!…ごふっ」

「ちびっこじゃなくて…」

 

 

いつも僕に入る鳩尾攻撃が入ったんだろうか。遠ざかる2人の声を聞きながら

 

僕は洗面所の下にある香水を取りにいく。すると、美波がちょうど玄関から入って来た。

「美波。長いこと電話してたね。」

「あ、うん。親から電話で…。3日後には戻れそうらしいわ。そんなことより…」

「へ?」

 

 

「アキ。さっき失礼なこと考えたでしょう?」

この既視感。相変わらずエスパーだ。

 

「で、アキは洗面所でなにを?」

「あ、うん。ちょっと香水をね。」

 

「そ、そうなんだ。アキにはやっぱりそんな趣味が…」

なにかとんでもない勘違いをされていらっしゃる気がするんだけども。

「違うよ!これは、その…雄二に…」

「坂本につけて楽しむつもりなの⁉︎」

「どうやったらそんな思考になるんだ!」

 

「霧島さんの鼻をごまかすためだよ。」

「鼻って…翔子は匂いでもわかるのかしら。」と美波が笑っている。

 

笑っているけど、本当にそうらしいから困るんだ。

 

美波と一緒にリビングに戻ると雄二が葉月ちゃんを肩車して、2人ともはしゃいでいた。

 

「坂本がはしゃいでるなんて…」

「な!お前ら!これはそうじゃなくて…」

雄二は、あの見てくれで子供が本当に好きだからなぁ…。

「雄二は、本当に子煩悩だね。」

「ほんとね。葉月も楽しそうだし。」

「ほら、降りろよ、葉月。今ゆっくりしゃがむからな。」

「はいです…。」

ちょっと葉月ちゃんも残念そうだ。

 

「こうして見ると、あんたたち本当に夫婦みたいね。」

なにをいうんだこの女の子は!!

 

「「おえぇ…」」

「ふふ、冗談よ。」美波が言うと、冗談に聞こえないんだけど。

「島田、悪い冗談はやめてくれ。」

 

「うちの学年の半分くらいはそれを信じちゃってるからね。」

 

(あんな校内放送したのに信じてる人いるんだ…)

美波がなにか小さな声で、呟いた。

「今からなにするですか?」

「とりあえずテストも近いしな。」ということは、、

 

 

 

 

「「ゲーム!」」

「あんたらの思考回路が最近読めてきたわ…」

「冗談だ。勉強しようか。期末まであと4日だ。」

「そうね。」

「えぇ⁉︎」そんなバカな!

「バカが約一匹本気にしてたみたいね。」

「じゃあ葉月も宿題やるですっ!あ、でもノートがいっぱいになっちゃったんでした…」

「明久。新しいノートないのか?」

たしか、一個も使ってないからたっぷりと余ってるはず!

「それは、もうたっぷりと!姉さんが買ってきた奴がたまる一方で…」

「玲さんが可哀想ね。」

「さすがは明久だな。」

そんな罵倒は何度も聞いてきたから心の一つも痛くない。

葉月ちゃんにノートを渡してやって、

 

「今日はなんの科目にするの?」

 

「やっぱり一番大切な英語にするか。もう3年も近いんだ。そろそろ受験も考えないとダメだろ。」そうか、もうそんな時期になってきたんだ…。

「一月には全国模試もあるみたいだしね。」

「明久。せいぜい最下位にならないように頑張るんだな。」

大丈夫。保健体育がない模試であるから、ムッツリーニに負けることはないだろう。

「僕よりムッツリーニの方が心配だよ。」

「土屋なら、軍の精鋭になれそうだけどね。」

「だな。ただし、エロが絡めば。」

 

「「ははは…」」

 

「葉月も英語するですっ!」

「小学生でも英語ってあるの?」

「そうらしいな。俺たちゆとりには、関係無かったがな。」

でもさすがに葉月ちゃんに高校生の英語は難しいんじゃ…

「明久。complecatedの意味はなんだ?」

「えーっと…」たしか、、コンプリートする感じのやつだよね。

「複雑な、ですっ!」

「葉月、正解だ。おい大丈夫か、明久。」

「分かってたんだよ?今のはたまたま答えるのが遅れただけだ!」そう、たまたま…

「なら、treatの意味はなんだ?」

「えーっと…トリートメントだから、シャンプー?」

「あつかう、です!」

「葉月、正解だ。」

 

僕の思考回路は小学生より低いらしい。

 

「アキ。落ち込むことないわよ?」

「落ち込むよ…小学生に負けるなんて。。」

「ウチらは帰国子女だからドイツ住みでも、英語はわりとできるのよ。」

なんだ。そういうことなら仕方ないよね?

うん。仕方ない。

「良かったな。明久。最高の言い訳ができたじゃねぇか。」

 

やめて!僕が思ってたことをピンポイントでつかないで!!

 

その後、雄二に色々教えてもらいながら時間が過ぎて行く。霧島さんが全然来ないのは本当に匂いのおかげなのだろうか。

「ここは、関係代名詞の節だな。」

「なるほどね。そう考えると、文が繋がって訳せるわね。」

「ふむ。なるほど。」

「明久。なにも分かってないだろ。」

 

どうしてばれたの⁉︎

「もう少し詳しく教えてよ!」その点では雄二の教え方は少し荒かったりする。姫路さんは、全部丁寧に教えてくれるんだけど…

「全部教えてると、時間もないし、考えないからあんま伸びないしな…。今回だけだぞ。」雄二の教える方針は考えさせる、という方針なのだろう。

「このIがSで、showが、V。だからかけてるのは目的語。…そんでこの前置詞の前までかっこでくくってやる、といった感じだ。」

「ありがと!雄二も頭よくなったもんだね。」

「昔は翔子より頭良かったらしいわね。」

このバカが神童と呼ばれてたなんていうから、想像もつかない。

「昔のことは嫌いなんだがな…」

雄二がそれだけ言って、また勉強に戻った。

 

 

 

「ふぅー。」

美波が大きくため息をつく。時計はもう7時をさしていた。

「明久。飯作れるか?」たしか材料は昨日買い足ししたからあるはずだ。

 

「アキ。私がやるわよ?昼ごはんもあんなことにしちゃったしね。」

「本当にいいの?」

「うん。坂本も、ちょっと休んどけば?」

「ほんとか?助かる。」

「葉月も手伝うですっ!」葉月ちゃんが声をあげる。

「じゃあ一緒にやろっか、葉月。材料的に、トマトクリームパスタと、……かな。」

 

美波が早速作りにかかりに行った。

 

「明久。島田の腕はたしかだよな?」

「うん。それは雄二も知ってるんじゃないの?」

「翔子とか姫路のイメージが強すぎて、な。」

霧島さんは雄二に対してだけだと思うんだけど…

 

 

そうやって雑談をしていると、葉月ちゃんが走ってやってきて、完成したことを教えてくれる。

 

「アキ、坂本。できたわよ?」

「おお。これはすごいな!」

「それは、どうもありがとう。」美波が言いながら笑っている。

今日のメニューは、ほうれん草とベーコンのトマトクリームパスタと、これは…

「美波。これは?」

「フリカデレ。ドイツの料理なのよ。」

「ま、とりあえず…」

 

「「「「「いただきます」」」」」

「おぉ!うまいなこれ!」

「ほんと?ありがと!」それを聞いて、僕もひと口口に運ぶ。

「うん!とっても、こう辛くて涙が出るほど辛くて、、辛いっ!!」

「アキの奴には、あたりを入れといたのよ!」これは、タバスコだろうか。前に鍋をした時もいれてたよね⁉︎

「どこが当たりなんだ!美波。もしかしてまだ当たりが入ってたりするの?」そんなに当たりは欲しくない。

「うーんと、5つくらいかな。」

肉団子状のフリカデレの数を数えてみよう 。

1.2.3.4.5…

「全部じゃないか!!」

どうしてこんなにタバスコを使いたがるのだろうか。

「良かったな。明久。島田の思いがこもってる証拠だ。」

美波の思いが…それなら全然…これくらい!

 

 

 

 

「食え!雄二!」

「おまえ!なんてことしやがるぅ…かれぇぇ!!」

「2人ともご飯は静かに…」

「美波。ひとつ聞くけどタバスコどれくらい使ったの?」

「1ケースだったかしら?」

「おかしいよね⁉︎本単位でもおかしいのに、ケース単位って!」

「諦めろ。明久。これは、しれんだ。これを食べ切ったらお前のそのどうしようもない面も少しはマシになる。」

「ほんと⁉︎だったらたべてみせる!」

僕だってイケメンとはいかなくてもマシにはなりたい。

「うおおおぉ!!からぁぁいぃ…」

 

 

 

僕の顔が一層歪んだ気がした。

 

 

「大丈夫か?明久。」

「…あ、閻魔様。」

「だめだ。地獄に落ちてやがる。」

「アキ!アキってば!」

「こんばんわ。今日からお世話になる吉井明久で…」

「明久。ここに姫路のクッキー…」

「大丈夫!全然平気!」

「バカなお兄ちゃん、やっと起きたですか!」そういって葉月ちゃんが僕の鳩尾に…

「ぐはっ。」

「ところで明久。今日とめてもらえないか?今出ると確実に捕獲される。」

「雄二。まずは僕の心配をしてくれないかな。」おそろしく図々しい奴め!

 

 

その日は雄二も一緒に泊まることになって、夜を迎えた。

 

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