バカとその後と恋愛模様!   作:八百六十三円の片道切符

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僕と成績と逃走っ

バカテスト

 

 

キリスト教が国教化された年と、国教化した皇帝を答えなさい。

 

坂本雄二の答え

392年、テオドシウス帝

 

教師のコメント

基本的ですね。キリスト教以外の信仰が実質禁止となりました。

 

須川亮の答え

 

処刑×処刑。

 

教師のコメント

いっそのこと処刑されますか?あとで職員室に来なさい。

 

吉井明久の答え

239年、卑弥呼

 

教師のコメント

わからないからと言って、得意の日本史に逃げないでください。

 

 

 

 

今日は、24日。

終業式だけだから、学校は午前中だけで、終わる。

 

僕は朝からたいそう緊張していた。

 

 

 

 

 

 

主に成績に関して。

 

10段階中1が2桁だった1学期の雪辱として、せめて一桁にしたいところだ。

「科学と物理と生物と数学IA、数学IIBはダメで…」

 

ダメだっ!!すでに半分じゃないか!

 

姉さんは、テスト週間前日ごろに帰ってきたばかりだ。

 

 

姉さんに怒られないためにも、キスをしないためにも、文系科目はなんとかなっていて、欲しいところだ。

 

「よぉ。明久。今日は楽しみだな。」

僕の悪友雄二が声をかけてくる。自分だけよほどできるからって、腹立たしい。

 

「雄二。僕の前で成績の話は…」

「はぁ。なに言ってんだ。姫路との話だ。」

言われて、はっとなる。あの日は、その場の流れもあって送ってしまったお誘いメール。

今日は、その約束の日でもある。

「雄二。僕は…僕は…」

「どうしたんだ。思いつめて。」

 

「補習の存在を忘れていた。」

成績不振者には、別室で補習というものがあるのだ。教科ごとの先生による補習だから、何個身があっても足りない。

 

「姫路と補習どっちをとるんだ。」

「それは、姫路さんとの約束のほうをとりたいけど…って、そんなことより雄二こそ!霧島さんとのデートはどうなったのさ?」

「俺は、英語は欠点だと思ってる。この前の授業で提出物出さなかったから、2学期は一回も出してねぇ。」

「そこまでして、逃げたいんだね。」

「あったりまえだ。こんな日にあいつとはいられねぇ。確実に婚約書に判おされちまう。それに…拘束なんかされてたまるか。」

 

雄二も本当に苦労している。

 

 

「…雄二。どういうこと…」霧島さんが後ろにいたらしい。

 

「し、翔子!今日は俺は補習室で…」

 

「…私とはいられない、ってどういうこと!」霧島さんが少し強めの語調でいう。

 

「自分で考えろ。そのままの意味だ。」雄二も買い言葉のように、強めの言葉をかえす。なんだか雰囲気がいつもと違って、重々しい。

 

「…。小山といたいから?」

「さーな。自分で考えろ、って言っただろ。」

 

すると、霧島さんは、怒ってるような泣いてるような顔をして、去って行った。

「本当に自分勝手すぎる…っ!」

 

「こんな日に喧嘩なんてしてよかったの?」

雄二に聞いてみる。

「あいつが怒る意味が分からねぇ。仕方ない、と我慢してきたが、さすがに勝手すぎる。」

もっともなことを言ってるとは思うのだが。

 

雄二もあんだけのことをしたのに、まだまだ正直じゃない。

 

「…喧嘩。」

「おはよー。ムッツリーニ!そういえばムッツリーニは工藤さんとどうなったのさ。」

「…なにもない。」

 

「この際ムッツリーニから仕掛けたらどうだ?」

「…その必要はない。」

「工藤さん待ってると思うのに。ムッツリーニもほんと鈍感だね。」

「「お前にだけは言われたくねぇ!」」

どうして突然こんなに責めらるのだろう。

 

そうこうしているうちに、チャイムがなる。体育館で、終業式が行われるから雄二がクラスをまとめて連れて行く。

 

退屈なババァ長の話が終わり、

教室に戻る。

ババァの初恋の話で吐き気を催したのは僕だけだろうか?いや、ない(反語)

 

そして、ついに成績返却の時がやってきた。

 

 

鉄人に、1人1人名前を呼ばれて、通知表を取りにいく。

 

「横田。」

「はい。」

「横溝。」

「ほーい。」

次が僕の学籍番号だ。

「…和田。」

え⁉︎あれ?

「はい!」

「以上で成績返却をおわる。」

 

「僕の通知表は⁉︎」思わず声を出してしまう。

「おっと、わすれていたな。姫路、吉井、それと土屋。お前らには特別に学園長から渡してくれるそうだ。」

 

あんのクソババァ!!もしかして僕に恋でもしたの?勘弁してよ!

 

「良かったな。明久、ムッツリーニ。」

「良くないよ…。」

「…嫌な予感。」

「学園長が手渡しするということは、成績がめちゃくちゃいい奴…」

 

 

「ほんと⁉︎さすがは僕だね。」

「…努力した。」

ババァが僕たちの成長を認めてくれたのかもしれない。

 

 

「…か、成績最低の奴だけだ。」

 

「万に一つも成績上位の理由が思い当たらないんだけど⁉︎」

 

 

ムッツリーニと姫路さんと学園長室に通知表をといく。

すると、わりとすんなりと渡してくれた。

いつものように嫌味を残して。

 

 

 

 

成績は、1が9個止まりであった。

 

 

そして、教室に戻り、教室に入ろうとする直前、姫路さんが声をあげる。

 

「明久くん!今日の3時に…」

 

「時計台、だよね。うん、なんとか努力して行ってみせるよ。」

「どうして、努力する必要が…」

そういいつつ、扉を開けると…

 

 

 

 

 

「「待ってたぜ。吉井、ムッツリーニ。Let's party!!!!Horry night!!」」

 

 

 

「…こういうこと。」

「逃げよう。ムッツリーニ!」

大声をあげて、逃げ出す。

「明久くん!」

「大丈夫!3時には行くから!待ってて!!」

「…はいっ!」

 

 

「明久!俺も行く!」雄二が後ろからついてくる。

 

「ムッツリーニが追われる側とは珍しいな。」

「…さっき工藤が来たらしい。雄二こそ霧島と喧嘩してるのに災難。」

 

「全くだ!奴らはあの衣装を着ると聞く耳を持たなくなるからな。」

 

「…右前方50mに横溝。」

「「了解!」」

そういうと、すかさず違う方向へ転換する。逃走も手慣れたものだ。

 

「吉井くんたち!君たちには補習があるんだが…」

この声は布施先生の声だろうか。

とにかく、

「「「逃げるが勝ち!」」」

 

三十六計逃げるにしかず、とはこのことだろう。

 

「雄二。補習受けたいとか言ってなかったっけ?」

「明久。俺を売るつもりか?もう翔子に追われないだろうし、今さら誰がうけるか!」

 

「…明久は補習を受けるべき。」

「ムッツリーニ!君も受けるべきだとおもうよ⁉︎」

「そうだぞ。ムッツリーニ。工藤となにもないなら暇だろう?」

「…すこぶる忙しい。」

恒例と言ってもいい、仲違いが始まった。

追ってくるのが鉄人じゃないから少し余裕がある。

 

 

「ここまでくれば、ひとまず安心だね。」

「だな。」

「…少し休憩。」

時計の針は、1時半をさしていた。お昼時を過ぎてはいるが、命と空腹。

 

背に腹は変えられない。

少し一息ついていると、

「ねぇ!」

「誰だ…って、小山さん?」

「坂本くん。このあと暇ならデートに…」

「「みぃつけたぁ!!ころす。」」

 

「ころすよぉ。霧島だけでなく、クールビューティー小山まで、なんて!」」

 

見つかった。

 

「雄二の馬鹿野郎!」

「くそっ!どういうつもりで…」

「あら。私は本気なんだけど?」

 

「お断りだぁ!!」

 

そう言い残して、走り去る。

 

「にしても、小山さん本当に雄二のこと好きになったのかな。」

「…羨ましい限り。」

「今度、小山にもちゃんと返事してやらねーとな…」

雄二がまともなことを言う。

もっと早くちゃんと断ってくれればこんなことにはならなかったのに!

「ここならとりあえずは…」

「そうだね。」

「…疲れた。昨日は徹夜。」

 

 

そうして休憩していると、

「ムッツリーニくん!」

「工藤さん!」

 

「…工藤。何の用だ。」

 

「このあと遊びに行かない?もちろん実技付きで。」

 

 

ぷしゃああああああ!

「あっちに赤い噴水が見えた!」

「あそこか!コロス」

「やっちゃおーぜぇ!」

 

 

「「ムッツリーニのバカ野郎!」」

 

再び全力でかけだす。

「…工藤。なんの恨みが…」

「こっちは本気なんだよ!とにかく、3時に駅前の喫茶店!待ってるから!」

 

「良かったな、ムッツリーニ。」

 

「…勝手な話。」

 

そうして逃げ続けていると、

 

 

「もう追い詰めたぞ。」須川くんたちに周りを取り囲まれた。

普段ならこんなことにはならないのにどうして…

すると、その中から…

 

「アキちゃ…吉井くん!どういうこと?坂本くん以外とクリスマスデートなんてダメだよ!」

 

 

「明久。お前、あれなんとかしろよ。」

「…当然。」

 

「無理だよ!玉野さんはこういうことになると異常な力を発揮するんだ。」

「「じゃあお前はここでさよならだな。」」

 

 

なんて、切り捨てが早い奴らなんだ。

時計の針は、2時半を少し回ってきている。

 

 

「万事休すか…」

もう逃げるすべがない。時間もない。今度こそ終わりだと思ったその時、

 

 

 

 

「アキ!」

「美波!どうしてここに…」

「明久よ。ワシもおるぞい。」

「秀吉⁉︎」

なぜ2人で…って、そういえば2人でなにかをする、と言っていた気がする。なぜか気になって仕方が無いのだが。女の子2人では不安だし…。

 

「…」

「助けてあげるわよ。」

「ほんと⁉︎」これは予想外のことだ。

「元々、あんたたちのサポートをしてやろうって思ってたのよ。あんたのためじゃなくて、瑞希のためにね。」

そんなことを考えてくれてたなんて思いもしなかった。

「ワシも助太刀しよう!明久は行くのじゃ。」

「でも、美波…」

「いいから行きなさい!」

「美波!僕は…」僕はなにを言おうとしているのだろう。

自分でもわからなくなる。

「いいから、行ってこい!」

 

美波が僕を、応援してくれてる。あとを押してくれてる。

 

だったら、余計なことを考えるより、やることは一つだ。

 

「ありがとう!今度お返しするよ!」

 

 

「そうじゃの。大量にお菓子でも貰おうかの。」

「そうね。」

 

 

 

 

僕は、3時に駅につくために、走り出した。

 

 

 

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