バカとその後と恋愛模様!   作:八百六十三円の片道切符

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「行くぞ!」そんな掛け声とともに戦争がはじまる。
急な戦いなことであったが、負けるわけにはいかない。


バカと戦略的退却とBクラスっ!

 

 

バカテスト

化学

ダイヤモンドと黒鉛のような同じ元素からできているものをなんというか。

 

 

 

姫路瑞希の答え

同位体

 

教師のコメント

そうですね。他に、酸素とオゾン、なども挙げられます。

 

土屋康太の答え

炭素

 

教師のコメント

まともな間違え方をするとはつゆほども思ってませんでした。そういうことを聞いてるわけではないです。

 

 

吉井明久の答え

 

どう痛い?

 

教師のコメント

予想通りすぎて、頭がとても痛いです。

 

 

 

BクラスがいるB教室は、新校舎側にある。

そこから渡り廊下を渡って、その反対に僕らFクラスがいるE教室は存在している。

まともにやりあうなら、渡り廊下だが…。

 

根本くんがなにも悪巧みを考えてこないとは考えづらい。階段、それとA教室にも何人かを配置する、ということになってるけど…

 

「姫路、姫路にも途中から前線に出てもらう。それと、ムッツリーニ。お前もだ。時間的に、Dクラスが2限は保健体育だ。そこで、盛り返しつつ、後退してくれ。それで…浅賀と森は、E教室手前に、平田、竹中は階段上と下に別れて、待機。指示を待て。緊急時は、お前らも前線に加わってくれ。昼休みには持ち込ませないで、終わらせてやる。」

 

雄二が細かく指令を出して行く。最後の言葉に決意がみなぎっていた。

 

こういう作戦のところを、一日でさらりとやってのけてしまうのだからさすがは雄二、といったところである。

 

 

「島田。確実に戻ってこいよ?」

「分かってるわよ。」

美波をなんとかして、生かしておけばいいのかな。

「明久、島田。少し遅れたが須川たちと前線にいけ。福村たちが戦ってると思う。相手の様子を見たかったんでな。科目は生物だ。」

 

 

科目に関しては、センター試験対応に前回からなっている。

ということは、それに対応できる化学、物理、理科総合、地学はいける、ということか。

 

にしても、英語は無しかぁ。

昨日も勉強したし、最近やっていたから感触はいいんだけどなぁ。

理科系は苦手なんだよなぁ。

…生物は、たしか…2ケタはあったような…。

 

うん。僕すごい!2ケタもある!

 

という暗示をかけておくことにしよう。

 

「行くわよ?アキ!」

「うん!美波。あっ、僕の生物の点数なんだけど…」

とりあえず伝えておこう。あとで戦ってるときに、当てにされても困る。

 

「全く期待してないから問題ないわよ。」

聞きもしなかったよ⁉︎そこまで期待されないと、さすがにつらいよ。

 

教室の扉が開け放たれて、少し先に見える戦闘地点に走り出す。

 

そこまでに続く廊下を盛大に走って行きながら、美波に話しかけてみる。

 

 

 

「美波。…なんか久しぶりだね。」

こうやっていると、懐かしい気分に駆られたのだ。

 

「そうね。といっても、一ヶ月くらいしか経ってないけど。」

3年生との試召戦争以来だと、それくらいだけど…。

 

「違うってば。美波とこうやって前線に出るのは、久しぶりでしょ?」

 

 

「…余計なことは考えてないで、言われたとおりやるわよ!」

 

「うん。」

とにかく、美波を守りつつ徐々に前線を前線を後退させればいいんだよね。

 

 

 

「吉井と島田か!」

「吉井さまー!島田さまー!」

「吉井さまー!」

「美波さま!」

「アキちゃぁぁーん!!」

「島田さま!」

 

 

ダメだ。こいつら、もう発言が悪役の下っ端だよ。

あと、どさくさに紛れて、美波を下の名前で呼んだ奴誰だ!!

僕のことに関しては、聞こえなかったことにしよう。

 

「吉井!助かった。健闘はした。だが、やっぱり少しかなわないらしい…。」

 

更新された召喚獣上部の点数を見ると、

 

『Fクラス・有働&中野

生物 28点&化学 45点

VS

 

Bクラス•野中&加賀谷

生物 154点&生物 160点』

 

元から少し、削れていたこともあって、点数差は大きい。たしかにまずいね。

 

「須川くん!有働くんと交代で前線にいって、あとは指示通りに…」

「了解!」

「福村くん、助かったよ。」20分近くもこんな戦力で持ったんだ。さすがは、異端審問会副会長と言ったところだろうか。

 

 

「当たり前だ!エロ…美術のためならなんでもする。」

当の本人は、本音が、溢れ出して止まってないんだけどね。

 

「とりあえず吉井を狙え!奴は、観察処分者だ。なにをするかわからねぇ!他は一旦、無視しても構わない!」

前線でBクラスの野中くんが声を張り上げる。

「ふふふ。僕を買いかぶるとね…」

「なんだ⁉︎なにか策でもあるのか?」

「調子に乗っちゃうよ♪」

 

「アキ、鳥肌が立つからやめなさい。」

そんなこと言わないで⁉︎一気にテンション下がっちゃったじゃないか。

 

「とっととやっちまえ!」Bクラスは一気加勢とばかりに、攻勢をかけてくる。

 

「みんな…。」

 

「吉井隊長、お前の決断だ。」須川くんがそう言ってくれている。

 

「ならば…後退だ!僕と美波を守りつつ!みんなの命は知らないっ!」

帰りたい。生きて、教室に。

補修はいやだ!

「吉井の野郎っ!」

「役立たず!」

「女装癖!」

もう生きていけないっ!

 

そんなことより、とりあえず、逃げよう。

 

「逃がさないわ!!サモン!」

 

「サモン!」

「サモン!」

Bクラスの前線組が大きな声を上げていく。

敵前逃亡は、補習室送り、だ。

戦わざるを得ない。

「僕に歯向かうなんて、百年早いっ!サモン!」

「試験召喚獣、サモン!」

 

幾何学模様の上に見慣れた木刀を持った召喚獣があらわれる。

 

『Bクラス•工藤&真田&井川

生物 256点&化学 287点&地学208点

Fクラス•吉井&島田

生物 12点&化学 28点』

 

「美波も、人のこと言えないじゃないか!」

「アキよりましよ。」

 

「50歩100歩って奴だな。」

須川くんが呆れ顔で呟く。ということは…須川くんの点数はそんなに、高いのか?

 

「俺はな…お前らの点数を足して、さらに×−0.9だ。」

 

ダメだ。点数がマイナスになることすら分かってない!

 

「サモン!」須川くんが召喚獣を呼び出す。頭の上に表示された点数は、

 

『Fクラス•須川

生物 8点』

「退却っ!!」

 

 

なんて、やっている時に、2限が始まるチャイムが響く。

ということは…ムッツリーニが大島先生を連れてくるはず!

 

 

実際、向こうからムッツリーニがこっちに駆け寄ってくる。

 

「…おかしい。大島先生がいない。」

 

「「え…⁉︎」」

たしか授業があったはず…なんじゃ。

 

「残念だったな。吉井。」

「根本くんっ!!」

前線の少し奥まで出張ってきた大獲物は、高らかに罵りを始める。

 

「坂本の作戦は、実に考え込まれている…だが、情報の多さは欠点にもなりうる、そういうことだ。ハハ、ハッハッー!」そう言って、高笑いして去って行く。

 

まさか時間割情報の操作までしていたなんて。

くそぉっ!!システムデスクが、お菓子が、美術が!

夢にまで見たものが遠ざかって行く。

 

 

_________________________________

「根本の野郎…。やりやがるな。」

 

「どうかしたんですか?」

 

「授業科目を操作されていた。ムッツリーニが向かったが、体育教師はいない。」

 

「ということは…ちとまずいのう…。」

 

「そうだな。とりあえずは、入替ひっかえ、我慢も効くところだが…準備はしておいてくれ。」

 

 

「はい…。うまく行くでしょうか?」

 

「大丈夫だ。」

 

 

_________________________________

 

 

 

 

その後も、なんとかBクラス相手に、操作技術のみで、対峙を続けるも、

ムッツリーニの点数が3点で、フィールド外に出した、ということや須川くんの点数が1点になったことも合間って、大変苦しみながらも、

 

途中で教科を入れ替え、取っ替えを繰り返して、なんとか前線を保ってはいた。少しずつ後退しながら、ではあるが。

 

「数学の先生がきたぞ!」

「美波、頼んだよ!」

 

「任せときなさい。数学なら得意なんだからっ!」

 

 

「「私たちのコンビには勝てないっー!」」

目の前に颯爽と女の子2人がたちはだかる。

「君は、たしか…清涼祭の時の…えーっと、たしかウルトラ…誰だっけ。」

「なんで、人の名前にウルトラが出てくるのよ、バカ。」

バカって言わないで!出てきそうだったのに…

 

「「岩下と菊入ですっ!今度は負けません!」」

コンビネーションなら僕と美波だって、それなりに…

 

「アキ、やるわよ!サモン!」

「うん。サモン!」

 

 

「「サモン!」」

 

『Fクラス•島田&吉井

数学IA 250点&数学I 120点

vs

Bクラス・岩下&菊入

数学IA 230点&数学IA 230点』

 

「アキ、少しはマシになったのね。」

「美波にも教えてもらったしね。」

相手の召喚獣がクナイを構えて、一目散に切りかかってくる。もう一体は、美波がなんとかしてくれるだろう。

最悪の場合、腕輪を使って、作戦上1番大切な美波を守ればいい。

飛んできたクナイをひらり、とかわして、的確に相手の手元を打つ。

そして、ひっくり返ったところを頭から叩いてやる。

 

『Bクラス・岩下

 

DEAD』

 

「そんなぁああ…。」

 

 

「よし!美波!加勢するよ!」

 

「心配ないわ。もう…」

『Bクラス・菊入

 

DEAD』

「戦死者は補習室行きだぞ?岩下・菊入。」

鉄人が戦死者を抱えて、たちあがる。

 

これで、とりあえずはしのげたみたいだ。

 

しかし、その後も相手は入っては、出てをくりかえし、みんなの点数もそろそろ限界も近づいてきた。

 

 

 

「アキ、そろそろ…まずいわね。」

美波と僕の点数も、そろそろ限界に来ている。

下がらねば…

と思っていた、その時、

 

「お待たせしましたっ!!明久くん、美波ちゃん、下がって下さい!!」

 

姫路さんと秀吉が、満を辞して、戦線に表れる。

 

「姫路さんっ!」

「明久くんを助けられて良かったです。」

そう言って微笑む姫路さんは眩しくて、眩しくて…直視出来ないほどだった。

「よかったのう。とにかく…姫路、計画通りに…」

「はいっ!」

 

じゃあ僕たちは…

 

「美波、下がるよ!」

「言われなくても!」

 

「俺たちも下がろう。もう戦力もない!限界だ。」

 

阿吽の呼吸で、僕らは一目散に後ろへ走る。これで、おおよその作戦は成功した…と言えよう。

 

あとは、姫路さんがなんとかしてくれるはず。

 

 

 

 

 

 

僕らが渡り廊下を渡り切ったとこまで出ると、入り口を狭めるように、ダンボールや、ジャンプ、須川くんの恋愛講座DVDを積んでいく平田くんや竹中くんが見えて、足を止める。

 

「吉井。お疲れ!かなりやばかったな。」

「ほんと!全くだよ。須川くんが役に立たないから…」

「なんだと⁉︎お前も古典ボロボロだったじゃねぇか!」

ちょっと減らしたこともあって、15点だったっけ

 

「やめなさいってば!あんたたち。」

美波が諌めてくるが、そんなことは関係ない。

 

今回の古典に関しては運が悪くて!!

それに、

「美波よりマシだったよ!!」

 

「アキ…ウチはあんたと違って、日本語なんか2年しかやってないんだから仕方ないでしょ⁉︎」

 

「とにかく、全員Fクラスレベルであることは、変わらないんだから落ち着け。」

 

「そうね…。」

 

珍しく、福村くんがその場を収めてくれた。

 

 

「とりあえず、お前らも適度に回復してこい。吉井は、手伝え。」

なんで僕だけ⁉︎

 

「どうして僕だけ…。」

 

「坂本からの指令だ。今回は吉井は、死んでも問題ないらしい。なんなら作戦上不必要なら処分しても問題ないらしい。」

 

雄二のやろうっ!!そんなこと言われたら、たとえ死んでも死に切れないっ!

 

「まぁ、とにかく召喚獣の力で、一気に動かしてくれると助かる。」

観察処分者の召喚獣は、物理干渉ができる。

 

今、ここには、たぶん雄二が教室から張っているであろうフィールドがあるから、召喚獣を召喚できる。

 

生身の人間の何倍もの力を発揮できる召喚獣なら、この段ボールを全て一瞬で積んでしまう事もできるだろう。

 

「了解!」

 

雄二!僕を見捨てやがって!見てやがれ!これが観察処分者の意地だ!!

 

 

半ばやけになって、そんな作業に取り掛かった。

 

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