いきなり告白されるなんて、こんなに嬉しいことはないはずなんだ。
なのに、なんで。なんでこんなに。
「明久くんを縛るのが。」
体が震えるのだろう。
バカテスト
生物
ウニの発生の初期段階において、細胞の数を確認できる程度の状態のことをさす初期段階の胚のことを何というか。
坂本雄二の答え
桑実胚
教師のコメント
正解です。この状態からさらに分裂が進み、分化が始まります。
土屋康太の答え
…プシャアア
教師のコメント
最近流行りの非公式キャラクターでしょうか。
島田美波の答え
早実杯
教師のコメント
野球の大会ですか。早稲田の話ではありません。漢字で覚えないからそのようなことになるのです。
〜1時間前〜
僕は非常に大切な密会に臨んでいた。もしかするとこの先の人生に関わるかもしれないことだ。
僕の交渉術の出番だね。
「ムッツリーニ。例のものを。」
「…これか?」
「あぁ。うん。これこれ!秀吉のボーイッシュな服装!」
「…こんなのもある。」
「こ、これは!美波と姫路さんの体操着の写真……」
「聖書1冊でどう?」この前雄二からもらった一冊がある。姉さんにばれないように裏をかいて、リビングの食器棚のクロスの下においてあるのだ。料理をしない姉さんには分かるまい。
「…もう一冊。」くぅ!足元みやがって!友達だというのに!
「工藤さんに報告するよ?」やっぱり相手の弱味につけ込むのが交渉だよね。
「…あいつは関係ない。」
「でも最近会うたびに写真巻き上げられてるよね?また拘束されちゃうよ?」
「…。」
「お願いだよ!ムッツリーニ。友達だろ?」
「…仕方が無い。2枚やる。」
「ほんと!ありがとー!」
「…構わない。」
「じゃあ、ムッツリーニ。姫路さんたちに怪しまれないうちに戻ろ…」
「なんの話をしてるのカナ?」
「…く、工藤愛子。」なんでこんなとこに!
「ムッツリーニくん。なにをしてたのかな?」大変だ!友達(商売相手)の危機だ。助けないと!
「ムッツリーニと僕は、か、かくれんぼをしてたんだ!」うまいことごまかせそうだ。さすがは僕だね。
「嘘!」僕は天才だから…って、ばれんのはやっ!
「…明久と恋バナをしていた。」
ぶふぅっ!なんてこと言うんだムッツリーニ。だいたい君の口からその言葉が発されることがありえないじゃないか!
「ふーん。じゃあサ。ボクも混ぜてよ。」
「…構わない。」ムッツリーニが目配せで合わせてくれと告げてくる。
「いいよー続きを話そう!で、ムッツリーニは誰が好きなんだって?」自分からその話題にした罰だ!苦しめ。
「…それよりまだ明久の先週の日曜日のデートの話が終わってない。」え?やめてよ!ムッツリーニ。そんなのしてないのに。否定しないと!
「違うんだ。僕は日曜日は、家で「美波」と「体操着」で遊んでたんだ。ってちがぁぁぁぁうっ!!」
「これより異端審問会を開催する。」
どこからあらわれたの⁉︎
「被告前へ。」
「ほんとに僕は「姫路さん」とはなにもしてないんだ!ってこれじゃあ美波とはなにかしたみたいじゃないか!」くそっ!ムッツリーニのやつめ。
「被告吉井明久は、先週の日曜日午の刻。島田美波と、被告の家に置いて、体操着を着用させた上、強制猥褻罪をはたらい…」
「端的に言うと?」
「「「体操着プレイなんて羨ましい!!!」」」
「そんなプレイしてないよ!」
「簡潔でよろしい。とっとと死刑。」もう聞いてもいやがらない。
「死刑の方法はいかに?」
「うむ。水攻めの刑に処す。」
なんだ。とても軽そうな刑じゃないか!須川くん改心したんだね。
「それってどんな刑なの?」きっとホースかなにかをぶちまけられるのであろう。軽すぎてむしろ受けたいくらいである。
「うむ。簡単に言うと、手足に重しをつけての海へのダイビング、といったところだ。」
うん。撤回。本当に殺す気だよこいつら。
「ムッツリーニ!工藤さんとイチャイチャしてないで助けてよ!」
「異端審問会を開催する。」
いい気味だ。僕に罪をなすりつけた代償だね。
「ムッツリーニ君。今度さ、一緒にお・で・か・けしナイ?」
「……忙しい。」
「そんなこと言ってないでさ!ちょっと付き合ってよ。」
「「「「とっとと死刑!!」」」」
「…なんの恨みがあるんだっ工藤愛子っ…‼︎」
さぁ今のうちに僕は晴れて自由の身に…
「明久くん。」
「ひ、姫路さん?」目が。目が。目が…
死んでる。
「美波ちゃんと日曜日なにをしたんですか?」
「姫路さん!違うんだ。僕は美波とはなにもしてない!」
「じゃあ、誰となにをしてたんですか?」
「僕は雄二と「体操着」で、「かくれんぼ」してたんだってのおおおおおおおおおぉ!!」
これじゃあただの変態じゃないか!ムッツリーニめ。
「明久くん本当に坂本君のことが…」
「そんなわけがない!僕は普通に「拘束」「プレイ」が好きなんだ!ってちがぁぁぁぁう!」これじゃあただの変態じゃないか!
僕は拘束ものの聖書は一冊しか持ってない!
「そうだったんですか。それならそうと早く言ってくれればよかったのに。」
「ひ、姫路さん?」
体が僕に告げてくる。
絶対的な死を。
「「散っ!」」
僕とムッツリーニは駆け出す。これでも足には自信があるんだ。体の弱い姫路さんにおいつけ…
「明久くん。かくれんぼは終わりですよ。」
「ムッツリーニくん。まだ話が終わってないんだけど?」
「「「異端者は死刑!!」」」
くそっ。姫路さんは、どこにそんな力があるんだろう。
にしても美波が怒ってこないなんて珍しい。清水さんにでも捕まってるのかな。
「聞いてよ!本当になにもしてないんだ。雄二と遊んでただけで。。」
「このバカが言ってることは本当だぞ。」現れたのは僕の悪友•雄二。助けてくれるんだね!
「そうですか。ありがとうございます。坂本君。明久くんがそんなことするわけないですよね?」
「良かったな。明久。(この前やった聖典(本)返してくれ。)」やっぱりそういうことか。
「ありがとう雄二!(仕方ないね。)」
「吉井。妄想はほどほどにな。」
「そうだぞ。なにかあったら相談してくれ。」まさか須川くんと福村くんに慰められるとは。
とっても不愉快だ。
「あ、アキ!」
くっ。なんてタイミングで!!せっかく誤解が溶けたというのに。
あれ?でも怒ってないみたいに見えるんだけど…?
「その、アキがどうしても、っていうならウチ、アキの家で、た、体操着着て遊んでも…いいわよ?」
え?今なんて?なんかとんでもないこと言わなかった!?
「「「「「吉井。死より苦しいものをくれてやる。」」」」」
くっ。死刑判決しか出さない裁判が開かれる。
「明久くん。どういうことですか?!」姫路さんの手に鈍器が見えるのは気のせいだよね。
「み、美波のばかぁぁぁぁ!!」
保健室の包帯が足りなくなった。