2026/08/12 全体的に大幅な加筆・修正を行い再投稿しました。
「くそっ、LBXの火力じゃ文字通りジリ貧だぞ!」
俺たちはそれぞれLBXを出し迎撃を試みていたが、眼前の巨大重機が振り回す大型クローアームと激しく回転するアームの前に、完全に圧倒されていた。
「バン!狙われてるぞ!」
アキレスがクローを紙一重で回避するものの、直後に繰り出されたアームの強烈な払いに吹き飛ばされる。
「アキレスが完全にマークされてる。狙いはプラチナカプセルか」
「プラチナカプセルは父さんに託されたんだ!イノベーターには絶対に渡さない!」
「とは言っても、LBXの火力じゃじり貧ね……」
アミの言う通りだった。トールギスのドーバーガンを高出力で数発叩き込んだが、重機の厚い装甲には目立ったダメージを与えられていない。
あれだけ巨大だとビームサーベルでも切れないだろう。逆にこちらが踏み潰されるのがオチだ。
刹那、重機の中央に位置するメインカメラアイが不気味に赤く発光した。
──高エネルギー反応!?
「みんな避けろ!」
直後、カメラアイから極太の熱線レーザーが放射された。
俺たちは咄嗟に左右の死角へと飛び退いたが、レーザーがかすめた背後の巨大な鋼鉄製コンテナがまるでバターのように一瞬で焼き切られて真っ二つに崩落する。
「な、何んだよあの威力……! レーザーを発射する重機なんて聞いたことないねぇぞ!?」
「最悪だな……完全に戦闘用兵器だ」
「……最低」
容赦なく連射されるレーザーの嵐を必死に回避し、俺たちは近くの大型コンテナの影へと滑り込む。
しかし、破壊されたコンテナの破片がアキレスに降り注ぎ、身動きが取れなくなってしまった。
「アキレス!」
「チイッ!」
俺はトールギスを躍進させ、ドーバーガンを連射してアキレスを押し潰していた破片を除去した。
ちょうどエネルギーが切れたのか、敵のレーザー照射もピタリと止まる。
「助かった、シキ!」
「礼はいい。だがどうする? このまま逃げ回っていてもいずれ限界が来るぞ」
「何か、弱点でもあれば……」
弱点。あるとすれば、やはりこちらの動きを視認しているあのメインカメラだ。
だが、俺がカメラだと思っていたあの発光部からはさっきレーザーが放たれた。あそこはカメラではなく、単なる砲門なのか?
「しまった!」
カズのハンターが横から迫ったクローアームの直撃を受けて派手に吹き飛ばされた。
だが、ハンターは後方に弾き飛ばされながらも、ライフルのトリガーを絞っていた。
放たれた銃弾は重機には当たらなかったが、遥か天井近くに懸架されていた資材コンテナの保護布のワイヤーを偶然にも切断した。
分厚い遮光布がイジテウスの頭部へ突如として覆い被さり、レーザー発射口の全体を隠してしまう。
その瞬間、狂ったように暴れていた重機の動きが目に見えて鈍くなった。
「…………動きが鈍くなった」
「やっぱり、あそこがカメラだったのよ!」
なるほど、光学カメラと光学兵器の軸線を一致させる設計か。
合理的だが、視界を塞がれれば攻撃もできないという致命的な欠陥だ。
布で視界が塞がれている今なら隠れることはできるが、ヤツが布を振り払うのも時間の問題だろう。
「多分、レーザーの発射口の横側がカメラを兼ねているんだろう。そこを壊せしてしまえば相手はこちらを認識することが出来なくなる」
「そうなれば、大分有利になるな」
「よし、相手をかく乱しながら隙を見て破壊しよう」
「それしかないね」
高火力のスティンガーミサイルを持つハンターなら破壊が可能だが、地面からの射撃では角度が足りないだろう。
そこで、スティンガーミサイルを囮に使う。
そして俺のトールギスには、今回はミサイルポッドを装備させている。
地面からの射撃では角度が足りないが、トールギスのスーパーバーニアなら短時間の空中滞空が可能だ。
カメラと同じ高度まで上昇すれば、確実に撃ち抜ける。
念のためアキレスも視距離まで接近しカメラアイを破壊できるようにしてもらう。
「よし、行くぞ!」
俺の提案に全員が力強く頷き、物陰から一斉に躍り出た。
重機も鬱陶しそうに頭部の布を引きちぎり、再びこちらへ向かってレーザーとアームを使って攻撃を再開する。
標的はアキレスに集中していたが、徐々にレーザーの照射時間が短くなり射線もブレ始めていた。
激しい猛攻を避け続けること数分。
敵の駆動音が一段と低くなり、レーザーが不自然に途切れて巨体が完全に停止した。
恐らく、一時的なエネルギー切れだ。
「カズ、今だ!!」
「おう! 喰らいやがれ!」
《アタックファンクション》
──《スティンガーミサイル!》
ハンターの背部から放たれた無数のトゲ型ミサイルが、放物線を描いてメインカメラへ全弾着弾。
激しい爆煙が覆う。
「ミカ、アミ、援護よろしく!行くぞバン!」
「ああ!」
アマゾネスとクノイチが重機の注意を引き付ける隙に、アキレスが地面に落ちていたアームをつたって駆け上がっていく。
俺はトールギスのスラスターとスーパーバーニアを限界まで解放した。
トールギスが急上昇し、激しい爆風の渦巻く敵カメラの正面、高度数十メートルの空中でピタリと滞空する。
アキレスは右腕の拳銃を、トールギスは左腕のミサイルポッドをお互いカメラアイへ照準を固定した。
「「「いっけええええええ!!」」
アキレスの至近距離からの銃撃と、トールギスのミサイル斉射が同時に炸裂。
凄まじい火花と金属片が飛び散り、ついに重機のメインカメラの完全破壊に成功した。
「やったな!バン、シキ!」
「──まだよ!二人とも気を付けて!」
視界を憤慨したのか、狂ったように両腕のアームを周囲へ振り回した。
空中で姿勢を維持していたトールギスは、真横から迫ったクレーンアームの質量攻撃を回避しきれずまともに側面から叩きつけられた。
「シキ!」
「大丈夫だから、バンの方を────」
残されたアキレスにも、頭上から巨大なドリルアームが容赦なく振り下ろされようとしていた。
絶体絶命。ドリルアームがアキレスに向けて振るわれるその時、突如白い影がアキレスを小脇に抱え上げると、跳躍。
コンテナ群の最上段へと、一瞬にして移動してみせた。
「え……LBX……?」
「真っ白な、LBX」
「見たことのないLBX……クノイチ以上のスピードだわ」
洗練されたスタイリッシュな外見に白を基調とした美しいカラーリング。
背面の腰部には大型の高出力スラスターらしきユニットが二基。
みたいなのが付いてるように見える。
ストライダーフレームの代表格であるクノイチを遥かに凌駕するあのスピード、一体どこの機体だ……?
「味方……なのか?」
「気をつけろ、バン。そうとは限らないぜ……」
カズが警告を発した直後、その白いLBXは抱えていたアキレスを両腕を振り上げ上空へと力任せに放り投げた。
軽量級とは思えないパワー。
放り出されたアキレスは、天井のクレーンで吊るされたまま静止している巨大な資材コンテナの天面へと着地した。
「やっぱり敵か!?気を付けろバン!」
緊迫する戦場に、バンのCCMの電子音が場違いに響く。
バンが画面を見つめ、困惑したようにその内容を読み上げた。
「メッセージ?」
「えっと……『コンテナを落とせ Pandora』」
パンドラ。あの白いLBXの名か。
「コンテナを落とせ。あれのことか…」
見上げるとそこには中に吊るされた大きなコンテナがある。
そして今、それにアキレスが乗っている状態。
その上、追加で送られた画像には重機のエンジンと思われる部分がサーモグラフで示されていた。
「わかった!クレーンのロックを破壊すれば、資材を重機の上に落とせるのね!」
「あんなデカいのが直撃すりゃあ、さすがの化け物もおとなしくなんだろ!」
「後は、その写真の場所まで誘導するだけだな」
俺は密かに移動し、トールギスを回収して損傷を確認する。
全体的にダメージがひどい、アーマーフレームは曲がっていたりひびが入っていたり、コアスケルトン自体もダメージが酷いだろう。
完全に大破している。
まさかここでトールギスが完全に戦線離脱することになるとは……
隣で俺の様子を見ていたミカが、静かに俺の袖を引いた。
「……シキ、後は任せて」
「ごめん……頼む」
「うん」
ミカは力強く頷くと、アマゾネスを駆らせて戦線へと復帰した。
アミ、カズ、そして謎のLBXパンドラによる連携が始まる。視覚を失い狂乱するイジテウスの脚部を的確に攻撃しする。
最後の悪あがきとばかりにアキレスのいる上空へ向けて周囲のコンテナを投げつけて抵抗するが、カズのハンターが放った渾身のスティンガーミサイルがそれを空中で迎撃・粉砕した。
「バン!今だ!」
アキレスは、コンテナを吊っていた極太のクレーンワイヤーのロック機構を完璧に破壊。
固定を失った数トンもの鉄塊が、重力に従って重機の頭上へと垂直落下した。
激しい音と共にコンテナが重機のエンジン直上に激突。
巨大な鉄の獣が完全に沈黙し、へたり込むように崩れ落ちていくのが見えた。
「はぁ……やっと、終わったぁ……」
「ああ、ホントに長かったな」
「そうだ、パンドラは…………」
俺たちは慌てて周囲を見渡したがどこにもあの白い機体の姿は影も形もなかった。
嵐のように現れ、嵐のように去っていった謎のLBX。一体何者だったのだろうか。
その時、静まり返った倉庫の天井のスピーカーから、不快なハウリング音と共にアナウンスが響き渡った。
『──山野バン──』
「誰だ!?」
『──ここにはもう、山野博士はいない。博士を返してほしければ、次の『アングラビシダス』にして出場し、優勝せよ──』
「アングラビシダス?」
「……噂で聞いたことある、LBXバトルの地下大会のことだ」
アングラビジダス。一般にはどこで行われているか公開されていないどんなことでも許されるルール無用の闇の大会。
バンたちにそれに、出ろというのか。
「おーい、お前たち!」
後ろから急に声が聞こえた振り返ると、そこには檜山さんがいた。
「「「檜山さん!?」」」
「無茶しやがって、こっちだ!脱出するぞ!」
俺たちは檜山さんの誘導に従い、複雑な工場の裏ルートを潜り抜けてエンジェルスターからの脱出に成功した。手配されていた宇崎さんの車の後部座席に滑り込み、街へ向かう車内で、俺たちは宇崎さんから様々な事実を聞かされた。
神谷重工とイノベーターの深い繋がり、政府上層部を巻き込んだ陰謀の規模。
そして、宇崎さんたちが万全の救出作戦を裏で立てていたこと、何より俺たちの安全を最優先に考えて教えなかったという本心を。
怒られるかと思ったが、宇崎さんの言葉には俺たちの身を案じる本物の優しさが溢れていた。
俺とミカは自宅の近くで降ろしてもらった。
ここから少し並んで歩けば、すぐに家が見えてくる。
周囲はすっかり夜の帳が下り、街灯だけがひっそりとアスファルトを照らしていた。
俺には両親がいないからどれだけ遅い時間に帰ろうと補導されない限り問題ないが、ミカの家は大丈夫だろうか。
門限は特に設定されていなかった気もするが、さすがにこんな時間まで娘が帰らないとなれば、心配で警察沙汰になってもおかしくない。
そんな心配をしながら歩いていると、不意に隣を歩くミカが小さな声で呟くように聞いてきた。
「ねえ、シキ。……大丈夫?」
「……ん? 何が?」
「トールギス、のこと……壊れちゃったから……」
少し俯きながら、心配をしてくれているミカの横顔を見て俺は思わずふっと笑みをこぼした。
「大丈夫、最近そろそろ改造しようと思ってたところだったから問題ないよ。ありがとう、心配してくれて」
「…………ならいいんだけど」
ミカは少しホッとしたように息を吐くと、再び前を向いて歩き出す。
「そういえばさ、こんな時間になっちゃったけど家の方は大丈夫なのか? お母さん心配してるんじゃ」
「大丈夫。……だって、今日はシキの家に泊まるから」
「────────────」
一瞬、脳内の処理回路が完全にフリーズした。夜風の音が妙に大きく聞こえる。
「ごめん、俺の聞き間違いかもしれん。もう一回頼む」
「今日、シキの家に泊まるから」
……聞き間違いじゃ、なかった。
「……なんで!?」
「もう夜遅いから」
「ミカのお母さんの確認は!?」
「大丈夫、工場内でメール送っておいた。……いいって」
そう言って、ミカはCCMの画面を俺の目の前に突きつけてきた。
ポップなスタンプ付きの母親からの快諾メッセージ……本当に許可が出ている。
「で、でも、泊まるって言ったって、女の子の着替えとか洗面用具とか、流石にうちにはないぞ」
「大丈夫、持ってきてる」
ミカが自分の肩にかけたバッグをぽんぽんと叩く。
そういえば、今朝登校した時からバックがいつもと違って少し大きいなとは思っていたけど…………そういうことか。
というか、持ってきているということは、潜入作戦を決行する前の朝の段階から最初からそのつもりで準備していたということだ。
完全に外堀を埋められていることに気づいた。
「だから、今日泊まらせてシキ」
足を止め、ミカが少し上目遣いでジッと俺の瞳を覗き込んでくる。
街灯の淡い光に照らされた彼女の瞳が、色っぽく、それでいて少しだけ緊張したように揺れていた。
…………それは、反則じゃないですかね。
「……わかった。もう夜遅いし、仕方がないし…………いいよ」
ミカがガンダムを使うならどれがいい?(これからの物語に影響があるかもしれない)
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ガンダムデスサイサズ
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ガンダムヘビーアームズ
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ガンダムサンドロック
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シェンロンガンダム
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アマゾネスのままでいい