2026/08/12 全体的に大幅な加筆・修正を行い再投稿しました。
(おはようございます────そして、助けてくれ)
心の中でそう叫んだところで、俺達以外の住人がいないこの家に救世主が現れるはずもなかった。
恐る恐る視線を落とすと、そこには俺の右腕を抱き枕代わりにし、気持ちよさそうに寝息を立てているミカの姿があった。
「…………」
はは………………一体どうしてこうなった。
寝起きの頭で必死に昨夜のことを思い返す。
……昨夜、お風呂上がりの彼女にベッドへ引きずり込まれ、抗う間もなくそのまま一緒に寝落ちしてしまった記憶が鮮明に蘇る。
とりあえず、一刻も早くこの状況から脱出しよう。
このまま放置すれば誤解されかねない。
「んぅ……」
絡みつく腕からそっと腕を抜こうとした瞬間、さらにギチギチと腕の強められた。
────そして、さらに押し付けられる。
パジャマの薄い生地越しに、ダイレクトかつ鮮明に右腕へ伝わる、圧倒的に柔らかい感触。
大事なことなので何度でも脳内で復唱しよう。
ミカは着痩しているだけで、実は……………………結構ある。
同年代の女子と比べても、その、発育の良さは完全に規格外だと…………思う。
おまけに、絡めた足を絶対に離すまいとさらに締め上げ、文字通り体全体を俺に押し付けてくる。
腕だけだったはずの柔らかい感触が、今や全身の体全体に押し寄せてくる。
落ち着け。落ち着くんだ、紅シキ。
ここで理性を失って手を出したら、色々な意味で戻れなくなる。冷静になるんだ。
「ミカ……ミカ」
「んぅ……?……しき?」
俺はとにかく彼女を起こすことに集中した。
肩を何度も揺さぶると、瞼がようやく持ち上がりまだ寝ぼけ眼の瞳が俺を捉えた。
「おはよう、ミカ。えっと、とりあえず……一回、離れよう?」
「……?」
ミカはしばらく、ぼんやりとした顔で自分が今どうなっているかを確認し始めた。
状況を完全に理解した瞬間、ミカの顔がこれまでに見たことがないほど真っ赤に染まった。
「あ、えっ……な、なんで、一緒、にっ!?//」
弾かれたように腕と足のホールドを解除し、ベッドの上に飛び起きるミカ。
「とりあえず落ち着いてくれ、順を追って説明するから」
~~少年説明中~~
「……というわけです」
「…………ごめん」
体育座りで膝に顔を埋めたミカが、蚊の鳴くような声で謝罪する。
「いや、謝らなくていいよ。寝ぼけてたんだろうしね、うん」
「…………」
「…………」
気まずい! 部屋の空気が一瞬で冷え込んだ気がする。
「えっと、顔を洗って朝ごはんにしよう。俺、準備してくるから」
「……うん」
限界を迎えた俺は、逃げるように自室を飛び出した。
階段を降りてる途中、昨夜のことと、右腕に残ったあの感触が頭をよぎった。
普段見ることのないミカの姿が脳裏に焼き付いている。
「……やっぱ、少し暑いかも」
シキが部屋を出て行き、バタンとドアが閉まる。
静まり返った部屋に、私一人だけが取り残された。
「————ッ、~~~~~~!!!」
恥ずかしい。恥ずかしい。
寝ぼけていたとはいえ、あんなに思いっきりシキに抱き着いて……身体をあんなに密着させてただなんて!
耳の先まで、顔も、首筋も、全身が火傷しそうなくらい熱い。
ドクドクと不規則に脈打つ心臓の音が、静かな部屋の中でうるさいくらいに響いている。
「……しばらくはリビングにいけないかも」
私は枕に顔を全力で押し付け、ただジタバタと足をバタつかせることしかできなかった。
その後、ぎこちないながらも朝食を済ませて、普段通りに一緒に登校した。
教室に入ると、すでにリュウ、バン、アミの3人が何やら神妙な面持ちで話し込んでいた。
「おはよう何の話してんの?」
「おはよう」
「おはようシキ」
「今日、このクラスに転校性が来るらしいぜ!」
「転校生?」
1学期もそれなりに過ぎた時期だ。
妙なタイミングだな、と首を傾げる。
「リュウがさっき先生たちが話しているとこ聞いたんだって」
「へー」
その時、予鈴のチャイムが鳴り響き、担任の先生が教室に入ってきた。
「はい、みんな席について~」
「先生!今日って転校生が来るんですよね?」
リュウが我慢できずに席から身を乗り出す。
先生は呆れたようにため息をついた。
「どうしてそれを知っているの? リュウくん」
「だって、さっき教頭先生と……」
「盗み聞き、してたのね」
「あ……いや、だから、その……」
見事に指摘され、リュウはバツが悪そうにタジタジとなって席に沈んだ。
「まぁ、いいわ。リュウくんの言う通り今日、このクラスに転校生が来ます。ただちょっと遅れてる見たいで……」
先生がそう言いかけた、その瞬間だった。
突如として、鼓膜を鋭く引き裂くような凄まじい大気が震える轟音が響き渡った。
「何!?なんなの、この音!?」
「なんだなんなんだ!?アミちゃん、こえーよ〜!」
「海だ!海の方から何かが近づいてくる!」
窓ガラスがガタガタと激しく激震し、教室全体が地震のように揺れる。
爆音のする方へ全員が一斉に目を向けると、信じられない光景が視界に飛び込んできた。
超低空で飛行する猛烈な速度でこの学校の校舎へ向かって一直線に突っ込んできているのだ。
「あ、あそこ!こっちへ来る!」
「ひぇー、ぶつかるぅ!」
クラス中がパニックに陥り、悲鳴が上がる。
だが、その戦闘機は校舎の激突寸前で信じられない急制動で機体を滑らかに横滑りさせ、コックピットをちょうど俺たちの教室の窓際にピタリと寄せた。
空気が抜ける音と共に後部座席が開き、そこから黒と白の髪を持つ少年が姿を現した。
彼は窓枠を軽々と飛び越え、室内へ。
その際、一瞬だけバンを睨み付けるようにつけるような視線を向けたが、すぐに表情を消して先生の前に立った。
「遅れてすいませんでした」
「へ〜、海道ジンっていうのか、あの転校生……」
放課後。俺たちは教室に残り、机を囲んであの転校生について話していた。
「それにしても、クールっていうか、ちょっと変わってるのよね。先生が自己紹介しろって言っても『別に話すことはありません』だもん。先生も完全に困っちゃってたじゃない」
「……無愛想」
ミカがぽつりと、ジンの態度を切り捨てるように呟く。
(……ミカも、俺以外の他人に対しては大概同じくらい無愛想な気がするけどな……)
と思ったが、ここでそれを口にするのは野暮というもの。静かに心の中にしまっておいた。
他にも誰かがLBXをやるのか聞いていたりしたが、完全に無視。
どこか、海道ジンは他者を一切寄せ付けない空気がある。
「ま、転校してきたばかりだし。そういう奴もいるさ。それよりもさ今日の放課後は……」
「分かってるって、ブルーキャッツよね。アングラビシダスの事を聞かないといけないもんね」
「ああ、行こう」
俺たちは荷物をまとめてブルーキャッツへと向かった。
道中、バンが俺の顔を覗き込んでくる。
「シキはアングラビシダスに参加するのか?」
「いや、俺は参加しないかな。トールギスの修理が終わってなくてさ」
「……ごめん」
バンが申し訳なさそうに眉を下げる。
「謝るなって。バンのせいじゃないし、元々トールギスもスペックの限界を感じてたから、いいキッカケになったんだよ。終わったらまたバトルしよう」
「……ああ!」
「ミカは?アングラビジダス出るの?」
「シキが出ないなら、私は出ない」
「そ、そう……」
そんな会話を交わしているうちに、ブルーキャッツに到着した。
「来たか」
「こんにちは、檜山さん」
カウンターの奥から檜山さん、そして宇崎さんが出迎えてくれる。
バンは席につくや否や本題を切り出した。
檜山さんは静かに頷き、語り始めた。
「アングラビシダス。第一次LBXブームの頃、A国の裏路地で開催されていたものが始まりとされ、やがてそれが世界中に広まり、今や世界中でその名を冠した大会が開かれている、ルール無用の闇のLBX大会だ」
「ルール無用……」
「大会のレギュレーションは、基本的にはアンリミテッドレギュレーションで行われる。機体や武器の改造に制限はなく、戦闘方法も同様。まさにルール無用だ」
檜山さんは一拍置き、バンの目を真っ直ぐに見据えてさらに言葉を続けた。
「当然、参加する連中は情け容赦のない強者ばかり。まさに、生きるか死ぬかの戦いだ」
「生きるか死ぬか……」
「想像以上に過酷そうね……」
「しかも、次のアングラビシダスはちょっと特別でな」
「特別?」
「お前達、『アルテミス』は知っているな?」
「俺達だってそれ位は知ってるぜ。というか、LBXをやってる奴で、知らない奴の方が少ないだろ」
「LBX世界一のプレイヤーを決める大会でしょ。LBXプレイヤーなら誰もが憧れる夢の舞台」
「確か、今年の開催地はお台場ビッグスタジアムだよね」
そう、LBX世界大会アルテミス。
2048年の第一回大会から数えて、今年で三回目を迎える世界中のプレイヤーの憧れの頂点だ。
「実はな、次のアングラビシダスに優勝した者には、アルテミスへの特別出場枠が与えられる」
「「「えぇっ!?」」」
その事実を知り、バン、アミ、カズの3人が驚愕の声をあげる。
まあ俺は知ってたんだけど。
本来なら俺はその枠を獲ようとおもっていたが、少し事情が変わってしまった。
「つまり、その特別出場枠を狙って、次のアングラビシダスでは、いつも以上に激しいバトルが行われる」
「おそらく、イノベーターが山野博士の解放条件にアングラビシダスを指定したのは、バンを参加させて、アキレスをバトルの最中に破壊しプラチナカプセルを奪う狙いだろう。その為に、連中が刺客を送り込んでくることは、十分に考えられる」
「罠の可能性があるのか」
俺の指摘に、宇崎さんは重々しく頷いた。
俺もその可能性があるだろうとずっと思っていた。
でなければ、わざわざ解放条件にアングラビシダスを指定しないはず。
「……バン、それでも参加するか?」
「もちろん参加します!ヤツらが挑んで来るなら、俺は受けて立ちます!」
「優勝しても、ヤツらが山野博士を解放するとは限らないぞ」
「それでも、何か手がかりは掴めるかもしれません」
「私たちも参加するわ」
「そんな危ない大会にバンだけで行かせるわけにはいかないからな」
「カズ……アミ……」
「そっちの二人はどうする?」
檜山さんが、俺とミカに視線を向ける。
参加しないことを伝えた。
「……分かった、出場登録はこちらでやっておく。次のアングラビシダスの開催は1週間だ」
「なら、早速キタジマに行って特訓しないとね!」
「あぁ、むざむざLBXを破壊されにいくわけにはいかねぇからな」
「あぁ、そうだな!」
「特訓には俺たちも手伝うから、な」
「うん」
時間が限られていることを知り、バンたちは一気に闘志を燃え上がらせる。
しかし、そんな俺らに檜山さんは不敵な笑みを漏らした。
「ならその前に、アングラビシダスの会場を見ておくといいだろう」
「え? 見られるんですか!? 何処なんです!?」
期待に胸を膨らませるバン。
宇崎さんが無言で立ち上がり、店の奥にある重厚な鉄の扉を指差した。
「さぁ、行くぞ」
「拓也さん、どういう事?」
「アングラビシダスはこの店の地下で開催されるんだ」
まさか自分たちが集まっているこの喫茶店の真下で開催されていようとは。
俺たちは宇崎さんの後に続いて、扉の先にある薄暗く長いコンクリートの階段を下りていった。
「さぁ、着いたぞ。ここが、アングラビシダスの会場だ」
「っ! こ、これって……」
「すげぇ、地下にこんな場所があったなんて」
「驚きね」
階段を降りきった先、視界が開けた瞬間、俺たちの肌に狂気とも言える熱気が叩きつけられた。
そこには複数の巨大なモニターが設置され、現在進行形で激しいLBXバトルが映し出されている。
周囲を囲む観客席からは、怒号に近い歓声とギャラリーたちの熱狂的な叫びが響き渡っていた。
「大会がない時は、こうやって、自由にバトルが出来るように開放しているんだ」
宇崎さんの説明を聞きながら、俺は中央のメインステージへと視線を向けた。
そして、そこに設置されたDキューブの前に立つ人物の姿を認めて、目を見開いた。
「海道ジン……!」
「嘘、LBXには興味なさそうにしてたのに」
ステージの中心でCCMを構えていたのは、昼間に戦闘機で派手に転校してきたあの海道ジンだった。しかも、彼の対面には3人のプレイヤーが並んでいる。
3対1の完全な変則マッチだ。
「すげぇ、三対一なのに互角に渡り合ってる」
「あぁ」
相敵の3機は連携の取れた猛攻を仕掛けていた。
リーダー機は青い戦士を彷彿とさせる外観のLBX『ズール』。
あとの2機は、ウォーリアーやムシャなどの強力なパーツを歪に組み替えた、完全なバトル仕様のカスタマイズ機だ。
対する海道ジンが操るLBXは──深紫の禍々しい装甲に頭部には王冠のような意匠を持つ皇帝のようなLBX。
「よし、囲んだぞ!」
「へ! 三対一でバトルするなんて粋がるから、こんな事になるんだよ」
「トドメだ!」
3機の包囲網が海道ジンのLBXを壁際へと追い詰めた。
誰もが、数の暴力の前に海道ジンが敗北すると確信しただろう。
刹那。海道ジンのLBXは手にした巨大なハンマーを地面に突き刺し、その反動を利用し、棒高跳びの要領で3機の頭上へと垂直跳躍。
包囲網を紙一重で、飛び越えてみせたのだ。
着地と同時に、攻勢に転じハンマーによる重く鋭い一閃をくり出す。
次の瞬間。反応が遅れた三機は一撃を受けて、無残に爆散するのであった。
「24秒17……」
勝敗が決まると、海道ジンは画面のタイマーを確認し、CCMをポケットにしまった。
「あんな状況から逆転するなんて、すげぇ奴だな……」
「いや、違う。あいつは、初めから三機同時に撃破するつもりだったんだ」
バンの言葉に、俺は同意するように頷いた。
「まさか、嘘だろ」
「バンの言う通りだ。3機を一気に仕留めるために、あえて壁際に自分を追い込ませたんだ。最初から全て計算通りだったんだろう」
圧倒的な実力の差を見せつけられ、バンたちは冷や汗を流しながらステージを無言で去っていくジンの背中を見送ることしかできなかった。
一体何者なんだ………………海道ジン。
ミカがガンダムを使うならどれがいい?(これからの物語に影響があるかもしれない)
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ガンダムデスサイサズ
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ガンダムヘビーアームズ
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ガンダムサンドロック
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シェンロンガンダム
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アマゾネスのままでいい