ダンボール戦機白き翼   作:izuki

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第十九話 アングラビシダス開幕

 迎えたアングラビシダス当日。

 会場となる地下闘技場に足を運んだバン達が目にしたのは、開会式を今か今かと待ち望んでいる大勢のギャラリー達でごった返した地下闘技場の光景であった。

 ギャラリー達の多くはまるで世紀末の住人を彷彿とさせる格好の者が多く見られる。

 

「カズ、随分と緊張してるわね」

「そりゃそうだぜ…こんなにもたくさんの人がいたら、緊張の一つや二つはするさ…」

 

 ギャラリーや他の出場プレイヤーに混じり、開会式を待つバン達。

 そんなとき急に入り口付近が少し騒がしくなっていることに気付いた。

 

「なんだ?」

「なにか、あったのかな?」

「行ってみよう」

 

 入り口付近に行くとそこには仮面を付けた一人の人物がいた。

 

「っえ!ゼロ!」

「本物!?」

「……なんでこんなところに?」

 

 バン達が疑問を抱く中ゼロはバン達の方を見るとそのまま向かってきた。

 

「君達もこの大会に出場するのかな?」

「あ、ああ」

「……なるほど、面白い大会になりそうだ」

「あんたもこの大会に出場するのか?」

「いや、私は観戦者さ。この大会は面白いことになりそうだからな」

 

 バン達が質問するなかミカは先ほどからじっとゼロを見ている。

 

「……ねぇ、どこかで私と会ったことない?」

「………急に喋ったかと思えばいきなりなんだね、私と君は初対面だと思うが」

「…そう」

「おっとそろそろ開会の時間だな。それでは頑張りたまえ。山野バン君」

 

 そう言うと奥の方へと行ってしまった。

 

「まさか、ゼロに会えるなんてな…」

「ああ」

「それにしても急にどうしたのミカ?会ったことはないか?なんて」

「……初めて会った感じがしなかったから」

「ふーん」

「ああ!あの時のこと聞くの忘れてた!」

 

 あの時と言うのは郷田からアキレスを取り返すときに破壊されそうになったウォーリアーをウイングガンダムが助けてくれた時のことである。

 

「この会場にはいるんだし後で聞きに行こうぜ」

 

 そんなこんなで開会の時間になると突然会場の灯りが消えて地下闘技場内も静寂に包まれる。

 刹那、地下闘技場の中央目掛けて、スポットライトが当てられる。

 そこには、一人の男性の姿があった。

 

「諸君、アングラビシダスにようこそ。俺の名はレックス。この大会を俺の名のもとに開く事、光栄に思え」

 

 スポットライトに照らされた、レックスと名乗った男性は伏せていた顔を上げ、その素顔を晒した。

 

「えぇ!?」

「あの人は!」

「檜山さん!?」

「伝説のLBXプレイヤー、レックスって、檜山さんだったのか!」

「でも、檜山さんの時と雰囲気が違うわね……」

 

 その素顔を目にした瞬間、バン・カズ・アミ・ミカの四人は目を見開いた。

 格好こそ違うものの、その顔は紛れもなく、三人もよく知る檜山その人であった。

 

「アングラビシダスは破壊の祭典、ルールが無いのがルール! バトルはアンリミテッドレギュレーションのみで行われる! 尚且つ、今回の大会で優勝した者には、LBX世界大会アルテミスへの出場権を与えてやる! 最強のLBXプレイヤーを目指し、存分に腕を振るい、ぶっ壊してやれ!!」

 

 刹那、それまでの静寂が一変、地下闘技場内の熱気が最高潮に達する。

 

「凄い熱気だ……」

「バン、雰囲気に吞まれちゃ駄目だ。この中に、イノベーターの刺客がいるんだからな」

「あ、あぁ」

「でも、皆怪しく見えちゃうわね」

 

 アングラビシダスだけであって、ほとんどの観客や参加者の格好は奇抜なものである。

 そのため誰がイノベーターの刺客なのか見分けもつかない。

 

「アミちゃん!出るんだよね?頑張ってくれよ!!」

「ひゃ…っ!?誰…ってなんだ…リュウか…」

「今日はアミちゃんだけを応援しに来たぜ!バンとカズは適当にやってていいから」

 

 後ろを振り返るとそこにいたのはリュウ。

 一体何処から情報を得たのかは分からないが、どうやらバン達…………いやアミの応援に駆けつけたようだ。

 

「では発表する…運命の対戦カードは、これだ!!」

 

 レックスにより対戦表が発表された。

 各出場プレイヤーがAグループとBグループ、二つのグループに分かれてトーナメント戦を勝ち抜いていく大会。

 バンはAグループに振り分けられ、同じグループには仙道の名前もある。

 カズ・アミの2人はBグループに振り分けられ、同じグループにはジンの名前もあった。

 

「俺の…対戦相手は…?」

「お前かぁ?山野バン…ってのはよぉ?」

 

 

 ゼロは観戦エリアから少し離れたところの壁にもたれかかっていた。

 なぜゼロことシキがこの大会にゼロとして来ているかと言うと、たまにはこうしてゼロとして観戦に来るのもありかなと思い来てみただけである。

 要は思いつきだ。

 バン達にバレてしまうかもしれないと言う危険性はあったがこの仮面とチョーカーで誤魔化せたため問題は、ないだろう。

 

(まぁ、ミカが聞いてきた時は少しヒヤッとしたが……)

 

 バレてはいなさそうだから問題ない。

 

(バンと仙道ダイキはAブロックか)

 

 Bブロックはカズ、アミ、海道ジンか……あの二人なら勝ち上がるだろう。

 その場合最初に当たるのはカズ、その次はアミだろう。

 そして今から行われるAブロックの第一試合。

 バンの初戦の対戦相手はガトー。

 別名首狩りガトー。

 バトルの最後に相手のLBXの首を切り落とす派手なパフォーマンスがアングラビシダスではかなり人気らしい。

 確かバンがもらっていた情報では使うLBXはブルド改、アックスやバズーカで戦うらしい。

 さて、バンはそんな相手にどんな戦いをするのか……

 

「お手並み拝見といこう」

 

 Aブロックの試合が開始された。

 アキレスの装備はスクウェアガードとブロードソード、それに対しガトーが操るブルド改の武器はマシンランチャーとブルドアックス。

 スクウェアガードはランチャー系の実弾武器に強くさらにブロードソードはアキレスに搭載しているシグマDX9との相性も良く攻撃の隙を少なくすることが出来るだろう。

 バトルが始まり序盤はブルド改による攻撃にアキレスは防戦一方となっていたが、アキレスの反撃によりバトルの主導権を握ったかに思えた。

 しかしガトーのスタングレネード攻撃、更にはグレートアックスに仕込んだ火薬のダメージを受けてしまう。

 

(これがアングラビシダス……ルール無用の大会か)

 

 スタン状態のアキレスはブルド改の攻撃をまともに受け右腕を切り落とされピンチに陥る。

 

「さて、どうするかな?」

 

 ブルド改はブルドアックスを手放し、先程投げ捨てたマシンランチャーを拾い上た。

 アキレスに向かってロケット弾を放つがそれを難なく避けロケット弾が発射される寸前にスクウェアガードで銃口を塞ぎ、マシンランチャーが暴発してブルドは大きくダメージを受けた。

 そこにアキレスは 《アタックファンクション》《ソードサイクロン》による連撃を叩き込みブルド改はブレイクオーバー。

 見事初戦を勝利で飾った。

 この後本来なら2回戦があるはずだったが二回戦の相手となる筈の試合で、両プレイヤーが共倒れした為、二回戦は不戦勝となった。

 

(少し危なかったな)

 

 アングラビジダスに、というより大会自体にバンは今回初めて参加する。

 それにより緊張があったんだろうが……まあ最後には元の調子に戻ってはいたから問題はないか。

 だが、これによりアキレスの右腕は壊されてしまった。

 今から修理して間に合うわけがない。

 困っているバン達に郷田と3人衆が現れた。

 会話は聞こえないが見た感じ大丈夫そうだ。

 

(さて、次はBブロックか目玉は秒殺の皇帝、海道ジンだな)

 

 さて、次はどんな試合になるのかな。

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