2026/08/12 全体的に大幅な加筆・修正を行い再投稿しました。
威圧感を放ち、フィールドに君臨する白を基調としたトリコロールのLBX、ウイングガンダム。
世界大会アルテミスを制覇した、伝説のLBX。
その右腕に握られたバスターライフルの銃口が、ハカイオーを真っ直ぐに捉えていた。
「ハッ、やろうってのか! 面白れえ……!」
ハカイオーがヘビーソードを構え、猛然と突進してくる。
対するウイングガンダムは、ハカイオー目掛けて向けたバスターライフルの引き金を引いた。
「ッ!!」
放たれたのは、細い銃身からは想像もつかない大口径のビーム砲。
迫り来る光の奔流に対し、郷田は瞬時にヘビーソードを盾代わりに構えて直撃を防ぐ。しかし──
「チッ、なんて威力だ! ハカイオーが押し負けるだと!?」
凄まじいエネルギーの奔流に衝撃にパワー自慢のハカイオーの脚部が悲鳴を上げ、後方へ大きく後ずさっていく。
ビームの超高熱をまともに浴びたヘビーソードの半ばまでどろりと焼け焦げ、無惨に溶解していた。
ウイングガンダムは間髪入れずに二発目を放つが、郷田はこれを回避。
そのまま一気に肉薄し、溶解したヘビーソードを渾身の力で振り下ろした。
「危ない!」
バンの叫びが響く。
だが、ウイングガンダムは微動だにせず、左腕のシールドでその一撃を難なく受け止めた。
そればかりか、ハカイオーの巨体を正面から強引に押し返し、吹き飛ばしてみせた。
「バカな!? パワー勝負でハカイオーが競り負けるなんて……!」
「なんてパワーなの……」
押し返し、よろけてできた隙に、ウイングガンダムは流れるような動作でライフルを腰部へとマウント。
同時にシールドの中央を折るように中折れさせ、内部に格納されていたビームサーベルを取り出し、右手に握り絞った。
緑色の光刃が鮮烈に展開する。
直後、脚部スラスターとウイングユニットを駆使して急速に接近し一瞬でハカイオーの懐へと滑り込んだ。
閃光が奔る。
ハカイオーは咄嗟にヘビーソードで受け止めようとしたが、超高出力の光刃はその大剣を半ばからバターのように容易く切断した。
「くっ……!」
驚愕に目を見開く郷田の視界の中で、ウイングガンダムの追撃が容赦なく繰り出される。
戻りの一閃がハカイオーの胸部装甲を切り裂き、内蔵された砲門を斜めに一刀両断。
仕上げと言わんばかりに、鋭い前蹴りがハカイオーの腹部へと叩き込まれた。
蹴り飛ばされ、吹き飛ぶハカイオー。その胸部から黒煙と火花が激しく噴き出す。
「なぁんだとぉっ!?」
「すごい……ハカイオーを、一方的に……」
圧倒的な機体性能を見せつけられ、静まり返る。
その時、バンの手元でCCMが小気味よい電子音を鳴らした。
突然のメール着信。
この状況で誰からだと、バンは戸惑いながらもメールを開く。
…………………………………………………………
『あとは、君が戦え』
ゼロ。
…………………………………………………………
「ゼロ……!? 去年のアルテミス優勝者から……!?」
ゼロ、去年のアルテミスの優勝者でウイングガンダムのLBXプレイヤー。
バンが息を呑んで顔を上げると、フィールド上のウイングガンダムが静かにその頭部を動かし、バンのアキレスを見つめていた。
まるで、『お前の力を見せてみろ』と無言で促すかのように。
「──よし、俺たちもやるぞアミ!」
「ええ!」
バンの言葉に応じ、アキレスとクノイチが再び武器を構え直す。
ハカイオーの前に立ち塞がっていたウイングガンダムはそれを見届けると、後方へ跳躍して間合いを譲った。
「くぅっ……! ガオーキャノンを潰されたぐらいで、この俺様が……負けるかぁ!」
折られたヘビーソードを握りなおし、アキレスとクノイチの前に立つ。
「舐めた真似を……! 許さねぇ……! そのコアスケルトンも、アーマーフレームも全部、ぶっ壊してやるぜ!!」
「俺達は……俺のアキレスは、絶対に負けない!」
突進するハカイオーに対し、アキレスとクノイチが迎え撃つ。
そこからは一進一退の激しい攻防が繰り広げられた。
ガオーキャノンを潰され、武器が折れたとはいえ、ハカイオーの圧倒的なパワーと郷田の操作技術は健在だ。
一瞬の油断も許されない。
「うおおおぉぉぉッ!」
バンの雄叫びと共に、アキレスの盾がハカイオーのへビーソードをはじき上げる。
ガラ空きになったハカイオーの懐へ、アキレスが一歩を踏み込んだ。
「貫けぇぇぇーーっ!!」
アキレスの槍が、ハカイオーの胸の亀裂へと深く突き刺さる。
直後、ハカイオーの全身に眩い光の粒子が収束し、一気に弾けた。
ブレイクオーバー。
ハカイオーが起動停止した。
「勝った……やったぁぁぁ!」
「バカな……ハカイオーがやられただと……」
「信じられねえぜ……」
「まさか、リーダーが負けるなんて……」
静まり返る三人衆。郷田は悔しそうに一度天を仰ぎ、それからフッと小さく首を振った。
「……俺の負けだ。約束通りそいつは、お前のもんだ」
「やったわね、バン!」
「ああ!」
「リーダー!いいのかい?あっさり引き下がってさ……」
不満を漏らす部下に対し、郷田は不敵に笑って見せる。
「約束は、約束だ。それを曲げたら男がすたる」
「郷田……」
「……縁があったら、また会おうぜ」
「さあ~て、レックスに頭下げに行くとするか!行くぞ!」
郷田はそう言い残すと、足早に壁の崩落跡から去っていった。
三人衆も慌ててその後を追っていく。
「……良かったな、バン」
バンの背後から、ボロボロになったウォーリアの機体を拾い上げポケットに押し込むカズの姿があった。
その寂しげな背中に、バンとアミは一気に申し訳なさが込み上げる。
「カズ……ごめん」
「気にすんな、壊されたわけじゃねえんだし。それに俺は、自分でバトルに加わったんだ…………気にするなって」
カズはぶっきらぼうにそう告げると、足早に部屋を立ち去ってしまった。
バンがふと視線をフィールドの端へと向けると、そこではウイングガンダムが再び鳥のような形態へと変形し、今まさに飛び立とうとしているところだった。
「待ってくれ!」
バンの制止の声が届くはずもなく、飛び去って行ってしまった。
「ふぅ……何とかなったな」
バンたちの勝利を見届けた俺は、学校から少し離れた路地裏でウイングガンダムを回収し、バン達が出てくる前に学校から離れた。
あそこで鉢合わせにでもなれば色々と面倒な言い訳を強いられることになる。
「けど、ちょっと出しゃばりすぎたかな……」
歩きながら、ぽつりと反省が口を突く。
状況が状況だったとはいえ、バンとアキレスの初バトルだったのに。
だが、あのまま放置していればカズのウォーリアは確実に破壊されていた。
それに結果的に、バンたちが勝つことが出来たのだから良しとしよう。
だけど、ゼロの名義でメールを送るのはやりすぎだったかなあ……
その場で足を止め、大きく背伸びをする。
ふと、視界に飛び込んできた夕日が、やけに目に眩しかった。
「……ん? 夕日? って、いま何時だっけ」
嫌な予感がして、慌ててCCMの時計を表示させる。画面に映し出された数字は──16:40。
「やっば!!! もうこんな時間かよ! 急がないと窓口が閉まる……っ!」
俺は心臓が跳ね上がるのを感じながら、全力で走り出した。
頼む、間に合ってくれ……!
あの後、文字通り死に物狂いで走ったおかげで何とか閉鎖5分前に滑り込み、無事に窓口で手続きを終えて荷物を受け取ることができた。
すっかり夜の帳が下りた自室。
机の上に、苦労して持ち帰った重たい段ボール箱を置く。
箱を開けると、中には厳重に梱包された特殊合金や、精密なコンデンサパーツなどがぎっしりと詰まっていた。
「よし、材料の欠品はなし。機材の準備もオッケーだな」
LBX制作は、大まかなパーツなどは自前の3Ⅾプリンターや、専用の機械で作れるが、細部はすべて自分の手で行う。
そのため、一機を組み上げるのにはそれなりの時間を要する。
今回作るのは、先日ようやく詳細な設計図が完成した、機体で今から制作を開始して、多分4日くらいかかるだろう。
そこからテスト稼働とプログラムの微調整を含めれば、一週間近くはかかるだろう。
「さて、始めるか」
工具を握り、メインディスプレイの3Dモデルを起動する。
画面の中で、漆黒の装甲を纏った不気味かつ美しい機体が静かに回転を始めた。
「さて、始めるか。《XXXG-01D》──『ガンダムデスサイズ』。製作開始」
ミカがガンダムを使うならどれがいい?(これからの物語に影響があるかもしれない)
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アマゾネスのままでいい