2026/08/12 全体的に大幅な加筆・修正を行い再投稿しました。
「おはよー」
翌朝、ドアを開けて家を出た俺は、盛大なあくびと共に挨拶を絞り出した。
昨夜はまたいつものように徹夜で作業に没頭してしまったのだ。
おかげで強烈な眠気が脳を支配している。
つまり、めっっちゃ眠い。
「おはよう、シキ。……また徹夜したの? ほどほどにね」
「うん……気を付ける……」
隣を歩くミカの呆れ顔に生返事を返しながら、俺たちはいつも通り登校して教室に入って自分たちの席へと向かった。
「バン、おはよ~」
「おはよう。シキ」
「おはよう」
鞄を机に置いて、バンの席に行く。
机の上には、バンの手元へと取り返されたアキレスの姿があった。
「おっ、バン。アキレス、無事に取り返せたんだな。よかったじゃん」
「よかったね、バン」
「ああ!」
「そうなのよ! それでね、聞いてよシキ、ミカ。昨日本当にいろいろあったんだから!」
アミが身を乗り出して、昨日のスラムでのことを話し始めた。
放課後すぐに小木先輩を問い詰めてスラムへ向かったこと。
三人衆とのバトルで勝利したものの、リュウのブルドが破壊されてしまったこと。
カズが危険を顧みずに加勢にきてくれたこと。
そして──郷田との三対一のアンリミテッドバトルの最中、絶体絶命のカズのウォーリアを突如乱入したウイングガンダムが救い出したこと。
「へえ、そんなことがあったんだな」
だいたい予想はついていたし、最後のウイングガンダムのくだりは、他ならぬ俺自身が操作していたから全部知っているんだけど。
「それにしても、なんで助けてくれたんだろうね、ウイングガンダム」
「分からない……それに郷田の『守っていた』って言うのも、何から守ってたのか検討もつかないし……」
バンの疑問は尤もだ。
郷田がただの不良プレイヤーではなく、背後に何かがある可能性は高い。
「まあ、今ここで考えても始まらないよ。それより今日の放課後、キタジマに行くか?」
「ああ!もちろんカズもあとで誘ってみるよ」
放課後。
俺たち4人がキタジマへ向かうために教室を出て廊下を歩いていると、ちょうど向こうから一人で歩いてくるカズの姿を見つけた。
「あ、カズ。今からキタジマに行くんだけど一緒に行かない?」
バンが声をかけると、カズはぴたりと足を止めてわずかに視線を泳がせた後、酷く沈んだ声で首を振った。
「……今日は、やめとくわ。ワリィな、バン。……それにウォーリアのメンテもまだ終わってねえし」
カズはそれだけぶっきらぼうに告げると、俺たちの横をすり抜けて早足で去っていった。
その背中を見送りながら、俺は小さく息を吐く。
パワー特化のハカイオーの攻撃を直撃で喰らったんだ。パーツの歪みや内部回路が壊れていてもおかしくない。
メンテは時間がかかるものだ。それもダメージがひどかったりすれば、1日以上かかることだってある。
「今は一人にしてやろう」
「うん……」
その後、俺たちは4人でキタジマ模型店へと向かい、店長と沙希さんに昨日の出来事とカズの様子について相談していた。
「そうか……カズのウォーリアがねぇ……」
「学校でもすごく元気がなさそうで、ショックだったのかなウォーリアのこと……」
「俺のために無茶してくれたんだ。俺もちょっと、責任を感じるよ……」
バンが申し訳なさそうに俯く。
「大丈夫だって、バン。ウォーリアが完全に破壊されたわけじゃないんだから、根気よく整備していけばそのうち直るよ」
俺は店の隅にある作業机で、ブロウラーフレームのLBX『グラディエーター』の関節を弄りながら声をかけた。
「でも!」
「まあまあ、バン。シキの言う通りだよ。カズなら必ず立ち直る」
「そういえばシキ、さっきからいじってるそれ、グラディエーターよね?どうしたの、それ」
アミが不思議そうに覗き込んでくる。
無理もない、俺がトールギス以外の既存市販機をメンテナンスしている姿なんて、ミカのアマゾネスくらいしか見たことがないはずだ。
「ん〜、ちょっとね。さっき店長から頼まれてさ」
「店長、シキ何頼んだの?」
隣で静かに聞いていたミカが、珍しく興味を示して訊ねてきた。
あまりストライダーフレーム以外のLBXに興味を示さない彼女にしては珍しい。
「ん~ちょっとな、あとからのお楽しみだ」
店長がいたずらっぽく笑いながら言葉を濁す。
まぁ、これの用途に関しては、俺の口からはまだ言えない。
「あ、そうだバン。もしよかったら、そのアキレスを少し貸してくれないか? まだ近くでじっくり見たことがなかったし」
「私も、見たい」
「うん、いいよ!」
バンから手渡されたアキレスを受け取り、アーマーフレームをよく観察する。
────こうして見ると、よくわかる。
このLBXの完成度は異常だ、フレームの完成度が俺の知る限りこれまでのタイニーオービット製の量産機とは次元が違いすぎる。
素晴らしい設計だ、ここまで精密なLBXは今まで見たことがない。
「それに、このコアスケルトン……」
コアスケルトン『AX-00』の性能もとてつもないモノだ。
聞いた話では、相手の攻撃を難なく躱すほど高い機動力を持ち、アーマーフレームを装着した相手のLBXを両断したという。
その性能は一般流通品のそれを遥かに凌ぐ。
そして、その性能はアーマーフレームであるアキレスを装着してから、さらに際立っているように見えた。
まるで、アキレスはこのAX-00という規格外のコアスケルトンのために、最初から造られたかのような──
「バ、バ~~~ン!!!」
俺が思考の沼に沈みかけた、その時だった。
キタジマのドアが、壊れんばかりの勢いで跳ね上がった。
飛び込んできたのはリュウだった。顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにし、バンの胸ぐらにすがりつく。
「リュウ!? 一体どうしたんだよ!?」
「俺のブルドが……俺のブルドが、またバラバラに壊されちまったんだよぉぉ! 河川敷になんか、行くんじゃなかったあぁ!」
「ちょっと、リュウ落ち着いて! 一体誰にやられたのよ!?」
アミが問い詰めると、リュウはヒックと喉を鳴らし、怯える目でその名を口にした。
「カ、カズだ……! カズのLBXにやられた!」
「っ!?」
「「ええっ!」」
店内が一瞬、静まり返る。
カズが、リュウのLBXを容赦なく破壊した……?
一瞬、リュウが嘘をついているのかとも思ったが、彼にそんな悪趣味な嘘をつく動機もなければ、そもそもそんな器用な真似ができる性格じゃないことは、よく知っている。
じゃあ、本当にカズがやったのか?
あの、カズが?
俺が深く眉をひそめた瞬間、バンとアミが弾かれたように叫んだ。
「カズがそんなことするはずがない……! アミ、河川敷に行ってみよう!」
「ええ!」
「俺も行く。店長、調整は大体終わったんで、仕上げはお願いします」
「おう、後は任せといて行ってこい」
俺たちは急いで店を飛び出し、河川敷へと向かった。
気づけば、ミカもしれっと俺の隣にぴったりと並んで走っている。
走る道すがら、ミカが風を切る声に交じって鋭く訊ねてきた。
「ねえ、なんでカズは人のLBXを壊すなんてしたのかな」
「わからない、カズに何か事情があったのかもしれないし。その時の状況も俺たちは知らないんだ。会って確かめるしかない」
河川敷へと到着し、コンクリートの長い階段を駆け下りると、そこにカズがぽつんと佇んでいた。
「カズ!」
バンの叫び声に、カズはゆっくりと振り返る。
…………なんだか、少し様子がおかしい気がする。
「カズ、リュウのブルドを壊したって本当なのか?」
「…………」
カズは何も答えない。ただ無言のまま、服の懐から一機のLBXを取り出した。
「勝負だ、バン。……この『エジプト』と戦え」
「LBX……!」
「新しいLBXを買ったんのか?…………けど見たことないな」
「……ってことは、一点もの!? どこで買ったの!?」
「エジプト…」
ミカがその名を小さく繰り返す。
カズの掌にあるLBXは、全身が禍々しい黄金色に鈍く光り、まるで古代エジプトのファラオか、あるいは
「そんなことはどうでもいい。それよりバトルだ。……このエジプトで、切り刻んでやる」
カズが急かす。
普段のカズとは違い物騒な言葉。
やはり様子がおかしい。完全に目が据わっている。
「よーし……! わけは分からないけど、相手になってやる!」
カズがDキューブを放り投げる。
フィールドに展開されたのは、荒涼とした砂塵が舞う『砂漠ジオラマ』だ。
バンもまた、決意を秘めた表情でアキレスを構えた。
「いくぞ!アキレス!」
「行け…エジプト!」
《バトルスタート》
今戦いが始まった。
ミカがガンダムを使うならどれがいい?(これからの物語に影響があるかもしれない)
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ガンダムデスサイサズ
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ガンダムヘビーアームズ
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ガンダムサンドロック
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シェンロンガンダム
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アマゾネスのままでいい