ブルアカの世界に転生した一般的日本人が極道をやる話 作:任侠的かちゅーしゃ
「よ、よろしくお願いします!」
「まぁまぁそんのに畏まらなくてもいいって」ケラケラ
ゲーム的には「モブ」と呼ばれるであろう構成員が増えたり。
「うちのシマで汚ねぇ商売してんじゃねェぞゴラァ!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
ドゴン
シマを荒らす輩をぶっ飛ばしたり。
「有り金全部置いて行きな!」
「おめぇ...まさかうちの組を知らずに絡んでるんじゃねえよな?」
「はぁ?」チラッ
「なっ...お前はまさか...」サァァァ
絡んできた不良を叩きのめしたりしながら、転生から早一年。
「あの...『不良殺しの神』...!?」
「退散だ!逃げろぉぉぉぉぉ!!!」ダッ
いつの間にか、「不良殺しの神」とか言う渾名が付いていた。
◇
「『不良殺しの神』、ねぇ...」
ゲヘナ学園某所、書類を手に佇む白髪が1人。
そこに妙に強調した足跡と共に現れる1人の青髪。
「どうしたんですか?『次・期・委・員・長』のヒ・ナ・様?」
「アコ、煽らないで。貴女こそ『次期行政官』でしょ?」
「まあそれはそうとして、それ何の書類ですか?」
「最近キヴォトス全域で暴れて『不良殺しの神』なんて呼ばれてる時瀬ルカの書類。」
「時瀬ルカって...半年前に風紀委員会の一個小隊を連れの2人だけで壊滅させたあの?」
「そう。2日前にも黒い噂があった銀行を数十人掛かりで襲撃してる」
「彼女の率いる時瀬組と言う組織は日を重ねるごとにどんどん規模を拡大して、最近は本拠地のトリニティだけじゃなくて他校自治区でも暴れ回ってるそうよ」
「一度二個中隊を出して掃討したのだけれど...」
「その書類に書いてある通り、『容易く包囲を突破され甚大な被害』ですよね?」
「そろそろ風紀委員会の総力を掛けて潰しておくべきじゃないでしょうか?」
「いや、できない。時瀬ルカはゲヘナとトリニティの対立を把握してるのかゲヘナで風紀委員会に追われるとすぐにトリニティに引っ込むから。」
「対立先の自治区に入って行って戦闘なんてできないですしね...」
「でも見放してはおけない。明日『ティーパーティー』に直接出向いて時瀬組掃討の協力を要請しに行く。」
「えぇ!?風紀委員会最高戦力がトリニティの生徒会に直接突撃するんですか?」
「時瀬ルカは正攻法で勝てる相手じゃない。相当頭も切れるみたいよ」
「確かに風紀委員会の二個中隊を圧倒的数的劣勢を覆して痛手を負わせる相手に風紀委員会単体で挑むのはリスキーですね...」
「だから一般書類を片付けてる場合じゃない。アコ、頼んだ。」ドサリ
「そんなぁ!?」
◇
トリニティ内でかなり白い目で見られるようになってしまった。
特に最近勘違いで攻撃してきた正実を同じく勘違いで叩き伸ばしてしまってからは酷い。
「ん?何の騒ぎだ?」
ガヤガヤガヤガヤ
正門の方で騒ぎが起こっている。
また紅茶部が茶道部の茶葉に放火でもしたか?
それとも生物部がゲテモノを放った?
こっそり物陰からチラリ。俺の目の前には衝撃的な光景が広がっていた。
「は?」
騒ぎの中堂々トリニティ校舎に入場しているのは。
ゲヘナ風紀委員会次期委員長──
─空崎、ヒナ。
◇
「それで?ゲヘナ風紀委員会の次期委員長が『ティーパーティー』に何の用ですか?」
ティータイムを妨害され少し不機嫌そうに話しているお嬢様感溢れるトリニティ生とそれに向き合うゲヘナ最高戦力。
「桐藤ナギサ。単刀直入に言う。」
「最近暴れてる『時瀬組』とそれを率いる時瀬ルカを知ってる?」
「ええ。トリニティ内では大変評判ですよ?」
「時瀬組は風紀委員会に追われるとすぐそっちの自治区に引っ込んで手が出せなくなる。」
「だから『ティーパーティー』には、」
「時瀬組の共同掃討作戦を風紀委員会と行って欲しい。」
「なるほど...少し『ティーパーティー』の方でも考えておきます。」
「1週間以内に結果を出してそちらへ連絡するので今日のところはお引き取り願います。」
「わかった。面倒くさいかもしれないけど...よろしく。」
1人残されたナギサはティータイムを再開しながらも、とても気難しい表情をしていた。
そんな束の間の静寂に邪魔が入る。
「ナギちゃん、何の話をしてたの?」
「そんなひょっこりと現れて...ミカさん、声が大きいですよ。...先程ゲヘナ風紀委員会の次期委員長空崎ヒナが尋ねて来ました」
「あの委員長がここまで直々に?」
「ミカさんは時瀬ルカと時瀬組について知ってますか?」
「うん。あのルカちゃんが入って来た時からずっとマークしてるよ☆」
「ストーカーじゃないですか...」
「それはさておき、あの委員長は最近暴れ気味の時瀬組を共同で制圧してほしいとのことです」
「うーん、私は反対かな」
「あのゲヘナとトリニティが共同作戦なんかしてまとまると思う?」
「確かにそれも一理ありますが...」
「実際、時瀬ルカはかなり暴れています。それこそ『不良殺しの神』と呼ばれるぐらいには」
「でもルカちゃんは結局不良や悪徳企業をやっつけてるだけなんでしょ?それなら放っておいてもいいんじゃない?」
「...明日、『ティーパーティー』でこの事について会議をします。それで全部決めましょう。」
「ミカさんも遅刻しないでくださいよ?」
「わかった☆」
「信用ならない...」
再び戻った静寂の中に居るのはやはり気難しい顔をするナギサと、妙にニコニコしているミカなのであった。
神秘の時計は時を刻み続ける。午前0時を迎えればそれは破滅を意味する。時計は午前8時を刻んだ。
全ては虚しい。と誰かは語った──しかし、歴史はペンの戦いでも、剣の戦いでも、銃の戦いでも、大人の戦いでも─勝敗が多くのことを決めてきた。本当に