ブルアカの世界に転生した一般的日本人が極道をやる話   作:任侠的かちゅーしゃ

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奇襲

 

『あんな数の風紀委員会が集まってるのは初めて見たわ...とりあえず依頼の品は指定された場所に置いておいたわよ』

 

「ありがとう、アル。助かったよ」

 

黒服の話は本当だったらしい。

俺の考えた作戦は3段階に分かれている。

1段階目、まず今回の戦いと関係ないことを利用し便利屋68がこっそり配置された各地の爆弾が大爆発すると同時に部長が不在で戦力が脆弱な正義実現委員会の拠点を兵力集中で強襲。

拠点を制圧しここを突破したら2段階目に入る。

2段階目には突破地点からそのまま後方へ浸透し、相手の後方支援部隊を壊滅させ支援や補給を途絶えさせる。

3段階目には1段階目で突破した地点と対照な地点を突破し、中央の中庭に拠点を築いた風紀委員会戦力を丸ごと包囲し、校舎の窓なども含めた文字通り全方位からの攻撃で壊滅させるか撤退に追い込む。

空崎ヒナも、補給を断ち弾がなければ的同然。

近接戦は俺の得意分野なので懐に来られても有利になれるはずだ。

 

 

腕時計は午後7時半を刻んだ。

時は来た。

 

「奇襲作戦開始!」

 

ドゴーーーン

 

ダッダッダッダッダッ

 

集められた構成員の兵力を率いて校舎内から正実拠点へ突き進む。

この角を曲がれば...!

 

ドッ...ダダダダダダダダダダダダダダ

 

連装M2ブローニングを正実のメンバー達へぶっ放す。

それと同時に構成員たちが各々の銃を掃射したり、手榴弾を投げ込んだり突撃を開始する。

 

オラァ! オトナシクヤラレロォ!

 

突然の一斉攻撃により地面に伏した黒髪高身長...羽川ハスミが声を発する。

 

「どうして今...貴女が...」

 

「うちはやられっぱなしじゃない、そしてうちの組員はカチコミに慣れてるんでね」

 

ダダダン

 

最後の一撃を浴びせ気絶させると俺はさらに正実を倒すべく踵を返した。

 

 

「ええっ本当ですか!?」

 

「アコ、どうしたの?」

 

「いきなりトリニティ内の各要所が爆発して同時に正義実現委員会の拠点が時瀬組によって襲撃を受け壊滅状態だそうです!」

 

「...!?」

 

「時瀬組戦力は正義実現委員会の拠点を既に突破しているようで...」

 

「風紀委員会の兵力で救援を送って。」

 

「多分時瀬ルカの狙いはこのまま大回りして風紀委員会を包囲すること。」

 

「包囲されても風紀委員会なら突破できるはずですよ!」

 

「そのまま時瀬組戦力を細切れにして各個撃破だって─」

 

「いいから救援を送って。」

 

「いくら戦力があっても弾が無ければ戦えないでしょ?」

 

「...はい、わかりました」

 

「あと───」

 

 

『こちら先鋒隊!風紀委員会の増援と接敵!応戦していますが数が多いです!組長、指示を!』

 

くそ、増援が送られたか。

このままでは第二段階が失敗に終わる。

 

「私が先鋒へ行くからそれまで耐えて」

 

『はいぃ!?』

 

こうなったら...自分でこの場を打開するしかない。

 

ダダダッ

ダンダンダンダンダダダダダダダ

 

「邪魔だ!どけェ!」

 

激しい銃撃戦の中立ちはだかる正実の残党を薙ぎ倒しながら

進む。進む。進む。

 

きっと増援にまで空崎ヒナは参戦していないはずだ。

いくら多勢に無勢と言えども俺一人でモブを相手にすることぐらいはできる。

 

よし、このまま庭園を進めば───

 

ガガガガガガガァン カラカラカラカラカラカラカラ

 

「うぐっ...!?」

 

銃声が絶望的状況を告げるかのように響き、腹部に突如激しい痛みが走る。

 

誰だ?

視界には誰もいないはずなのに。

 

一瞬ふらつきながらも愛銃の連装M2ブローニングを銃声がした方向へ向け引き金を引く。

 

ダダダダダダダダ

 

しかし不意打ちの相手は倒せていないようだ。

全く気配を感じない。

次はどこから来る?

全神経を集中させる。

物陰から見えた僅かな銃口。

その先は───俺だ。

 

ダッ

 

すぐに付近の階段を蹴りステップする。

 

ガガガン

 

さっきまで俺がいた場所は弾痕まみれ。

心臓がバクバクと跳ねている。

相手がいる物陰に手榴弾を3つ投げ込みすぐに壁の影に入る。

 

ドガン

 

手応えなし。

次の手を考えていると背後に足音。

 

「あなたができる移動は私もできる。」

 

M2ブローニングを背後にぶん回す。

同時に振り返り力を込める。

そこにいるのは同じく重機関銃(終幕:デストロイヤー)を振る──

─空崎ヒナ。

 

ガン

 

重機関銃同士が火花を発しているんじゃないかと言うほどの勢いでぶつかる。

振り回したり、それを防御したり。

何度も重機関銃同士で殴り合う単純な接近戦が巻き起こっている。

しかし打開策は見つからない。

まさに絶妙な「力の均衡」が起こっていた。

 

暫く殴り合いながら、ついにタイミングを見つけた俺は隠しておいたもう一つの手榴弾を空中に投げ、それを重機関銃で打ちヒナにぶつける。

 

ドカーン

 

いきなり至近距離で手榴弾を起爆されたヒナは一時的に身動きを封じられている。

重機関銃で撃ちとどめを刺すほどの時間はない。

だが、

 

「先鋒へ行かせてもらう」ダッ

 

本来の目的を達成するぐらいの時間はある。

 

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

「さっさと意識手放せやァ!!!」

 

トキセルカダァ!

イインチョウハソシデキテイナイノカ!? イヤ、ジキイインチョウダロ! ヤカマシイワ!

ギャーーー

 

増援部隊は粗方瞬殺とも言える形で片付いた。

あとは第二段階を完遂する。

 

「よし、このまま後方部隊を潰しに行くぞ!」

 

オオォォォォォォォォォ

 

組長の登場に先鋒隊員達は大盛り上がり。

勝てる。勝ち目が見えた。

 

「先鋒隊...前進!」

 

 

陰で進軍を始める時瀬組先鋒隊を見届ける誰かが1人。

 

「ふふ...今度酷い目に遭わせちゃうけど...ルカちゃん、ごめんね?」

 

 

 

神秘の時計は時を刻み続ける。午前0時を迎えればそれは破滅を意味する。時計は午前9時を指した。

そうだ。全部、知恵(Chokhmah)が足りなかった。後悔と共に、一滴の涙が零れ落ちた。しかし、それも死の色に染まってしまった。

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