これ上げるかほんとに迷いました、下書き時代完成してたのですがこれを出して良いものかと
えー、今回ほとんど生徒が登場しません
ユウキ君回です
先んじての警告です
この話は今までのギャグっぽい話とか、ブルアカらしい話とかそういったものとは別次元になります
はっきり言いますと、温度差がすごいです
ユウキ君は殺しを厭いません
ユウキ君は数人の命を奪います
平凡、凡人そういったユウキ君はあくまで普段のユウキ君である事も頭の片隅に置いておいてください
正直に言うと読まなくても問題ないようにストーリーを作る予定です、そういった描写が苦手な方はここで戻って他のものを読むことをオススメします
個人的にはあば茶さんのシリーズを読んでくることをおすすめしておきます、あの人の作品は本当に良くできてますし程よくゲラゲラ出来ますよ
進むのですね…後戻りはできませんよ、ユウキ君は人を殺します
生徒は殺しません、これは誓います
本当に良いんですか?今回は青春とは程遠い、アンダーグラウンドな物語ですよ
あなたの覚悟は分かりました、これ以上は引き止めません
ですが先生方、これだけ覚えておいてください
ユウキ君は、自分が地獄に落ちることを知っています
自分が外道である事も理解しています
……私が縛り付けてしまったんです
だからこれは、私の罪でもあるんです
D.U地区郊外
ユウキ(…尾けられているな、しかも一人じゃない)
帰宅中、ユウキは自分が尾行されていることに気付いた
ユウキ(数は五人…そのうち一人は手練か)
ユウキ(周りに人がいるのであれば戦いにくい…ここからならあそこだな)
ユウキは一瞬視線が切れたタイミングで走り出す
『なっ!?』
『対象が突如走って移動を開始、恐らく尾行に気付かれたものかと思われます!』
『そのまま追え、絶対に逃すな!』
『了解!』
ユウキが歩いていた道は比較的人通りがある為、騒ぎになるリスクを考えたユウキは、近場の人の来にくい路地を進んでいく
一見我武者羅に逃げているように見えるが、ユウキとてひたすら移動している訳では無い、しばらく進むと少し広い空間に出た
ユウキ「…姿を見せろ、ここなら騒ぎにもならんだろう」
ユウキは来た道を振り返る
「ここなら殺り合ってもバレねぇってことか、誘い込まれたな」
後ろの道から、人影が姿を現す
その数は五人、うち一人が大柄な熊の獣人だ
ユウキ「熊の獣人でその体躯…そしてその首元のバツ印の白毛…」
ユウキ「お前は解体屋だな、蛇手か?」
ユウキがそう問いかけると、熊の獣人が鼻を鳴らす
解体屋「フン…そうだ、お前を殺す為に送られてきたんだよ」
ジョー「冥土の土産に教えてやる、俺の名前は
ジョーが目配せをすると全員が得物を取り出す
ユウキ「俺の名前は言わずとも知ってるだろう、殺しに来たんだからな」
ジョー「遺言を聞いてやるよ、お前の知り合いに教えといてやる」
ユウキ「遺言か、そうだな…」
ユウキが自分の眉間に手を当てた次の瞬間────
ダンッ!
「かっ…」
「ぎぃッ!?」
ジョー「なっ!?」
解体屋の背後にいた二人の部下が倒れた
それぞれ心臓と頭部に銃弾を撃ち込まれ即死であった
ユウキ「俺なら聞かねぇよ、こういうリスクがあるんでな」
ジョー「させるかぁ!」
ユウキはそう言うと続け様に三発撃ち込むが、ギリギリでジョーが近くにあった鉄板で弾を防ぐ
ユウキ「話に聞いていた以上の速さと馬鹿力だ」
ジョー「そうかよ!ならこれでも貰って死んどけぇ!」
ジョーから鉄板と共に返礼の射撃が飛んでくるが、ユウキは遮蔽に飛び込み回避する
ジョーも仲間2人を抱えると即座に物陰に隠れる
ジョー(クソッ、銃を取り出した動きすら見えなかった)
ジョー(それになんて腕してやがる、一発の銃声で二発なんざ並大抵の練度じゃねぇ…)
ジョーは倒れた仲間を見やる
ジョー(それにありゃ普通の弾じゃねぇ!あいつは一体どこであんなもん手に入れやがった!?)
普通の弾であれば、キヴォトスの人間は一発で死ぬ事など基本的には無い
ともすれば、普通の弾丸ではない事は容易に想像できる
ジョー「お前がただのコンビニ店長?笑わせるぜ、非凡人が」
ユウキ「凡人だよ、身体の性能はお前らほど最初から身体能力に恵まれてはいないからな」
その時、ジョーの嗅覚が何かを捉える
ジョー「ッ!クソッ逃げろ!!!」
ドドドォォン!!!
「うわぁぁぁぁあ!?」
ジョー「炸裂玉まで持ってんのかよ、忍者かてめぇは!」
ジョーが捉えたのは、僅かに香る火薬の匂いであった
故に反応することが出来たのだ
他の2人は反応することすら出来なかった
ジョー「最速最短で殺す!」
ジョーが大振りなマチェットを取り出すと、飛び出した勢いのまま大上段に構え、ユウキに斬り掛かる
ユウキ「おおっと!危ねぇなぁ!」
ユウキは懐から抜いた短刀で凶刃を受け止める
ジョー(こいつ、受け止めやがった!?)
ユウキ「凡人だから使える手は全て使うんだよ!それよりいいのかぁ?お前のお仲間、瀕死だぜ?」
ユウキはもう片方の手にある銃を後ろの二人へ向ける
先程の爆発をまともに受けた2人は平衡感覚が失われてまともに立ち上がれずにいた
ジョー「クソっ!ふざけやがって!」
ジョーはユウキの刀を弾くと、部下の前に立つ
「俺らはいいですから…兄貴はアイツを!」
「この位の…傷、1時間くらい…耐えてやります」
ジョーが戦えるよう、精一杯の強がりを見せる
移動を考えれば20分、それまでに決着をつけねば助からないだろう
ジョー「…クソッ待ってろ、アイツを殺したら治せるとこに連れてってやる!」
ジョーはユウキの前へと勢いよく跳ぶ
だが…逃げることは出来なくとも、意識のある敵
だが、そのリスク見逃してやるほど
ユウキ「…やはり、瀕死とはいえ殺しておくか」
ユウキが再度拳銃を構える
ジョー「っ!?やめろオオオォォォオ!!!」
ジョーがさらに全力で踏み込む
驚異的な加速、普通の相手であれば間に合うであろう程の、魂の加速
だが、それは普通の相手であればの話だ
ユウキ相手には……間に合わない
ダンッ!
ユウキが発砲した弾は────
「かあっ…」
「ぐぁ…兄…き…」
無情にも残りの2人の息の根を止めた
ジョー「クソッ…クソッ!…クッソオォォォォ!!!」
ジョーは咆哮と共に銃をユウキに向けて乱射した
ユウキ「おっと、危ねぇな」
ユウキに放たれた弾は、一発が頬を掠めたがその他は回避した
ジョー「ふざけるな!あいつらは動けなかった、放っておけば死ぬ人間だった!」
ジョー「それをわざわざ殺す理由がどこにあるんだよ!!!」
ジョーは怒りの咆哮をあげる
ユウキ「言っただろう、リスクは排除すると」
ユウキ「俺はあの子達のように優しくはない、あの子達のように躊躇いはない」
ユウキは、軽蔑する目を向けながら冷たくそう言い放った
ユウキ「お前らみたいな下衆は、この地には不要だ」
ユウキ「まぁそれは俺も当てはまるだろうがな」
ジョー「ふざけんなよ…そんな理由で…!」
ジョー「こいつらを、虫ケラのように殺したのかァァァァァ!!!」
ジョーは片手に大きなマチェットを持つと自分の出せる最大の速度で再びユウキに切りかかった
キ"ィ"ィ"ィ"ン"ッ
振り落とされる銀閃を、ユウキは両手で構えた短刀で受け止めた
ユウキ「そんな理由だと…?」
ユウキが鬼の形相になると、徐々にジョーが押される
ユウキ「お前らが今まで人々にしてきたことはなんだ!?全てが潔白だったのか?そんな訳が無いだろう!」
ユウキの地面にヒビが入り始める
ユウキ「お前らは自分たちの目的のために何人も殺してきた!!!無辜の人々を何百も…何千も…生徒にすら危害を加えた」
ジョーの顔に驚愕の色が浮かび上がる
ユウキ「───そんな理由でッ!済ませるのかぁーッ!」
ジョー「なんだと!?」
ユウキは、自分よりも明らかに重たいジョーの刃を押し切ると、落雷の如き袈裟切りを落とす
ジョー「チィィッ!!」
ジョーとて一流の戦闘者、即座にバックステッブを踏み、振り下ろされる斬撃を回避した
ジョー「ッチ!最速で回避してこれかよ!?」
避けたはずのジョーの腹部から血が流れる
ユウキ「俺は、お前らみたいな存在をこの方舟から追い出す…その方法は、死だけだ」
ユウキ「安心しろ、必ずお前の後に───」
ユウキ「───お前のお仲間を全員始末してやるよ!」
ユウキは脚に力を入れると何かが爆ぜたような音と共に踏み込む
ジョー「ウオォォォォッ!」
ジョー「こんな掠り傷与えたくらいで、解体屋を甘く見るんじゃねぇ!」
ジョーは即座に迎撃態勢に入る
そこからは至近距離での激しい斬り合いとなる
ジョー「必ずお前を殺して、俺はボスの役に立つ!」
ジョー「あの人は天涯孤独の俺を拾ってくれた恩人だ!」
ジョー「負けられねぇんだよぉぉぉぉ!!!」
ユウキ「やかましい!早くその首を落とさせろ!」
だが、至近距離戦では手数が上回るユウキの方が一枚上手、ジョーの身体は徐々に傷が増えていく
ジョー(ここだッ!)
ジョー「オラァ!!!」
ジョーが斬り合いの間に凄まじい蹴りを放つ
ユウキ「ぬうぅぅ!」
ユウキはギリギリで腕を交差して差し込み、致命傷を避けたが、あまりの衝撃に壁まで吹き飛ばされる
ユウキ(なんて馬鹿力だ、だがこの程度ッ!)
ユウキ「はあッ!」
吹き飛ばされる後ろの壁をタイミングよく蹴る事によって、壁に衝突することを防いだ
ジョー「…俺の蹴りを受ける瞬間に自分で後ろに飛んで威力を受け流しやがったな」
ジョー(クソ、身体能力はこっちの方が上だ、認めたくねぇが技術が圧倒的に違ぇな…)
ジョー(このままじゃこっちがジリ貧だ、だが今ので左腕は少なくとも痺れているはず、活路はもう一度重い一撃をあの腕に叩き込む事…)
ジョー(だが見切られたら終わり、タイミングを逃すな…!)
ジョーは自分の蹴りを受け流したユウキの技量を認めつつ、打開策を練る
ユウキ「それでも殺しきれねぇとかどんな馬鹿力してんだよてめぇは…」
ユウキ(分かっちゃいたがあいつの蹴りを食らうのは不味いな…)
ユウキは後ろに飛ぶこと威力を殺したが、それでも殺しきれなかった分のダメージを左腕に受けている
ユウキ(それなら)
ジョー(なら…)
ユウキ(俺のやるべき事は)
ジョー(やることは1つ…)
ユウキ(あの足を封じる事だ!)
ジョー(もう一撃を叩き込むだけだ!)
互いにスタートを切る、ユウキは再び強く踏み込んだ
だが、身体能力の差でジョーの方が僅かに早い
ジョー「とったぁぁぁ!!!」
ジョーの右の上段蹴りが炸裂する、ユウキは咄嗟に身を低くして回避した…しかし、ジョーの蹴りはそれだけで終わりではなかった
ジョー「お前ならそう避けると思ってたぜぇぇ!!!」
ジョーの蹴りは変幻自在、右の上段蹴りからそのまま返された為に対応が遅れた
ユウキ「がぁぁぁぁぁッ!」
咄嗟にユウキはガードをするが今度は衝撃を流せず、身体を打ち付けながら吹き飛ばされていく
ドオォォォォン
ユウキ「ぐぅぅっ!」
苦痛の声を上げながらも即座にユウキが立ち上がる
ユウキ「左腕が完全に折れたな…だが、お前もその足じゃもうご自慢の蹴りは使えねぇだろ…!」
ユウキは、ただ吹き飛ばされた訳ではなく、ジョーの足を持っていた短刀で深く切り付けた
ジョー(この足じゃ、蹴りはもうできねぇ…)
ユウキは完全に左腕が折れ、ジョーは蹴りを封じられた状態になる
ユウキ「そういやお前、自分の親をその手にかけたそうじゃねぇか?」
ふと、ユウキがこんな事を言う
ジョー「…ア?」
ユウキの発言に、ジョーの目が見開かれる
ユウキ「何が天涯孤独だよ、笑わせてくれるな」
ユウキ「お前は元々天涯孤独なんかじゃ無かったよなぁ?」
ジョー「…黙れよ」
ユウキ「お前は自分の家族を手に掛けたから一人になっただけ」
ユウキ「今のお前は、イカれた家族ごっこに夢中な、ただの親殺しだよ」
ジョー「黙れっつってんだろ…!」
ジョーの拳に血が滲み始める
ユウキ「そのうちお前のボスも殺しちまうんじゃねぇーの?お前はそういう奴なんだよ、お前が家族や仲間なんてもん、壊さわけねぇだろうからなぁ!?」
ユウキ「親から貰った恵まれた体で、親と同じように壊すんだろうなぁぁぁ!!!」」
ジョー「黙れええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ジョーが今までで1番大きな咆哮をあげる
ジョー「殺す、絶対に殺す!天城ユウキ…お前だけはここで殺してやる!絶対に許さねぇ!!!」
ジョーは足が痛むのも構わずにユウキに飛びかかり、マチェットを振り下ろす
ユウキには大振りなため避けられる
ジョー「殺す殺す殺す殺す殺す!!!お前をグチャグチャにすり潰してから、お前と関わりあるやつ全て殺して、仲良く合い挽き肉にしてやるよぉぉぉ!!!」
そのまま詰め、めちゃくちゃに刃物を振りまくる
先程と違い乱雑ながらもその一撃一撃は決して楽観視できない、ユウキは冷静に刃物を受け、流し、弾く
いくら怒りに飲まれているとはいえ、ジョーは無視できない消耗をしている
ユウキ「お前に出来るわけねぇだろ!お前はここで死ぬんだよ!」
ジョーが消耗していくにつれ、ユウキの剣戟が激しくなり、深い傷をつけていく
ユウキ「お前はここで腹と首かっ捌いて確実に殺してやるよ!!!」
だが、ジョーの剣戟が更に勢いを増す
ジョー「絶対に逃がさねぇ、絶対に潰す、絶対に殺してやらぁぁぁ!!!」
ジョーの大きく振りかぶった一撃、轟音と共に振り下ろされるそれは、食らえば一撃でお陀仏になるほどの破壊力を持つ
同時に、それは致命的な隙となる
ユウキ「お前も…蹴られとけぇぇぇ!!!」
ユウキは皮一枚で躱すと、空を切るような鋭い蹴りが飛ぶ
ジョー「ぐあがぁぁぁぁ!?」
それはジョーの鳩尾に深く突き刺さり、そのままジョーを数メートルほど吹き飛ばし、膝をつかせた
ジョー「ゴボァッ!?」
ユウキの靴には鉄板が仕込まれていた、内蔵が傷ついたのか、ジョーは膝を着いたまま大量の血を吐き出した
ユウキ「はぁ…はぁ…ゴフッ!?」
ユウキも血を吐き、片膝を着いた
二回の蹴りで、内蔵にダメージを受けていたようだ
それでも、ユウキはすぐに立ち上がった
だが、ジョーの方は……
ジョー(なんて蹴りだ…視界が霞んできやがった、足に力も…入らねぇ…)
─────もう、立ち上がるのすら限界だった
ジョー「ぐお…ぉぉ…」
立ち上がろうとしていたジョーの巨体が崩れ落ち、床に伏した
ユウキ「俺の…勝ちだな…」
ジョー「ッけ、俺の負けか…」
勝敗は決した、ジョーはこれ以上、動くことすら出来なかった
ユウキ「…見事な蹴りだった、並大抵の修練じゃ出来ない蹴りだな」
ジョー「お前…簡単に避けてたじゃねぇか」
ユウキ「ありゃギリギリだよ、読み違えてたら俺が死んでた」
ユウキはジョーの近くに座る
ユウキ「お前が死ぬ前にひとつ聞きたい」
ユウキ「…お前は李に仕えて幸せだったのか?」
それは、ユウキが1番気になっていた事だった
ジョー「…どういう意味だ?」
ユウキ「最後まで利用されて死ぬのは、屈辱だろう」
ジョー「俺にはそれしか無かった…そんだけだ…」
ユウキ「別の道を歩めるとしたら、どうする?」
ジョー「へっ…まぁ、もう叶わねぇけど」
ジョー「俺は───」
ジョー「歩んでみたかったな、普通の人生ってのを」
親を殺し、裏の世界に落ち、人を殺し続け最下層から幹部にまでなった悪名高い解体屋の終わりは───
ユウキ「そうか…もし生まれ変われたのなら、そんな人生を歩めるように祈っといてやるよ」
ジョー「そりゃ…いいな…」
とても安らかなものであった
ジョーの身体から力が完全に抜け、目から光が消えた
ジョー(来世は…まともに生きて…いつか───)
ジョーの脳裏に昔の走馬灯が流れる
─────────────────────────
それは、幼い時の記憶
もう戻らない、過去の思い出
ジョー『俺、いつかキヴォトスの外に出て、色んな場所を巡ってみたい!』
1人の熊の男の子が、若い男女に向けて夢を語っている
男の子の方はジョー、そして若い男女は───
若い男性『良い夢じゃないか、いつか叶えられるといいな』
若い女性『ジョー、もし巡り終えたら、いつか私たちも連れて行ってくれる?』
ジョー『うん!旅を終えたら、絶対に父ちゃんと母ちゃんを連れて行ってやるよ!約束だ!』
───ジョーの両親であった、これは幼い日の約束
もう叶わない約束である
ジョー(父ちゃん…母ちゃん…)
ジョー(ごめん、ごめんなさい…約束を破って、2人を"守れなくて"、ごめんなさい)
ジョー(地獄に俺は落ちるだろうけど、もしまた、2人の所で生まれ変われたなら)
ジョー(今度は、絶対に…守るか…ら…)
───ジョーの命の灯火は、過去の思い出と共に消えた
────────────────────────
ユウキはそう祈りを捧ぐと、立ち上がる
ユウキ「くっ…さすがに、早く治さないとまずいな…」
ユウキ「黒服、見てんだろ?」
すると、影から人影が現れる
黒服「ククク…まさか、本当に一人で倒されるとは、本当に規格外ですね?」
ユウキ「こいつらを送り返す前に綺麗にしてやるぞ」
黒服「良いのですか?」
黒服は、不思議に思った
先程まで、互いの憎悪や怒りをぶつけながら殺しあっていた相手を弔うことを理解出来ない
ユウキ「死ねば仏だ…敵といえどそれくらいの事はしてやるさ」
ユウキ「それに、親殺しだのなんだの言ったが、殺したのはこいつじゃねぇ、せめて綺麗にしてからあの世に送り出してやるべきだろう」
黒服「分かりました…遺体を運び出したら、まずはあなたの治療からいたしましょう…その怪我、軽いものではないでしょう?」
ユウキ「ああ…頼む」
どこからか不思議な穴が出現すると、黒服とユウキは遺体を丁寧に入れていく
そうして全員を入れ終えると、黒服とユウキも入っていく
2人の姿が穴に消えた後、その穴は忽然と姿を消した
────────────────────────
その数日後、とある凄惨な事件が起こる
「ま、待て!金ならやる、いくら欲しい!?いくらでもやるぞ!そ、それとも女か!?好きな女を連れてきてやる、だから、だから命だけばぁっ!?」
黒い外套を纏った男が伸ばした手が、命乞いをする男の顎を思いっきり踏み、ちぎれそうな位に伸ばす
既に関節は砕けており、大量の血が出ている
「過去の清算だ、お前が殺した熊谷夫妻のな」
「ふ、ふじゃけうな、あの下級民のいのひ程度で俺ぶぁっ!?」
「なにが下等生物だ、そんな減らず口は要らないよなぁ!?」
「ちぎ、ちぎへる、ちぎぇるぅ!」
男が頭を足で固定し、上顎と下顎両方に手をかけると思いっきり引っ張る
ブチィッ!!!
「ち"ぎ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!?」
「…」
「お"え"の"!お"え"の"く"ひ"か"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」
「聞くに絶えない悲鳴だな、いい加減黙れよ」
「お願いじまず、だずげで、いのぢだげはだずげで」
「駄目だな、俺やお前みたいなやつは地獄に落ちる運命なんだよ」
「まだまだ拷問は続くぞ?…善人殺しは、地獄よりも辛い思いをしてから逝け」
「あ…あぁ…!」ジョワァァ…
あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"!!!
─────────────────────
D.U地区に程近いオフィス街では、朝から物々しい雰囲気に包まれていた
キヴォトスの屈指大企業、そのビルが朝からヴァルキューレにより規制線を敷かれている
「…カンナ局長」
カンナ「どうだ、何か分かったか?」
「いえ、証拠になるものは何一つとして見つかりませんでした…これが調査報告書…ウップ…」
カンナ「君は今日はもう休め、長期の休みを出しても良い」
休むように言われた生徒は、頭を下げると物陰の方へ行く
カンナ「無理もない、あんな凄惨な現場なんて、そうそう見ることはないからな…」
カンナは現場の項目に目をやる
カンナ「証拠品なし、血痕や指紋、何かしらの手掛かりすら残っていない、相当な手練の犯行か…」
カンナ(恐らく七囚人では無い、ここまでの完全犯罪が可能な奴らではない)
カンナは手元の被害者の資料を見る
カンナ(死亡推定時刻は、明朝4時頃…)
カンナ(被害者は口周りをむしり取られているが、これは直接の死因じゃない)
カンナ「爪が全て剥がされ、"中身"が液状になるほど手足を砕き、腹を割いた上に、内蔵が溶け切っていたか…人体だけでなく、化学に精通し、それを用いた拷問すら可能な人物…」
カンナ「…あの人なら、それも可能かもしれないな」
カンナの推理は、一人の人物に辿り着く
カンナ(お願いですから、私の勘違いであってくださいよ…)
カンナ(───ユウキさん)
カンナは、現場の指揮を引き継ぐと、自身の疑念を確かめるためにシャーレのエンジェル24へと向かう
その足取りは、どこか重たいものであった
ただブラック企業を何とかしたかったんじゃないのかユウキ、という突っ込みがあるのは分かります、私もそう思います()
でも、キヴォトスの事を考えるとこれくらいの荒事は起きてもおかしくないと思うんです、労基とか無さそうですから…
労基が生まれれば不利益を受ける者たちが居るだろう、というのがこの蛇手という組織を私がこの作品に生み出すに至った理由です
正直に言うと投稿するのか迷ったのもこの面なんですよ
いっそ艦これとか、そっちの方が書けるんじゃないかって
でも、この作品を生み出したのは私なんだから、書き終えるまで書くしかないよな、という訳で伸び伸びとこのシリーズはあげていきます
ご理解の程よろしくお願いいたします