流刑貴族の追放記-極獄と呼ばれた果ての地にて- 作:Anacletus
―――帝国銀河団オロモス級旗艦艦橋。
「参謀諸兄は知っておられるだろうが、まずは幾つかの出来事を再確認しておこう」
暗い執務室の最中。
8人からなる“亜人”の混成した軍人達が夫々の顔に口元だけを出すタイプのマスクを付けて、虚空の映像を見ていた。
今は遥か旧き時代の技術であるホログラムをこうして使う事は彼らにとっては儀式めいた意味合いがあったのだが、銀河団を統括する最高意思決定者達が一同に会するという軍事的に見れば、知性体同士の戦争がほぼ消え失せた時代には仰々し過ぎると言えたかもしれない。
「我ら銀河団連盟は言うまでも無く銀河に無数生まれた帝国の一つとして誕生し、全ての種族を網羅した宇宙史上初めての他種族間協同体として統合され、我らの祖たる旧き者達はまったく良い仕事をしたと言える」
まず最初に祖先への賛辞から入るのはまったく以て現場の将校からならば、苦笑が入るところだろうが、生憎と現在その部屋にいるのは参謀と言っても各銀河から選りすぐりのエリートな統治者達であった。
合議制の形を取る帝国は始まりの帝国である帝国銀河団による征服によって成り立った代物であり、この数千年において最大の宇宙的な賛辞を浴びるに足りるとされたビッグイベント。
まだ年若い帝国は内部に受け入れる事になった優秀な統治者層を軍の総指揮を任せる参謀連として再編し、現在に至っている。
「しかし、宇宙の神秘は進歩と共に減り、始祖達の技術に追い付こうという時勢になってようやく我らは宇宙中心領域【ビッグ・ルインズ】に到達する事となった」
喋っているのはマスクを被った獣型の動物っぽい耳のおっさんであった。
彼らの軍服は統一された事を表す為に銀河の色合いとしてシルバーにモスグリーンを用いた野戦服だったが、あくまで最前線に近い場所にいるという事を自らに戒める為の意味以上の代物ではなかった。
「帝国銀河団に入って我らは凡そ7世代。そして、成熟した我らが向かうところは謎の探求と技術の発展、文明の発展であるところは諸君も同意出来るはずだ。種族の衰退を多くの技術を用いて何とか乗り越えた我らは正しく宇宙の上位独立種族であり、天体すらも自在にする技術を前にしては宇宙進出を果たせぬ文明は正しく我らを神と崇めるのも無理はないわけだ」
肩を竦めて、前置きが長いという瞳になる者達が半数。
しかし、それにウンウンと頷く者が半数。
「さぁ、コレだ!! 我らの次なる目標はコレだ!! 宇宙の始まり!! その星―――旧き者達が伝え遺した楽園の伝説!!!」
彼らの見る虚空にずっと映っていたのは小さな星系らしい場所を望遠で映した代物。
しかし、その像はボヤけており、上手く像を結ばない。
「コレは最新技術で解像度を限界まで上げてある。だが、周囲の近傍宙域には悍ましい程の量の中性子星が乱立し、巨大な岩石惑星が重力と地場の巨大な壁の如く立ちはだかっている。ああ、そうだ。楽園への道は険しい……だが、遂に我らはその先へと向かう事が出来るようになった!!」
虚空に浮かぶのは圧巻の一言だろう大量の船が虚空に隊列を成して進む雄姿だった。
「8532億隻!!! 延べ総兵力632兆人。宇宙最大の観艦式だ!! 我らはその先鋒!! 正しく栄誉である!! 我らが帝国は遂に宇宙を掌握したに等しい!! 無数の星々を束ね!! 銀河と銀河を繋ぎ!! あらゆる生物の頂点に立った!!」
拍手が成された。
「分かるか諸君!! 今こそ旧き者達の名を超えて!! 我らが宇宙の支配者となる時だ!! 今回、12億隻の一軍団がこの星系に向けて進軍し続けている!! この映像は全銀河団に中継されている!! この栄誉を受けた我らの文明は遂に頂点へと上り詰めて次なる宇宙の平和を築くのだ!!」
集まった者達が立ち上がった。
「見よ!! 我らの最新鋭艦を!! ブラックホール埋蔵型テラ・フロントの全景を!!!」
彼らが近傍星系をゆっくりと移動している天文単位物体を見やる。
小規模ブラックホールを物質のエネルギー転換炉として囲い。
巨大な重力井戸そのものを“牽く”事に成功した船は正しく惑星を遥かに越える規模の構造物であり、ロシュの限界を超える異様は恒星の数倍規模にまで達していた。
それは涙滴型をしており、後部がブラックホールを半分覆う形の花の蕾が少し開いたような形状であり、そこから捕捉絞られた茎の先に艦首がある。
「もはや、この宇宙に我らを下すものなど存在しない!! あの低位の邪神共を下した我らには……もはや敵など無いのだ!!」
無数の艦が宇宙空間を数億km.単位の“壁”のように進む雄姿。
その中央に位置する艦隊に鎮座する船。
オロモス級は正しく数世代掛けて造られた奴隷種族達の血塗られた歴史そのものだ。
寿命も短く。
能力も持たないような知性として認められない種族の労働によって生み出されたソレは今後数億年の繁栄を約束する。
「さぁ、征こう!! オロモス級は如何なる惑星の障害にも揺るぎない!! 中性子星など何するものぞ!! 吹き飛ばしてやればいいのだ!! そうだろう!! 諸君!!」
多くの者達が頷いた。
「全艦、増速し、予定航路に入れ!! これより楽園のある星域に入場するぞ!! これは宇宙の次の時代の始まりとなる!! 全ての将兵よ!! 伝説となれ!! 我らは神話となるの―――」
その時、猛烈な振動がオロモス級に奔った。
「な、何だぁああああああああ!!? 何が起こった!!?」
艦隊に命令を下した参謀達は同時に艦長、艦隊を率いる大将でもある。
すぐに現状把握を始めたのはさすがと言えるだろう。
今、自分のいる艦が宇宙史上最大の代物だと豪語していながら、それでももしもが無いとは思わないところはさすがに為政者と言えた。
すぐに彼らの周囲にオペレーター達からの情報がウィンドウやタイムラインで流し込まれる。
『げ、現在、観測中でありますが、巨大なガンマ線バーストが直撃した模様です!!』
「何ぃいいいいい!!? 障壁はぁ!!?」
『障壁減衰率23%!! まだ耐えられますが、反動で直撃部位の区画が中破!! 推進部に異常は在りませんが、ダメージコントロールが終るまで不用意に加速した場合、自重でブロックの一部が圧壊する可能性があります!!』
「ば、馬鹿な……オロモス級の障壁を超えて破損させてくるだと!? 事故か!? 近傍宇宙のブラックホール位置は全て把握しているはずだろう!!?」
『そ、それが、ハッ!? 先行艦隊から入電!!? 邪神群体を確認!!? こ、これは―――まさか!!? 中位54軍団単位!!? す、推定兵力3400億個体!!? い、今まで確認された事の無い量です!? て、敵、増速!? 先行艦隊と接敵しま―――う、嘘だ!? 一瞬で? 先行艦隊蒸発!! 蒸発しました!?』
「邪神共め!? ここまで来て、我らの邪魔をするか!!? 奴らにとっても旧き者達の楽園は特別という事なのだろうな!? ならば!!? 近接打撃群を発艦!! 全艦隊戦闘態勢!! 全主砲を先行艦隊のいた宙域と近隣宙域に向けろ!! 転移で突撃してくるぞ!! 戦列艦前へ!! 次元障壁展開!! 突撃艦は隊列を組み直せ!! 球状展開!! オロモス級を中核として迎撃配置だ!! 迎え撃つぞぉおおおおおお!!!」
『りょ、了解!!』
巨大な億単位の隊列が次々に形を変えていく。
その動きは迅速。
瞬時に転移戦術によって艦隊の配置を組み直した者達が巨大なオロモス級を中核とした巨大な球体のように全方位攻撃を用意する。
それとほぼ同時に一部艦隊から放たれた巨大な光芒が宇を貫く光の束となって遥か果ての先鋒艦隊がいた場所へと向かった。
到達までは光の速さを超えない。
本来であれば。
しかし、巨大な光が彼ら艦隊の展開する光年規模の宙域から急激に消失し、遥か先方艦隊がいた場所に到達した途端。
200光年分の宙域にある全ての質量が原子レベルで崩壊し、猛烈な輝きとなって散華する。
広大な領域をカバーする空間制御はまるで呪紋の方陣の如く曼荼羅のように展開されたガイドレールの虚空を通る輝きによって展開される子機を通してブラックホールより齎される超出力を空間を捻じ曲げる為のシステム機関部に叩き込み。
世界そのものを捻じ曲げるような転移を可能としていた。
攻撃そのものが瞬時に彼らのいる宙域から半径30億光年規模で“当てられる”とすれば、その技術力は正しく極地に達しているだろうし、実際にどんな生物も生存は不可能だろう。
そう……常識的な生物の範疇であるならば、だ。
『重力震反応検知!! 予備射撃開始!! 現出前での削減率―――2.24%』
「何ぃ!? あの邪神共め!? 新たな防御手段でも獲得したのか!!? チィッ!? 全艦隊防御体勢!! 総員衝撃に備えろ!!? 最前列宙域の艦より即時艦隊職員を退避ぃいいいい!!?」
その命令が飛んで数秒後。
正しく艦隊の一部から一瞬で転移で多くの人命が飛んだ刹那。
43万隻の艦船の“壁”がいきなり爆沈した。
その最中へと次々に後続艦からの大量の光の雨が降り注ぐ。
至近と言っても10万km.単位で艦一隻がいるかどうか。
そのような状況下で光の速さを超えて情報を収集する帝国側は確かに技術的な極地に近い。
しかし―――。
『近傍探索端末からの映像来ます!!』
艦隊共有された光景は正しくこの世の終わりには程遠い地獄であった。
爆炎の最中からゆっくりと延ばされた腕が、顔が、現れていく。
悪魔と呼ぶべきだろうか。
人型でありながら、醜悪ながらも神々しさも感じさせるだろう翼持つ黒い何かが大量の光が迫って来るのにも動じず。
最初の一体が爆炎の先に薄暗い光の障壁を張った途端、猛烈な勢いで周辺空間が剥落し、大量の腕と顔が突き出ては壁を形成し続けていく。
「転移砲弾の着弾まで後9秒!! 8、7、6、5、4―――た、起爆距離ロスト!!?」
『転移防御!!? 送り返されてくるぞぉおおお!! 次元障壁を全開にしろぉおおおおおお!!!』
空間転移を用いた攻撃の押し付け合いは無論相手も使う。
となれば、最終的に相手から返された攻撃にも対処出来ねばならない。
「邪神共め!! だが、オロモス級を舐めるなよぉおおおお!!!」
主席参謀を務めるケモミミのおっさんが叫ぶ。
ほぼ同時に自動で投げ返された攻撃が更に別空間を経由して彼らから400万㎞以上離れた宙域で起爆。
戦列艦の一部が攻撃の余波に呑まれたが損害を出しても墜ちた艦は無く。
瞬時に後方のオロモス級内部のドック設備内部へと転移で帰還する。
「連中の突撃を許すな!! 多重飽和攻撃で仕留める!! グラビティ・ウェポン・フルオープン!! 重力砲弾の雨をお見舞いしてやれ!! 起爆地点を540万キロは離せ!! 光の速さよりも早く圧壊させてくれるわぁあああああ!!!」
艦砲に装填された巨大な砲弾が放たれると同時に転移で消え去る。
しかし、相手への直撃ではなく。
相手の近傍宙域全てから相手から少し離れた宙域。
更には近接宙域より重力波に指向性を持たせて空間毎捩じ切って破砕する一撃は宇宙が膨らむ速度が光の速さを超えるように空間そのものの膨張、湾曲速度だけで光を超えて瞬時に相手のいる宙域を呑み込んだ。
世界を歪める兵器が乱打された結果。
捻じ曲がった時間すらも不均一な渦に巻き込まれた宙域が巨大なうねりに飲み込まれる。
『め、命中!! 敵障壁反応消えました!! て、転移する個体を推計中……凡そ84%が瞬間転移で脱出したと推測されます!!?』
「くっ!? しぶとい!! しかし!! 貴様らの邪悪さと手の内なら、解析済みだとも!! 人類との闘争において数億年の叡智!! 勝って見せる!! 準知性体共の例の試作兵器は!!」
『発艦準備が出来ております!!』
「よろしい!! 人の知性が発する波動に引き寄せられるのならば、撒き餌としては十分だ!! 発進させろ!! 連中に食い付いている隙を逃すな!! 反物質弾を3、ミラーコード弾を7の比率で食い付いたと同時に放て!! 連中とて生物だ!! どれだけ強かろうがな!!? 我らの悪意を前に滅びる運命だと教えてやれ!!」
オロモス級の外壁ハッチから発艦したのは速度だけはある装甲の殆ど無い小さなポットの群れであった。
その大半に詰められているのは生命体だ。
邪神は生命を侵食し、喰らう。
もしくはその力で同族の如く眷属としてしまう。
嘗て、生命溢れる銀河が邪神の巣窟となった例は枚挙に暇が無い。
そして、その習性を利用し、知性体ではあるが、知的ではない種族。
あるいは犯罪者や種族単位で帝国内で生きていては困る者達を詰めた“撒き餌”は絶大な効果を発揮する囮として極めて有用だった。
帝国の歴史は正しく“要らない種族”を使い潰す事で永らえたものであり、その極限系である兵器を護る為にその知的とは言い難い種族……人型も獣型も菌糸型も蟲型も雑多な生命達は正しくオロモス級の盾として数百万規模で全方位に放出され、高速で近傍宙域へと加速。
囮として生きていて貰わねば困る為、たったそれだけを維持する以外の能力の無い内部構造に詰められた彼らは最後の時を死んだ魚の目になって待っていた。
希望は無い。
前門の虎、後門の狼。
もしくは行く道も退く道も無い片道切符。
進退窮まった者達に出来るのは瞳を閉じるか。
あるいは閉じる瞳が無ければ、ただ待っているか。
それだけであった。
その球体状のポットは数百が束ねられており、ソレ自体が散弾と同じように一定距離の加速後に連結を解いてばら蒔く。
こうして、40万㎞程を圧死しない程度の加減速で打ち出された者達は……ポット内の樹脂製の窓から見た。
悪魔の如き何かがゆっくりと彼らのいる宙域に現れ、歓び勇んで自分達に手を伸ばすのを。
それを狙い撃ちせんとする艦隊の攻撃によって消滅させられた方が楽なのかどうか。
それは試して見なければ……分かりはしないだろう。
―――ああ、神様。
誰かが呟いた。
だが、神はいない。
そう、神は存在しない。
それは現前として宇宙の真理だ。
神の如き旧き者達はいた。
力を持ち。
神を自称する者達はいた。
しかし、帝国が全てを呑み込んだ時。
神はいなかった事が証明された。
正確には“まだ生まれていない”と現代の帝国における神学論においては結論されている。
だから、その呟きには意味が無い。
神がいない以上は出てきようも無いのだから。
超至近距離で届く諸々の誘導弾と砲弾が次々に彼らに向けて時間を調整されて撃ち放たれている以上、彼らの寿命は邪神が接触して食らい付いた時には終わっている。
もう、救いは無かった。
「(`・ω・´)(はろーうちゅうせんそーちゅーなウチュージン=サンという顔)」
―――はい?
その時、準知的生命体……“単なる無学で無智で知能が少し低い人間程度な知性体”の多くは何か気の抜ける蟲のぬいぐるみに挨拶されて小首を傾げ。
光が全てを呑み込んで最後に変な幻覚を見た、と思った。
しかし、目を瞑っていた多くの知性は目を開けた時、何か理不尽なものを見た気がした。
「え……」
何も、無い。
大量の300kmはあっただろう超巨大な邪神の顔も背後から撃って来るはずの巨大なブラックホールを内包した艦船と無数の艦隊も何もかも無くなっている事に気付く者は無かった。
ただ、静かな宇宙には蜘蛛のヌイグルミが浮いていて、何かペシッとポットを叩くと中に沈み込むように入って来て、ヨッと片腕を上げて再び挨拶してくるのだ。
「( ̄▽ ̄)(君達、1日8時間3食昼寝オヤツ定休日完全寮生活付き労働とかに興味ない?と看板に絵で示してみる蜘蛛の顔)」
「え、あ、う……おし、ごと?」
知性体の1人。
まだ幼いケモミミな人型……ケモ7、ヒト3くらいな幼女が理解して尋ねる。
「\(^o^)/(じんせーおわた式ろーどーをうちゅーじんにも広め隊だいひょーとして、みなさんをごしょーたいしてもおーけー?とボディランゲージで示してみる蜘蛛の顔)」
「あ、ぅ……え、えぇ、と……よろしく、おねがい、します……」
初めて意思疎通した幼女がそう言った時にはもう数百万のポットは綺麗サッパリ消え失せていた。
そして、数百万体程の蜘蛛達が現地で周辺宙域にバラバラに散らばっていき。
天使蜘蛛達が1億体程現れるのを確認した後。
「(^◇^)(………資源一杯、同胞にしても良さそうなのも一杯……地獄門経由でいいもん拾っちゃったなーという顔)」
「(^ω^)(ま、中性子星4個くらい使い潰しちゃったけど。ま、いっかと慈善事業は気持ちが良いものですなーと見付けた資源の塊達を時間軸の変化した別次元領域内部から観測する蜘蛛の顔))」
「(|ω|)(セフィロト級の機能で色々と条件付けした機能性空間を創出するとか。黒鉄の戦艦の機能再現版らしいけど、あったまいーよね上司とセフィロト級強化に余念が無かった金色な上司を思い浮かべる蜘蛛の顔)」
「(A◇A)(超加速した空間内なら、ほぼ相手は止まってるに等しいからねと現実の宇宙空間ではまだ何も動き出していないのを観測する蜘蛛の顔)」
「(´・□・`)(コレ一度言ってみたかったんだよね。オーダムせんちょーの名台詞……やろーども!! 獲物だぁあああああああああああああ!!!! と、わざわざ海賊御用達な帽子と海賊が使ってそうな錆び錆びの剣と船長っぽいオーダムの制服を再現したコスプレ蜘蛛の顔)」
「( ̄д ̄)(う、うちゅーかいぞく!!? これがいわゆるロマン的サムシング!?と好奇心を刺激されて、一瞬で宇宙海賊っぽい蜘蛛用制服の情報を紡ぎ上げ、天使蜘蛛達と一緒になって纏ってみる先進大陸のSF大好き服飾デザイナー系蜘蛛の顔)」
「ヾ(≧▽≦)ノ(いや、掛け声はやっぱり、蛮族っぽく。コレでしょ!! ひゃっはぁあああああああ!!!と戦場に突撃していく超速ドリフトをこよなく愛する漫画愛好家な蜘蛛の顔)」
―――神はいない。
そう、この宇宙に神はいない。
しかし、他のモノならば、まぁまぁいるというのが事実であった。
可哀そーな知性体を数百万程労働力として確保する為に地獄門に中性子星の解体エネルギーを馬鹿食いさせて瞬時に時空間を超越した蜘蛛達は邪神と宇宙帝国らしい者達の最前線へと突撃していく。
宇宙は知らない。
そう、この宇宙は知らない。
上には上がいる。
そして、“彼ら”の庭で騒いでいる方が悪い。
蜘蛛は静寂を好むわけではないが、自分の巣を防衛する為なら、宇宙の覇者も宇宙を侵食する邪神もイラネと叩き潰すくらいには無慈悲なのだ。
だから、その日あった事は……宇宙帝国の絶望でも邪神の駆逐でもなく。
「(^ω^)(最終戦争前の大掃除。年末年始はやっぱ掃除でしょと腕まくりして普通のkm級宇宙戦艦を殴り付けて吹き飛ばす蜘蛛の顔)」
「(^◇^)(洗剤代わりに真菌如何っすか~~邪神も侵食して綺麗に資源化してくれるしんきーん♪と邪神に真菌を散布して、次々に癌細胞のような肉塊へと変貌させていく蜘蛛の顔)」
邪魔なゴミをリサイクルするだけの“掃除”だったのである。