講評が終わり、授業が終わった。出入り口の前にオールマイトが立ち、話を始める。
「お疲れさん!
緑谷少年以外は大きな怪我も無し、しかし真剣に取り組んだ!初めての訓練にしちゃみんな上出来だったぜ!」
「相澤先生の後でこんなまっとうな授業...なんか、拍子抜けというか...」
蛙吹さんのその言葉に、クラスメートたち全員がうなずく。だがオールマイトはその呟きに答えた。
「まっとうな授業もまた、私たちの自由さ!
それじゃ、私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室に、お戻り~!」
オールマイトはそう言うと保健室に向かい、高速で走り去った。
(...なぜ急ぐ必要がある?そういえば最近はオールマイトをニュースで見ることが少ないような...?関係ないか)
授業が終わり、空がすっかりと夕暮れとなった放課後。
屋内対人戦闘訓練での反省会が行われた。
「しっかし、常闇すげ~な!入試1位の動きを予測して完封するなんてよぉ!」
「完璧に読むって、すごいね!」
「恐縮の至りだな、訓練でなければ俺は負けていただろう」
クラスメートたちが反省会を行っていると教室の扉が開いた。
そこから姿を現したのは、意識を失い保健室で眠っていた緑谷だった。緑谷の姿は腕に包帯を巻いており、右腕を治癒していない。
「おお~!緑谷来た!お疲れ~!」
切島の言葉によって、緑谷に視線が集まり、緑谷の元へ移動した。
「何喋ってっかわかんなかったけどよ!熱かったぜお
「入試2位の爆豪と渡り合うなんてな!」
「よく避けたよ!」
「1戦目であんなのやられたから俺らも力入っちまったぜ!」
「エレガントとは程遠かったけ 」
「よく避けたよ~!」
切島、瀬呂、芦戸、砂藤、青山に 青山は違うが 褒められ、緑谷は驚きながらもうれしそうな表情を浮かべた。そして、緑谷に対して自己紹介をしようと何人ものクラスメートが話し始める。
上鳴が麗日と一緒に食事をしようと提案を持ち込み、麗日がお餅と答えると緑谷の存在に気づき、緑谷の元へ走り寄った。
「あれ?デク君怪我治してもらえなかったの?」
「ああ、いや。これは僕の体力のあれで…」
「あれ?」
緑谷は麗日と話しながら、爆豪を探す。しかし、教室内に爆豪の姿はない。
「あの、麗日さん。それより…」
夕暮れが照らす廊下を全力で走り、息を吐きながら校門に向かう
麗日さんによると、かっちゃんは帰ってしまったらしい。
僕はまだ間に合うと思い、かっちゃんと話し合おうと追いかけた。
『なあ、おい!俺を騙してたんだろ?ずっと!!!』
『随分と派手な個性じゃねえか!』
屋内対人戦闘訓練でのかっちゃんの言葉が脳内をめぐり、早く言わなきゃという思いが心を埋め尽くす。
下駄箱までたどり着き、校門をくぐって帰ろうとしているかっちゃんを見つけた。
「かっちゃん!」
僕のその言葉にかっちゃんはああ?といいながら振り返り、僕を見つめる。
母にも言っていない、絶対に言ってはいけない秘密。それを、かっちゃんに告げた。
「これだけは、君には言わなきゃいけないと思って...
僕の個性は、
かっちゃんは、は?と呟き、動かないで僕を見つめる。
「誰かからは、絶対言えない!言わない...でも、コミックみたいな話だけど本当で...おまけにまだだろくに使えてなくて、全然ものにできてない状態の借り物で...
だから、使わずに君に勝とうとした。けど、結局勝てなくてそれに頼った」
僕の言葉に、かっちゃんは顔をぴくぴくとさせながらも、まだ動かずに僕をじっと見つめる。
「僕はまだまだで、だから…だから…
いつか、この個性ちゃんとを自分のものにして、
騙してたんじゃないと弁明するはずが、秘密を喋ってしまっている自分にハッとし、困惑した。
僕に振り向いて、かっちゃんは俯いて答える。
「なんだ、そりゃ...借り物?訳分かんねえこと言って...これ以上コケにしてどうするつもりだ。なあ!
だから何だ?今日、俺はてめえに負けた。そんだけだろが...そんだけ...!
仮面のやつを見て、絶対に負けるって思っちまった!氷のやつ見て、
くそ!ポニーテールのやつの言うことに納得しちまった!
くそが!くそ!くそ!」
かっちゃんは、涙を浮かべた顔を上げて僕に宣言する。
「なあ!てめえもだ、デク!
こっからだ!俺はこっから!いいか!俺はここで一番になってやる!」
かっちゃんはそう叫び、振り返って歩きながら帰っていった。
「俺に勝つなんて二度とねえからな、クソが」
緊張のせいで息を吸うことを忘れていたようだ。会話を終えれたことに安堵し、息を吸い込む。
「いたあああ!爆 豪 少 年 !!!」
強い風と共にオールマイトが高速でかっちゃんの背後に移動し、両肩に手を置いて勝っちゃんに話しかけた。
「言っとくけど、自尊心てのは大事なもんだ。君は間違いなくプロになれる能力を持っている。君はまだまだこれから 」
「離してくれよオールマイト、歩けねえ。
言われなくても俺はあんたをも超えるヒーローになる!」
オールマイトは冷や汗を浮かべながら、手を放した。かっちゃんは涙を指で拭いながら無言で去っていった。
かっちゃんの導火線に火が付いた。だけどやることは変わらない、僕は背中を追うだけだ。
「緑谷少年!爆豪少年と何を話していたんだい?気になるねえ、詳しく聞かせてもらおうか」
「あっ、あの...実は...」
柱の影で話を聞いていた蓮君に気づかず、僕はオールマイトと秘密の話をしたのだった。
出久たちの会話を少し聞いた後、誰にもばれないよう気配を殺して家に帰った。
ベットに横たわり、考え事をする。
「平和の象徴から個性を譲り受けた平和の象徴の卵...主人公みたいだな。出久は飲み込み速いし、新たな平和の象徴になれるだろうな。
だけど、個性がない状態でオールマイトは戦ってるのか?...無いか」
出久のことを考え終え、講評の時間に言われたことを思い出す。
『常闇さんは雨宮さんの行動を予測し、常闇さんと蛙吹さんのできることを考えて作戦を組んだことです。
雨宮さんは、先程戦いに勝つことを優先しました。常闇さんとの戦闘は逃げようと思えば逃げれる状況だった。だけど雨宮さんは核を回収することではなく戦うことを優先し、その結果追い詰められ確保されました。
それに加え建物の破壊...戦うことを楽しみ、ヒーローとして成すべきことをしなかった。ヒーロー失格といってもいいですわ』
はあっとため息を吐き、ベッドから起き上がって机に座った。
「その通りだな...いつまでもゲーム脳でいちゃダメなんだ。これは現実世界だ。
個性も物理現象、ゲームじゃない」
数学の参考書とノートを取り出しながら、言われたことを整理する。
「戦闘狂な一面があるな、俺...
元はと言えば、前世からずっと一般人だったのに
なんなんだ俺は...?前から思ってたけど、アルセーヌが使えるのもおかしいし...愚者のアルカナを持つアルセーヌを使えるのに『ワイルド』は無いし...」
何かが引っかかる。
「あの覆面男...あいつに掴まれたとき、嫌な感覚がした。心臓を素手で握られて、ついでに何か大事なものを取られた感じ。何かある...? いや、考えすぎだ」
思考を止め、数学の勉強を終える。そして個性誕生前の歴史が掛かれた書籍を読む。
「心の怪盗…?」
この世界は俺が死ぬ前の世界と酷似している。だが、ありとあらゆる技術が発達していて死ぬ前の世界から何百年分も進んでいる。エラ・イヒトと呼ばれる昔の偉い人も「超常が起きなければ今頃人類は恒星間旅行を楽しんでいただろう」と発言した。
現にAIの暴走という事件が起きたこともあるのだ。だが、個性誕生前の時代は本当に死ぬ前の世界と同じ。
だが、個性以外に一つだけ、違う点が一つだけあった。
それは、
「...どういうことだ」
今から140年前の2016年4月、心の怪盗と呼ばれる存在が改心と呼ばれる人の心を操る行動を行っていた。そして2016年12月から活動がなくなり、2017年8月の始まりから終わりまで活動していた。現在はフェイクニュース扱いされていて、心の怪盗は存在しないと結論付けられている。
「ペルソナ5の140年後...?2020年頃に中国で光る赤子が生まれた。4年...わからん。
どういうことだ?死ぬ前に遊んだゲームの世界に転生...?マジで分からん...」
考えることすらもしなかった可能性を書籍によって気づかされ、疑問が俺の頭を埋め尽くす。
「俺の
溜息を吐き、書籍を閉じてベットに横たわった。
「考えてもわからないことは後回しだ。出久のトレーニングにももっと協力しないとだし、ヒーローでもありジョーカーを目指してることも忘れたらダメだ」
俺は頬を両手でたたき、布団をかぶって眠ったのだった。
アルカナ:愚者
人間パラメータ
・知識:インテリ
・度胸:筋金入り
・器用さ:職人級
・優しさ:聞き上手
・魅力:注目株
ペルソナ
アルセーヌ・一騎当千の眼差し
Lv16
物 銃 炎 氷 電 疾 念 核 祝 呪
― ― ― 弱 ― ― ― ― 弱 耐
力:28
魔:31
耐:24
速:47
運:10
会得スキル
・エイガ
・マハエイガ
・パワースラッシュ
・ダブルシュート
・コンセントレイト
・武道の心得
・呪怨ブースタ
・生還トリック
ミックスレイド
『
ダブルシュートとエイガの融合技。ダブルシュートなら二発の弾丸のはずだが、二発分の威力を融合してる。コンセントレイト・チャージで強化可能で、コンセントレイトの場合は範囲の拡大、チャージの場合は二発の弾丸が放たれる、両方の場合は一発の漆黒の弾丸が放たれる。
『
マハエイガとパワースラッシュの融合技。コンセントレイト・チャージで強化可能で、コンセントレイトの場合は斬撃が飛ぶように、チャージの場合は範囲の拡大、両方の場合は広範囲高火力攻撃になる。
投稿遅れたのに内容少なくてごめんなさい。ずっと体育祭の準備とかで書く余裕がなかったの。