俺のジョーカーアカデミア   作:perusonazuki

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#12 怪物

 休日の昼、Gamuさんの記憶集めのためにいつもの公園で待つ。

 

(...ペルソナの世界っていう前提で考えるとしたら、この世界で俺だけがペルソナを扱える可能性の方が低い。というか、ペルソナ使いとしての力が個性による何かしらの影響で現実世界で使用可能になってるみたいな感じか? ペルソナは正義の力ではない、悪がペルソナを持つこともある。

 《悪魔の審判》は意志の強い者、上澄みのペルソナ使いには通用しない、即死もだ。《疑似ミックスレイド》も俺の発想力では『閻魔弾』と『閻魔斬』以外思いつかいない。もし悪のペルソナ使いがいるなら...)

 

 いろいろと考えていると、頬に冷たい感覚が走った。そのため振り返ると、Gamuさんがたっており、俺の頬にコーラの缶で触れたようだった。

 

「大丈夫か?コーラ買ってきたぞ」

「ありがとうございます。じゃあ、行きましょう」

 

 手渡されたコーラを受け取り、缶を開けながら歩きはじめる。

 記憶を探す。言ってしまえば、不可能といっていい。捜査範囲は静岡県周辺だけでかなりの範囲。それに加えてGamuは解離性障害に近い記憶の失い方をしている。

 名前も本当の両じゃない親代わりの人に着けてもらったらしい。

 何か大きな出来事を思い出すことができれば連動してすべての記憶を取り戻しそうなのだが、俺からしたら大きな出来事である個性の暴発でも大部分の記憶は思い出せていない。

 個性暴発の記憶を思い出した現状は飼っていた犬と姉がいることしか思い出せていない。姉に関しては居るというだけで外見や性格など重要な情報はすべて思い出せていない。

 なぜ姉がいることだけを思い出せたのかというと、犬を殺害してしまった直後、姉がやってきたということだけ思い返せたのだ。

 しかし、そこから進展がない。Gamuさんが少し冷静になったぐらいで特に影響がない。

 

「一旦、ご飯を食べませんか?」

「そうだな、腹も減ったし」

 

 Gamuさんの了承も得て公園近くのカフェに入った。ガラス張りのカフェで、公園で遊ぶ子供や日曜だというのに働きに行くサラリーマン、買い物に行く人々などいろいろな人の動きがよく見える。

 

「お前、胃袋どうなってんだ?」

「なんでですか?」

「いや、もう4皿目だろ...?」

「カレーとコーヒーは合うんですよ」

 

 俺はコーヒーを、Gamuさんはコーラを注文し、二人でカレーライスを食べているときだった。

 

「...?」

 

 公園で遊んでいる子供の一人が消えた。

 それだけなら何も思わない。しかし、その直前に翼の異形型個性を持った人物が子供をさらったように見えた。

 

「ちょっとGamuさんはここで待っててください。代金置いておきますんで」

「...? ああ」

 

 見間違いの可能性もあるが、見間違いではなかった場合を考慮し、一般人であるGamuさんはカフェに待機させ翼を持った人物を追う。

 

 ヒーロー免許。それは個性の使用が可能となる免許であり、ヒーロー免許を持たない者が個性を無断使用した場合法律で罰される。

 もともと個性に対する法整備に対応する前に、ヒーローとして自警団活動をした者達がいた結果、市民からの思いで個性使用が可能なのはヒーローだけとなったのだ。

 しかし、俺は免許を持っていない。仮免許もあるが、それは9月に会得する機会があるだけで今はまだ会得できていない。

 

 つまり、俺は個性を使用してはいけない。

 

 しかし、雄英体育祭はまだ行われていない。

 雄英体育祭はオリンピックに近いものといってもよく競技は全世界に放送される。逆に言えば雄英体育祭を経験していないということは俺の知名度は0に近いということ。

 法に触れてしまったものは(ヴィラン)として扱われてしまう。しかし、それはバレてしまったときだけである。ならば、バレないように個性を使えばいい。

 

「アルセーヌ」

 

 人がいない路地裏にて、アルセーヌを顕現する。

 アルセーヌと自身の体を同時に動かすのは集中力を消費し、15分ほどしか動かせない。なら、アルセーヌだけを動かす場合はどうなるか?

 最大3時間ほどの稼働が可能となる。だが、スキルを使用することになる場合は30分ほどしか持たない。

 

 アルセーヌの翼を動かし、子供をさらった人物を追いかける。

 高速移動なら、ペルソナを動かすのと同時に翼を動かせばかなりの高水準でできる。そして子供をさらった人物は近くにいるようだ、子供の泣き声がする。

 

「こいつは...ッ」

 

 俺が見た翼を持った人物、それはハッキリ言ってかなり異常な姿だった。

 その人物は体全体が黒色であり、半裸。むき出しの脳に目玉がついていてクチバシをもった到底人間とは言えない容姿だった。

 こちらには気づいていないようで子供を足の鉤爪のような器官でつまんでいる。

 

《パワースラッシュ》

「クギャッ!?」

 

 異様な容姿をした人物は知覚能力が低いようで死角からの蹴りによる斬撃を回避することができず、異様な容姿の人間は空中でバランスを崩し、地面に落下した。もちろん、子供は抱きかかえているため問題はない。

 

『死なないよう加減したが、先の悲鳴といい、本当に人間なのか?』

 

 俺の知っている限りどのような異形型個性でも脳みそがむき出しである人物がいなかった。

 それは生命として、脳は絶対に守らねばならない部位だからだ。いくら個性が強かろうと肉体は脳を必ず守る。だが、この人物は脳を一切守らない体の構造をしている。それどころか落下する際に防御行動もとらなかった。

 

「脳無...?」

 

 今のアルセーヌの知覚能力では言っている言葉が聞こえなかったが、声がした方を向くとGamuさんがそこに立っていた。

 だが、そんなことに驚いている瞬間、俺の体に()()が走る。

 

 異様な容姿をした人物がG()a()m()u()()()()向けて手を伸ばしていたのだ。

 

 アルセーヌは今、路地裏を飛んでいる。パワースラッシュは間に合わない。エイガなどのスキル発動速度も間に合わない。そのような思考が頭を埋め尽くす。

 

『避けろ!』

 

「ギャ」

 

 アルセーヌ越しでの発声。初めての試みで声がまるで違うが、聞き取れるほどの音質で伝えれたようだ。

 Gamuさんは回避行動をすぐにとり、体をひねって地面を蹴飛ばし別の路地裏に出た。そしてその直後、Gamuさんがたっていた場所はエネルギーのような何かが通過し、地面を(えぐ)った。

 少しでも警告が遅れていたら、Gamuさんは死んでいただろう。だがそれだけで安心している場合ではない。すぐに異様な容姿をした人物の背後に移動し、予備動作からエネルギー弾を出すと考えスキルを使用する。

 

《エイガ》!』

 

 ガラスを砕く音を響かせ、瞬時に腕を暗闇での飲み込み、破壊した。

 しかし、破壊した腕はすぐに再生し、元通りとなった。その事実を呑み込み、異様な容姿をした人物を観察する。

 

「ギャッ!」

 

 異様な容姿をした人物を再度、腕を伸ばし周囲を抉るエネルギー弾を放った。

 

《マハエイガ》!』

 

 異様な容姿をした人物を攻撃するために繰り出された暗闇は、エネルギー弾によって歪められ抉られて消失した。だが、その代わりにエネルギー弾を相殺することができたようだ。

 

(こいつは一体なんなんだ?

 さっきのエネルギー弾は?翼と鉤爪は?さっきの再生は?すべて個性なのか?

 いや、それよりも人命だ。Gamuさんもつれてこの場を離れる必要があるッ)

 

《ダブルシュート》

 

 少しでも足止めするため、翼と足に銃弾を放つ。だが、ダブルシュートはエアガンなどの銃を通さなければ命中率がかなり低下する。翼には当たったが、もう一発は空を掠めた。

 

「ガァッ!」

『そこの男性、子供を連れて逃げろッ!』

「わかったよ!」

 

 Gamuさんに子供を投げ渡し逃げるように指示を出して、目の前の異様な容姿をした人物に意識を向ける。

 

 その直後、異様な容姿をした人物は俺の眼前に迫り鉤爪を振りかざした。

 

『グッ!』

 

 即座に防御行動をとり、腕で攻撃を防ぐ。

 

(10mほど距離を置いていたのに、瞬時に目の前に迫った。身体能力も高いのか!)

 

《パワースラッシュ》

 

 そして防御行動をした勢いのまま腕を振り、異様な容姿をした人物を切り裂いた。だがその行動も虚しく、すぐに再生する。だが、

 

《エイガ》!』

 

 顔面を掴み、掌から(じか)にスキルを発動させた。手のひらから発生した暗闇は異様な容姿をした人物を飲み込んだが、すぐにエネルギー弾を使用し、相殺される。

 

(一撃で決める...いや、相手は人間かもしれない。人殺しは駄目だ。それに、疑似ミックスレイドでもないと一撃では無理、しかも俺は今別の場所にいる。かといって今から向かっても無駄。それにもう気力も限界に近い...!)

 

 瞬間、異様な容姿をした人物は俺を無視して()んだ。再生能力によって再生した翼は、先ほどよりも早い速度を出し、高速で飛翔する。

 向かう先は  

 

(Gamuさん!!!)

 

 子供の手を()()()()()()()()()()握り走っているGamuさんの背後に異様な容姿をした人物が迫る。

 

(届かない!マハエイガもあたらない、ダブルシュートは外したらGamuさんに当たる!)

 

 高速で思考をめぐらせ、アルセーヌを更に早く動かそうとする。だが、間に合わない。

 

『危ない!』

 

 その言葉の直後、Gamuさんは足をひねって回転し異様な容姿をした人物に向き直した。

 そして子供を安心させるように後ろに行かせ、地面を踏み込む。

 

「壊れろ!!!」

 

 その叫びと共に、空中に跳躍したGamuさんはその勢いのまま、異様な容姿をした人物の顔面を右腕の()()()()()()

 

「ガァァァァァアッ!」

 

 異様な容姿をした人物は絶叫を上げ、頭から徐々に()()が入っていく。しかし、その()()は再生能力によって回復した。ならばと両腕で顔面を掴み、パキパキと音を鳴らしながらその()()を全身に広げていく、異様な容姿をした人物は体全体の色を灰色に変え、()になった。

 

「...もう大丈夫だ」

 

 Gamuさんはそれを告げると、子供は泣きだし、どこかに行ってしまった。

 Gamuさん塵にした()()に、意識を向ける。

 

(...仕方なかった。か)

 


 

 気力も限界を迎え、アルセーヌの顕現を解除する。そして即座にGamuさんの元に向かった。

 

「Gamuさん、大丈夫ですか?」

「...何がだ?」

「帰ってきたらいなくなってたんで、何処に行ったのかと...」

 

 建前を立てながら、Gamuさんに怪我がないか確認する。

 

「俺はお前の子供じゃないぞ」

「でも、一人でどこかに消えると心配です」

「それはお前もだ」

「...あっ」

 

 会話を続けていると、一人の子供が歩いてやってきた。

 

「ヒーロー! さっきはありがと!」

「ヒーローじゃない」

「ええ!?でも、かっこよかったからヒーローだね!じゃあね!お兄ちゃん!」

 

 子供はそれだけ告げると、嬉しそうな顔をして走り去っていった。Gamuさんの顔は、なぜか少しだけ険しくなっている。それと同時に髪も少し白くなった気がする。

 

「...ああ、そうだな。昔は、ヒーロー...目指してたか」

 

 Gamuさんはそう呟き、ベンチに座った。

 

「記憶、何か思い出したんですか?」

「お姉ちゃん、いるって言っただろ?名前は華だったんだ。華ちゃんと一緒に姉弟でヒーローになろうって言ったんだ。けど、何かしらが起きたんだ。それで、俺は庭にいて、モンちゃんを殺して、そのあと華ちゃんも殺したんだ。

 何が起きてるかわからなかったんだ、ヴィランが攻撃してきてるんだって思った。けど、実際は俺が壊したんだ。滑稽だよな?ヒーローになりたいって思ってたやつが、ヴィランやってんだ」

 

「今からでも遅くないですよ。それに、前にも言いました。個性暴発による殺人は事故です。ヴィランにはなりません」

「へえ...けど、俺は()()()()()()()にはならないな」

「...わかりました」

 

 Gamuさんとの関係がさらに深まった気がする。

 

 

 

 その後、別れの挨拶を告げ、自室のベットに寝転がった。

 

(...Gamuさん、大丈夫なのかな。記憶を取り戻していくにつれ、目が鋭くなってる気がする...それに、人間なのかはわからないとはいえ、人型の生物を殺してしまった。精神的負荷も多いんじゃないか?

 それに、あの異様な姿をした人...明らかに複数の個性を持ってた。

 翼・再生・エネルギー弾...関連性が全くない。複合個性だとしても三つもある。あれは一体...?)

 

 思考をめぐらせるが答えは出なかった。




 Gamu—『塔』:コープランク4
 会得コープアビリティ
 ・姉の記憶

個人的にはペルソナ使いの強さ順はこういう感じ。
 結城理>ワイルド持ち>雨宮蓮>普通のペルソナ使い
ペルソナ一体の扱いのうまさなら
 雨宮蓮>結城理≧番長≒ジョーカー
  になる。ワイルドがあれば化ける。

 この世界はp3→p4→p5r→ヒロアカっていう感じで進んでるよ。DLCは存在してない。
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