誰もがオールマイトに気を取られている中、俺の体にのしかかる莫大な疲労感。
(なんっ...だ?)
その倦怠感の正体は前世の記憶によって分かった。
(...ペルソナが覚醒したからかッ!)
ペルソナが使えること、しかも
裏路地に入ったところで、衣服が蒼炎と化し、衣服が元に戻った。
同時に視界が歪み、ひどい立ちくらみに襲われる。
「ッぐ...うぅ。早く家に...」
幻覚なのだろうか、辺りに碧い蝶が飛んでいる。しかし、その碧い蝶は消滅した。
まるで本来は消滅することは無いはずだったかのように点滅しながら消滅した。
俺はこの碧い蝶の存在をなぜか疑うことすらせず幻覚と決めつけ壁に手を付けながら少しずつ歩く。
家にたどり着いた、玄関の扉を開ける。
ガチャっという音が家に響き渡った。しかし、その音に反応する者は誰もいない。
ハァ、ハァと息をはきながら手すりにつかまり階段を上る。
そして寝室に入り、ベッドの上に倒れこみ泥のように眠った。
碧い世界が広がる。そして、辺りを見渡すと同時に無数の鉄の鎖が俺の体を縛り付けた。
だがそれに抵抗し腕を広げ、鎖による拘束を解き放とうとする。しかしその鎖が解き放たれることは無い。
「…?」
かすかに声がする。誰かの、声がする。
あなたは囚われ。あらかじめ未来を閉ざされた、『運命の囚われ』。
これは極めて理不尽な『破滅の運命』。貴方は奪われた。『ワイルド』の 力を、それ故にこの『破滅の運命』を避けれる可能性は、ほぼ無いに等しい。
しかし、この声が微かにでも届いているということはまだ可能性は残っているはず…
お願いです。この『破滅の運命』に打ち克ち…世界を、救って…
逆転の鍵は、『
どうか、お願い、世界を…あなたと絆をつなぐ者達の、未来の…ために
声を聴けば聞くほど最初は不明瞭だった声がどんどんとはっきりとなる。
そしてその声を聴き終わったと同時に俺の意識は闇に落ちた。
朝だ。家にたどり着いた時、ベッドに倒れこみ眠ってしまっていた。
昨日眠りについた時間帯はおそらく5時ごろ、今時計の針がさす時間は9時16分。
つまり俺は16時間ほど眠ってしまっていたのだ。しかしそんなことなどすぐに頭から吹き飛ぶことになった。
「なんで、俺はペルソナが使えたんだ...?」
ベッドの上で疑問に思い、独り言をつぶやいた。
当然その問いに答えるものは誰もいない。
「出せるか…?」
そうペルソナを出そうとした瞬間、かけなおした伊達メガネが白いドミノマスクに変化し、
「〈アルセーヌ〉」
呟いた瞬間、ガラスが砕け散るような音とともに白いドミノマスクが蒼炎となり
しかし、衣服が変化することは無い。
(服は変わらない?
スキルとかも使えるのか…?)
「《エイハ》」
瞬間、衣服は蒼炎に変化しスリットの入ったトレンチコートに赤手袋に黒ブーツとなってアルセーヌは手をかざし、空中に闇が発生する。
「スキルは使える…常時発動スキルも…おそらくある。ならなんのスキルが発動してるんだ…?」
そう思考し今の俺にできることを確認する。
(感覚としては4つの何かがある…
1、エイハ。ペルソナでいえば呪怨属性の小ダメージ
2、スラッシュ。ペルソナでいえば物理属性の小ダメージ
3、何か。おそらく常時発動スキル。
4、何か。おそらく常時発動スキル。
ペルソナの
だがペルソナは一人一つそのため大体のペルソナは1か2属性、それに加えて常時発動スキルにバフデバフで埋まってしまう。
だが、『ワイルド』と呼ばれる0の力や無限の可能性を司どり、絆を力へと変えることができる特殊能力がある。『ワイルド』の能力を持つ者は本来一人一つであるペルソナを複数体所持し、使い分けることができ、まさに切り札と言える存在だ。
しかし、『ワイルド』の力はペルソナ3の主人公、
『ベルベットルーム』...夢と現実、精神と物質の狭間にあり、訪れる者の精神の有り方を反映する碧い部屋。その部屋にいると部屋の主、イゴールと契約することで『ワイルド』の力を得ることができる。
だが俺はイゴールと契約できていない、それどころか『ベルベットルーム』にすら行けていない。
なら最初から『ワイルド』を持っている…というわけもなくペルソナはアルセーヌ以外何もいない。
というか『ワイルド』の力自体が『ベルベットルーム』と繋がれる能力があり行けていない時点で『ワイルド』を持っているという可能性は0だ。
そうだ。そもそもがおかしい、ペルソナは個性関係ない魂の力、困難に立ち向かうための人格の鎧。この世界でなぜこの力が使える?
もし個性だったとしても普通はもれなく5歳ぐらいで個性は発現する。それに比べてペルソナが覚醒した時の俺の年齢は15歳で年齢が釣り合わない……
元から個性として体には在ったけど個性を引き出せなかった……?
ペルソナシリーズではペルソナの覚醒方法はそれぞれで異なる……
P3:死の恐怖を乗り越える心を手に入れる。
P4:目を背けてきた自分の心の内に秘めた欲望を受け入れる。
P5:理不尽に対する怒り、反逆の精神を発露させる。
…全部達成してるな。
俺は前世で殺されたのもあって死ぬのが怖いと思ってたし偽善を積んでいる自分を拒絶していた。けど、
つまり、ペルソナは個性自体としてはあったけど覚醒できていなかったからペルソナを扱えなかった…?
そうだとするとかなりしっくりする。
ならもうペルソナに関しては掘り下げられることは無いか…)
思考を完了する。気が付けば午前10時48分、1時間以上考え続けていたようだ。勉強机の椅子に座り今後について考える。
「…ペルソナが使えるようになったんだ。
弱きを助け、強きを挫く。最高の
目標が決まった。そうとなれば、その目標に突き進むのみ。
ならば、ヒーロー免許を取るには何をすればいいか…それは高校もしくは大学のヒーロー科で仮免許を会得しそのまま学校を卒業した時に初めて完全なヒーロー免許を会得できる。
最高の
つまり、これから入学する高校の名前は
(国立雄英高等学校だな...)
通称雄英と呼ばれる、偏差値70、倍率300の名門中の名門であり、No.1ヒーロー、オールマイトやNo.2ヒーロー、エンデヴァーを輩出した超難関高校で日本の最高峰の高校といっても過言ではない。
しかも、ただ偏差値、倍率が高いだけでなくヒーロー科への入学を掴み取ったとしても実戦前提であり、且つ高い結果を求められる各種実技や訓練に耐え切れず退学を願い出る者もいる。訓練についていけない者などは教職員判断により除籍処分を受ける者もいるなど、名門と呼ばれるに値する厳しさも折り紙付きである。
客観的に鑑みて今の俺は雄英には入れない。5教科の偏差値が平均64ぐらいであり偏差値79には到底及ばない。
それ以外にも
「10ヶ月か…
そうだ、それに
勉強机の椅子に座って数学の数Ⅰを解きながら考える。
(それに、俺は転生してるんだ。転生前とこの世界は大体一緒だ。数学や化学もほとんど変わらない。
前世分俺はリードしている)
そんなことを考えながら数Ⅰの参考書を見て、問題の答えをノートに書く。
ひと段落がついたためベッドに横たわり、時計を見て俺は驚愕した。時計の針がさす時刻は午後11時12分だったのだ。
知識が身についた気がした。
俺は今外を出歩いている。理由は
「どこにもないのぉ...」
おばあさんの声がした。その声色には焦りや不安の感情がこもっているように感じ声がした方へ向かう。
「どうしたんですか?」
「実はのぉ、わたしゃ交番に行きたいんじゃが…」
(交番...警察に前科者として保護観察処分にされている俺がそのまま行くのは不安だな)
「交番なら、この先ですよ。一緒に行きますか?」
おばあさんに見えるように交番を指しながらフードを深々と被る。
「ごめんねぇ、わざわざありがとうね」
そうおばあさんはいい俺の後ろについていく。
交番についた。
「何か御用ですか?」
交番の中にいる警官がそう問いかける。
「実はぁ、財布を無くしちゃってねぇ。
落ちてなかったかい?」
「すみませんが、そういった落とし物は来ていないですね」
「はぁ...」
警官の答えにおばあさんは困ったようにため息を漏らし、交番の外に出た。
おばあさんの表情は暗くなっている。
「…俺も探しましょうか?」
「本当にごめんねぇ、こんなに良くしてもらって」
おばあさんは俺の言葉を聞いた瞬間少し表情が明るくなった…。
度胸、優しさ、魅力が磨かれたような気がした。
主人公ステータス(入試直前)
アルカナ:愚者
人間パラメータ
・知識:物知り
・度胸:なくもない
・器用さ:ぎこちない
・優しさ:控え目
・魅力:人並み
ペルソナ
アルセーヌ・一騎当千の眼差し
Lv1
物 銃 炎 氷 電 疾 念 核 祝 呪
― ― ― 弱 ― ― ― ― 弱 耐
力:15
魔:12
耐:13
速:18
運:4
会得スキル
・エイガ
・マハエイハ
・パワースラッシュ
・ダブルシュート
・コンセントレイト
・武道の心得
・呪怨ブースタ
・生還トリック
ペルソナ5ってあれで一年ぐらいの物語なのだいぶ濃いよね...
そして投稿が遅れた理由ですが、実はテストがあったんですよォ(言い訳)
すんませんでした。