学校が始まった。
雄英の授業は割と普通だ。しかし、ただの学校ではなかった。
教科を担当する先生が全員トップヒーローなのである。
国語の教師、セメントス先生。セメントス先生はセメントという強固なコンクリートを意のままに操るという現代社会では最強クラスの個性をもち大柄な体格で灰色の肌、直方体の顔を持っている異形型個性と発動型個性のハイブリットだ。その見た目に反して性格は穏やかで角々しくない優しい先生。
数学の教師、エクトプラズム先生。エクトプラズム先生は分身という個性を持ち両足を失うが義足を付けてヒーローに復帰し、不屈の男として根強い支持をされている。その容姿は耳まで裂けた口が特徴的で体の耐部分を包み隠す太刀襟付きダブルボタンマントにヘッドギアを付けている。その見た目には中高生が大興奮するのだとか。
英語の教師、プレゼント・マイク先生。入試説明会の際に説明していた人だ。饒舌で常にテンションが高く会話の節々に英単語や英文を織り交ぜていて毎週ラジオをしているらしく、その影響で生徒たちのことをリスナーと呼ぶのだとか。しかしそんなプレゼント・マイク先生も授業ではテンションが少し落ち着く。意外だ。
理科の教師、パワーローダ―先生。パワーローダー先生は鉄爪という個性を持ち頭に建設重機の様なヘルメットタイプのマスクをつけ、個性によって発達した両手に対照的に小さめの体と足が特徴で、コスチューム開発のライセンスを持ち、アイテム開発も自分でこなす天才。しかし天才ゆえか変人らしく、教師陣の中でも変わり者として見られている。
公民・歴史の教師、スナイプ先生。スナイプ先生はホーミングという視認して600mいないの対象に投げたものがあたるという個性を持ちドレッドヘアーにガスマスクような仮面を着けたガンマンスタイルの風貌をしている。
家庭科・芸術の教師、ミッドナイト先生。ミッドナイト先生は眠り香という個性を持つ。優しく、気配り上手で青春チックな熱い行動を好む熱血教師であり、生徒達からも好かれているが...胸や足を強調する極薄タイツで全身を包んでおりその上に胸の間、腹部に装飾をつけていること以外服と呼べるものはほとんどなく公式で十八禁ヒーローといわれる。また本人曰く熱血フェチであるらしく青春を見たら○的興奮するらしい。なんでこんなやばい人を高校の教師にしたのか不思議に思う。
保健体育の教師、リカバリーガール先生。リカバリーガール先生は治癒という個性を持つ。ヘッドギアを頭に着けお団子結びの留め具に注射器を使っていてほかの教師方とは違う三頭身のお婆さん。長年雄英で勤めていてNo.1ヒーロー・オールマイトが学生時代から務めている。経験、知識が豊富で雄英高校では校長を除いて一番の発言力を持ち、影の支配者との噂もたっている。
以上のプロヒーローがたが実体験や知識を授業で話してもらったり、実技で入試の舞台となったグラウンド場などかなり自由度の高い実践訓練を受けさせてくれるらしい。
昼休み。昼食を食べる際は自宅からお弁当を持ってくるか、というコック帽と制服を身にまとい、顔にはパイプが付いた機械的なマスクを着けているプロヒーロー・ランチラッシュの一流料理を無料で食べれるそうだ。
ちなみに、メニューはなく好きな料理、今食べたい料理を言えばそれらを完璧に作ってくれるらしい。
午後の授業が終わり下校の時間になった。
今日はGamuさんの記憶の捜査をする日だ。そのため、Gamuさんと出会った公園に行き待ち合わせをする。
「ワン!」
視界を下に向けると犬がやってきた。
(コーギー?首輪がついてる...散歩中に迷子になったのか)
「あ、いた...ッがぁ」
Gamuさんがやってきた。それと同時にコーギーを見た瞬間顔を引き攣らせ首や瞼を掻きむしりその場に膝をつく。
「大丈夫ですか!?」
そう問いかけながらGamuさんに近づき、落ち着かせようと背中に手を触れた。
「来るなッ!」
そう叫び指を折り曲げながら俺を突き飛ばす。そして突き飛ばした直後Gamuさんは倒れてしまった。
(なんで倒れたんだ、原因...記憶関係か。
あのコーギーが何か記憶に関係してる?)
考え事をしながらGamuさんをベンチの上に寝かせてコーギーを見る。
(この前は犬には普通の反応だった。犬種か、過去にコーギーと何かがあったのか?
いやそれはともかくGamuさんが起きる前にこのコーギーを飼い主の元に)
コーギーの首輪についているリードを持ち、聞き込み調査を開始した。
(リードはあまり汚れてなくて首輪は新品。水を上げてみようと思ったけど飲まないことから水を飲んでからそこまで時間はたってない。足も少ししか汚れてないから遠くから来たわけじゃない。
だからここらへんの近くか)
まずは交番に行った。
交番に入る前に念のためフードをかぶりガラス扉を開いて警官と会話を始めた。
「こんにちわ」
「こんにちわ!何か、用件はありますか?」
「迷子犬を見つけまして...」
「そうですか、ではその犬の特徴、犬種、色などの身体的特徴や性別。首輪の状態と特徴に保護した場所と時間。保護した方の電話番号を教えてください。」
(電話番号...保護観察期間だから俺の電話番号は駄目だ。面倒くさいことになる。家の番号も駄目。どうしよう...)
電話番号で詰まっていた時、聞き覚えのある声が聞こえた。
「保護したのは俺だ。俺の電話番号は○○○-○○○○-○○○だ。アプリコットの体毛で犬種はコーギー、性別はオスで青色の首輪をつけてる。
保護した時間は午後4時の45分だ」
声のした方を振り向くとGamuさんが首を少し掻きながら俺の代わりに言ってくれていた。
「そ、そうですか。ではこちらで飼い主さんを探すのでそれまでの間保護しておいてください」
警官のその言葉を最後に俺はGamuさんと一緒に交番を後にした。
公園につき、ベンチに座りながらGamuさんに聞く。
「大丈夫なんですか」
「ああ。俺が保護することにした。家は広いしな」
「そうじゃなくて、記憶のことです」
あ~と息を吐きながら空を見上げ、Gamuさんはつぶやき始めた。
「俺はー、犬を飼ってた。
その犬はさっき保護した犬と同じ見た目のコーギーで名前はモンちゃんだった。
確か...俺が何かで庭にいるときもずっと一緒にいて」
Gamuさんは話し続けていくうちに首を掻きはじめる。
「ボールを投げて遊んだり、俺がトラックにひかれそうになったのを助けてくれたり、大好きだった。
俺を慰めてくれたり、ずっとそばにいてくれた。
ああ、そうだ。そばにいたんだ。
ずっとそばにいたんだ。だから、だから、だから
死んだんだ。俺の個性が暴発して俺の個性が発現したからたぶんほかの家族も俺が殺したんだ。」
Gamuさんは首を搔きむしり苦しそうに言い放った。その赤い瞳には涙が浮かんでいる。
「個性の暴発なら故意じゃない。それにそんなに苦しそうになるってことはモンちゃんを愛してたってことです。
それに多分個性の発動条件は
さっき俺を突き飛ばした時に個性が暴発するのを恐れて無意識のうちに指を
俺の慰める言葉に涙を浮かべてうなずき、俺の目を見つめた。
(Gamuさんの髪色が少し白色になったような...?)
そんなことはどうでもいいと思考を吹き飛ばし、さらに言葉をかける。
「亡くなったペットのことを思い出せたんです。思い出せただけでそれは
この調子で記憶を思い出していくことが貴方の
すべてを思い出した時、貴方はおそらく何かの感情に支配される。けれどその感情を乗り越え貴方の意識で罪を少しでも意識することが
喋っていくうちに熱くなり、口調が変わってしまったのにも気づかず熱弁する。
Gamuさんの涙は収まり、冷静になってベンチに座った。
「そうだな。俺は償わないといけない」
そう呟きじゃあなと俺に言いながら家に帰っていった。
Gamuさんとの関係が深まった気がする。
Gamu—『塔』:コープランク3
会得コープアビリティ
・犬の記憶
短くなった。次からはストーリーを進めるぜ。