ヒーロー基礎学。それはヒーローになるための素地を形成する授業。
ほとんどの高校はただの勉強だが雄英は違う。雄英は入試の際に使用したとんでもない広さの演習場を複数所持しており、担任は自由自在に使ってよい。また、生徒も許可さえあれば使用してもよいのだ。イカれている。
それはさておき、そんな授業の担任はなぜかその授業当日まで伏せられていた。
俺やクラスメイトたちはもう知っているが全員が目をキラキラと輝かせ担任の登場にドキドキワクワク心臓を高鳴らせながら椅子に座り、授業のチャイムを待つ。
チャイムが鳴った。また、その直後、
「わ た し が~~、
普通にドアから来た!!!」
その声と共に教室のドアを普通に開け、入ってきたのはNo.1ヒーローであるオールマイトだった。
オールマイトは金髪碧眼のまるで外国人の姿をしていて、頭のてっぺんから二本の角のような髪を生やしたオールバック、きらりと光る白い歯を持っていて筋骨隆々のマッチョ。体重は筋肉だけで200kgを超えているらしく画風が違う。画風が違うといわれたら何が違うのと思われるかもしれないのだがマジで画風が違うのだ。表現をするならばデフォルメが少し効いた少年誌の漫画にアメリカンコミックの登場人物が紛れ込んでいるレベルで画風が違うのだ。
アメリカンコミックに出てきそうなのだが実はオールマイトはアメリカに修行に行って日本に帰国したナチュラルボーンヒーローなのだ。また人の身ではありえない活躍*1をし全世界に本物のヒーローとして認識されている反面、
そんな平和の象徴・オールマイトの登場にクラスメイト達は歓声を挙げた。
「オールマイトだ!」「すげえや!本当に先生やって得るんだな」「あれ
オールマイトは足と腕を大きく振りながら教壇に立ち、授業を始める。
「私の担当はヒーロー基礎学。ヒーローの素地を作るため、さまざまな訓練を行う科目だ。単位数も最も多いぞ。
さっそくだが、今日はこれ!」
そういうとともにオールマイトは白いプラカードを手にもって空に掲げた。そのプラカードにはBATTLEと書かれている。またそれから推測されるように、
「戦闘訓練!
そしてそいつに伴って、こちら!」
オールマイトが懐から端末を取り出して端末を操作するとピッという音を立ててから駆動音とともに教室の左壁から数字の書かれているスーツケースがガラスに保護されて飛び出してきた。
「入学前に送ってもらった個性届と要望に沿ってあつらえたコスチューム!」
コスチュームの入ったスーツケースを取り出し、各々がスーツケースを抱える。
(なんで壁に...?)
そんな思いは俺だけだったのか、誰一人壁から出てきたことには何も言わずハイテクなコスチュームの管理にクラスメイト達は歓声を挙げた。
「着替えたら順次、グラウンド・βに集まるんだ!」
「「「は~い!」」」
グラウンド・βに集まれという指令を受け俺たちはコスチュームに着替えるために更衣室に向かい、グラウンド・βに向かった。
グラウンド・βにてオールマイトがEXITと書かれた入り口の前で仁王立ちで構え、生徒たちを待つ。
「格好から入るってのも大切なことだぜ、少年少女!
自覚するのだ、今日から自分は
そうオールマイトが告げるとともに入り口から生徒たちが入ってくる。生徒達各々がコスチュームを着ていて立ち姿が様になる。
「いいじゃないか、皆!かっこいいぜ!」
オールマイトが皆のコスチュームをほめる中、出久が遅れてやってきた。
出久のコスチュームは全身緑にマスクを頭に着け肘に黒いサポーター、白いグローブに肩から腕にかけて流れる白いボーダーラインに赤いベルト。そして何より象徴的なウサギのような耳が頭から生えているコスチュームだ。
かっこいいと思い、出久に話しかけに行くと麗日さんと一緒に話しているようだ。
「かっこいいね、地に足付いた感じ!容貌ちゃんと書けばよかったよ...パツパツスーツなった、恥ずかしい...」
麗日さんが頭を掻きながら恥ずかしがった。
麗日さんのコスチュームは体のセンターラインが白色でそこ以外は黒色、肩から二の腕らへん辺りまで白色で色の移り変わりの部分にピンク色の腕輪のような物がついており腕輪から下は黒色で首の付け根にサポーターを付け、顔を守るヘッドギアを頭に付けていて腰に装飾を付けている。ただコスチュームのサイズが合っていないのかすごくパツパツでボディラインを強調するようになっていた。
その姿に雄英最高とつぶやく
「出久、かっこいいな」
「う、うん。ありがとう!蓮君のコスチューム...私服だね?」
出久がそう指摘する。無理もない、俺のコスチュームは灰色のフードにゆったりとした黒の上着、それにダボっとしたズボンを履いているだけでその上からウエストポーチをかけているだけのヒーロー感の一切ない一般市民だ。個性が影響するのもあるが
「ああ、個性の影響で何着てもそんなに意味ないからな。
戦闘や
「そっか、よし!一緒に頑張ろう!」
出久との会話が終わり、オールマイトを見る。なぜか口を抑えて全身プルプルと震えているがすぐに収まり、オールマイトは告げる。
「さあ!始めようか!有精卵ども!」
オールマイトはそう告げるとともに少し移動して話し始めた。
「戦闘訓練のお時間だ」
「先生」
その言葉を確認し素肌が見えない全身ロボットのような人物が手を挙げた。
その人物の声には覚えがある。飯田君だ。
(飯田君だったのか、SF感があってかっこいいな)
「ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?」
飯田君のその質問にオールマイトは答える。
「いいや、もう二歩先に踏み込む。
監禁・軟禁・裏商売...このヒーロー飽和社会、真のさかしい敵は
君らにはこれから、ヴィラン組、ヒーロー組に分かれて二対二の屋内戦を行ってもらう」
市街地演習の二歩先ということでそこに疑問を持った蛙吹さんが質問した。
「基礎訓練無しに?」
「その基礎を知るための実戦さ!ただし、今度はぶっ壊せばオーケーなロボじゃないのがミソだ」
一つの質問に答えたことでクラスメイト達の質問が始まった。
「勝敗のシステムはどうなります?」「ぶっ飛ばしてもいいんすか?」「また、相澤先生みたいな除籍とかってあるんですか?」「わかれるとはどのような分かれ方をすればよろしいのですか?」「このマントやばくない?」
オールマイトはこの質問攻めに聖徳太子~と悶絶し懐からカンペを取り出した。
(え、カンペ?)
「いいかい、状況設定はこうだ。
ヴィランがアジトのどこかに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか、核兵器を回収すること。ヴィランは制限時間まで核兵器を守るか、ヒーローを捕まえること」
(核兵器ってのがやばいな、手荒なことはできない)
「コンビ及び対戦相手はクジだ!」
そう宣言す津とともにオールマイトはLotsと書かれている黄色い箱を掲げた。
「適当なのですか!?」
「プロは他事務所のヒーローと急増チームアップすることが多いし、そういうことじゃないかな」
「そうか…先を見据えた計らい、失礼いたしました!」
「いいよ、早くやろう!」
「ちょっと待ってください」
開始しようとするオールマイトを制止し、質問を投げかける。
「このクラスって21人じゃないですか?一人余るんじゃ...」
「そう!その通り。だから、雨宮少年!君は個性的に一人二役ができるから最後にランダムなクジを引いてその組と直接対決だ!」
「オールマイト、それじゃ蓮君が不利なんじゃ...」
「大丈夫だ!緑谷少年。雨宮少年は入試1位なのもあるが、私的に見て総合力はこのクラスで一番といっていい」
「ええぇ…」
納得はできなかったが仕方ないのでオールマイトの指示に従うことにした。
俺は近くにあったベンチに座り、クジの結果を待つ。
クジが全員引き終わった、組み合わせは以下の通り。
チームA:
出久は超パワーの個性を持ち、力の調節ができるようになっていて3%までなら発動できる。麗日さんは五指の肉球で触れたものを無重力にする個性を持っていて屋内戦なら活躍できると思われる。
このチームが一番対応できる、無重力に関しても屋内だからこそ天井がありなんとかできる。
チームB:
障子君は複数腕の個性を持ち、肩から生えた二本の腕の先から体の器官を複製できる。異形型個性で見た目からは推測しづらいが索敵能力にたけているらしい。轟君は半冷半燃の個性を持っているらしいが左半身を氷で覆っていてとても冷たい眼差しをしている。
障子君に位置を特定されるだろう。それに轟君の半例半燃という個性は冷気、つまり氷結属性を使える。アルセーヌは氷結に対して弱点があり、正面戦闘だと不利だ。
チームC:
峰田はもぎもぎという個性を持ち、頭の丸い粒のような髪をもぎり、かなりの粘着性があるボールとして使うことができる。八百万さんは創造というきわめて強力な個性を持ち、脂質を消費して何でも創造ができる。私情だが、八百万さんがとても心配である。
峰田に関しては一度はまったら抜け出すのは困難でパワースラッシュで設置面積を切り刻むしかなく、創造は何でも作れるため両方の個性を合わしたらトラップを張るなどに適している。
チームD:
爆豪君は爆破という強力な個性を持ち入試2位でセンスの塊らしい。飯田君はエンジンという個性を持ち速さならこのクラスで一番だ。ただ屋内ということもあってその速さを発揮しづらい。
爆豪君に関しては入試2位らしく戦闘になったら面倒くさいだろう。飯田君もスピードは力にも影響するため広いところで戦闘となったらマハエイガを使わないといけなくなる。武器や何かを介さない己自身でのスキル発動は現状難しい。そのためアルセーヌと別れて行動した場合50%でアルセーヌを戻さないといけなくなる。
チームE:
芦戸さんは酸という個性を持ち何でも溶かす液を体のどこからでも出すことができる。青山君はネビルレーザーという個性を持ち、光線をへそから発射できる。
青山君の個性を受けたことは無いが、おそらくアルセーヌの弱点だ。戦うことになったら早めに倒したい。そして、芦戸さんに関して避けるか、アルセーヌで受けなければ大ダメージだ。
チームF:
口田君は生き物ボイスという個性を持ち生物と意思疎通できる。砂藤君はシュガードープという個性を持ち、糖分を摂取したら身体能力を5倍にすることができる。
口田君の生き物ボイスにペルソナは含まれないと思うが一応警戒するに越したことは無い。砂藤君に関しては筋肉量、体格からして出久の4%ぐらいの力だからおそらく対処可能。
チームG:
上鳴君は帯電という個性を持ち、体のどこからでも高い威力の放電をすることができる。耳郎は入試の際に助けた少女でイヤホンジャックの個性を持ち、イヤホンジャックから心音を爆音で流すことができる。イヤホンジャックは音の探知にも使用が可能。
居場所を特定されて上鳴君の放電に対処しながら耳郎に対処するのは難しく下手したら爆音を流し込まれて気絶するかもしれない。
チームH:
常闇君はダークシャドウという俺と似たような個性をもち、へその緒から
常闇君はアルセーヌ単体だと手数が追い付かないだろう、何より俺の得意とする属性の一つ呪怨属性をおそらくダークシャドウも得意としている、それに俺の場合は呪怨属性は耐性があるだけで無効や吸収ではないがダークシャドウはどれなのか一切わからない。メイン火力はあまり使えない。蛙吹さんは頭の回転が速くクレバーだから作戦担当となるだろう、ただ蛙吹さん自体も身体能力が高く壁、天井に張り付けるため屋内戦はかなり強い。
チームI:
尾白君は尻尾という個性を持ち、尾てい骨らへんから大きな尻尾が生えている。葉隠さんは透明化という個性を持ち、女性としての尊厳を捨てたブーツと手袋以外何も来ていないコスチュームでブーツと手袋を脱げば本当にどこにいるのかわからない。
尾白君にだけなら対応できるがどこからくるのかわからない葉隠さんに常に意識を向け続けるのはしんどい。
チームJ:
瀬呂君はセロハンテープという個性を持ち、肘からセロハンテープを発射できる。切島君は硬化という個性を持ち全身を固く鋭くすることができる。
瀬呂君のセロハンテープの拘束に気を付けてトラップがある可能性に注意をそむきながら移動と戦闘をしないといけない。それに切島君に関しては対応自体はできるが倒すには時間はかかる。
とまあ大体の組が戦うことになったら面倒くさい。
全員がクジを引き終わり、俺の番になった。
俺が引いたクジは——
「Aか」
「オーケー!緑谷少年の組だ、よし次は対戦するクジ!」
Aだった。つまり、出久と麗日さんだ。
だが、俺が戦うのは一番最後。最初の対戦チームは今決めるのだ。
「最初の対戦相手は…」
オールマイトがVILLANと書かれた黒い箱とHEROと書かれた白い箱に両手を突っ込みボールを拾い上げた。
「こいつらだ!」
オールマイトが取り出した白いボールにはAと書かれており、黒いボールにはDと書かれていた。出久の組と爆豪君の組の対決らしい。
「Aコンビがヒーロー、Dコンビがヴィランだ!
ほかのものはモニタールームに向かってくれ」
「「「はい!」」」
オールマイトの指示を受け、モニタールームに向かう。
モニタールームにたどり着いた。
オールマイトはモニターの前にあるマイクに向かって話しかける。
『それでは、Aコンビ対Dコンビによる屋内対人戦闘訓練、スタート!』
オールマイトがマイクから離れモニターを見ながら、俺たちに話しかける。
「さあ君も考えてみるんだぞ」
オールマイトがその言葉を発してから数秒後、出久たちが窓から建物内に侵入した。
「侵入成功」
「死角が多いから気を付けよう」
タイルの上を歩き、索敵しながら核を探す。
(
今の僕の力と麗日さんの無重力だけでやるしかないぞ。
フルで回せ。屋内、狭い中での戦いの記憶。思い出せ!)
思考をめぐらしている中、ハッとし曲がり角を見る。
視界に移るのは
「オラァッ!」
かっちゃんはこちらに勢いよくとびかかり爆破の個性を発動させる。
爆破に対して回避するために麗日さんを抱き寄せて北側の廊下にとび避けた。
「麗日さん、大丈夫?!」
「うん、ありがとう。あっ、デク君!」
麗日さんが僕に対して言葉を投げかけた。その理由は簡単だ。僕のマスクが顔の左側が破けていたのだ。しかし、破けているだけで何も問題はない。
「かすっただけ、大丈夫」
迅速に返答し戦闘態勢を取る。
「コラ、デク...避けてんじゃねえよ」
かっちゃんは腕で土煙を振り払い、威圧感を出しながら言い放った。
「かっちゃんが敵なら、まず僕を殴りに来ると思ったよ...!!!」
「いきなり奇襲...」
「爆豪ずっけえ。奇襲なんて男らしくねえ」
「奇襲も戦略。彼らは今、実践の最中だぜ」
「回避するとき超パワーを使ってなかった、出久はとっさに超パワーを発動できてない」
「緑君、よく避けたなあ」
「爆豪が行った!」
かっちゃんが走り始めてこちらに迫る。
「中断されねえ程度にぶっ飛ばしたらぁあ!!!」
かっちゃんが爆破をするために拳を引いた瞬間、腕を掴んだ。
(*2OFA3%...!!!)
そして瞬時に体をひねり—
(なんだ、こいつ...!動きが読まれた!?それにこの力...!?)
腕を強化してその力でかっちゃんを背中から地面にたたきつけた。
柔道の技の背負い投げである。
「かっちゃんは、たいてい最初に右の大振りなんだ。どれだけ見てきたと思ってる。すごいと思ったヒーローの分析は、全部ノートにまとめてあるんだ。君が爆破して捨てたノートに...
いつまでも雑魚で出来損ないのデクじゃないぞ!かっちゃん、僕は...『
「デク...ビビりながらよ、そういうとこが...むかつくなぁあ!!!」
かっちゃんとは家が近所だったことで幼馴染だ。立ち入り禁止と書かれているところに侵入してヴィラン退治といって探索をしたりすることもあった。
何でもやればできるタイプで、ガキ大将の乱暴者。善し悪しはともかく、自信に満ちたかっちゃんの背中は、僕にとってかっこいいものだった。
けれど、個性が発現してからはそれが悪い方向へ加速した。
人は、生まれながらに平等じゃない。これは、齢4歳にしてみんなが知る
社会の現実。
かっちゃんの耳から小さな声が聞こえる。おそらく無線なのだろう。
「黙って守備してろ!ムカついてんだよ俺は今ぁ!」
そのイラつきをかっちゃんはそのままインカム越しに飯田君にぶつけ、構えなおした。
「爆豪のやつ、誰に話してんだ?」
「小型無線でコンビと話してたのさ。
もちものはそれプラス建物の見取り図。そして、この確保テープ!これを相手に巻き付けた時点でとらえた証明となる」
「制限時間は15分で核の場所はヒーローに知らされないんでですよね?」
「イエス!」
「ヒーロー側が圧倒的に不利ですね、これ...」
「ピンチを覆していくのがヒーローさ。それに相澤先生にも言われただろう?
オールマイトのあれという言葉にこの場にいた全員があれに気づき、オールマイトの合図を待つ。
「せーの!」
「「「Plus Ultra!!!」」」
その言葉を叫んだ直後、青山君が動きに気づいた。
「ムッシュ!爆豪が」
その言葉とともにその場にいた全員の視線はモニターへと向かう。
かっちゃんが手のひらを地面に向ける。その先を察知した僕は麗日さん指令を出し、それにそなえる。
「麗日さん!行って!」
(OFA3%!)
その指令を飛ばした直後爆発の勢いを利用して回転しながら蹴りを放ち、その蹴りを両腕で受けた。
「よそ見か、随分余裕だな!あっ...!」
しかしかっちゃんは僕が回避ではなく防御を選んだ理由に気づく。
「確保証明の...!」
かっちゃんの足を両腕で受け止めたまま確保テープを巻き付けようとしていたのだ。
(ノート
イレイザーヘッドの技を生で見られてよかった!
次はなんだ?かっちゃんなら焦ってまた右の大振り!3%!!!)
その思考通り、かっちゃんは右の大振りとともに爆破の個性を使った。足に力を込めて地面を踏み込み、回避する。その回避行動にかっちゃんは自身の動きが読まれたことで驚きの声を出した。
(あたり!)
「すげえなアイツ!」
「個性を使わずに入試2位と渡り合ってる!」
「いや、出久はもう3%だが使っている。でも、個性抜きでも出久は爆豪君に対処できる!」
(最初の1撃...読まれることを避けて蹴りで攻めてきた。警戒されたんだ)
かっちゃんが両手を地面に向け爆発を起こそうとした瞬間、OFAで強化した脚力で廊下を走り、逃げ始める。
「まてこらデクゥウ!」
(もう、簡単には間合いに潜り込めないぞ!作戦を考えなきゃ)
かっちゃんは廊下を探し始め、辺りを探し数分がたった。
「なあ、おい!俺を騙してたんだろ?ずっと!!!」
かっちゃんの叫び声が聞こえてきた。
「ああ?随分と派手な個性じゃねえか!
使って来いや、俺の方が上だからよ!」
その叫びに思うとこがありながらもその思いを無視し、叫びを聞きながらバレないと思う位置に移動して息を吐きながら思考を始める。
(麗日さんはガン無視で僕を狙い撃ち...やっぱりだ。先兵を出すなら機動力の高井飯田君の方がいいし、彼ならそれをわかってるはず。多分これはかっちゃんの暴走で、二人は連携を取れてないってことだ。
そもそもあのふたりと正面戦闘なんて展開が僕らにとって一番勝ち筋の薄いパターン。僕がうららかさんといってたらその展開になるし、二人ここでかっちゃんとやりあっても時間切れが怖い。
これでいい。麗日さんが核と飯田君を見つけ次第僕も向って2対1これが勝ち筋。僕がかっちゃんに勝つってのが前提の話だけど...大丈夫、手のひらにさえ気を付ければ行ける)
そう思考を終えて実行に移そうとした瞬間、かっちゃんの声が聞こえた。
「どこだぁあ
糞ナードが」
その言葉を聞き、頭の内に過去の記憶が蘇る。
『無個性のてめえが何でおれと同じ土俵に立てるんだぁあ?』
『べっ別に張り合うとか、そんなの全然...ほ、本当だよッ』
(それといい忘れてたけどかっちゃん。前言撤回だ!)
爆豪勝己は廊下を歩きながら、
『だから…行くんだ!!!』
『
(道端の石ころが...)
『ボール蹴って飛ばしてる、かっちゃんすごい!』
『こんなの簡単じゃん』
『あ゛痛っ!』
『出久、おめぇ本当になんもできねえな』
『出久って
『かっちゃん字読めるの!?』
『読めねえの?んでデクってのは何もできねえ奴のことなんだぜ』
『やめてよ...』
『『『わあ~!」』』』
『かっちゃん今水切り何回跳ねた!?』
『7だぜ!』
『すっげー!』『さすが!』
『デクは?』
『う...ぜ、0かい』
『『『あはははは』』』
『おお~!』
『すっげ~!』
『いいな~!』
『いや~爆破なんてこれまたすごい個性だな』
『本当!ヒーロー向きの派手な個性ね!勝己君!』
『いいな~かっちゃん。個性かっこいいもんな~!僕も早く出ないかな~』
『デクがどんな個性でも俺には一生かなわねえっつうの』
(...ただの石ころだ)
『おい、知ってる?デクって個性がないんだって』
『え~ホントに?』
『ムコセ―っていうんだって』
『だっせぇw』『かわいそう』『変なの~』
『気にすることは無いわよ、出久君!』
『すっすめ~!ばっくごうヒーローじっむの所の~面々♪!』
山の中を歩き、橋の上で歌を歌いながら先導する。そこで俺は足を滑らせて水の中に落ちた。
『かっちゃん!』『おーいだいじょぶか!?』『大丈夫だよ、かっちゃんつええもん。ほら!』
その言葉の通り、俺は体に外傷は何もなく、俺の体はなんともなかったんだ。
(大丈夫だったんだ...!)
『おう!平気平気!』
そう返事を返し水から出ようと動こうとした瞬間、水をかき分ける音が背後から聞こえて後ろを見た。
『
『頭打ってたら大変だよ』
(俺をそんな顔で見てんじゃねえ...!)
『
(やめろ...!!!)
(...発見!)
私は柱の裏に隠れながら核と飯田君を確認した。つまり、あとは連絡をするだけ。
連絡を終えたらデク君が来るまで、見つかんないように隠れればいい。
連絡をしようと耳元に手を当てたその時だった。飯田君が独り言をつぶやきはじめる。
「爆豪君はナチュラルに悪いが、今回の訓練に関しては的を得ているようだ…ふむ、ならば僕もヴィランに徹するべきなのだ。
そうだ。これもいいだけの名には恥じぬ、立派な人間になるための試練!なりきれ!
ヒーローになるために悪に染まれ!
俺は~至極悪いぞ~!!!」
飯田君が上から見下ろすように言い放ち、演劇などでまじめにヴィラン役をしている子供のようだった。
(真面目や!)
私は飯田君の真面目さに笑ってしまい吹き出してしまった。どうやらその吹き出した声でいることがばれたようだ。
「来たか麗日君、爆豪君が飛び出した地点で分かっていた。
触れた対象を浮かしてしまう個性、だから先程!君対策でこのフロアのものは全て片付けておいた!!!
これで君の小細工はできない!ぬかったな、ヒーロー!
フハハハハハ!!!」
飯田君の全力のヴィランを見て、笑いをこらえながら感想を言った。
「様に…なってる…」
耳に着けていたインカムから、うららかさんからの連絡が届いた。
〈飯田君に見つかっちゃった、ごめん今じりじりと追い寄られてる。〉
「場所は?」
<5階の真ん中フロア>
建物の見取り図を見て、位置を確認した。僕が今いる場所のほぼ真上だ。
時間はもうそんなにない、タイムアップは向こうの勝ち、ここだけは、ここだけは負けてはいけない。
視界の端に赤い光が目に入った。まさかと思い背後を振り向いた。
そこにはかっちゃんがいた。
「たまった」
かっちゃんはそう言い、腕を上げ手榴弾のような篭手を見せつける。
「なんで全力を出さねえ?使わなくても勝てるってか?舐めてんのか?デク?」
かっちゃんは篭手を見せつけながらプレッシャーを放ち、僕を睨みつけた。
(やるしかない、やれる!やれるさ!)
振るえる体を抑えて確保テープを取り出し、正面に構えなおす。
「もう、君を怖がるもんか!」
かっちゃんは僕の言葉に歯を噛みしめた。しかし、それはすぐに笑顔へと変わった。
「てめえのストーキングならもうしってんだろうがよ」
かっちゃんはそう言葉を言いながら僕に向かって右腕の篭手を向ける。
かっちゃんの個性を思い出し、まさかと思いハッとする。
「俺の爆破は、手のひらの汗腺からニトロみてえなもんだして爆発させる」
その言葉とともに右腕の手榴弾のような篭手のトリガーを引き、ピンが現れる。
「要望通りの設計なら、この篭手はそいつを内部にためて——」
かっちゃんは現れたピンに指をかけピンを抜こうとする。そのことを理解したのか、オールマイトの放送の声が聞こえた。
『爆豪少年ストップだ!殺す気か!!!』
「当たんなきゃ死なねえ!」
しかし、かっちゃんはオールマイトの制止を振り切り、ピンを引きぬいた。
ピンを引き抜いた瞬間、爆炎が吹き荒れ、土煙が巻き起こり、その爆発はビルの壁を吹き飛ばした。その爆発の威力は想像を絶するもので、余波だけでビル全体、そしてモニタールームに地震が発生した。
「そんなん...ありかよ」
先ほどの爆炎によって吹き飛ばされ、息を荒くしながらつぶやく。その言葉をつぶやいた瞬間、土煙の中からかっちゃんが笑いながらこちらに歩み寄った。
「ハハッ、すげえ…この篭手にたまればたまるほど威力は増えていくんだぜ?」
その言葉を紡いでいる間、かっちゃんの左腕の篭手が赤く光った。つまり、先ほどの爆発がまた撃てるようになったということ。
「なあ、全力出せよ、デク。全力のてめえを、ねじ伏せる!」
先ほどの地震の後、飯田君がインカムで爆豪君に話しかけた。
今、飯田君は一切動いておらずインカムで話しかけているのみでガラ空き。そして核の回収がヒーロー側の勝利条件、つまり...核を回収するチャンスだ。
しかし、走り出した瞬間、飯田君がこちらに気づいた。
「させないぞ!ヒーロー」
飯田君は両腕を広げながらこちらに迫るがその瞬間自身の指を合わせ、地面を踏み込み跳躍した。個性を使い自身を無重力状態にして飛び込んだのだ。
飯田君にとって、自身も浮かせられることは予想外のようだ。しかし、この浮遊は私にとって負担が大きい。数回しか使えない。
どんどん核に近づいていく。このままいけば核に触れられる。
「解除!」
そう告げるとともに個性を解除し重力に任せて落下する。しかし、エンジンを吹かす音とともに核が消えた。
「わあああ!!!」
そう叫びながら地面に落下し受け身を取ることができずに転がって壁にぶつかる。その衝撃でヘッドギアが取れてしまった。
飯田君の位置を確認すると、飯田君のすぐそばに核がおかれていた。どうやら私が個性を解除した瞬間、エンジンによる高速移動で核を回収したようだ。
「君の個性は触れられない限り脅威ではない!このまま時間いっぱい粘らせてもらうぜ!グへへへへ!」
体制を整えなおして飯田君に向き直った。
(デク君がんばってるのに...!!!)
「おいおい、どうした?デク?当ててねえんだからだからまだ動けるだろ?」
土煙が止み、かっちゃんが言い放つ。
先ほどの爆破は噴出する爆破だった。かっちゃんの個性は近距離でしか戦えない。だから遠距離にも対応できるようにコスチュームに要望を出したようだ。
現状を確認しようと麗日さんにインカムで話しかける。
「くっ…また無視かよ。すっげえな!」
切島君の必死な声がモニタールームに響く。
「先生、止めたほうがいいって!爆豪アイツ相当クレイジーだぜ。殺しちまうぜ!!!」
その言葉にオールマイトはいやとつぶやき、考え込むようなそぶりを見せ、マイクに話しかけた。
『爆豪少年、次それを撃ったら強制終了で君らの負けとする』
オールマイトの言葉にかっちゃんはああ?と何故だ聞き返した。
『屋内戦において、大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く、ヒーローとしてはもちろんヴィランとしても愚策だ!それは。大幅減点だからな』
その言葉にかっちゃんは怒り、
「窓際の柱に!じゃあまた!」
先に起きることを推測して、簡潔に会話を終わらしたその直後。
かっちゃんが爆速で僕に迫った。
「殴り合いだ!」
その速度からして回避は無理だと悟り、タイミングを見極め腕を振りかぶり、攻撃しようとしたその瞬間、目の前で小規模な爆発が起こった。そしてその直後かっちゃんは僕の背後にまわり僕の背中を爆破する。
「ぐあっ!」
(目くらましだった...!そしてその目くらましの爆破で背後に回って、後ろからの爆破ッ
!)
背中を爆破されたことで体が少ししびれ、しびれたからだを無理やり動かそうとした瞬間、かっちゃんが右こぶしを振りかぶる。
「てめえの大好きな右の大振り!」
その拳は僕の右腕にあたり、その痛みに悶絶している瞬間、右腕を掴まれて左腕の爆破により急旋回。そしてその勢いを利用して僕の体を床にたたきつけた。
「てめえは俺より!下だ!」
地面にたたきつけられた勢いで空中に飛び上がり地面にまたたたきつけられるまでの間に思考する。
(速い...!僕に考える暇をあたえないつもりだ。だけど...OFA!!!)
僕は空中で体をひねり、地面に着地した瞬間地面を踏み込み、右こぶしを振りかぶる。
「《
僕が振りかぶった拳はかっちゃんをとらえて、顔面に当たった。しかし、数秒怯んだだけでダメージがあるような素振りを見せない。
それを確認した僕はOFAで強化した脚力で逃げ始める。
「緑谷もすげえって思ったけどよ...戦闘能力において、爆豪は間違いなくセンスの塊だぜ...」
「だが、出久は逃げるような真似をするやつじゃない。変だ、なにか
窓際に追いやられ、逃げる場所がなくなった。
「なんで全力出さねえんだ、俺を舐めてんのか」
「ガキの頃からずっと!そうやって!俺を舐めてたんか、てめえは!!!」
「ちがうよ。
君が、すごい人だから、勝ちたいんじゃないか!!!」
僕の言葉にかっちゃんは奥歯を噛みしめる。
「勝って...
超えたいんじゃねえか!!!馬鹿野郎!!!」
「その面やめろや...!
糞ナード!!!!」
言葉のぶつけ合いの直後、僕は地面を踏み込み、かっちゃんは爆破を行い、一気に距離を詰める。
僕の足には今まではなかった緑色の閃光、火花のようななにかが足の周りで爆ぜ始めた。
ヒーローになる以外で初めての激情。
そして、その激情、感情の昂ぶりでコントロールが乱れる。案外、人間は自身がどれだけ鍛えられているかなど、気づけないらしい。
OFA許容上限10%!!!
僕自身も想定外のスピード。3%から10%への劇的な変化。それによりかっちゃんの想定よりもはやく対面する。しかし、僕の本当の狙いはそれじゃない。
右腕にOFAのエネルギーを集約し100%を拳に込める。そのエネルギーにより右腕のコスチュームが破れ、血管が赤く光り緑色の閃光をまとった。
「「うおおおおおお!!!!」」
『双方中し——』
「行くぞ!麗日さん!!!」
その直後、オールマイトによる強制終了の合図を遮り、麗日さんへの
その合図を受け取った麗日さんは柱に触れ、はいと答えて待機する。
(タイマンじゃ、まだ到底かなわない!でも...!!!)
「
その叫びとともにかっちゃんの爆発を顔面で受け止めながら拳を振り上げた。
圧倒的なる100%の力による風圧でビルの床、天井を全てぶち抜き、屋上を貫通しても風圧により強力な風が発生した。
その風圧によって麗日さんが居た階の床も破壊され、
そしてその床と天井を失った柱には麗日さんがすでに触れている。
「飯田君、ごめんね!
即興必殺!《彗星ホームラン》!」
無重力にしたため重くなくなった柱をバットとし、僕が破壊した
「ホームランではなくないか~!?!?!?」
そのホームランボールに対して飯田君は腕で防御行動をしている間に、自身に個性を発動させ地面を踏み込み跳躍した。そしてタイミングを見て個性を解除し、核に触れる。
「回収!!!」
それを視認した飯田君は叫んだ。
「あ~!核ゥゥ!!!」
その叫びは建物を反響し、かっちゃんの耳にも届く。
「そういう...はなっからてめえ、やっぱ舐めてんじゃねえか...!」
「使わない…つもりだったんだ」
その言葉にかっちゃんは息をのむ。そして、土煙が止み、僕の姿があらわになった。
「使えないから、体が衝撃に耐えられないから...相澤先生にも言われてたんだけど...これしか、思いつかなかった...!」
僕のボロボロになった腕を見て、かっちゃんは顔を引き攣らせた。
『ヒーロー...ヒーローチーム...WIN!!!!!!』
そして僕はオールマイトの言葉を聞いた直後に、意識を失った。
文字数すごいことなったから次回で戦闘の後始末に蓮の戦闘だよ。ちなみにかっちゃんが受けたデク君の顔面パンチは割とダメージあってギリ耐えれたぐらい。
今更だけどオリ主説明
癖っ毛の黒髪で赤い瞳を持つ美形で伊達メガネをかけている。血液型はABで誕生日は4/1。
よくコーヒーをたしなんでいるがいつのまにか飲むようになったらしい。また、好きな食べ物はカレーで作るのも好きらしく、コーヒーと合う美味しいカレーをよく作る。だがたまに激辛のカレーや激渋のコーヒーを作ってしまう。原因は気持ちを込めることらしい。食材や分量は一切変わっていないのだが...?またたまに15人前ぐらいのカレーを食べていたが一切太っていない。体質らしい。
嫌いなものは警察であり、あまり信用できないのが理由。また何の信念もなく自身のためだけに動く悪が一番嫌いらしい。
ふざけているときには一児の親ですや
たまに自分を疑問視していて一瞬だけ思い悩むことがある。
アルセーヌ・一騎当千の眼差し
Lv14
物 銃 炎 氷 電 疾 念 核 祝 呪
― ― ― 弱 ― ― ― ― 弱 耐
力:24
魔:28
耐:21
速:40
運:10
スキルはマハエイハがマハエイガになっていること以外変わりない。
人間パラメータ
・知識:インテリ
・度胸:筋金入り
・器用さ:職人級
・優しさ:聞き上手
・魅力:注目株
出久と訓練したおかげでめっちゃステータス上がってる。それ以外にも戦闘技術自体がめっちゃ高いから、本当に強い。
弔...
ついでに学校始まっちまったし明日身体測定だから行きたくねぇぇ