俺のジョーカーアカデミア   作:perusonazuki

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#9 屋内対人戦闘訓練-2-

 デクは痛みに歪んだ表情を浮かべ、そのまま地面に倒れこんだ。その直後、オールマイトのアナウンスがビル全体に流れ込む。

 

『屋内対人戦闘訓練、ヒーローチーム...WIN!!!!』

 

 その放送が流れた後、一瞬でオールマイトが到着し、緑谷がロボによって保健室に運ばれた。

 

 天井が吹き抜けになり、辺り一帯が黒ずんだビルで爆豪は思う。

 

(右の大振り...デクは読んでた、読んだ上で全力を出して訓練に勝つ算段を...ッ)

 

『君が、すごい人だから、勝ちたいんじゃないか!勝って、超えたいんじゃないか!馬鹿野郎!!!』

 

 どんどんと荒くなる息と心臓の鼓動に自分では気づかず、汗が全身から噴き出す。

 

(そりゃ...つまり...ガチでやりあっても、俺、完全にデクに...ッ)

 

 荒くなる息と一緒に動き続ける肩をオールマイトに抑えられ、声を掛けられる。

 

「戻るぞ、爆豪少年。好評の時間だ。

 勝ったにしろ、負けたにしろ、振り返ってこそ経験ってのは生きるんだ」

 


 

「まあつっても、今回の屋内対人戦闘訓練のMVPは飯田少年だけどな」

 

 モニタールーム内にて、なっ!?と飯田君が驚き、蛙吹さんが疑問を投げた。

 

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

「う~ん、そうだなぁ~、なぜだろうなぁ~、わかる人!」

 

 オールマイトはそう手を上げ、八百万さんがハイと声と手を上げた。

 

「それは飯田さんが、一番状況設定に順応していたからです。

 爆豪さんの行動は戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。そして、先ほど先生がおっしゃっていた通り屋内での大規模攻撃は愚策。

 緑谷さんも同様。受けたダメージから(かんが)みてもあの作戦は無謀としか言いようがありませんわ。

 麗日さんは、中盤の気の緩み。そして、最後の攻撃が乱暴すぎたこと。ハリボテを核として扱っていたら、あんな危険な行為はできませんわ。

 相手への対策をこなし、核の争奪をきちんと想定したからこそ、飯田さんは最後対応に遅れた。

 ヒーローチームの勝ちは訓練だという甘えから生じた、反則のようなものですわ」

 

 あたりに静寂が走り、爆豪君と麗日さんは俯き、飯田君はうれし涙を流しながら天を仰いだ。

 

(お、思ったよりすごい言ったな...)

 

「ま、まぁ、い、飯田少年もまだ硬すぎる節は会ったりするわけだが、まあ、正解だよ!」

 

 オールマイトは正解と告げると、グッドサインを出しながらクゥ~!と声を上げた。

 

「常に下学上達、一意専心に励まねば、トップヒーローになどなれませんので」

 

(これが推薦入学者4人の内の1人か)

 

 そう思っているとオールマイトが人差し指を立て、喋り始めた。

 

「よ~し、みんな場所を変えて第2戦を始めよう!

 今の講評をよく考えて、訓練に挑むように!」

 

「「「はい!」」」

 


 

 核が置かれてある部屋に尾白君、葉隠さんが待機し、ビルの入り口の歩道で障子君、轟君が待機しオールマイトの合図を待つ。

 

『第2戦。ヒーローチームBコンビ、(ヴィラン)チーム、Iコンビ』

 

「尾白くん」

 

 手袋とブーツ以外を着ていない素っ裸のコスチュームをした葉隠が、尾白に言いかける。

 

「私、本気出すわ。手袋もブーツも全部脱ぐわ!」

 

 その行動を見た尾白は冷や汗をかきながら内心こう思った。

 

(葉隠さん...透明人間としては正しい選択だけど、女の子としてはやばいぞ。倫理的に)

 

 今何かに気づいたのか、葉隠がみちゃだめだからねと見えない頬を少し赤くし尾白に言うが、嫌見えないしと尾白はその言葉にツッコんだ。

 

『それでは屋内対人戦闘訓練第2戦、スタート!!!』

 

 そんな平和な時間はすぐに終わり、オールマイトの宣言とともに開始の合図であるブザーが鳴った。

 そしてその直後、障子が腕を広げて腕の先に耳を作り出す。

 

「4階北側の広間に一人、もう一人は同階のどこか...素足だな、透明のやつが伏兵としてとらえる係か」

 

 障子は左腕の内、一本を口に変え、轟に情報を伝達する。

 しかし、轟はそんなことを無視して障子の前に立ち、言い放った。

 

「外出てろ、危ねえから。

 向こうは防衛線のつもりだろうが...」

 

 その言葉をつぶやくとともに建物の床と壁が、轟の右足と右手を中心に建物が凍り付く。

 

「俺には関係ない」

 

 その氷は凍っていく速度を上げ階段を伝い、天井を伝い、壁を伝い、建物全体を凍り付かせていく。

 

 外に出た障子は目撃した。

 たかが数秒で、建物一つが凍り付いてしまったのだ。

 


 

「痛たたた、あ、足が」「こ、この個性は...!」

 

 凍らされた足に注意を向けどうにかできないかと試行錯誤していると、パキッパキッと氷の上を歩き、割っていく足音が響く。

 ドアから現れたのは、左半身を氷で覆ったコスチュームをしている轟の姿だった。

 轟の姿を確認した尾白は即座に戦闘態勢を取り、尻尾を上げる。しかし、

 

「動いてもいいけど、足の皮剥がれちゃ満足に戦えねえぞ」

 

 轟は今動いたらどうなるかを伝え、そのまま歩き、核に触れた。

 


 

 氷に包まれてしまったモニタールーム内で、皆が肩を震わせながらその様子を確認していた。

 

「仲間を巻き込まず、核兵器にもダメージを与えず、尚且つ敵も弱体化」

「最強じゃねえか!」

「建物を骨として、氷で肉付けして簡単にビルを凍結させたのか」

(マハブフーラレベルだな、今の俺だとギリギリ負けるか)

 

 その様子を見ていた爆豪は、瞳孔を開き浅い呼吸を続ける。

 

『ヒーローチーム、WIN!』

 

 その宣言を聞いた轟は、右手を核から離し、左手で核に触れた。

 その瞬間、核についていた氷は解け消え、建物全体の氷も熱によって解け熱湯へと変質し葉隠の素足を襲い、轟は意図せず訓練終了後も攻撃してしまったのだった。

 


 

 この調子で、いやこれほどまで短くはないが、屋内対人戦闘訓練は続々と始まり、終了し、講評の後、次の屋内対人戦闘訓練が始まっていく。

 

 そして、最後。俺の戦闘訓練の時間になった。

 

「よし。それでは、これから雨宮少年対Aコンビの屋内対人戦闘訓練スタート!っといいたいところだが...緑谷少年はまだ保健室で眠っている。そのため、雨宮少年の対戦相手のクジを引きなおすことにしたぞ!」

 

 と、くじ引きの箱を手に持ち、俺の目の前にやってきた。

 

(轟君の組とは当たりたくはない...かといってほかの組の場合も俺単独で戦うのは骨が折れる。特に面倒なのは爆豪君と常闇君、八百万さん、俺がヴィランチームなら切島君たちのチームが厄介だな。

 それ以外のチームになることを祈りたいところだが...)

 

 俺は抽選ボックスの中に手を入れ、クジを取り出した。

 そこに刻まれている文字はH。

 

「つまり、常闇少年と蛙吹少女のコンビか」

 

(面倒なのにあたったッ...!)

 

 内心頭を抱えたが、ポーカーフェイスを崩さずポケットに手を突っ込む。

 

「では、Hコンビは先程ヒーローチームを経験したため雨宮少年がヒーローチーム、Hコンビがヴィランチームとする。Hコンビは先に演習用ビルKに移動してくれ!移動したら5分後に開始だ」

 

 その言葉に常闇君と蛙吹さんはハイと元気よく答え、移動したのだった。




 すまん、蓮の戦闘始まらんかった。
 あと、最近蓮がここでこうするとか決めてるのに書けなくなってきたから別の小説と同時進行でリセットします。そのため、更新頻度が今以上に落ちます。
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