新入生を迎えての最初の練習…
「各自アップは済ませてあるな⁉︎ではバッテリー組はブルペンへ、野手は守備に着け‼︎」
監督の落合が選手全体に指示を出す
『はい‼︎』
「うはぁ〜、気合いが違うな、高校野球は…」
「そんなこと言ってないで守備に着くぞ、茶。初日から監督に叱られたんじゃシャレにならんぞ。」
「わあってるよ。1年の野手は俺ら2人だけだけど行こーぜ、浅葱‼︎」
「じゃ、俺らも行くか‼︎赤志、紺亮!」
「おう!」
「ふぁ〜、眠い…」
ーーーー蒼洋の回想ーーーー
「これより入部テストを行う‼︎入部希望者はまず体力テストだ‼︎」
ここでは遠投、ベーラン、背筋力測定などのテストが行われた。ここから、一軍に入った1年は輝きを放っていた。特にこのテストでは黄嶋と黒澤が目立ち、黄嶋は遠投とベーランで、黒澤は遠投と背筋力で目を見張る値を叩き出した。中でも黒澤の遠投は飛び抜けていて、高1にして120m越えを叩き出したのだ。黄嶋の身体能力の高さと万能性にも目を見張ったがやはりこのテストの主役は黒澤だった。
次に行われたのが技能テストで攻撃側はは体力テストの結果に基づいた打順によりケースごとのシートバッティングや走塁を行い、守備側はそれぞれのポジションに着き、守備をするというゲーム式だった。黄嶋は持ち前の高いミート力と体全体を無駄なく使うことで飛距離を生み出す長打力・高い走力と走塁技術・完成度が非常に高い守備と総合力と才能・センスの桁の違いを見せ付け、紅原は非常に高いキャッチャーとしての能力と勝負強く長巧打揃ったバッティング、黒澤は技術が追いついて無いものの荒削りな才能と肩力・パワーを発揮し、緑川は高度な外野守備と小技やミート力・走塁技術とパワー不足ながらバランスとセンスの良さをアピールした。そして俺は…
ゲーム式技術テストにて…
「バッター、紫野崇‼︎」
地味ながら、体力テストで黒澤よりも高い値を叩き出した紫野崇との対戦を迎えた。
俺はバッテリーを組んだキャッチャーとサイン交換をし、軽めのフォームからサイドスローで初球、まっすぐを投じた。この一球で、監督や先輩、緑川、そして誰よりも紫野自身が1番俺の球の質に気づいた。一見して130km程のまっすぐにしか見えないボールは紫野のバットの上を通過し、全く動いていないキャッチャーのミットに収まった。2球目、縦スラに見えるパワードロップ(カーブ)を放り、ツーストライク。
3球勝負でストレートと速度がほとんど変わらない本物の縦スラを投じた。ストレートだと思い振りに来た紫野のバットの手前で急激に落ち、紫野のバットは空を切った。
本当なら、本来の決め球で圧倒的なキレと変化量を誇るこの球ではなくとっておきの球を投げたかったが、このピッチングだけで俺の一軍入りが決まってしまい投げれなかった。
だが、俺はこの日のテストで、剛腕を誇る黒澤との決定的な違いをこの肌で感じてしまった…。
ーーーー回想終わりーーーー
ノックではショートで黄嶋が、レフトで緑川が他を圧倒する華麗な守備を見せていた。
圧倒的な打球勘と反射神経、グラブ捌きに的確な判断、素早く正確なスローイング。既に黄嶋の内野守備はチームでもトップクラスのものだった。
一方緑川も足が速く、ポジショ二ングや捕球、打球勘に優れていて守備範囲が広く、肩も強くて投げるまでも早いため、既にチームトップクラスの外野守備を誇っていた。
そして、ブルペンでは…
ドパァン‼︎
黒澤が剛腕を唸らせてゲーム式でも見せた他を寄せ付けない速球を投げ込んでいた。もはや現正捕手の阿倍野でも取れないそのボールは紅原が平然と受けている。
一方青島は腕をしならせ、一球一球丁寧に構えた所に14球種も投げ込んでいた。ゲーム式テストで見せたストレートに加え、指の間を広くすることで一度浮いてから落ちるように見えるツーシーム、縦横斜めのHスライダー、Hシュート、ワンシーム、カットボール、スロードロップ(カーブ)、パワードロップ、スクリュー、パームなどを自在に操っていた。
「・・・凄すぎる・・・」
彼らは先輩達を十二分に戦慄させていた。レギュラー陣を除いては…
次回、レギュラー陣が1年に実力の差を思い知らせる‼︎