第二部「破滅を照らす者:賢者との出会い」 作:Jyoze628
目次
この物語は第一部「夢現の狭間」で『門』を開いた後の続編です。
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@Jyoze628と検索して頂けると出てくるかと思いますので、気になる方はぜひご覧下さい!
Prolog「寝ても覚めても」
「全員無事に目覚めたか…」
「へっ?」
あの
「まずは…私のメモを全て集め、悪夢と現実の
「あんたは……誰だ。」
「私は『禁域』にメモを残し…君達と同様に『禁域』から現実世界へ生還した者の1人。」
メモを…残した?
…って事は!
「私が『マーリン』だ。」
え?
「えええええぇぇぇえ!?」
い…いきなり本人さんが登場!?
多分…シワが少しだけあるし…おじいさんだよね?
でも見た目若いよな……ってかイケおじ過ぎない!?
顔はシュッとしてて…目もキリッてしてる!
それに目と髪は…灰色かな…?
本当に絵に描いたような紳士って感じ…
てか背中も全然曲がってないしめっちゃ真っ直ぐだ!
「あっ…あの〜…もしかしてここに寝かせてくれたのは…マーリンさんですか…?」
「あぁ、そうだ。」
「あ…俺達のことを看病…?え〜っと……休ませてくれてありがとうございます!」
「ひとまずはあんたを信じるしかねぇみたいだな…俺からも礼を言う。」
「助かったっす。」
「いや…礼には
し…紳士ッ!
圧倒的な
「ところで体の調子はどうだ?」
まぁ…色んなことあったし流石にまだ疲れ…
ん?
「…何か…めっちゃ良い感じです!」
「あ…あぁ!何つーか…生まれ変わったみてぇな…?」
「体が軽いっすね。」
「しかも傷がひとつもねぇ…」
「それは良かった。」
「なぁ…1つ聞いても良いか?」
「…彼女の容態について…だろう?」
「あっ…確かに!」
「何でジョゼさんだけ僕達と反対側の壁に寝かせてるんすか?」
【 部屋には流輝、星次、春喜の順でベッドが川の字に壁際に設置されていて、その反対側の壁には1つのベッドがあり、そこにジョゼフィーヌが寝かされていた。】
言われてみれば…何でジョゼフィーヌさんだけ向こう側に?
もしかしてちゃんと男女で分けてただけとか?
「それは…」
【 マーリンが春喜の質問に答えようとした時、彼の後ろで寝ていたはずのジョゼフィーヌが、ベッドのシーツを持って音も無く飛び起きた。そして彼女はマーリンに後ろからシーツを巻きつけようとした。しかし、マーリンは後ろを振り返らずに、ただ前を向いて立っていた。】
「なッ!?」
「このような事態を想定していたからだ。」
第1章「HOCUS POCUS?」
「か…体が…動かない!」
え!?
今…ジョゼフィーヌさんがピタッ!…って止まった!
いや…シーツも一緒にその場で!
何て言うか…あれだ!
寒いところで濡らしたタオル振り回したとき…みたいな?
「…いつから私が貴方を無力化しようとしているのに気づいていたのですか?」
【 マーリンは彼女の方へ振り返って答えを返した】
「私は最初に、『全員無事に目覚めたか』と言っただろう?」
「お見通しでしたか…」
「え?何で…見抜けたんですか?ていうか何で襲おうとしたんですか!?」
「君の戦闘技術は素晴らしいが…私の『魔法』の前では分が悪かったな。それに…こう見えて私も戦い慣れているんだよ。」
「『魔法』?一体何を言って…!」
「今、君が体験しているものだ…指一本も動かせないだろう?」
「あぁ…そうか。おい!落ち着け!!そこのじいさんは仲間で、あんたが倒れている間にここまで逃げてきたところを助けてくれたんだ!」
「えっ…?そうだったんですか!?」
「あっ!そうか…」
ジョゼフィーヌさんからしたら、起きたら知らない場所に居て、知らない人が目の前にいる状態だし…
でも普通は起きてすぐに…よし!攻撃しよう!!
…ってならないって!
「す…すいません!助けていただいたのに恩を
「いや、気にすることはない。君の立場からして、君は正しい判断のもとに正しい行動をしただけに過ぎない。」
「あの…ジョゼフィーヌさんは大丈夫なんですか?」
「はい、本当に体が動かないだけです!…とても不思議な感覚ですが…」
「あぁ、安心してくれ。正確には彼女の首から下の空気を固定しただけだ。体に直接作用するタイプじゃない。」
「あ〜なるほど……え!?」
「は…?空気を…固定?」
「どういう事っすか?」
「なる…ほど…」
「だからジョゼフィーヌさんは冷静すぎですって!どういう事なんですか!?」
「空気は私達の周りに存在しているので、私達は常に空気に触れている事になります。」
「そうなりますね。」
「そして…その空気を『固定』されるという事は…」
「例えるなら...あんたの周りのセメントが固まって動けなくなったってところか?」
「はい、私も同じ様な考えに行き着きました!」
「あぁ、正解だ…理解が早くて助かる。」
うわぁ…もうパニックになりそう…
「今、『魔法』を解く。ベッドの方に移動させるぞ。」
【彼はそういうと、ジョゼフィーヌの方に振り返り、右手の人差し指で反時計回りに円を描いた。】
「えっ?ひゃっ…えぇえ!?」
「す…凄い…」
完全にリプレイじゃん!
ジョゼフィーヌさんとシーツがベッドの方に浮かんでいって完全に元通りに…!
「さて、とりあえず落ち着いて貰ったところで…君達が『禁域』で体験した事を話してくれないか?」
第2章「あらすじ」
「今は時間が惜しいんだ、悪いが手短に頼む。」
「え〜っと…どうやってまとめよう…」
「では、私が
「あぁ、OKだ。」
「任せたっす。」
「は…はい。」
「それでは…」
な…何か緊張してきた!
「全ては…私達4人が同じ部屋で目覚めたところから始まりました。」
「一番最初に目が覚めてたのはあんただったよな。」
「私達に共通していたのは、全員がお互いに赤の他人であったこと、あの部屋で目を覚ます前は自宅で寝ていたこと…でしたよね?」
「大体そうだな。」
「そうだったと…思います!」
「そして、私達は元居た場所へ帰る為に協力して屋内を探索していました。」
「その時にマーリンさんのメモ拾ったんすよね。」
「今思い出しても本当に不気味な事ばっかりでしたよね…」
「窓の外を見た時に流輝君は気絶してたっすよね。」
「わ…忘れて下さい!」
あ~…
今思い出しても恥ずかし過ぎる!
「異常現象をまとめると…」
「自動翻訳、開かねぇドア、謎の血痕に…」
あれ?
もしかして…自動翻訳まだ続いてない?
まぁ…便利だしいっか!
「
「物理法則ガン無視でめっちゃくちゃ広くて、暗さが一定のお風呂場とか…」
「あのお風呂場はライトも使えないし音も聞こえにくかったっすよね。」
「確か…音と光が暗闇に吸収されてるんだったか?」
「それに…とても古い感じでしたね。恐らく…
「極めつけは…アレですよね…」
「あぁ…あの魚野郎だな。」
「半魚人っすよね。」
「半魚人か…その怪物の肌は灰色で鱗に覆われていて、背は高いが猫背で異様に筋肉質…だったか?」
「…じいさん…何であんたがそれを?」
「その怪物の叫び声は特徴的だったか?」
「はい、まるで
「やはりそうか…君達が
あの怪物って名前あったんだ…
「奴らに関する説明は後で話そう。とりあえず話を続けてくれ。」
「了解です!では話の続きを…私達は
「ほ…本当にやばかったですよね…」
めっちゃ怖かったし…死にかけたし…
「まぁ…何とか勝ったけどな。」
「大変だったすね。」
「一体…どうやって生き残ったんだ?」
「片方は僕が医療箱で後ろから頭を殴って気絶させたっすね。」
「ということは…とどめを刺したのは君か?」
「はい…確か…そうだったはずですね。」
「…何で分かったんだ?」
「これの
【彼はそう言うとコートの内ポケットから銀のリボルバーを取り出した。】
「あっ…それは!」
「これを残しておいて正解だったようだな。」
ジョゼフィーヌさんが持ってたやつ!
「君の言動や服装、装備を軽く見れば…君が軍人の
「はい、そうです!そのリボルバーのおかげで皆さんを助ける事が出来ました!」
「それは良かった。」
「ところで…私が倒れた後はどうなっていたんですか?それに…なぜ私は生きて…」
「あ…えっと…」
ど…どうやって説明しよう…!
何か〜周りの血がシュシュシュッ!ってジョゼフィーヌさんに集まっていって、お腹に空いた穴が
…なんて本当の事でも言えるわけない!
信じてもらえるかも怪しいし…
本人がショックでしょ…
「ここから先は私から話そう。」
「え…?」
何でマーリン…さんが?
「君達は彼女が倒れた後に3枚のメモと『銀の鍵』を集めたのだろう?」
「あぁ。」
「そして、君達は私が残したメッセージを読み…『門』を通ってここまで来たのだろう?…とある一筋の望みに賭けて。」
「…魔法でジョゼフィーヌさんを助けてもらえるかもしれないと…思ったんです。」
凄い…何でもお見通しだ…
まるで考えてる事を全部見られてるみたいな…
「何で…俺達がジョゼフィーヌさんの為にここへ来たって分かったんですか?」
「あの時の彼女の状態は、誰が見ても明らかに死んでいると分かるはずだ…私も正直、『門』から君達が血まみれの彼女を連れてこの『セーフルーム』へ倒れ込んできた時は驚いたよ。」
あれ?
ここに来る前はもう寝てるだけにしか見えなかったと思うけど…
てか血まみれじゃ無くなってたよね?
「そんな状態の彼女をわざわざ連れてくるということは…」
「ふわぁ〜あ…あ…悪ぃ、寝起きで…あくびが」
【星次はそう言うとあくびを抑えるように自然な仕草で口元を隠し、ジョゼフィーヌには聞こえないように小声で春喜と流輝に話しかけた。】
「話を合わせとけ。」
あ…何かあるんだ!
「あんたが言おうとしてたことの通りだ。俺達は魔法のことを知らねぇが…魔法ならこいつを生き返らせれるかもしれねぇと思ってな…そんでわざわざここに来たんだ。」
【彼がそう言うと、マーリンは星次の方を向いて一瞬だけ目を閉じて軽く
「なるほど…では、私が…生きているのは…皆さんとマーリンさんが助けてくれた上に治療してくれたからなのですね…?」
な…何とか
「改めて皆さんにお礼を申し上げます…私にできる事があれば何でも言って下さい!」
「いや、気にすることは無い。頭を上げてくれ。だが…1つだけ君達と話し合わなければならない事があってな。」
「その話というのは一体…?」
「君たちさえ良ければ、あのメモに書いたことについて話させて欲しいんだが…構わないか?」
「あぁ、良いぜ…その代わり俺達も色んなこと聞かせてもらうけどな。」
「OKっす。」
「あ…はい!」
「もちろんです!」
第3章「勇者になる覚悟は?」
あのメモに書いたことか…多分アレだろうな。
「皆、記憶が
【 彼はそう言うと、またコートの内ポケットから1枚のメモを取り出した。】
「あの…私達が集めていたのは3枚に分けられたメモだったはずなのですが…」
「あぁ…あんたが倒れた後に『銀の鍵』って奴を…あんたが言ってた…テルマエ?みてぇなやつの底にあるのを見つけて拾ったんだよ。」
「それで、3枚のメモをもう1回読もうとしたら…めっちゃくちゃピカッ!て光りだして…」
「くっついてたっすね。」
「は…はぁ…なるほど?つまり…条件を満たしたので復元された…という事でしょうか?」
「あぁ、当たりだ。そして、復元時にのみ浮かび上がるメッセージ…私が本当に伝えたかった事が読めるようになる仕組みだ。」
【 彼はそう言うと、メモを手の平に収まるくらいに折り曲げ、メモを押し潰すように両手を上と下から組んだ。】
「あんた…何してんだ?」
「メモを
「ま…また魔法を?」
「君達にとっては珍しいものだろうが…特に難しい事では無い。見ているといい。」
【彼は左手を空中でピタリと固定し、その上に組んだ右手を垂直に上げた。すると、彼の手の平に4枚に重なったメモがあらわれた。】
「よし、これで良い。」
「なっ…マジかよ。」
「ト…トランプのマジックでしか見た事ないですよ…」
「凄いっすね。」
「これは…一体どうなって…」
「今からこれを渡す。読み終わったら言ってくれ。」
【彼は4枚のメモを人差し指と中指で挟み、トランプ投げの様にメモを真上に飛ばした。すると、散らばったメモがまるで生きているかのように、ゆっくりと4人の手元へと飛んで行った。】
「ありがとうございます!」
「わ…も…もう魔法がどんどん…」
「マジで何でもありだな…」
「面白いっすね。」
「全て読み直せなくても、裏面に残したメッセージさえ読んでくれればとりあえずは問題無い。」
とりあえず…メモ読むか。
メモを読まない(大体覚えてるしOKだろ。)
【メモの表面 No.1~No.3】
『記録No.1 6月20日 禁域観察開始時刻 午前12時
記録者 マーリン
このメモに禁域調査手記とは別に、私を含める調査員4人の状況と私の簡単な推察を記録する。
家の中に入ってから1時間が経ったが、調査は順調に進んでいる。
しかし、調査員の精神状態はあまり良くなさそうだ。
この家に入った瞬間、私達は同時に何者かの視線を感じたのだが、それからというもの私以外の皆の様子がおかしい。
調査に異常をきたす程の症状は無い為、調査を継続するが彼等の言動に注意する必要が有りそうだ。
私に何か異常が現れても正しい情報が残るように、このメモは後2回だけ書く事にする。
No.3より後のメモが見つかった場合は、私が発狂して書いたものとして扱い、そのメモの内容は無視して欲しい。』
『記録No.1より12時間半が経過
禁域を屋内から観察しているだけだというのに3人のメンタルに段々と異常が現れ始めた。
ウェスはもう限界に近いだろう、グレイルもすっかり
マリーは比較的に症状が軽いようだ、彼女は今ウェスと一緒にリビングに居るがグレイルは先程から…
確かに私もこの家の中に入った瞬間から、おぞましい何かの視線のようなものを感じたが、精神に異常をきたす程のものでは無かった…
恐らく禁域には精神汚染の様な悪影響を及ぼす能力が有るのだろう。
この悪影響も個人差があるようだがその差は一体…
先に私以外の3人だけでもここから出してやりたいが…』
『記録No.2より30分が経過
前々から異変を感じていたが、まさか2人があんな怪物になるとは…やはり禁域は混沌と邪悪の世界なのだろう…私はもう教団に帰れない。
友よ、置いていくことを許してくれ。
門は棚のある壁に展開する。』
【メモの裏面 マーリンからのメッセージ】
『このメッセージを読んでいる者へ
このメッセージを読んでいるということは、君は私の書いたメモを全て集め、「銀の鍵」を手に入れたという事だろう。
その鍵を使えばどんな扉をも開き。
そして、君が望む場所へと帰ることが出来る。
だが待ってくれ。
どうか私に力を貸して欲しい。
この場所に訪れ、この奇妙な現象を見た後なら。
「魔法」というものの存在を信じてくれるはずだ。
今、世界は魔法と「悪夢の邪神」によって滅びようとしている。
私一人では
だから今は1人でも協力者が欲しい。
もし協力してくれるのならば、私は君に対価を払う。
その鍵を使えば、私が創った「門」を開いて私の隠れ家へ移動することが出来る。
どうか頼む。
門を通って私に力を貸してくれ…7月7日の金曜日…この日に世界の
真名は教えられないが私の教団内の呼び名を伝えておく。
私の呼び名は「マーリン」だ。
願わくば世界に邪神が解き放たれぬことを。』
まぁ…内容はこんな感じだったよな…
あの時はあんまり信じられなかったが…
目の前で本物を見ちまったら…な…
「おい、お前らは読み終わったか?」
「あ…はい。」
「読み終わったっすよ。」
「え………………?」
【星次の呼び掛けにジョゼフィーヌは何も答えずに、困惑した表情で何かを呟いていた。】
「これは……………まさか…」
「あ…そっか…ジョゼフィーヌさんはこれ読むの初めてですよね…」
【マーリンは、彼等がメモを読み終わったのを確認すると口を開いた。】
「では…これから君達に2つの選択肢を開示する。」
選択肢…?
「1つめは、『禁域から今に至るまでの記憶』を完全に消去し…」
【彼はそこで言葉を切り、指を鳴らした。すると、どこからとも無く『門』が地下室の壁の真ん中に現れた。】
「そこにある『門』を通って日常に帰ることだ。」
「2つめはなんすか?」
「…7月7日に行われる、世界を終焉に導く『儀式』を
「あ…?『儀式』……?」
「詳しい事は…君達の答えを聞いた後に話そう。」
なるほどな…
味方になるなら情報は渡すが、味方にならないやつに情報を渡したところでリスクになるだけ…そこら辺もきっちり分かってんのか。
「今日は7月の何日ですか?」
「え?」
「は?お前…何言ってんだ?」
「…7月6日、今の時間は午前6時だ。」
「世界終焉までのタイムリミットはどのくらいですか?」
「7月7日、午前か午後の12時のはずだ。予想でしかないが、奴らが『儀式』を行うならそのどちらかしか無い。」
「ということは最悪の事態を想定すると…私たちに残された時間は…」
「お…おい!とりあえず落ち着け、確かにパニックになるのは分かるが…」
「いえ、私は冷静ですよ!確かに…通常は信じ難いかもしれませんが…」
こいつ…マジの目だ!
1回死んで生き返ったのが原因で狂ってるって方がおかしくねぇ。
そう思っちまうレベルにはイカれてやがる…
「では…なぜ私のメモの内容を信じてくれたんだ?」
「先ずは、今の現状からしてすでに貴方が善人であるという事や…魔法の存在を知る事ができたからですかね。」
「私が信用に足る人物となぜ判断したんだ?」
「皆さんのことや私の命を助けてくれたからです。」
「たったそれだけの理由か?」
「悪意があるなら…魔法で私を
【マーリンの質問に明るく答えていた彼女は、突然、真剣な顔をして落ち着いた声で話し始めた。】
「他の理由、それはもちろん…世界中の人々の為です。ここに書いてあることが嘘か本当かは重要ではありません。」
「あ…?それは…どういう事だ?」
「罪の無い人々の元に悲劇が訪れる可能性が少しでも存在するなら…私はその可能性を確実に消します。例えこの身を死の危険に
「ははっ…マジかよ。」
「星次さんがここに来る前に言ってた通りでしたね…」
こいつは…マジでイカれてやがる…
あいつらみてぇなこと言いやがって…
「そうか…では、君はもう覚悟を決めているのだな?」
「はい!」
「それでは…君たちにも問おう。」
【彼はそういうと3人の方を向いて話し始めた。】
「君達は…赤の他人である私のことを信じ、世界の危機を救う為に自らの命を危険に晒し、人を
「ひ…人をころ!?…人を…殺す気はありませんが……家族と友達の為に、何とかして世界が滅びるのを止めないといけませんし…まぁ…何ができるか分かりませんが…」
「僕は難しい事よく分かんないんすけど、世界が滅ぶのは嫌っすよね。」
「1つだけ…質問に答えろ。」
「何だ?」
「お前に協力したら…お前は何を報酬として俺たちに渡せる?」
「君達が望むものだ。流石に世界単位で影響する事を叶えたり、死亡してから3日以上経ったり、遺体が腐った人間を完全に蘇らせることは不可能だがな…それ以外のことなら
「え…!?じゃ…じゃあ!普通は治らないような病気を治したりとかは…?」
「可能だ。」
「僕の記憶も戻せるっすか?」
「あぁ。」
「えっ!?記憶喪失だったんですか?」
「そうっすよ。」
「あっ…そういえばジョゼフィーヌさんは初めで聞きましたよね…」
「それは……あの…辛いことがあったらなんでも言ってくださいね!」
そこまでできるなら…十分だな。
「よし…そんな何でもありの最高の報酬があるなら問題ねぇ…さっさと計画話せよ。あんたは勝算も無しに戦う馬鹿じゃねぇだろ?」
「鋭いな…その通りだ。私はただここに座って助けが来るのを待っていたわけじゃない。」
「や…やった!じゃあ何とかなるんですよね?」
「それでは、作戦内容を詳しく…」
「いや…君達は起きた瞬間に現状を短時間でなんとか理解し、世界に関わる重大な決断をしたんだ…また、長く難しい話をする前に気分転換をしよう。」
「気分転換…?あんたが面白いマジックでも見せてくれるのか?」
「いや、…これから厳しい戦いに挑む君達にとって良い事だ。さぁ、皆ベッドから出てくれ。」
【彼に言われた通りに全員がベッドから出て立ち上がった。】
「これからベッドを片づけて椅子を出すが、まだ座らないでくれ。」
【彼はそういうと、指を鳴らした。すると、長方形だったベッドが粘土のようにグネグネと動き出し、一瞬にして正方形の小さなベッドになった。】
「す…凄い…あんなベッドが理科室の椅子みたいになって…」
「あぁ、背もたれも付けておこう。」
【彼はそう呟くと、小さなベッドに向かって右手を向けた後、手をの平を下に向けて、下から上へと何かを引っ張るような動作を行った。すると、小さなベッドから、まるでキャリーケースの取っ手が伸びるように背もたれが飛び出した。】
「よし…」
「す…凄いですね!さっきの椅子でも十分だったのに…今はもう完全にくつろげる位の椅子に…!」
てか…魔法ってそんなにポンポン使えるのかよ…
「…興味深いですね。」
「なぁ…そろそろ何をするか教えてくれないか?」
「そうだな…」
【マーリンは彼の質問に答えず、目を閉じて一呼吸し、間を置いた。しばらくすると、ようやく彼が静かに目を開き。彼の質問に答えた。】
「君達は『禁域』に迷い込み、生きて私の元へ来た。それによって君達はとある条件を満たし、『神』から『祝福』を…すなわち『能力』を与えられている。」
は…?
『神』からの『祝福』?
「今、君達に与えられた『祝福』を覚醒させる。」
あとがき
ここまで読んで頂き誠にありがとうございました!
第二部の投稿がついに始まりましたが、この賞は基本的に物語に必要な前提知識の回になります。
そのため、感覚をあまり開けずに投稿したり、投稿後もまとめ的なものを制作する予定です。
『祝福』のデザインには自信があるのでお楽しみに!