とあるSランク探索者の日常   作:カイドウ(かいどう

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第19話

レッドオークが消滅していくとそこには拳大の魔石と、銀の宝箱、毛皮がドロップした。

 

 

「お!!宝箱じゃねえか!開けようぜ!」

 

「そうね、ドロップした宝箱からはトラップはないのよね」

 

「そうだよ!早く開けよー!」

 

 

・わくわく…!

・いったいナニが出るんだ?

・レッドオーク倒したんだからそれなりのものは出るだろうよ

・Aランクだから絶対聖剣は出てくるだろ!

 

 

「宝箱は綾瀬が開けてくれ。1番の功労者は沙織だからな」

 

「そうね。私も同感よ」

 

「え?!ほんとにいいの?」

 

「ああ!勿論いいぞ」

 

「当然よ」

 

 

「あ、ありがとう……!じゃ、じゃあ開けるね…」

 

 

ギイイイィ……

 

 

・ワクワク!!

・何が出るんだ?

・ドキドキ……!

 

 

「え……?」

 

 

そこにあったのは、綾瀬が使っている杖とは比べものにならないほどの見窄らしい、長い木の棒と、

錆びた、お世辞にも剣とは言えない何かだった。

 

 

・え?

・木の………棒?

・と、剣?

・なんかめっちゃ錆びてね??

・これは…………

・爆⭐︎死⭐︎

・ぎゃああああああ!!

・そんなことある??

・木の棒と錆びた剣って…

・エェ…

・流石にかわいそすぎる

 

 

「こ、こんなことって……」

 

 

・元気出して!

・毛皮が出たんだから元気出して!!

・ほら、まあAランクパーティーになれるんだからいいじゃん!

・魔石も売れば億は行くよ!

 

 

「綾瀬…元気出せって」

「でもレッドオークはもう狩れるようになったわ!」

 

「うん…。まあそうだね。仕方ない、これで探索者協会に伝えに行こう!」

 

「ええ(おお)!」

 

「というわけで今回はここまでです!みんな応援してくれてありがとね〜!」

 

 

・今日も楽しかったぞ!

・次からAランクパーティーか!楽しみだなぁ!

・無双するのかな?

・落ち込まないでね〜!

・楽しみにしてるよー!!

 

「ありがとね〜」

 

 

ポチ…

 

 

生配信画面を切った。

 

 

「ふう、でも、私たちレッドオークにかったんだね!」

 

「これでAランクかあ!いやあ!なんか感慨深いなあ…」

 

「とりあえずここにいてもまた復活するかもしれないし帰りましょう」

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「ついたー!探索者協会!」

「ええ!ささっと報告しましょ!」

「早く行こうぜ!」

 

 

探索者協会に入ると、周りからの視線が一気にゾワっと向いてきた。

 

 

「ああ…。あいつらついにAランク行ったのか…」

 

「え?マジで?!」

 

「ああ、ニュースにも取り上げられてたからな。レッドオークを討伐したって」

 

「ついにあいつらもランカーか…。長年見てきたけどなんかこう、来るものがあるな…」

 

 

あまり多くの視線を受けるのは慣れていなかったので一瞬硬直したが受付までの列に並んだ10分後、ようやくその時が来た。

 

 

「「「探索者チーム『紅』昇格試験合格しました!」」」

 

「知ってますよ!もうニュースでやってましたからね。レッドオークを討伐したって、直ぐに注目を集めますよ!…はい、ということで一応魔石を確認しますので、他の素材はAランクのモンスターの素材なのであちらの専用カウンターに移動して下さい」

 

「せ、専用カウンターですか?!も、もう行っていいんですか?」

 

「もちろんです。といってもAランクの素材はほとんどが価値が高いものですからね。あ、あと…」

 

「あと?」

 

「木の棒と剣の件つきましてはご愁傷様です…」

 

「んもおー!思い出させないでくださいよ」

 

「まったくだぜ」

 

「でもまあ倒した証にはなるわよ…多分。ところでどこでそれを?」

 

「ニュースで取り上げられてましたよ〜」

 

「ええ…」

 

「ネタにはなるわね。ムカつくけど」

 

「マスコミなんてそんなもんさ。さ、行こうぜ!」

 

 

遂に私たちがAランクのカウンターにいける。そう思うと物凄い興奮する。

 

 

専用カウンター

 

 

それは、探索者協会において、誰もが一度はそこで受付をしたいという願望を持っている。

 

 

専用カウンターに行くということはつまり、AランクかSランクということを周囲に示すことができる。簡単にいうと、嫉妬や羨望、憧れ、の目線を感じながら優越感に浸れるのだ。

 

 

……一部のSランクは敬意と畏敬もあるらしいが…。

 

 

とにかく、専用カウンターならいけるということはとてつもない名誉なのだ。

 

 

早速専用カウンターに移動した北条たちはドロップ品を出した。

 

 

「これは…長年ガラクタのようなものを見てきましけどこれは正真正銘の木の棒と錆びた剣ですね。一応鑑定はしますが…まああまり期待しすぎないようにして下さい」

 

 

「はぁい、わかりました」

 

「結局ガラクタかよ…」

 

「でもまあ魔石があるしいいんじゃないかしら」

 

 

「そこで何をしているんだ?」

 

 

北条たちは呑気に話していると、後ろから声をかけられた。

 

 

…ゾク!

 

 

 

一度だけ、一度だけ、彼の声を聞いたことがある。

 

 

遠目からだったがはっきりと覚えている。

 

 

そして、レッドオークを倒せたのも彼のおかげ。

 

 

全ての探索者の頂点に君臨する絶対強者。

 

 

探索者の強さにおいての憧れ、畏敬がそこにある。

 

 

ゆっくりと振り向くと、そこには彼がいた。

 

 

「………『修羅』!」

 

 

 




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