「……『修羅』!」
やっぱり『修羅』だった……!
突如現れたSランク冒険者の頂点に私たちはつい身構えてしまった。
…ところでなんで釣竿を持っているのかしら…?
「ん??あーーなるほどな。『紅』か。レッドオーク討伐おめでとう」
「あ…ありがとうございます!あの…、『修羅』さんのアドバイスを貰ったので私たちは今ここにいます。本当にありがとうございました!」
「ありがとう」
「ありがとな!」
「………いや、たいしたことはしてない。君たちの実力だよ」
「お待たせしました〜。この木の棒と錆びた剣を鑑定したのですが…。魔力は感じられますが、やはりガラクタでした」
「あ〜まあそうだよね……わかってたけど、ちょっとね」
「まあ、こればっかりは運でしょうね…」
「次に切り替えて行こうぜ」
「では、お返しします…。ゴミになるようでしたらこちらで処分しますが…」
「いや、記念として取っておきます」
「わかりました」
受付の人から貰い、帰ろうと後ろを振り返ると驚いた顔をした『修羅』がいた。
「………それをどこで?」
「ああ、これですか?これはレッドオークを討伐した時に…ドロップした物です。ハズレでしたけどね」
「外れ、外れか…ふむ…。確かにそうだな、それはそうだろうな」
「………?どういうことですか?」
そう聞くと、『修羅』は少し考える動作をして、口を開いた。予想外の言葉を…
「それは、それらは、ガラクタではない。
ある条件を満たせば、またはある素材と組み合わせれば、その木の棒と錆びた剣は豹変するぞ」
◇◆◇
〜八神(修羅)視点〜
時は少し前に遡る。
あー。レッドオーク倒したな。久々に見応えがある戦いだった。ドロップ品は…いいや、どうせ大したものは出てこないだろうからな。
さて、次は何のテレビをみようかな。
お、これとかいいな。ジェットサーモン釣り?なにこれ羨ましい。
こうして動画を漁りまくって3時間後…
暇だ。あ、そうだ。
俺もジェットサーモン釣りやってみようかな?
よし、そうと決まれば早速やろう。
今の時刻は5時半。ジェットサーモンは夜の方が活発で凶暴になるので釣りにはもってこいだ。
早速探索者協会に行こう。
そして、探索者協会に入ったら
どこかで見たことがあるような人が専用カウンターにいたので声をかけた。
「そこで何をしているんだ?」
「……『修羅』…!」
慣れた。うん慣れたさ。
そうやって警戒されるのは。
…あ〜!思い出した。
さっき見てた動画の人たちじゃないか。確か、『紅』だったような。
「ん??あーーなるほどな。『紅』か。レッドオーク討伐おめでとう」
「あ…ありがとうございます!あの…、『修羅』さんのアドバイスを貰ったので私たちは今ここにいます。本当にありがとうございました!」
「ありがとう」
「ありがとな!」
な、なんだか、心がポワポワするな…。
こんな感情数ヶ月ぶりだ。
そう心の中で感激していると、受付の人がやってきた。
「お待たせしました〜。この木の棒と錆びた剣を鑑定したのですが…。魔力は感じられますが、やはりガラクタでした」
「あ〜まあそうだよね……わかってたけど、ちょっとね」
「まあ、こればっかりは運でしょうね…」
「次に切り替えて行こうぜ」
「では、お返しします…。ゴミになるようでしたらこちらで処分しますが…」
「いや、記念として取っておきます」
「わかりました」
ほおー木の棒と、錆びた剣ね…………。
ほおー?!なるほどなるほど、まさかまさか、これを見るのは数年ぶりだな。
ところで
「………それをどこで?」
「ああ、これですか?これはレッドオークを討伐した時に…ドロップした物です。ハズレでしたけどね」
「外れ、外れか…ふむ…。確かにそうだな、それはそうだろうな」
「………?どういうことですか?」
ふむ、まぁ現時点では見たところ、素材もないし資格もなさそうだから絶対に使えないだろうな。ならば、今ここで教えても…
いや待て、それじゃあだめだ。
それをしたらこのチーム『紅』は成長しないだろう。力を過信して命を落とす場合がある。
それは俺にとっても協会にとっても大きな損失だな。
ならば…俺ができることは、
「それは、それらは、ガラクタではない。
ある条件を満たせば、またはある素材と組み合わせれば、その木の棒と錆びた剣は豹変するぞ」
先行くものとして、道を示すことだ。