とあるSランク探索者の日常   作:カイドウ(かいどう

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第20話

「……『修羅』!」

 

 

やっぱり『修羅』だった……!

突如現れたSランク冒険者の頂点に私たちはつい身構えてしまった。

 

 

…ところでなんで釣竿を持っているのかしら…?

 

 

「ん??あーーなるほどな。『紅』か。レッドオーク討伐おめでとう」

 

「あ…ありがとうございます!あの…、『修羅』さんのアドバイスを貰ったので私たちは今ここにいます。本当にありがとうございました!」

 

「ありがとう」

 

「ありがとな!」

 

「………いや、たいしたことはしてない。君たちの実力だよ」

 

「お待たせしました〜。この木の棒と錆びた剣を鑑定したのですが…。魔力は感じられますが、やはりガラクタでした」

 

「あ〜まあそうだよね……わかってたけど、ちょっとね」

 

「まあ、こればっかりは運でしょうね…」

 

「次に切り替えて行こうぜ」

 

「では、お返しします…。ゴミになるようでしたらこちらで処分しますが…」

 

「いや、記念として取っておきます」

 

「わかりました」

 

 

受付の人から貰い、帰ろうと後ろを振り返ると驚いた顔をした『修羅』がいた。

 

 

「………それをどこで?」

 

「ああ、これですか?これはレッドオークを討伐した時に…ドロップした物です。ハズレでしたけどね」

 

「外れ、外れか…ふむ…。確かにそうだな、それはそうだろうな」

 

「………?どういうことですか?」

 

 

そう聞くと、『修羅』は少し考える動作をして、口を開いた。予想外の言葉を…

 

 

「それは、それらは、ガラクタではない。

ある条件を満たせば、またはある素材と組み合わせれば、その木の棒と錆びた剣は豹変するぞ」

 

 

 

◇◆◇

 

 

〜八神(修羅)視点〜

 

時は少し前に遡る。

 

 

あー。レッドオーク倒したな。久々に見応えがある戦いだった。ドロップ品は…いいや、どうせ大したものは出てこないだろうからな。

 

 

さて、次は何のテレビをみようかな。

お、これとかいいな。ジェットサーモン釣り?なにこれ羨ましい。

 

 

こうして動画を漁りまくって3時間後…

 

 

暇だ。あ、そうだ。

 

 

俺もジェットサーモン釣りやってみようかな?

 

 

よし、そうと決まれば早速やろう。

 

 

今の時刻は5時半。ジェットサーモンは夜の方が活発で凶暴になるので釣りにはもってこいだ。

 

 

早速探索者協会に行こう。

 

 

そして、探索者協会に入ったら

どこかで見たことがあるような人が専用カウンターにいたので声をかけた。

 

 

「そこで何をしているんだ?」

 

「……『修羅』…!」

 

 

慣れた。うん慣れたさ。

 

 

そうやって警戒されるのは。

 

 

…あ〜!思い出した。

 

 

さっき見てた動画の人たちじゃないか。確か、『紅』だったような。

 

 

「ん??あーーなるほどな。『紅』か。レッドオーク討伐おめでとう」

 

「あ…ありがとうございます!あの…、『修羅』さんのアドバイスを貰ったので私たちは今ここにいます。本当にありがとうございました!」

 

「ありがとう」

 

「ありがとな!」

 

 

な、なんだか、心がポワポワするな…。

 

 

こんな感情数ヶ月ぶりだ。

 

 

そう心の中で感激していると、受付の人がやってきた。

 

 

「お待たせしました〜。この木の棒と錆びた剣を鑑定したのですが…。魔力は感じられますが、やはりガラクタでした」

 

「あ〜まあそうだよね……わかってたけど、ちょっとね」

 

「まあ、こればっかりは運でしょうね…」

 

「次に切り替えて行こうぜ」

 

「では、お返しします…。ゴミになるようでしたらこちらで処分しますが…」

 

「いや、記念として取っておきます」

 

「わかりました」

 

 

ほおー木の棒と、錆びた剣ね…………。

 

 

ほおー?!なるほどなるほど、まさかまさか、これを見るのは数年ぶりだな。

 

 

ところで

 

「………それをどこで?」

 

「ああ、これですか?これはレッドオークを討伐した時に…ドロップした物です。ハズレでしたけどね」

 

「外れ、外れか…ふむ…。確かにそうだな、それはそうだろうな」

 

「………?どういうことですか?」

 

 

ふむ、まぁ現時点では見たところ、素材もないし資格もなさそうだから絶対に使えないだろうな。ならば、今ここで教えても…

 

 

いや待て、それじゃあだめだ。

 

 

それをしたらこのチーム『紅』は成長しないだろう。力を過信して命を落とす場合がある。

 

 

それは俺にとっても協会にとっても大きな損失だな。

 

 

ならば…俺ができることは、

 

 

「それは、それらは、ガラクタではない。

ある条件を満たせば、またはある素材と組み合わせれば、その木の棒と錆びた剣は豹変するぞ」

 

 

先行くものとして、道を示すことだ。

 

 




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