とあるSランク探索者の日常   作:カイドウ(かいどう

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第25話

~『剣姫』side~

 

 

ゾワァ!

 

 

今、大気が……震えた?

 

「ぐ、オオオ…」

 

— れ、レッサーリザードたちが、気絶してる…?!

 

 

 

・やばい。マジで今ゾワってなった

・俺もや。なんや今の…

・俺なんて一瞬意識飛びかけたぞ

・一瞬だけど景色が歪んだ気がするんやが…

 

 

 

「……ああ、『威圧』しただけなので」

 

「い、『威圧』ですか…」

 

 

(いや『威圧』だけでこの状況は…)

 

 

本来、『威圧』とは、ある程度場数を踏んできた人が出せるようになる、オンオフの切り替えができるスキルだ。

 

 

とは言っても余程の格下でなければ『威圧』は効かない。

効いたとしても少し相手が警戒するか後退りするかだ。

 

 

——その『威圧』だけで、レッサーリザードを倒したというの…?!

 

 

周囲には気絶したレッサーリザードが数体、他にも小鳥やたまたま木の上にいたモンスターが気絶しており、周囲には生き物の気配が無くなっていた。

たかが『威圧』、されど『威圧』

 

 

使う人間によってはここまでの差があるの……。

 

 

自分もこのレベルになれるのだろうか。

 

 

いや、なりたいから目指してるんだ。頑張ろう。一歩一歩、確実に。

 

 

「よ、よーし!じゃあどんどん潜っていきましょうか!」

 

「了解です」

 

 

今日は、参考にさせてもらおう。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

レッサーリザードをちょいと脅して、一息ついたあと、俺らはどんどん下の階層に進んで行った。

 

 

そして、ほとんどの挑戦者がここで諦めそして散って行った、31層。

俺たちの前には分厚い扉があるが入ったらBOSSがいる。

 

 

そう、前に『紅』のメンバー達が挑んだあのレッドオークだ。

 

「レッドオークはどうしますか?」

「私にやらせてください!これでもAランク探索者なので」

 

 

・いよ!流石『剣姫』

・レッドオークは雷魔法からの剣撃だよ!

・その知識を言った本人が『剣姫』の隣にいるから大丈夫やろ

・今日も期待してる

・頑張れ!

 

 

「みんなありがとう!じゃあ先に行きますね!」

 

「俺も行きます」

 

 

扉を開けると、俺にとっては見慣れたレッドオークが、殺気を撒き散らしながら待ち構えていた。

 

 

 

——オオオオオオオオオオオ!!!

 

 

 

「では、後ろで見守ってます」

 

「了解しました!じゃあ行きます!」

 

 

『剣姫』は剣を取り出すと、そのままレッドオークに切りかかっていった。

 

 

スパ!

 

 

—グオオオオ!

 

だが、この程度でやられるレッドオークではない。

手に持っていた斧を構えると薙ぎ払いをしてきた。

 

そのまま空気を切り裂き、俺の方にも余波がきたが、

 

—ブン!!!

 

手を同じ威力で振れば相殺される。

 

 

「っと?!」

 

 

・あっぶねーー!!

・ワイ、今の一撃で首と胴体がさよならする

・安心しろ。ほとんどの視聴者は首と胴体がなき別れになると思うで

・よく避けれたな…

・てか、『修羅』今の攻撃手で相殺してなかった?笑

・バケモンやろww

 

 

—グオオオ!!

レッドオークは薙ぎ払いしたあと、直ぐに距離を取り、一気に近づき振り下ろした。

 

 

 

 ドオオオオオオン!!

 

 

「くっ…」

 

 

『剣姫』はなんとか空中に避難したが、それを見逃さず、レッドオークは空中に飛び、『剣姫』を殴り飛ばした。

 

 

ドゴ!!

 

「ぐううぅ…」

 

なんとか剣で防いだが、完全には防ぐことができなかったようで、そのまま地面に倒れ込んだ。直ぐに体勢を立て直したが、まだまだ余裕はありそうだ。

 

 

「弱点があるらしいけど、弱点じゃなくても倒せる!『ホーリーカノン』!!」

 

 

——グオオオオ?!?!

 

 

『剣姫』はレッドオークの顔に『ホーリーカノン』を当てた。

 

まさか顔面に来るとは思っていなかったレッドオークにとっては予想外すぎた。目にダメージが入り、錯乱状態になっている。

 

 

「よし、今!」

 

 

『剣姫』はそのままレッドオークに接近すると両脚の腱を切り裂いた。

 

 

—ぐおおお?!

 

 

脚の腱を切り裂かれたレッドオークはそのまま足を後ろにしたままわけもわからず座り込んだ。

 

 

所詮はレッドオークも身体構造自体は人間と同じだからな。脚の腱を切ってしまったらおそらく立てないだろう。

 

 

 

・よし!行けー!

・がんばれ!

・いける!いける!

・そのままトドメをさせ!

 

 

「よし、いける!!」

 

「油断は禁物ですよ」

 

「分かってますよ!」

 

 

さあ、これでラストだ。と言わんばかりに進んでいく『剣姫』。

 

 

そう言えば、『剣姫』って『紅』の攻略動画見てないのか…。

 

 

多分そろそろ発動するんだよな。

 

 

『剣姫』が、レッドオークの首に切りかかろうとした次の瞬間!

 

 

 

…ザッパアアアア!

 

 

「?!」

 

避けることには成功したが、

 

「……マグマ???」

 

 

レッドオークはマグマを使ってきた。

 

 

さあ、『剣姫』よ。ここからどうやって戦うのか。

 




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