~『剣姫』side~
ゾワァ!
今、大気が……震えた?
「ぐ、オオオ…」
— れ、レッサーリザードたちが、気絶してる…?!
・やばい。マジで今ゾワってなった
・俺もや。なんや今の…
・俺なんて一瞬意識飛びかけたぞ
・一瞬だけど景色が歪んだ気がするんやが…
「……ああ、『威圧』しただけなので」
「い、『威圧』ですか…」
(いや『威圧』だけでこの状況は…)
本来、『威圧』とは、ある程度場数を踏んできた人が出せるようになる、オンオフの切り替えができるスキルだ。
とは言っても余程の格下でなければ『威圧』は効かない。
効いたとしても少し相手が警戒するか後退りするかだ。
——その『威圧』だけで、レッサーリザードを倒したというの…?!
周囲には気絶したレッサーリザードが数体、他にも小鳥やたまたま木の上にいたモンスターが気絶しており、周囲には生き物の気配が無くなっていた。
たかが『威圧』、されど『威圧』
使う人間によってはここまでの差があるの……。
自分もこのレベルになれるのだろうか。
いや、なりたいから目指してるんだ。頑張ろう。一歩一歩、確実に。
「よ、よーし!じゃあどんどん潜っていきましょうか!」
「了解です」
今日は、参考にさせてもらおう。
◇◆◇
レッサーリザードをちょいと脅して、一息ついたあと、俺らはどんどん下の階層に進んで行った。
そして、ほとんどの挑戦者がここで諦めそして散って行った、31層。
俺たちの前には分厚い扉があるが入ったらBOSSがいる。
そう、前に『紅』のメンバー達が挑んだあのレッドオークだ。
「レッドオークはどうしますか?」
「私にやらせてください!これでもAランク探索者なので」
・いよ!流石『剣姫』
・レッドオークは雷魔法からの剣撃だよ!
・その知識を言った本人が『剣姫』の隣にいるから大丈夫やろ
・今日も期待してる
・頑張れ!
「みんなありがとう!じゃあ先に行きますね!」
「俺も行きます」
扉を開けると、俺にとっては見慣れたレッドオークが、殺気を撒き散らしながら待ち構えていた。
——オオオオオオオオオオオ!!!
「では、後ろで見守ってます」
「了解しました!じゃあ行きます!」
『剣姫』は剣を取り出すと、そのままレッドオークに切りかかっていった。
スパ!
—グオオオオ!
だが、この程度でやられるレッドオークではない。
手に持っていた斧を構えると薙ぎ払いをしてきた。
そのまま空気を切り裂き、俺の方にも余波がきたが、
—ブン!!!
手を同じ威力で振れば相殺される。
「っと?!」
・あっぶねーー!!
・ワイ、今の一撃で首と胴体がさよならする
・安心しろ。ほとんどの視聴者は首と胴体がなき別れになると思うで
・よく避けれたな…
・てか、『修羅』今の攻撃手で相殺してなかった?笑
・バケモンやろww
—グオオオ!!
レッドオークは薙ぎ払いしたあと、直ぐに距離を取り、一気に近づき振り下ろした。
ドオオオオオオン!!
「くっ…」
『剣姫』はなんとか空中に避難したが、それを見逃さず、レッドオークは空中に飛び、『剣姫』を殴り飛ばした。
ドゴ!!
「ぐううぅ…」
なんとか剣で防いだが、完全には防ぐことができなかったようで、そのまま地面に倒れ込んだ。直ぐに体勢を立て直したが、まだまだ余裕はありそうだ。
「弱点があるらしいけど、弱点じゃなくても倒せる!『ホーリーカノン』!!」
——グオオオオ?!?!
『剣姫』はレッドオークの顔に『ホーリーカノン』を当てた。
まさか顔面に来るとは思っていなかったレッドオークにとっては予想外すぎた。目にダメージが入り、錯乱状態になっている。
「よし、今!」
『剣姫』はそのままレッドオークに接近すると両脚の腱を切り裂いた。
—ぐおおお?!
脚の腱を切り裂かれたレッドオークはそのまま足を後ろにしたままわけもわからず座り込んだ。
所詮はレッドオークも身体構造自体は人間と同じだからな。脚の腱を切ってしまったらおそらく立てないだろう。
・よし!行けー!
・がんばれ!
・いける!いける!
・そのままトドメをさせ!
「よし、いける!!」
「油断は禁物ですよ」
「分かってますよ!」
さあ、これでラストだ。と言わんばかりに進んでいく『剣姫』。
そう言えば、『剣姫』って『紅』の攻略動画見てないのか…。
多分そろそろ発動するんだよな。
『剣姫』が、レッドオークの首に切りかかろうとした次の瞬間!
…ザッパアアアア!
「?!」
避けることには成功したが、
「……マグマ???」
レッドオークはマグマを使ってきた。
さあ、『剣姫』よ。ここからどうやって戦うのか。