~『剣姫』side~
ギイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!
ん?あの蜘蛛は…
「ゴールデンスパイダーか」
「知ってるんですか?」
「ええ、Aランクの魔物です。でも出会う確率がめちゃくちゃ低いのでレアモンスターですよ」
「え、Aランク?!?!え、えっと、ちなみにさっき倒したレッドオークとどっちが強いですか?」
「え?そりゃあもちろん…」
——ゴールデンスパイダーですよ。
え?
ギイイイイイイイイイイイイ!!
あ、来た!
「ここは流石に俺がやります。『剣姫』さんは後ろでのんびりくつろいでください」
「わ、わかりました!役に立てないですけど頑張ってください!あと、結界は貼るので私の方は心配しないでください」
『聖域展開』!!
私の周りに聖なる結界がドーム状に広がった。
これで余波ぐらいは防げるはず!
よし!遂に、『修羅』の戦い方が見れる!
・『修羅』の戦う姿か…
・ネットにあの動画が上がって以来見れてないな
・あれやっぱりCGなんじゃないの?っていっつも思うよ
・気持ちはわかる
しっかりこの目に焼き付けて、強くなる糧にしよう。
『修羅』さん!魅せてください!
◇◆◇
~『修羅』side~
ゴールデンスパイダーが金色の糸を口から発射してきて、それを魔力を軽く纏わせて手で捌いていく。
スパパパパパ——
ギイイイイイイイ!!!
埒が開かないと思ったのかゴールデンスパイダーは突進してきた。
ギイイイイイ!!
ギラっと光るその脚は、並の防具なら一撃で真っ二つになるだろう。
だが、振り下ろされたその脚は魔力で纏われた手で弾き返した。
キイイイイイン!!
だが、ゴールデンスパイダーは至近距離で金色の糸を発射してきて、俺を全身ぐるぐる巻きにした。
すぐさま『身体強化』をして、絡められた糸を強引に引きちぎり、そのままゴールデンスパイダーの脚をもいだ。
ブチイ!!
ギイイイイイイイイ!!!
………これだから痛覚がない奴らは好きじゃないんだよ
もぎ取られたにも関わらずそのまままた糸を発車してきた。
また手で弾き返したが
む?
急に体が重くなった。これは……ああ、久々だから忘れていたが、やってくれたな……!
すぐさま体に魔力を循環させ、それを口から吐く。
——ベシャ!
吐かれた物は、ドス黒い液体だった。
「そういえば、糸に毒を含ませられるんだったな。可愛げがないな」
ギイイイイイイイ!
チッ、今度は魔力も含ませてきやがった。しかもさっきよりも格段に早い!
直ぐに愛用の大太刀を出し全て切り伏せていく。
だが、ゴールデンスパイダーは糸を発射しながら魔力を貯めて、魔法陣を展開しようとしていた。
(………何か仕掛けてくるな)
不自然に魔力を貯めているゴールデンスパイダーに気づいた『修羅』は一気に警戒を上げていく。
ギイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!
直後
魔法陣が展開される———
次の瞬間、
雷が『修羅』に落ちていき、轟音が鳴り響いた。
————ドオオオオオオオオオオオオン!!
自然魔法『天雷』
自然の力を借りて、発生させる魔法。
魔力を馬鹿みたいに使うのと、説唱が長すぎるため、ほとんど使われていない魔法だ。
だが、威力は通常の魔法と比べものにならないぐらい強力だ。
そのため、ゴールデンスパイダーにとってこの魔法は切り札。
Aランク冒険者でもただではすまない。
だが、『修羅』は、Sランクは、文字通り次元が違う。
煙が晴れるとそこにいたのは、
———無傷の『修羅』だった。