とあるSランク探索者の日常   作:カイドウ(かいどう

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第29話

~ゴールデンスパイダーside~

 

 

 

ワタシハ、ウマレタトキカラツネニチョウテンニタッテイタ。

 

 

ジブンノカラダノナカニアル"マリョク"トヨバレルモノヲタイリョウニモッテイタ。

 

 

ダカラ、スベテノセイブツハソノマリョクニオソレ、ワタシニテヲダスモノハイナカッタ。

 

 

ダガ……[探索者]トヨバレルモノタチハムボウニモワタシニタチムカッテキタ。

 

 

ソシテ、スベテノ[探索者]ヲコロシテイクウチニ、ヤツラノツカウコトバもリカイデキルヨウニナッテキタ。

 

 

…………シマッタ、イツモノハナシカタデシャベッテイタ。ツギカラハ、

 

——探索者たちが使っている言葉で喋ろう。

 

 

最初に[探索者]と鉢合わせたのは偶然だった。

 

『お、おい!あれ!あれ見ろよ』

『き、金色の…蜘蛛?!』

『こりゃあ、絶対レアモンスターだろ?!』

『よし、じゃあ僕が魔法を発射するから剣で切ってきて!』

 

 

何かを話しているのは分かるが、当時の私は、文字通り襲われたことがなく、そのまま通り過ぎようとした。

 

その時、

 

 

——『ファイヤースピアー』!!

 

 

 

 

 

………あの出来事で私は殺意というものを知った。

 

 

——先に殺らなければ、殺られる。

 

 

だから、手当たり次第に人数が少ない

[探索者]達を襲った。

 

探索者は私を殺そうとありとあらゆる手を使ってくるが、私は魔力がある。それに糸を吐くこともできるし、毒も吐くこともできた。

 

 

だから、次第に自分の戦い方も分かってきて、自分の強みを生かせるようになってきた。

 

 

だから、調子に乗ってとあるソロの[探索者]にケンカを売ったのが間違いだった。

 

 

その[探索者]は杖を持ち歩いた年老いた雄だった。

 

 

いざ殺そうと、糸を発車した途端。

 

 

『なんじゃあ?蜘蛛風情がワシに戦いを挑むとは』

 

脚の何本かが吹き飛んでいた。

 

 

そのままボコボコにされ、遂に

 

 

『ふむ、なかなかしぶとい蜘蛛じゃのお?

よし!じゃあワシの十八番で殺してやる!』

 

 

『むむむむ、

 

「天の怒りと雷神の力を我に与えたまえ!嵐の神々よ、我が声に応え、全てを貫く雷光を解き放たん!天空に轟く雷鳴よ、我が敵を打ち砕け!『天雷』!!!」』

 

 

私はそのまま吹き飛ばされ、命からがら逃げ出した。

 

もともとあの魔法もあの老人にとってお遊びに過ぎなかったのだろう。

 

だが、その魔法を何度も何度も練習するにつれて遂に自分の切り札にすることができた。

 

 

強かった[探索者]もこれで倒すことができるようになり、私に勝てるやつはいないんだと

 

慢心していた。

 

 

 

 

 

それが、このザマだ。

 

 

私の前方には無傷の【探索者】が立っている。

 

 

私の十八番が……。私の切り札が、無傷で、

 

 

「危なかった。まさかあの爺さんがよく使ってる魔法をやられるとは思わなかった。お陰で切るのは手こずったぞ」

 

 

 

きる?斬る?斬ると言ったのか?アイツは…

 

 

『天雷』が、自然の力が!あの老人が使っていた技が!!

斬れるわけがないだろう!!!

確かにあの老人よりは魔力も技量もないが、紛れもない自然の魔法なのだ。

 

だったら何故?!?!

 

 

 

———いや、まて、何か忘れている。

なんだ、なんだ、思い出せ……

 

そうだ!いつかは覚えていないが、そこそこ強かったやつを追い詰めて殺そうとした時だ。

 

 

 

———お前はいつか!Sランク探索者が殺すぞ!!奴らは自然そのものだからな!

 

 

 

……………そういうことか、そうか、そりゃあ勝てないわけだ。

 

 

自然そのものには、勝てるはずがない。

 

私はこの瞬間全てを悟り、地面に伏せてしまった。

 

 

「じゃあそろそろ死のうか」

 

 

 

ただまぁ、悪い蜘蛛生ではなかったな。

ダンジョンのモンスターの割には、充実していたかもしれない。

 

 

「楽しかったぞ、じゃあ」

 

 

 ジャア……あ、いや、人間の言葉ではこうか。

 

 

「『さらばだ』」

 

 

 

 

——ザンンン!!!

 

 

そこで私の意識はプツリと消えた。

 

 

 

 




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