ヒナ委員長だけじゃなくて、風紀委員のみんなが仲良くはしゃぐ姿が……見たかったのです。
オリジナルの入れつつ、楽しく書いていくのでどうかお楽しみに。
それでは本編は……どうぞ!!!
マッシュ・バーンデッドと風紀委員の夏休み
ゲヘナ風紀委員会
ゲヘナ学園にある委員会の一つ。
銃弾飛び交うキヴォトス内でも特に治安が悪いゲヘナ学園の秩序維持を一手に担っており、同学園の生徒会である万魔殿よりも遥かに恐れられている。
そしてキヴォトス内でも最高レベルを争う程度の過酷な労働環境……そもそも、ゲヘナ全体の治安が悪い点が大きな原因である。
不良生徒がいるなんて当たり前…そんな場所の治安を守っている存在、それがゲヘナ風紀委員会。
ほぼ毎日働き詰めの彼女らだが、ゲヘナを守る事に責任と信念を持っている。
そんな彼女らはいま、その責任と信念という重みを深く……深く背負いながら―――
ザッパーーーーーーーーーーーーン!!!
『いぇ〜〜〜〜〜〜い!!!』
海に来ていた。
「やっぱり夏といえば……海!!!」
「海といえば……青春!!!」
「青春といえば―休み!!!!」
「というわけで……」
『あっそべぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!』
黒い水着を支給された風紀委員達が、キヴォトス某所・アラバ海岸にて大騒ぎに興じている。
「あ、こら!まだ準備運動とか「ヒャッホーーイ!!!」―そこ!せめて日焼け止めを塗ってから入れっ!!……あーもう…」
「イオリ、もう私たちが何を言っても無駄ですよ……ほら、みんなイオリの声なんて届いてないですし」
「はぁぁ……仮にも、仮にも私らは風紀委員だぞ?せめて規律とマナーを守って、羽目を外さない範囲で遊ばないと」
「全く……上司である我々の声を無視するだなんて……ヒナ委員長!ヒナ委員長からも何か………あれ、ヒナ委員長?」
「アコ行政官、ヒナ委員長のならあそこですよ…ほら」
「それ〜〜〜」バシャバシャ
「キャ…!――先生…お返し!」バシャ!!
「アブッ――やりましたね?」
「ふふ、倍返しってやつよ……それ!」バシャ!!
「ンブブ――お返し返し…です」バシャャ!!
「ふふふっ、先生!もっと行くわ…!それっ!」
「あそこで先生と仲良く水遊びしてますから」
「ぬぁぁぁぁぁぁぁーー!!そこの席は私が予約していたのにィィ!!!!」
「してないでしょ……それにしても…すごい笑顔。委員長って、あんなに楽しそうに遊んで笑ったりする人だったんっけ…?」
「先生と会ってから、全てが変わったようですね―いい方に」
風紀委員会の行政官・天雨アコ、切り込み隊長・銀鏡イオリ、救急担当・火宮チナツの三名は、我先にと海に飛び込んではしゃぐ風紀委員を横目に、これまでのブラックな環境からは想像できない光景に半ば置き去りにされたまま、淡々と準備を整えていた。
彼女らが見つめる水上にいるのは、小学校の頃から使っているらしいスクール水着を着た自分達の上司、風紀委員長・空崎ヒナ。彼女は今、とある青年と水を掛け合って無邪気に遊んでいた。
その青年こそ、連邦捜査部シャーレ顧問────
風紀委員のうち二名は和やかに、アコはマッシュに嫉妬の視線を向けながら、水を掛け合う二人を見守っていた。
ここまでに至った理由、それは遡ること数週間前のことである。
「――バカンスに行きます!!!!」
「……はい?」
「バカンス…?また急だね」
「…あら?いまいち反応が薄いですね……冗談で言ったのではないのですけど」
「いまいちも何も」
「いきなり呼び出されて何かと思えば……バカンス…ですか?『どうぞ、楽しんでいらしてくださいね』ぐらいしかいえないのですが」
「な、何を言っているんですか!私の休暇の話ではありません!……と言いますか……私、ただ休暇を自慢するためだけに皆さんを呼び出した嫌な奴だと思われていたんですか!?あんまりです!!」
「私情で先生のこと恨んで、いちいち私たちに愚痴ってくるのに?」
「委員長が先生と仲良しと聞くたび『私の方が仲良いのですが!!?』って叫んでいるのに…ですか?」
「うぐ…そう言われたら……って、今回の話はそれと関係ないじゃないですか!!」
ゲヘナ学園内の一室にて、ゲヘナヒナイインチョウダイスキー*1こと天雨アコが、唐突にバカンスという文言を放ってイオリとチナツを呼び出した。
「……話を戻しますと、今回バカンスを楽しむのは私ではなく――風紀委員全体です!」
「………………は?」
「…あの…アコ行政官?お疲れでしたらそこのソファで」
「私の頭がおかしくなったわけではありません!───本当に、皆さんでバカンスに行きますよ」
「気でも狂ったのか?…私達はゲヘナの風紀委員会だぞ?そんなバカンスなんて言ってる暇ないでしょ?」
「普通なら、そうですね――しかし!!」
アコはイオリに指を刺し、自信満々に、ハツラツと言い放つ。
「今回は………マッシュ先生の協力の元!休暇を手に入れる事に成功したのです!!」
「――嘘でしょ?」
「本気と書いてマジです!
「先生が協力を……何故いきなりそんな」
「ただいま帰りました」
不意に、部屋のドアの方から声がした。イオリとチナツが後ろを向くと…そこにはよく知っている人物、マッシュ・バーンデッドの姿が――
「この僕、バカンスサポーターのマッシュがね。シュコー」
「ツッコミどころが多すぎる!!」
右手にはモリ、左手には浮き輪、背中には酸素ボンベを背負い、顔にはシュノーケリングのゴーグルをつけ、頭には麦わら帽子をかぶっているマッシュ…否、バカンスサポーターのマッシュがいた。
「なんだ、なんだその夏の全部を詰め込んだ姿は!!」
「マッシュ・バーンデット(バカンスサポーター)だよ、シュコー」
「一回一回ホースを吹かなくていいんですよ?」
「よく戻ってきてくれました、バカンスサポーターのマッシュさん」
「え……なに?今回のアコちゃんは
「ミッションコンプリート、問題解決しました」
「ご苦労様です……これは報酬の限定メロンシュークリームです」
「わ〜〜い」
「……ミッション、問題、とは?」
「よくぞ聞いてくれました……今回のバカンスの目的の一つに――ヒナ委員長に青春をたらふく味合わせると言ったものがあるのです」
そう言ってアコはホワイトボードを引っ張り出すと、書かれた要項やイラストを一つ一つ解説していく。
「委員長は最近、エデン条約調印前ということもあり、全くと言っていいほど休めておらず……なんなら青春なんて一切味わっていません」
「……まあ、確かに」
「私は思いました…このままヒナ委員長が休みを取らず倒れてしまったら……ゲヘナは壊滅し、キヴォトスは滅亡すると!!」
「先生がいるので、それはないと思うけど」
「シャラップ、ゲヘナフッキンケッテアシイタメター!」
「誰がゲヘナフッキンケッテアシイタメターだ!!後あれは先生がおかしいだけだからね!!」
「とにかく!! このままでは委員長が倒れてしまいます………なんとかしなければ、そう思った時、協力してくれたのが!」
「僕だよ」
「その通り!シャーレの権限を使えるだけ使って、今回の休暇を用意しました!!」
「えぇ…!?」
「そこ…まで?」
「うす」
アコの言葉に、マッシュがグットマークを作って頷く。この休暇のために海岸の貸切、海で遊ぶための道具と救護用の道具、そして食材などありとあるものを全てマッシュが用意した。ただし費用負担はゲヘナやシャーレの経費ではなく、マッシュのポケットマネーによるものである。
「最初こそ、ヒナ委員長だけに楽しんでもらうつもりでした……しかし、先生がそれを拒否しまして」
「せっかくの休暇なら、みんなで楽しまないと意味無いじゃないですか」
「と、いうことなので……その言葉に甘え、我々も休暇を取る事になった…という事です」
「大体はわかった……それで、さっきのミッションって?」
「我々の休暇を邪魔する、ありとあらゆるものの排除です」
『排除!?』
そう言ってアコは、ペンを持ちホワイトボードに書かれている文章を丸で囲んで説明。
「まず一つ目、我々が不在になったことをいいことに、暴れ倒してやろうと企んでいる輩がいるはずです……挙げるなら、美食研究会と温泉開発部ですね」
「その二つの部活に、僕が説明したんです―『邪魔したら許しません』って」
「説明になってませんよね?」
「まあそれでなんとか説得して、休暇中は何も問題を起こさないでいてくれるみたいです」
(ほとんど脅しな気が…)
「二つ目、我々が休暇を取ると知った瞬間、無理難題や理不尽ばかり言ってきたタヌキ達の対処…です」
「あの頑固な議長が許すとは思えないんだけど…」
「あ、そこは大丈夫です……何故なら」
「―――イロハァ!!なんだこの量のシュークリームはぁ!!」
「……はぁ、マコト先輩が風紀委員の休暇に対して無理難題を言って辞めさせようとしたせいで、先生が怒ってこれを送りつけてきたんです」
「な、なぜだぁ!!私はただ、風紀を守る集団が、休暇なんて楽しんでいいはずがない!! 仕事しろ! と言っただけだぞ!」
「娯楽を見つけ楽しむこともできない委員長に休暇は不要……とか言ったからじゃないですか?」
「うぐぅ」
「……もういいから食べちゃいましょう、たったの1000個です、この前の10000よりマシですよ」
「お……おのれ――おのれマッシュ・バーンデッドぉぉ!!!!」
(ヒナ委員長が絡むとすぐああなるんですから……はぁ………)
「と言う具合にしておいたから」
「うわぁ……」
「かわいそう……では無いですが、お気の毒に」
「まああのたぬき達にはいい薬です……そして最後に三つ目、我々がバカンス地に選んでいるこの海岸には、複数のヘルメット団が存在していました……そしてその集団は現在抗争中らしく、海岸の責任者の方がかなり困っていました」
「……もしかして」
「そう………というわけで――手っ取り早く先生に動いてもらいました」
「だろうね!?」
「みんなにお仕置きしたら、黙って離れていってくれました……そのお礼に、その場所を貸切にしました」
「流石……と言うか…」
そこまで説明して、アコはホワイトボードを片付ける。そして緩やかな、優しみのある声で話す。
「先生がおっしゃっていました、『頑張っている人たちにはご褒美をあげないと』…と。私達はそれを拒否ることはせず…受け取る、それがいいと、私が判断しました」
「………ま、まあ………たまには…そう言うのも…いいか」
「海……ですか――フフッ、少し楽しみですね」
「僕も楽しみすぎて、今にでも飛び出しそうです」
「………あー、けどさ?委員長がそれ許したの?……委員長のことだし、『風紀委員にそんな時間はない…ふざけないで』って怒る可能性も――」
真面目、冷静、どんな時でも厳しく規律を守るゲヘナの風気委員長……そんな人が休暇を大人しく取るとはイオリは思わなかった……
けれど、ヒナはマッシュと出会い変わった――つまり
「先生、ここにいたのね」
「あ、い、委員長!私は別に休暇に関しては――」
「さあ―夢のバカンスプランを考えましょう✨✨」
(頭に麦わら帽子、右手には可愛い浮き輪、左手には水鉄砲、そして顔にはゴーグルをつけている)
「委員長が一番楽しみにしてたぁぁぁっっ!!!?」
「はぅ―!…かわいいが…………すぎ……まひゅ……」
「よし……どんどんバカンスについて、考えちゃいましょう」
「ええ!✨✨」
ヒナ委員長の夏休み&風紀委員の夏休み、それは今―始まった。
時系列的には、マッシュ君の傷が完全に治って大体数週間後と思ってくださいませ。
たくさんの評価、誠にありがとうございます!!一気に伸びて……その、ヒェッと思った作者です!!本当に感謝いたします!!
これからも頑張っていくので、どうかよらしくお願いします!!
それでは恒例の家族話をおば短めですが。
『兄者……デスモモイってなに?』
『知らない、マジでわかんない』
『カンタンハスミって?』
『さあ……』
デスモモイって何?って聞かれても……ねえ?
励みになりますのでコメントと評価、どうぞよろしくお願いします!
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