今回、この作品のマコト様はこうですよ!!という説明回…?にもなります。こうでもしないと、こう、ハッピーになれなさそうだったので、少し改変いたしました。
それでは本編へ……どうぞ!
「キキキッ!よく来たな、シャーレの先生!」
「どうも、元気そうですねマコトさん」
「あぁ!このマコト様はいつだって万全だとも!」
「それはよかった」
「久々に会えたことを嬉しく思うぞ先生………しかし一つツッコミを入れさせてもらおう―――何故ここのドアを破壊した!?」
ゲヘナ自治区――万魔殿、議事堂。
高級そうなソファにローテーブル、周囲を高価な絵画とゲヘナ校章の描かれた垂れ幕で覆われた部屋は、やけに広く煌々としている。
そんな場所のドアを、マッシュは例の如く破壊してやってきた。その手に破壊した高そうな手に持ちながら、マッシュはマコトと向かい合う。
「すみません、押し戸か引き戸わからなくて」
「だからと言って壊す奴があるか!!どうしてくれる!」
「……すみません…直します」ズゥゥゥゥン
「ふ、ふん!直せるものなら直してみろ!それはキヴォトス有数の職人にわざわざオーダーメイドで設置させた特注品だ……そう簡単に直るわけは―」
ギコギコギコッ!ダダダダダダッ!
「よし、意外と簡単だったな」
「そん……な……ばか…な……注文してから、出来上がるまで…二週間は、かかったんだぞ?」
「弁償費用の方は後でシャーレに連絡をください」
「あ…いや……直してもらったし…いい」
「そうですか」
(くぅ、ダメだ……このままでは先生のペースに流されてしまう…気持ちを切り替えなければ)
マコトはマッシュのペースに乗せられないように気合を入れ直すべく、両手で頬を打ち据えると、ソファに体を預けてマッシュに向き直る。
「どうぞ、こんなものしか出せませんが」
「どうも……って、君は?」
「あ、まだ自己紹介をしてませんでしたね。万魔殿・戦車長の
「マッシュ・バーンデッドだよ、よろしくね」
「……シュークリームの件では、色々とすみませんでした」
「あー…ありましたね、そんなこと」
「キキキッ……いや、あれはほんとにすまなかった―なのでもう勘弁してくれ」
以前、ヒナに休暇をプレゼントをしようとしたマッシュはマコトと連絡を取った際、マコトがシュークリームをバカにしたことに怒り、万魔殿に向けて10000個のシュークリームを送りつけた。
結果的に万魔殿はシュークリーム恐怖症になりかけた。
「ま、まあその話は置いておいてだ……先生、漸くこの万魔殿の議長であるマコト様に協力の申し出をする気になったのだな!」
「うん?」
「キキキキッ……シャーレと万魔殿、この二つが力を合わせれば、ゲヘナの風紀委員会如き簡単に壊せる筈だ、至って論理的な判断だと云える――いや、ゲヘナどころかキヴォトスすらも手中に出来るだろう……計算は完了した、さぁ、直ぐにでも計画を実行しようではないかッ!先生!」
「ビンタ一発、行っときますか?」
「なに!?」
「そりゃそう言われますよ」
マッシュがここを訪れたのはあくまでもは形式的な問題で、マッシュはエデン条約にも参列する。いわゆる顔合わせ、もしくは挨拶というだけである。
「キヴォトスを手中に収めるとか、全然興味無いんで」
「く、くくっ、愚かだな先生……ここキヴォトスを支配すれば、なんでも思い通りに――あ、まて、話し合おう先生、だからそのビンタの練習はやめてくれ」
「……あの、そろそろ帰っていいですか?私も暇じゃないのですが」
「マコト先輩、そんな話はいいので、さっさと本題に入ってはいかがですか?アコ行政官も呆れてますし」
「あれ、アコさんいつの間に」
「ずっといましたが? なんですか、そこまで存在感がないとでも言いたいのですか?」
「アコさんの存在感がないなら、僕なんて空気に溶けて消えちゃいますよ」
「喧嘩売ってるんですか!!?」
先ほどからずっといたというのに、全然話題にもならずむしろ忘れかけられていた天雨アコ。イライラとしながらも、マッシュの隣に座り、マコトと会話する。
「私を呼んだのは、ちゃんとした理由があるのでしょうね?」
「勿論だとも――さて」
その時、マコトの雰囲気が変わる。いつものマコトではなく万魔殿の議長として、ゲヘナのトップとして、その貫禄や威厳を表に出す。
「本題に入ろうか」
「なんか、結構大事な話ですか?」
「かなり…な」
「………内容は」
「キキッ……先生……この羽沼マコト様は――アリウス分校と会合し、敵対した」
「……………んんん???」
「アリ…ウス?、あの、遠い昔にトリニティから追放された…あの?」
「待ってくださいマコトさん……そもそもどうしてアリウスと会ってたんですか?」
「それも含めて、全て話そう――アリウスの計画と、それを指揮している存在をな」
マコトはキリッとした口調と顔で、アリウスと敵対した理由を話した。その内容に、アコは言葉を失い、マッシュはいろんな気持ちが混合してしまった。
―――――――――――――――――――――――
数週間前・キヴォトス内にある廃墟内。
「キキキッ……来てやったぞ、アリウス分校よ―さぁ、話を聞かせてもらおうか」
「焦るな、万魔殿の議長。急かずとも話はする」
「……ほんとにこんな少人数で来たんですね」
「契約、だったからな」
「こちらは私とイロハ、そしてゲヘコの三人だけ。そちらは……十名か」
「アリウススクワッドからは私だけ、むしろそれで十分だ」
「…ふん」
「――あの、何故、私まで…ここに?」
「暇そうな人が貴方しかいなかったので」
「軽い!理由が、軽いです!!」
向かい合う形で立っている集団、片方はマコト・イロハ、そして何故か巻き込まれたシュークリームクラブのゲヘコ。
もう片方はアリウススクワッドの1人、錠前サオリ、そして同じような服装なアリウス生徒9名。
これらが今宵、大事な会談をしようと集まっていた。
「リーダー、準備が整いました」
「わかった――羽沼マコト、計画の全貌は……我らが生徒会長がお話しする」
「…生徒会長だと?」
「おい」
「はっ」カチッ
アリウス生の1人がボタンを押すと、マコトの斜め前にホログラムが映し出され、生徒会長と呼ばれる存在が姿を現した。
『初めまして…私はベアトリーチェ、アリウス分校の生徒会長にして……貴方の契約相手です』
「……大人?」
「人……なのか?」
一見すると美しい紅色の皮膚を持つ女性、けれど目は複数あり、その雰囲気はまさに異常……そして自分たちとは違い大人。そんな大人が、今回マコトと会談をすることになっていた。
『時間も惜しいですし、早速本題へと移りましょう』
「……そうだ、話してもらおう――エデン条約、それを破綻させる…そんな計画をな」
(え、エデンを破綻に!?)
マコトがアリウスと会合した理由、それはエデン条約を破綻させる計画を聞くためであった。マコトはトリニティと和解する気は無く、このエデン条約も大反対。
そんな時にアリウスの方からいい話があると言われ、マコトはそれを受諾、契約するために、ここまでやってきた。
『まずは、計画について説明しましょう……内容は至ってシンプル。調印式の会場…そこに、我々が開発した大型の爆弾を投下し、一面諸共火の海とする…それが第一段階です』
「火の、海に?」
「その爆弾とは?」
『巡航ミサイル程度の大きさを持つ…非常に強力なものです。威力はすでに検証済み、死にはしなくとも……キヴォトス人が重傷を負うほどの力を持っています』
「……それを、人が大量にいる調印式の会場に投下する、と?」
『正義実現委員会、ゲヘナ風紀委員会、シスターフッド、ティーパーティー……その全てを無力化します。それが計画の第一段階』
ミサイルを投下し強力な力を持つものを一層する、それが計画の第一段階。
『次に第二段階、調印式の会場であるあの場所……その地下から、我がアリウス分校の兵士達が現れ――その場にいる全員を一掃します』
「あの場にはあのマッシュ・バーンデッドがいる……その点についてはどう思っている?」
『あの爆発で生きていると思えませんが、その点についてもちゃんと考えてあります――あれを彼女に』
「了解」スッ
「ナイフと、赤色の弾薬?」
『対先生用ナイフと、弾薬です。それを使って……あの男を再起不能にし、確保します』
「この武具で、あの男を止められるのか?」
『ええ…威力は実証済みですので』
そう言ってアリウス生二名が、黒いバックをマコトの前に置き、ゲヘコがそれを確認する。中には対先生用のナイフと弾薬が大量に詰まっており……それを渡すと、ベアトリーチェは言っていた。
「我々に同盟を申し出た理由は、なんだ?」
『我々にゲヘナの内部情報を流してもらおうかと、思いましてね……その代わりに、貴方達万魔殿の身の安全だけは保証します』
「……全てが終えた後、ゲヘナとトリニティを完全にこの世から消し……その領土全てを、我がアリウス分校が手に入れる」
『その、約三割を……貴方に頂戴しますよ、羽沼マコト』
「……ふ、ふふふふっ―なるほど……なかなかどうして、面白い計画を立てているんだな…アリウスの生徒会長よ」
『貴方にとっても、悪い話ではないでしょう? その兵器は貴方達に差し上げます……協力をしていただけるのであれば、それ以上に差し上げます。三割の土地には、我々アリウス分校の兵士を何名か派遣します……それを、どうぞお好きに使いなさい』
ベアトリーチェの目論見はゲヘナとトリニティを文字通り地図から消すこと、そしてその領土を自分のものとし、新たなアリウス分校を作り上げる。その三割をマコトに頂戴する……と言っているのだが、こんなものは嘘。
ベアトリーチェは利用するだけマコトを利用し、そのまま捨てるつもりだった。
アリウスからしてみれば……これは復讐、自分たちがされたことを、やり返す……これはそういうことだ。
『貴方はトリニティもゲヘナの風紀委員にも憎悪を燃やしている……これは、そんな憎悪を対象を排除する、絶好のチャンスなのです』
「……」
『貴方がトップに立っているゲヘナ……その中にいる生徒達も、こう思ってるはずです…貴方が邪魔だと、そもそも慕われていないそんな生徒達を…どうして貴方が守る必要があるのですか?―答えは、ありません』
(…なん…だ、この、この女の…声は……何故、何故こうも……体が、震える?)
ベアトリーチェの声を耳に入れるたびに、体が震えるのを感じているゲヘコ、それはイロハも同じだった。大人の圧……それも、悪い大人の圧を、2人は感じ取っていた―――しかし
「確かに一理ある……自分を慕ってもくれず、むしろ嫌悪している…そんなもの達を守る必要は、無い」
『フッフッフッ…そうでしょう?』
「敵対関係が続いているトリニティと仲良くする……そんなものはごめんだ」
『その通り』
「あのにっくき風紀委員……いや、風紀委員長を排除し、このマコト様がトップに君臨する…キキキ、素晴らしい事じゃないか」
『そして貴方にとっての一番の障害……マッシュ・バーンデッドも排除できます』
「さんざんこのマコト様をバカにしてくれた……あの先生を倒せる……いいことかもしれんな」
『――フフフッ、全てが…決まったようですね……サオリ』
「了解………この契約書にサインをしろ」
ベアトリーチェは笑みを浮かべ、サオリは契約書をマコトに差し出す。イロハは何かの準備をこっそり始め、ゲヘコは何かを言おうとしていた。
「……最後に確認しておこう、本当に…本当に全てが終わった後、このマコト様が領土の三割を貰っても良いのだな?」
『ええ……約束します、その代わり貴方はゲヘナの内部情報と……マッシュ・バーンデッドの肉体、それを提供してくれれば良いのです……ギブ アンド テイク…というやつです――さあ、その契約書に…サインを!』
ベアトリーチェの口角が上がり、人間らしくない表情が見えた――その瞬間
「だが断る!!」
『――――なに?』
「こんなものは……こうだ!」ビリッ!
「っ!」カチャッ!
「フッハハハハハハハ!!」
マコトはベアトリーチェの提案を拒否した後、笑いながら契約書をビリビリに破いていく。アリウス生徒とサオリはそんなことをしたマコトに銃口を向ける。
「このマコト様が二番目に好きなことを教えてやろう……それは、自分で自分のことを強いと思ってるやつにNOと断ってやる事だ!」
『ここまでの話を聞いていなかったのですか?』
「聞いていたさ――貴様のくだらない計画をな」
『…………くだらない…ですって?』
「ああくだらない……全てを消し、その上に立つ?――はっ! そんなものになんの意味がある!!」
マコトは大きく両手を広げ、その場に響き渡るようにして叫ぶ。自信満々に、勇気凛々に、勇ましく、己の気持ちを全て吐く。
「このマコト様は確かに、あの風紀委員長・空崎ヒナや、トリニティの連中が嫌いだ…特に空崎ヒナに関してはもうほんっとうに大っ嫌いだ」
『ならば―』
「しかしそれとこれとは話が別だ……空崎ヒナを消す?―そんなことをこのマコト様が許すと思うか?」
『何故…何故、何故ですか! 貴方はあの風紀委員長に勝ちたいと、そう願っていたはずです! この計画が成功すれば、それこそ、あなたの勝利に!』
「その計画に使うものを作ったのは誰だ? お前達だ……それを実行するのは誰だ? お前達だ……だめだ、それではだめなのだ」
マコトは広げていた両手を前にし、ぎゅっと語る。
「
『なんと……無駄な…』
「無駄で結構……それに貴様は何か勘違いをしている…確かにこのマコト様はトリニティが嫌いだ――しかし、根絶やしにするつもりはもうとうない」
「憎いんじゃないのか……排除したいと思っていたのではないのか」
「一体いつ、このマコト様が奴らを排除したいだなんて言った?」
「…っ!」
「それに話を聞いていれば……貴様、そもそもこのマコト様に領土を渡す気などないな? いいように利用して、あとは捨てる……ふん、そんなものはお見通しだ」
マコトはイロハとゲヘコの前に立つと、2人の頭を撫で始める。
「それに慕ってくれもしないと言ったが、少なくともこの2人や、万魔殿のもの達は私を慕ってくれているさ」
「ぎ、議長……」
「……まあ、それなりに」
「特にこっちのゲヘコは、私に憧れて入ってきたらしい……愛着が沸いている、私の大事な後輩だ」
「………だから、なんだというのだ」
「この後輩にはトリニティの友や、他校の友もいる……その者達を消して、ゲヘコが泣き続けるのはごめんだ」
「議長〜〜!!!」
「まあここまでさんざん言ってきたが……まとめるとだな」
マコトはビシッ!とベアトリーチェの方を指差し、バカにしているような、ドヤっているような、そんな表情で叫ぶ。
「その全てを見下しているかのような目を持つ貴様が気に入らん!!
私に憧れてくれている後輩を泣かす、そんな存在になるつもりはない!
お前達の力を借りて勝った勝利などつまらんし意味は無い!!
そしてなによりも………マッシュ・バーンデッドを敵には回したく無い!」
(多分最後のが一番の理由だろうな…)
「総合的に言おう――この契約は破綻だ!!」
高笑いをしながら、何かの準備進めるマコト。そんなマコトを他所に、ベアトリーチェは怒りの様子を見せる。
『――生意気な……小娘が』
「なんだ、そっちが本性だったのか? やはり信用ならんな、大人というのは」
『黙りなさい――いいでしょう…それなら、もう貴方にようはありません』
「……そういうことだ…とても、残念だ、羽沼マコト」
アリウス生徒達はマコトの方へと銃口を向ける、負けじとゲヘコも銃を構える。そんな時、マコトが少し笑いながら問いかけた。
「アリウス分校よ――芸術が何か知っているか?」
「……なに?」
「イロハァ!」ヌギッ
「了解…!」ブンッ!!
マコトが迅速かつ専念された動きで羽織っていた上着を脱ぎ、それをイロハに渡す。その上着をアリウス生徒らに向けてイロハは投げつける。
「なんのつも……!!全員下がれ!」
「ゲヘコ! そのカバンを持ってダッシュだ!!」
「ええっ!?」
「ぽちっとな」ポチッ
イロハが四角いボタンを押した瞬間、マコトの上着が大爆発。眩い光と轟音、そしてかなりの威力がある爆破がアリウス生徒らを襲った。
(服の中に爆弾を…!)
「フハハハッ!油断し切って我々の体を調べなかったのがいけないのだぞ?―やはり、貴様らの指揮官は頭が悪いのだな!」
「マコト先輩も人のこと言えないじゃないですか」
「なんだと!?」
「さ…さすがは、さすがは我らがマコト議長!!」
「こんなこともあろうかと、服の中に閃光弾と爆薬を仕込んでおいたのだ! そしてその二つの爆弾は温泉開発部から頂戴しているのでな、かなりの威力だ!!」
三人の手にはアリウスから渡された弾薬とナイフの入ったバックが所持されており、さっきまでいた廃墟からはかなりの距離がある場所まで逃げていた。
「このマコト様を舐めすぎていたな、これでも私はあの空崎ヒナの同期だ……それなりに早く動ける」
「これからどうするつもりですか?」
「決まっているだろう?――全てをマッシュ・バーンデッドに報告し……奴らを止めるのだ」
「議長……一生、一生ついていきます!!」
アリウスとの会合を得て、計画の全貌と資源の確保、並びに逃走成功……そう、マコトはアリウス分校との勝負にある意味勝利した。
マコトは確かにヒナに嫌がらせを行ったり、万魔殿の議長として機能していないことも多々ある……しかし外道では無い。
「……ある意味、私もあの男に毒されたな」
マッシュがいなければ、受託していたかもしれない。大変なことになっていたかもしれない……やはり、マッシュの存在は、どんな生徒にとってもデカいのだ。
「まあ先生にビビりまくってるだけですけどね」
「それをいうなイロハァァ!!」
こうして、マコトはアリウスと完全に敵対……そしてそれから日は流れ。
今に至るのだった。
マコト様がベジータみたいになっちまった……そしてご都合展開になりました。けれど後悔は……九割してません!!
この作品のベアトリーチェはめちゃくちゃ計画の内容を喋りました、同盟を結んでくれると信じ込んでたので……その結果がこれですが。
励みになりますのでコメント評価、どうぞよろしくお願いします!!
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