透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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勢いだぁ〜理事をフルボッコ〜〜!

書いてて楽しかったです、やっぱ悪役はフルボッコするに限る。

後半はほとんど勢いがすごくてカイザー理事が可哀想になってます、ごめんね。

それでは本編へ…どうぞ!


マッシュ・バーンデットとカイザー理事

 

 

 

アビドス砂漠

 

 古くより、アビドスのシンボルとも呼べる砂漠として存在していた地域。観光名所だったのか、かろうじてその近辺までは列車で向かうことが可能となっている。

 

 向かう電車の中、車窓から地平線を眺めたマッシュは目を輝かせて気分を高ぶらせ、座席からその姿を見る対策委員会は微笑ましく見守っていた。

 

 

 

 

 

「アビドス砂漠、砂漠化が進む前から元々砂漠だった場所かぁ……」

 

「普段から壊れたドローンや警備ロボット、オートマタなどが徘徊している危険な場所ですから、十分に注意をして進みましょう」

 

「了解~」

 

 

 

 アヤネの言葉に、全員が頷きながら砂漠を見据える。

 

 何故かは知らないが、この砂漠地帯にはオートマタやドローン、ロボットの類が多数、頻繁に徘徊しているとの情報が寄せられている。

 

 砂に沈んだ街に配備されていたものが誤作動を起こしたのか、或いは磁気の狂いによる異常動作を含め、立てられた仮説は多いが真相解明には至っていない。別の理由があるのか。最早調べる理由も余力もなくなってしまったアビドスにとっては、謎のままで残されていた。

 

 

 

「念の為、今一度火器の動作チェックをお願いします」

 

「砂塵には気を付けないとですね~☆」

 

「帰ったらまた、分解清掃かぁ……」

 

「暴発は怖いからね、手入れは大事」

 

「腕、足、共に異常なし…いつでも暴れられるよ」

 

「暴れないでね先生、…よし、気をつけて行ってみよー!」

 

 

 

 

 

 生徒達とマッシュが、武器を準備してアビドス砂漠へと歩を進める。その道中、予想通り警備ロボットやドローンが襲ってきた…

 

そして、早速ハプニングが発生する。

 

 

 

 

 

 

バキッ!!ゴッ!!

 

バァァォン!!!

 

 

 

 

 

 マッシュは先程の言いつけを忘れたのか、手加減なく次々と襲いかかる敵を粉砕し始めた。

 

 

 

 

「暴れちゃダメってさっき言わなかった!?」

 

「大丈夫だよ」

 

「なにが!?こんなに暴れちゃったら騒ぎを聞きつけて……あれ、誰も来ない」

 

 

 

 

 これだけの大暴れ、それこそ増援が招集されてもおかしくない暴れっぷりでガラクタの山を積み上げたマッシュだったが、一定数破壊したところで敵らしいものは一切見なくなった。

 

 

 

 

「警報を鳴らす前に壊す、そして目撃者を1人残らず倒せば実質的に隠密

 

「脳筋すぎんのよそれ!!…けどなんか、納得した私が嫌よ!」

 

「うへ〜…ま、何はともあれこの調子でいけば大丈夫だねぇ…よし、先生!どんどんやっちゃおう」

 

「OK」

 

 

 

 

襲ってくるものはことごとく破壊していくマッシュと、それに釣られて自分らも暴れるアビドス生徒達、するとアヤネが何かを見つけた。

 

 

 

『……っ?皆さん、前方に何かあります!……巨大な町、工場・・・・或いは駐屯地?と、とにかく物凄く大きな施設のようなものがあります!』

 

「こんなところに施設?何かの見間違いじゃなくて?こっちからは特に何も見えないけど……」

 

『見間違いでは無いと思うのですが……取り敢えず肉眼で確認できるところまで進んでみて下さい!』

 

 

 

アヤネが言うものすごく大きな施設へ向かって、進み出す……そして、そこで信じられないものを発見した。

 

 

 

「……なにこれ?」

 

「でかい…とてもでかい」

 

「工場?石油ボーリング施設、ではなさそうな……」

 

 

 

砂漠の奥地にあったのは本当に巨大な施設だった。

 

 

 

「この張り巡らされている外壁と有刺鉄線、数キロメートル先まであるよ」

 

「かなり大規模ですね、これは工場でしょうか? 石油ボーリング施設、ではなさそうな……一体何でしょう?」

 

 

 

ノノミが中を覗き込みながら首を傾げる中、隣に立つホシノは厚く、砂塵に塗れた外壁に手を当てながら口を開く。

 

 

 

「――こんなの、昔はなかった」

 

 

 

少なくとも二年前、まだホシノがアビドス生徒会として活動していた時――この砂漠へと足を運んだ当時、こんな大規模な施設は存在しなかった。

 

つまり、この施設は比較的最近建設されていたという事になる。

 

 

 

「砂漠に工場……怪しすぎる」

 

「先生の言うとおり、怪しすぎるよ…けど、ここで下手に動いたら―」

 

 

 

その瞬間

 

 

 

「伏せて」

 

「わっ!」

 

 

ダダダダダダダダダッ!!

 

 

集中射撃がマッシュと対策委員会を襲った。マッシュはホシノを伏せさせて攻撃を回避しながら、襲撃者の正体を見極める。見れば、比較的外装の整ったオートマタ兵士が、銃を手に此方を狙っていた。

 

 

「侵入者発見!」

 

「逃がすな、拘束しろッ!」

 

 

 

此方に銃口を向けながら叫び、周囲に集まり出す兵士達。

 

 

 

「そこのお前動くな!動いた瞬間、その足を撃ち抜―」

 

 

 

ガンッ!!

 

 

 

「くぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?」 

 

 

 

 

マッシュはオートマタ兵士が何かを言う前に殴り飛ばした。あまりにも早すぎる抵抗に他兵士達はしばらく困惑する。

 

 

 

 

「え…ええ!?」

 

「ん…絶対にやると思った」

 

「先生!?暴れちゃダメだって!」

 

「ホシノさんホシノさん、ここって敵の本拠地みたいなところなんですよね?」

 

「ま、まあ…多分………あっ」

 

「――ここにいる奴ら全員を戦闘不能にしたら…実質バレてないことになりますよ」

 

「ん……なるほど」

 

「それもそうですね〜!」

 

『ほ、ほんとにやるんですか!?』

 

「やるしか……ないわよねー!」

 

「――えぇーいもうこうなったらやけくそ!来た敵全員倒すよ!!」

 

 

 

ホシノの合図と共にアビドス生徒達は攻撃を開始、バレるとか関係なし

 

ただひたすらに攻撃しまくる。

 

 

 

「お、お前達正気か!?こんなことをすれば『ふん』ぎゃあ!?」

 

「みんな、戦車とかきても大丈夫、全部壊すから」

 

「頼りになる〜…」

 

「よーし、おじさんも暴れまくっちゃうぞ〜」

 

 

 

ノノミがミニガンの弾を敵に浴びせられ、素早く動くセリカとシロコ、そしてホシノに翻弄される。

 

そしてオートマタの義体は、マッシュの拳一つで簡単に破壊される。機械でありながら死の恐怖に直面した兵士たちは陣形を崩し、士気が下がって防戦一方となってしまう。

 

 

 

 

「よ、よし!増援だ!これで──ビュン!──は?」

 

「なんだぁぁ!?」

 

「こ、これは……銃弾!?」

 

「あの男、銃弾を投げ返して増援部隊を攻撃してやがる!!小銃弾の飛ぶ距離じゃないぞ、一体どうなってやがるんだ!?」

 

 

 

 増援として砂漠の上を走る戦車や装甲車が集まり始めるが、マッシュは掴み取った銃弾を投げ返すことで、攻撃を受ける前に遥か遠方から増援部隊を一方的に攻撃し続ける。増援部隊は手出しも出来ないまま大打撃を受け、撤退を余儀なくされた。

 

 

 

 

「り、理事を呼べ!あの人が来れば『させん』あびゃぁ!?」

 

「連携が取れない―あ、あいつのせいだ!!」

 

 

 マッシュが指揮をしているオートマタ兵士を早々に倒してしまったので指揮も何もない…戦車も現れるが

 

 

 

「フッ!!」ガシャァァァァァァン!!

 

 

 

めちゃくちゃ簡単に破壊される。

 

 

 

 

「大人しくしなさい!!じゃないとああなるわよ!!」

 

「どっちみち壊され―ぎぁぁぁ!!?」

 

「な、なんで戦車も破壊されるんだぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 アビドス砂漠には、数時間に渡って兵士達の絶叫が響き続けたのだった。

 

 

 


 

 

 

 

一方その頃 とあるオフィス

 

 

 

 

「……私だ。侵入者…まあおそらくアビドスの連中だろうが、そいつらの排除もしくは捕獲…………は?ま、待て…今何と言った?壊滅寸前と言ったのか!?」

 

 

 

大柄な義体を持つ人物は電話越しにいる部下を怒鳴りつける。

 

 

 

「ふざけるなよ貴様!!戦車や砲撃はどうした!…撃墜され、さらには戦車も一撃で破壊されただと!?っ、もういい!わたしが直接行く!」ガンっ!

 

 

義体の人物は別の場所へ連絡、今残っている兵力でそこへ行き侵入者の対処をしようとする……しかし

 

 

「たったの…50……だと?―っ、構わん!ヘリを出せ!!」

 

 

ヘリへ乗り込み、自分の兵士達を壊滅寸前に追いやった者達へ怒りを燃やしていたのだった。

 

 

 


 

 

 

 

「殲滅完了」ドンッ!!

 

「うへぇ、すごい量の瓦礫だ…」

 

「でも、これでしばらくは静かになる」

 

「結構疲れましたねー…何気に粘られましたし」

 

「今のうちにぱぱっと調べちゃいましょう?」

 

 

 

 

あたりに散らばっているオートマタ兵士の破片や戦車の残骸を後ろにアビドス生徒&マッシュは歩く、マッシュは無傷だ。

 

さっきいた場所に着くと辺りを散策…そしてアヤネが何かを見つけた。

 

 

 

『皆さん、外壁に何か、ロゴかマークの様なものが……』

 

「マーク?」

 

 

 その言葉に、全員がアヤネの指差した方向へ視線を向ける。

 

 皆が外壁に近付きマッシュが徐に張り付いていた砂埃を払うと、僅かに掠れたマークが目に飛び込んで来た。

 

 

 

「これって……」

 

「このマーク、この集団は――」

 

 

 

描かれていたマークは、三角形にクロスする帯。

 

そしてその下に記された企業名――

 

 

『KAISER PMC』

 

 

「――カイザーPMC」

 

 

ホシノがどこか、呆然とした様子で呟いた。

 

 

「……今、照合しました、ホシノ先輩の仰る通り、これはカイザーPMCのものです」

 

「カイザー……カイザーって、こいつらもカイザーコーポレーションって事!?」

 

「そういう事みたいだね」

 

「なんてこった……僕ボコボコにしちゃった……まあ敵だからいっか」

 

「カイザー……カイザー、カイザー、カイザーッ! どこへ行ってもッ! 一体、何なの!?」

 

 

 

 

アビドスから金をせしめて、ブラックマーケットと繋がっていたのはカイザーローン。

 

頸の廻らなくなったアビドスに甘言を囁き、土地を奪ったのはカイザーコンストラクション。

 

そしてそれを裏から支援するカイザーコーポレーション――それに加えて、今度はアビドスの砂漠にカイザーPMC。

 

一体、幾つ系列企業を並べれば気が済むのか。

 

生徒達は表情を歪め始めた。

 

 

 

「『PMC』という事は、まさかさっきのオートマタは――」

 

「?ノノミどうしたの」

 

 

ロゴを見つけた瞬間から、どこか険しい表情を浮かべていたノノミ。

 

 

シロコが疑問符を浮べれば、真剣な表情で外壁を見つめるノノミが呟く。

 

 

「PMCとは、Private Military Company……民間軍事会社の事です」

 

「ぐ、軍事って……!?」

 

「ヘルメット団のようなチンピラとはレベルが違います、本当に組織化されたプロの戦闘集団……文字通り、軍隊です」

 

「……成程、だからあんなに粘り強かったのか」

 

「退学した生徒や不良の生徒達を集めて、企業が私兵として雇っているという噂がありましたが、まさか…」

 

 

 

ノノミがそこまで口にした所で、突然けたたましい警報音が周囲に鳴り響いた、生徒達は敵がくると思い身構える……が。

 

 

 

「………来ない?」

 

「もしかして…さっき襲いかかってきた奴ら全員、ここにいたんじゃないの?」

 

「じゃあ僕達、全員倒しちゃったんだ……どうしよ」

 

『えっと…とりあえずあの警報を壊しておきましょう』

 

「ん、了解」

 

 

 

シロコが鳴っている警報器を破壊する、すると空からヘリが数台やってくる。

 

 

 

「増援!」

 

「ここからじゃないって事は…別の場所から?」

 

「どうする?打ち落とせるけど」(瓦礫を持っている)

 

「と、とりあえず待機ね?」

 

「うす」

 

 

 

そしてそのヘリから50人前後のオートマタ兵士達が現れ、その中心から1人の人物が現れる。

 

 

 

 

「……なんだこれは…一体…この場で何があった!!」

 

「なんか偉そうな人が来た」

 

「いかにもボスって感じね」

 

「――そうか…アビドス!やはり貴様らか!よくもこんな真似を!!――待て…落ち着け私…いくらここの(キヴォトス)住人と言ってもそんなことできるわけがない…そうだそうに違いない」

 

「なんか1人でぶつぶつ言い始めた…そう言う年頃なのかな」

 

「違うでしょ」

 

「…あいつは…確か」

 

 

 

 

赤のスーツを着込み、特徴的なラインヘッドを用いた機械人形――人物だった。

 

その大柄な体躯は優に二メートルは超えるだろう。

 

 

 

 

「……初めましてかな、アビドスの生徒達」

 

「さっきまで声荒げてたよね?」

 

「わたしはカイザーコーポレーションの理事を務めている者だ――つまり、君達アビドス高等学校が借金をしている相手だよ」

 

「え、うそ!?」

 

「じゃあこの人が……」

 

 

 

 

「極悪非道会社の親玉だ」

 

「誰が極悪非道会社の親玉だ貴様!!!」

 

 

 

 

 配下の兵員や所有地を荒らされてもなお大人の余裕を強調するつもりだった理事だったが、マッシュの遠慮ない一言には我慢ならず激怒した。

 

 

「……まあいい、わたしはもっと正確に云えばカイザーコーポレーション、カイザーローン、そしてカイザーコンストラクションの理事だ、現在はカイザーPMCの代表取締役も務めている」

 

「――そんな事はどうでも良い、要はあなたがアビドス高校を騙して、搾取した張本人って事で良い?」

 

「……ほう?」

 

「そうよ!ヘルメット団と便利屋を仕向けて、ここまで私達をずっと苦しませて来た犯人があんたって事なんでしょ!?あんたのせいで私達は……アビドスはッ!」

 

 

 

続けてセリカがカイザー理事の所業を糾弾すれば、彼はアイラインを何度か点滅させ、呆れたとばかりに首を横に振る。

 

 

 

「――やれやれ、最初に出て来る言葉がソレか、呆れ果てたぞアビドス」 

 

「何ですって……!?」

 

「勝手に私有地へと侵入し、善良なる我がPMC職員たちを攻撃し、施設を散々破壊しておいて…ここまで本当にやりおって…くくっ、面白い」

 

「……善良な職員にしては、何の警告もなしに発砲されましたけれどね」

 

「正当防衛さ、何せ見知らぬ人物が家に無断で入り込んで来た様なものだからな。強盗相手なら、君達とてそうするだろう?」

 

「………」

 

「――口の利き方には気を付けた方が良い、ここはカイザーPMCが合法的に事業を営んでいる場所、まず君達は今、企業の私有地に対し不法侵入しているのだという事を理解するべきだ」

 

「っ……!」

 

 

 

カイザー理事がそう告げると、周囲を囲んでいたオートマタが一斉に銃口を突き出した。その威嚇行為にアビドスは一歩退き、悔し気に表情を歪ませる…

 

 

フリをしていた、なぜならもうすでにマッシュが迎撃体制に入っており、いつでもやっつけられるのだ。

 

 

 

「さて、話を戻そう――アビドス自治区の土地だったか、確かに買い取ったとも、しかし、だからどうした? 全ては合法なる取引、記録も全て確りと存在している……まるで私達が不法な行為をしているかのような云い方はやめて貰おう、それとも此処には私を挑発しに来たのかね?」

 

「っ、どの口で……!」

 

「正直、何故君達が此処に来たのかは知らないが……どうしてアビドスの土地を買ったのか、その理由が知りたいのか?」

 

 

 

カイザー理事がそう問いかければ、背後で彼を睨みつけていたノノミが答える。

 

 

「……確かに、こんな砂漠に大規模な施設を建築してまで何をしているのか、その理由は気になります」

 

「ふむ――ならば教えてやろう、私達はアビドスのどこかに埋められているという宝物を探しているのだ」

 

「!?」

 

「……そんなでまかせ、信じる訳ないでしょ!?」

 

「それはそう、もしそうだとすると、このPMCの兵力について説明がつかない――この兵力は、アビドス自治区を制圧する為のものじゃないの?」

 

「……数百両もの戦車、数百名もの選ばれし兵士達、数百トンもの火薬に弾薬――たった五人しか在籍していない学校の為に、これ程の用意をすると本気で考えているのか?

 

「!」

 

「冗談ではない、そんな非効率的な行為を企業が許容するものか、あくまでこれは、どこかの集団・企業・学園に宝探しを妨害された時の為に用意した備えだ、ただそれだけの、君達の為に用意したものではない……君達程度、いつでも、どうとでも出来るのだよ――例えばそう、こういう風にな

 

 

 

そう言って理事が電話を出し、何かを囁こうとした瞬間

 

 

 

ピンっ!

 

 

 

「私『ガシャ!』…だ……は?」

 

 

 

 

 

何かが飛んできて、その電話を貫き破壊した、すぐにカイザー理事はアビドス達の方へ向くが、すでにアビドス達は銃口を下に向けていた。

 

マッシュが弾丸を弾いて電話を破壊したのだ。

 

 

 

 

「いったいどこから…『あの、すみません』……ああそうだ、君は誰かね?ヘイローも持っていない君は」

 

「マッシュ・バーンデッドです、この子達の先生です」

 

「先生……か、なら自分の教え子の教育ぐらいしたらどうなんだ?」

 

「しましたよ。悪い事はしちゃダメ、ボコボコにしていいのは悪いやつだけって

 

「矛盾しているような気がするが─―まあいい、話を戻そう…なにかな?」

 

「なんかさっきからペラペラ言ってますけど……いずれにせよ、この子達を騙して、利用したってことは事実なんですよね?」

 

「……ふっ、そうだ」

 

「やっぱり!」

 

「だがそれがなんだ?私には…今はほとんど壊滅させられたが、まだまだ兵力がある、財力もあれば権力もある…武力もな」

 

 

 

理事は前に少し出てそう話す。

 

 

 

「…なんか偉そうですね、初対面なのに」

 

「身分が違うんだよ先生…君らと私では住む世界が違う、身分が違えば対応も違う…そんなこともわからないのかね?」

 

「ふーん」

 

「これだから脳の無いバカは嫌いなんだ……なんの力もない弱者達に、なぜ私がここまで時間を使わなければならないんだ」

 

「あんた…いい加減に」

 

 

 

 

セリカが前に出ようとするとそれをマッシュが止める。

 

 

 

 

 

 

「なんだ?文句があるのなら言ってみるといい……いいか?私は大人で貴様らは子供だ、対応も違うのも当然だらう?…それもわからないバカなお前達に教えてやろう……それがこの世界の仕組―

 

 

 

ゴッ!

 

 

 

 

ミィィィィィィィィィィィィィィ!!!?

 

 

 

 

 

マッシュは理事の顔へ向けて膝蹴りを放った。くらった理事は顔を押さえながら後ろへと下がる。

 

 

 

 

『――り――理事もいったぁぁぁぁ!!?』

 

「な、貴様!何をして『動いたら』」

 

「全員ヤります」

 

 

 

 

 マッシュの目が一瞬にして猛獣のように鋭くなる。もし下手に動いて気に障る真似をしたら、確実に死ぬ──妙な確信を得た兵士達は、その場から動けずに硬直する。

 

 

 

「ごめん、話が通じなさそうだったから……つい」

 

「いや、ついって!一応その人にお金借りてるんだけど!?」

 

「まあ1人やったら2人目も同じだし」

 

「殺人鬼の理論!」

 

 

 

 

 

「――わ……私に…この私に手を…出したな?」

 

 

 

 

理事はフラフラとしながらも、大人の威厳を守るためマッシュを見る。

 

 

 

 

「お前が手を出したと言う事は、生徒達も同罪だ!!いいか!?私はお前達の借金をいつでも増やせるんだぞ!?――今ここで増やしてやろう!変動金利を3000%

 

 

ドパッ!!

 

 

じょうしょぉぉぉぉぉぉぉ!!!!?

 

 

 

 

マッシュはカイザー理事の顔に砂を叩きつけた。

 

 顔から砂を払って吐き出す理事を横目に、マッシュは地面の砂を掘り進めて穴を開け始める。

 

 

 

 

「カッーペッ、ペッ!!な、なんだこれはぁぁ!す…砂だとぉぉ!?」

 

 

ヒョイ

 

 

「―な」

 

 

スボッ!!

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁっっ!!?」

 

 

 

 

マッシュは理事を持ち上げ、そのまま掘った穴の中へと放り込んだ。

 

 理事は体が埋没し、頭だけが砂上に出ている状態となっている。

 

 マッシュは理事に向かって、周りに避けた砂を埋め直すように盛っていく。

 

 

 

 

ザザザザッ!!

 

 

 

「ちょ、まっ―え、ぺっ!ちょちょちょ!何してんのおまえぇぇ!!?」

 

 

 

「埋めます」

 

 

 

「ええぇぇぇぇぇ!!?」

 

 

 

 

マッシュは理事の話に耳を傾けず砂を入れ続ける、そんな光景を見て、オートマタ兵士やアビドス生徒達は唖然としている。

 

 

 

 

「っ――こんなことをしてただで済むと思っているのか!?私は借金を『貴方が』」 

 

 

マッシュはとても冷徹な目で見下ろし、冷たい声で言う

 

 

『みんなの借金をいつでも増やせるように、僕も貴方をいつでも埋められる』

 

「!?」

 

『牢屋に閉じ込められようと、体が半分なくなろうと、銃弾や砲撃で瀕死になったとしても、這いずってでも埋める…僕にはそれができます』

 

 

 

 

 

シュババババ!!!

 

 

マッシュは砂をどんどん入れていく、理事は生き残るため必死に声を上げる。

 

 

 

 

「わ、分かった!!分かったこうしよう!!さっき増やすと言った発言は取り消す!」

 

「……」

 

 

 

 

シュババババ!!!

 

 

 

 

 

「のわぁぁぁー!!?な、ならこれはどうだ!?今ある借金を…に、二割減らしてやろう!それでどうだ!!」

 

「……」

 

 

 

シュババババ!!!

 

 

 

 

 

「モゴガガガッ!!よ、よーし分かった!!半分だ!これ以上は勘弁してくれ!だからこれをオゴガガガガッ!!?」

 

「……みんな、どう?」

 

「―――あ、うん、それでいいよ」(理事が可哀想になってきたので少しだけ許した)

 

「仕方ないのでやめてあげます」

 

(よ、よかった!これで助かる――ッチ!半分には減らしてやるが…後日必ず報復をしてやる!いまに見ていろ!!)

 

「……けど」

 

「?」

 

「なんかキリが悪いので、続けます」

 

 

「はぁぁぁぁぁっっ!!?ま、まて、ほ、ほんとにやめろ!や、やめ!ギッ!」

 

 

 

『ギャァァァァァァァッ!!!?』

 

 

 

 


 

 

 

 

 数十分後、脅しに根負けしたカイザーが借金の総額を半分まで減らしたことによって、この一件は事実上マッシュと対策委員会の勝利に終わった。

 

しかし必ず報復はある…どうしようかと思っていたが。

 

 

 

「@__@_g&i_gptgtd!!…##&/_&/&!?」

 

「り、理事が言語能力を失っている!?」

 

「砂に埋もれていたせいで内部の機能が色々とバグったんだ!」

 

「とにかく今日は帰ろうか」

 

「☆1÷+÷45>〆6÷2÷55!!!」

 

「…けどその前に」

 

 

マッシュは足に力を入れ

 

 

ガンッ!!

 

 

埋まっている理事の顔を蹴り飛ばした、その衝撃で埋まっていた理事の体は外へと飛び出した。

 

 

理事は完全に伸びていた。

 

 

 

「先生…やりすぎですよ〜?」

 

「なんかさっきまで憎ったらしいかったけど、今はもう…可哀想になってきたわ」

 

「とりあえず帰ろっか……先生?」

 

「……ん?」

 

「怒ってくれたんだよね?ありがとう……けど、もうやっちゃダメだよ?」

 

「……善処します」

 

「ん……帰ろう、校舎に」

 

 

 

 

 くるりと背を向けたマッシュに続き、対策委員会はカイザーPMCの基地を後にした。その後、兵士達によって運び出された理事は

 

 

 

 

「――…?私は…今まで何を?何故ここにきている?」

 

 

 

蹴られた衝撃で記憶障害を起こし、基地に向かった理由を完全に忘れていた。思い出せるのはただ一つ、マッシュの脅しに負けて借金の総額が半減したという事実だけだった。

 





スッキリ♪

マッシュ君ならこうするでしょと思って書きました、アニメと漫画のこのシーンで一生笑ってたので入れました。

次回は多分黒服でしょう……今のところアルゼンチンバックブリッカーを食らわせることになりますが…はたして?

次回もお楽しみに。励みになりますので評価とコメント!あと活動報告!どうかよろしくお願いします!

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